資料8 p1 内閣府 障害者政策委員会 ご説明資料 「ショッピングセンターにおける障害者差別解消法に係る取り組みについて」 2024年3月7日(木曜日) 一般社団法人 日本ショッピングセンター協会 参与(公共政策) 村上 哲也 p2 1.ショッピングセンター(SC)業界について(1) ○SCは全国小売売上高の約22%を占める最大の流通セクターである。 ○SCはディベロッパーとテナントの共同事業であり、多様な業種、規模のテナントが集積し、国民の消費生活を支えるとともに、地域の人々の交流・憩い等の場となっている。 ■SCの現状(2022年) 総SC数:3,133 総テナント数:164,653店 テナント総売上高(推計):28兆897億円 (※日本ショッピングセンター協会調査) ■最近の郊外型大規模SCの例 「イオンモール豊川」(2023年4月4日オープン時点情報) 総賃貸面積:約63,000u テナント数:約190店 駐車場台数:約3,000台 ■関連業界の売上高(2022年) 全国小売売上高:154兆4,020億円 (出所)経済産業省:商業動態統計 EC売上高:22兆7,449億円 (出所)経済産業省:電子商取引に関する市場調査 他の流通業界売上高 百貨店業界:5兆5,070億円 (出所)経済産業省:商業動態統計 スーパーマーケット業界:15兆1,533億円 (出所)経済産業省:商業動態統計 コンビニエンス業界:12兆1,996億円 (出所)経済産業省:商業動態統計 ドラッグストア業界:7兆7,087億円 (出所)経済産業省:商業動態統計 飲食業界:19兆2,036億円 (出所)(一般社団法人)日本フードサービス協会のデータを基に推計 (参考)2022年統計データ 全国小売売上高:154兆4,020億円 (出展)経済産業省:商業動態統計 EC売上高:22兆7,449億円 (出展)経済産業省:電子商取引に関する市場調査 他の流通業界売上高 百貨店及びスーパー:20兆6,603億円 (出展)経済産業省:商業動態統計 コンビニエンスストア:12兆1,996億円 (出展)経済産業省:商業動態統計 ドラッグストア:7兆7,087億円 (出展)経済産業省:商業動態統計 飲食:19兆2,036億円 (出展)一般社団法人 日本フードサービス協会 (※売上高は推計) p3 1.ショッピングセンター(SC)業界について(2) ○売上は回復基調にあるも道半ばであり、コロナ以前(2019年比)で▲3.9兆円、88%で推移 ■SC売上高の推移(2008年から2022年) 2008年:27.3兆円(税込) 2009年:26.9兆円(税込) 2010年:27.4兆円(税込) 2011年:27.4兆円(税込) 2012年:28.2兆円(税込) 2013年:28.9兆円(税込) 2014年:29.7兆円(税込) 2015年:31.1兆円(税込) 2016年:31.3兆円(税込) 2017年:32.0兆円(税込) 2018年:32.7兆円(税込)/31.7兆円(税抜) 2019年:32.0兆円(税抜) 2020年:24.9兆円(税抜) 2021年:25.8兆円(税抜) 2022年:28.1兆円(税抜) p4 1.ショッピングセンター(SC)業界について(3) ■2022年末既存Cの年代別SC数・構成比 1950年代:SC数13,累積パーセンタイル0.4% 1960年代:SC数52,累積パーセンタイル2.1% 1970年代:SC数269,累積パーセンタイル10.7% 1980年代:SC数397,累積パーセンタイル23.3% 1990年代:SC数862,累積パーセンタイル50.8% 2000年代:SC数905,累積パーセンタイル79.7% 2010年代:SC数532,累積パーセンタイル96.7% 2020年代:SC数103,累積パーセンタイル100% (※日本ショッピングセンター協会調査) p5 1.