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障害者施策トップ障害者白書 > 平成12年度版 概要

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平成11年度 障害者のために講じた施策の概況に関する年次報告について
(平成12年版「障害者白書」の概要)


第1編
第1部 障害のある人の生活を豊かにする福祉用具と共用品
   〜バリアフリー社会を実現するもの作り〜
第1章 バリアフリー思想のあゆみ
1 バリアフリーの意味
2 バリアフリー思想の変遷
1 バリアフリーに係る施策
2 ユニバーサルデザイン理念の登場


第1編
 第1部 障害のある人の生活を豊かにする福祉用具と共用品
  〜 バリアフリー社会を実現するもの作り 〜

第1章 バリアフリー思想のあゆみ
第1節 障害者を取り巻く4つの障壁

 政府は平成5年3月に「完全参加と平等」の実現に向けて「障害者対策に関する新長期計画−全員参加の社会づくりをめざして−」を策定した。その中で、障害のある人を取り巻く4つの障壁を指摘し、これらを除去し、バリアフリー社会の実現を目標として掲げている。
 この、障害者を取り巻く4つの障壁とは、

  1. 歩道の段差、車いす使用者の通行を妨げる障害物、乗降口や出入口の段差等の物理的な障壁
  2. 障害があることを理由に資格・免許等の付与を制限する等の制度的な障壁
  3. 音声案内、点字、手話通訳、字幕放送、分かりやすい表示の欠如などによる文化・情報面での障壁
  4. 心ない言葉や視線、障害者を庇護されるべき存在としてとらえる等の意識上の障壁(心の壁)である。

第2節 バリアフリーとは

1 バリアフリーの意味
 バリアフリーとは、障害のある人が社会生活をしていく上で障壁(バリア)となるものを除去するという意味で、もともとは建築用語として使用されていた。現在では、障害のある人だけでなく、全ての人の社会参加を困難にしている物理的、社会的、制度的、心理的な全ての障壁の除去という意味で用いられている。

2 バリアフリー思想の変遷
(1) 国際連合のバリアフリーへの取組
 1972年(昭和47年)に、臨時機関連絡会議は、障害のある人の社会参加を阻害する物理的・社会的な障壁を除去するための行動が必要であると提言した。これを受け、1974年(昭和49年)6月、バリアフリーデザインに関する専門家会合が、「バリアフリーデザイン」という報告書を取りまとめた。
 また、1976年(昭和51年)6月に、社会的障壁に関する専門家会合が、障害のない人による障害のある人に対する制度的障壁や意識上の障壁があることを指摘している。1982年(昭和57年)には、「国連障害者の十年」の目標として「障害者に関する世界行動計画」が定められ、この計画の重要な柱として、物理的、社会的障壁の除去、機会均等化が盛り込まれた。
 さらに、1993年(平成5年)の第48回国連総会において採択された「国連障害者の機会均等化に関する標準規則」においても、「障害のある人々が権利と自由を行使することを妨げる障壁」があることを指摘している。

(2) 我が国の動き
 日本においては、昭和40年代半ばより、福祉のまちづくりとして建築物等の障壁除去について様々な取組が行われた。平成5年に策定された「障害者対策に関する新長期計画」の中では、バリアフリー社会の構築を目指すことが明記された。さらに、平成12年3月21日に、政府は内閣に「バリアフリーに関する関係閣僚会議」を設置した。これは、真のバリアフリー社会を築くために、関係各省庁の大臣が集まって幅広く議論する場として設置したものである。
 このように、バリアフリーという理念は、障害のある人に対する施策の中から生まれたが、今や障害者施策の理念に止まらず、全ての国民が安全かつ快適に生活できる社会の構築のための基本理念に発展している。


第3節 バリアフリーに係る施策

1 バリアフリーに係る施策
 政府は、バリアフリーの実現のために多くの施策を実施している。

(1) 物理的な障壁の除去に係る施策
 公共施設・建築物のバリアフリー化、交通機関・道路のバリアフリー化、住宅のバリアフリー化、製品・機器のバリアフリー化及びまち全体のバリアフリー化

(2) 制度的な障壁の除去に係る施策
 「障害者に係る欠格条項の見直し(平成11年8月9日障害者施策推進本部決定)」による、障害者に係る欠格条項を定めた63制度について一斉の見直し。

(3) 文化・情報面の障壁に係る施策
 手話通訳者の養成研修や手話奉仕員等派遣事業、各種情報の収集・提供、字幕番組等への助成など。また、情報リテラシーに制約のある障害のある人がIT(情報通信技術)を利用するための施策を進めている。

(4) 意識上の障壁の除去に係る施策
 障害者の日(12月9日)等の集中的な広報啓発活動の実施、学校教育におけるバリアフリーの考え方に関する教育の充実等。

2 ユニバーサルデザイン理念の登場
 バリアフリーの理念による取組は、障害のある人々にとっての障壁を取り除く上で成果を挙げてきた。しかし、バリアフリーの理念による取組は既存のものを改良する取組に限られがちであり、様々な条件の制約を受けやすい。また、障害の態様は多様であるため、視覚障害者のための誘導ブロックが車いすの通行の妨げとなる等、ある障壁を除去することが別の障壁を作り出してしまうということも起こる。
 近年、設計段階からすべての人々が共通して利用できるようなものや環境を構想する「ユニバーサルデザイン」という考え方が提唱されている。障害のある人々を含め誰もが使えるものや環境が作られれば、障害のある人々は特別扱いを受けずに、自然に社会に溶け込んでいくことができる。今後、ユニバーサルデザインの考え方による製品や環境が広まることにより、ノーマライゼーションの実現した社会に大きく近づくことが可能となる。


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