ショッピングセンター(SC)業界について(3) ■2022年末既存SCの店舗面積別SC数・構成比 店舗面積:3千u以下,SC数:140,累積:140,累積パーセンタイル:4% 店舗面積:3千u超6千u以下,SC数:508,累積:648,累積パーセンタイル:21% 店舗面積:6千u超9千u以下,SC数:498,累積:1146,累積パーセンタイル:37% 店舗面積:9千u超12千u以下,SC数:432,累積:1578,累積パーセンタイル:50% 店舗面積:12千u超15千u以下,SC数:318,累積:1896,累積パーセンタイル:61% 店舗面積:15千u超18千u以下,SC数:254,累積:2150,累積パーセンタイル:69% 店舗面積:18千u超21千u以下,SC数:196,累積:2346,累積パーセンタイル:75% 店舗面積:21千u超24千u以下,SC数:126,累積:2472,累積パーセンタイル:79% 店舗面積:24千u超27千u以下,SC数:117,累積:2589,累積パーセンタイル:83% 店舗面積:27千u超3千0u以下,SC数:102,累積:2691,累積パーセンタイル:86% 店舗面積:3千0u超33千u以下,SC数:68,累積:2759,累積パーセンタイル:88% 店舗面積:33千u超36千u以下,SC数:43,累積:2802,累積パーセンタイル:89% 店舗面積:36千u超39千u以下,SC数:34,累積:2836,累積パーセンタイル:91% 店舗面積:39千u超42千u以下,SC数:37,累積:2873,累積パーセンタイル:92% 店舗面積:42千u超45千u以下,SC数:35,累積:2908,累積パーセンタイル:93% 店舗面積:45千u超48千u以下,SC数:35,累積:2943,累積パーセンタイル:94% 店舗面積:48千u超51千u以下,SC数:24,累積:2967,累積パーセンタイル:95% 店舗面積:51千u超54千u以下,SC数:16,累積:2983,累積パーセンタイル:95% 店舗面積:54千u超57千u以下,SC数:15,累積:2998,累積パーセンタイル:96% 店舗面積:57千u超6千0u以下,SC数:27,累積:3025,累積パーセンタイル:97% 店舗面積:6千0u超,SC数:108,累積:3133,累積パーセンタイル:100% 中央値:11,986u/平均:17,350u (※日本ショッピングセンター協会調査) p6 1.ショッピングセンター(SC)業界について(4) ■オープンSCのテナント数の業種別構成比推移(2015年から2022年) 2015年 物販:64.5%,飲食:18.1%,サービス:17.4% 2016年 物販:63.6%,飲食:18.0%,サービス:18.4% 2017年 物販:63.1%,飲食:18.0%,サービス:18.9% 2018年 物販:62.9%,飲食:18.1%,サービス:19.0% 2019年 物販:62.7%,飲食:18.1%,サービス:19.2% 2020年 物販:62.0%,飲食:18.1%,サービス:19.9% 2021年 物販:61.9%,飲食:18.1%,サービス:20.0% 2022年 物販:61.7%,飲食:18.1%,サービス:20.2% (※日本ショッピングセンター協会調査) p7 2.取組事例(イオンモール)〜ハード面〜(1) ■イオンモールにおけるユニバーサルデザイン≪7つの原則≫ UD(ユニバーサルデザイン)/イオンモールのUDの取り組み 1.『公平な利用』/障がい者・健常者、年齢、国籍、性別に係らず全ての人が利用しやすい事。 2.『フレキシブル』/自由度のある使い方ができる事。 3.『シンプルで直感的』/説明なしで直感的にわかる事。 4.『わかりやすい情報』/サインピクトなど一目でわかる事。 5.『間違いの許容』/誤操作をしても次の補助的操作がある。 6.『少ない身体的負担』/少ない労力や短い時間で行う事。 7.『接近し使用するためのサイズとスペース』/車イスやベビーカー連れの人でも利用できる大きさ・空間づくり。 p8 2.取組事例(イオンモール)〜ハード面〜(2) ■1.『公平な利用』/ベビー、幼児、障がい者への対応 キッズトイレ、優先トイレ、ベビールーム、フードコート内キッズコーナー、誘導サイン 他に、訪日外国人への対応として ・「インバウンドサイン手引書」作成 ・免税カウンターの設置(一部) ・サービス案内やSNSなどで4ヶ国語(一部日英)対応 p9 2.取組事例(イオンモール)〜ハード面〜(3) ■4.『わかりやすい情報』/判りやすいサイン 従来は、ゲート式や下がり壁のサインを用いたが、テナントファサードに干渉しないよう工夫を重ねる。 入口にゲートサイン(東員)→下がり壁にサイン(幕張新都心)→テナントファサードに干渉しない単独サイン(岡山) p10 2.取組事例(イオンモール)〜ハード面〜(4) ■7.『接近し使用するためのサイズとスペース』/障がい者用駐車場システムの導入 登録された車のみが駐車できる「車番認識ゲートシステム」により、車番をカメラ認証してゲートが開くため、健常者による違法駐車が無くなり、障がい者が駐車できないというクレームが解消した。 (1)ナンバー認証で自動でゲートが開き、入場できる。 (2)他店で使用している共通リモコンでもゲートを開けることができる。 (3)出口ゲート前で一時停止すると自動でゲートが開く。 (「イオンモール新利府 南館」障がい者登録者専用駐車場) p11 2.取組事例(仙台ターミナルビル株式会社)〜ハード面〜(5) <車椅子利用者への対応> ・車椅子のまま飲食できる座席を用意 ・車椅子利用者等用駐車スペース塗装整備 2023年8月、地元高校生と青葉ロータリークラブのボランティア共同企画として実施 もともと駐車スペースは確保していたが、分かりやすく青く塗装し、バリアフリーへの理解を深めた p12 2.取組事例(サンシャインシティ)〜ソフト面〜(1) <ユニバーサルデザインに基づく施設整備を踏まえたHPによる情報提供の充実> HPによる情報提供においては以下を行っている。 ・障がい者、障がい者団体による調査・監修 ・施設所有者、店舗等が一体となった情報の共有・更新 (参考:バリアフリー情報サイトトップ画面、バリアフリールート案内図等) p13 2.取組事例(羽田空港第3ターミナル・EDO MARKET PLACE)〜ソフト・ハード面〜 触知案内図・点字パンフレット 各案内カウンターに用意されている。 補助犬トイレ 補助犬(盲導犬、聴導犬、介助犬)専用のトイレを設置。 p14 3.合理的配慮について 「合理的配慮は、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、社会的障壁の除去の実施については、必要かつ合理的な範囲を行うことを求めている」 「合理的配慮は、障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体的場面や状況に応じて多様かつ個別性の高いもの」 「社会的障害の除去のための手段及び方法について、過重な負担の要素を考慮し、代替措置の選択も含め、双方の建設的対話による相互理解を通じて、必要かつ合理的な範囲で、柔軟な対応がなされるもの」 → (1)障害者等の利用を想定して事前に行われる建築物のバリアフリー化 (2)介助者等の人的支援、従業員に対する研修等 (3)情報アクセシビリティの向上等の環境の整備 (1)から(3)を基礎とし、 「個々の障害者」、「置かれている状況」→「個別に実施される措置」 よって、各場面の整備状況により合理的配慮の内容は異なる p15 3.合理的配慮について 【事例】 1.車椅子使用者用駐車施設の使用の適正化の問題 2.商業施設内での補助犬同伴対応等 3.店舗(物販店、飲食店等)における車椅子利用の対応 4.館内の案内等を希望されたときの対応 5.障害者に対する施設に関するわかり易い情報の発信、提供(館外→館内→店舗・付帯施設) 【施設の取組】 施設に係るバリアーの点検・確認(ハード面のバリアー、情報等のソフト面に関するバリアー) (当事者の意見を聞くことが重要/施設の立地、利用者特性等によって異なるニーズもある) 実現可能性の程度、費用・負担の程度等を考慮し、過重な負担にならない範囲で取り組む。 ハード面のバリアーですぐに対応できないものについては、個別バリアーごとに運営面での対応を決めておく。 【運営面での対応の重要性】 ・施設のスタッフがバリアフリーに関する情報と対応方法を共有していること ・施設で発生した対応事例の蓄積と共有を行うこと ・店舗スタッフに対する研修等の環境整備を行うこと ・組織体制を明確にし、施設の対応力を高めること 等