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第1編 > 第3章 > 第2節 > 1 障害のある人の雇用の場の拡大

第2節 雇用・就労の促進施策


1 障害のある人の雇用の場の拡大


(1)雇用率制度を柱とした施策の推進

ア 障害者雇用対策基本方針
 障害者施策の基本理念であるノーマライゼーションの実現のためには,職業を通じての社会参加が基本となるものであり,障害のある人がその適性と能力に応じて可能な限り雇用の場に就くことができるようにすることが重要であるとの考え方の下に,各種の障害者雇用施策を推進している。また,平成4年に批准したILO第159号条約(障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約)を踏まえ,すべての障害の種類を対象として施策の推進に努めている。
 障害者雇用施策の推進に当たっては,障害のある人の雇用の動向を踏まえた将来展望及び各施策の展開の障害者雇用施策全般における位置づけを明瞭にしつつ,総合的かつ計画的・段階的に推進していくことが重要である。そのため,「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づいて「障害者雇用対策基本方針」を踏まえ,障害のある人,一人ひとりがその能力を最大限発揮して働くことができるよう,障害の種類及び程度に応じたきめ細かな対策を講じている。


図表1-8 『障害者の雇用の促進等に関する法律』に基づき定められた雇用率
図表1-8 『障害者の雇用の促進等に関する法律』に基づき定められた雇用率



イ 雇用率制度 
 我が国においては,「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき,民間企業,国,地方公共団体は,一定の割合以上,身体に障害のある人又は知的障害のある人を雇用しなければならないこととされている。平成9年の法改正により,法定雇用率の算定基礎に知的障害のある人が加えられたことから,平成10年7月1日から新たな法定雇用率が定められている。
 障害者雇用率の算定に当たっては,雇用されている重度の身体に障害のある人又は重度の知的障害のある人は,その1人をもって身体に障害のある人又は知的障害のある人を2人雇用(ダブルカウント)したものとして取り扱うこととしている。また,通勤面等の理由から,通常のフルタイム勤務が困難な重度の障害のある人の雇用の促進を図るため,重度の障害のある人である短時間労働者については,その1人をもって1人として雇用率にカウントしている。
 障害のある人の雇用の状況については,1人以上の身体に障害のある人又は知的障害のある人を雇用する義務のある事業主等から,毎年6月1日現在における障害のある人の雇用状況の報告を求めており,平成15年度の結果は次のようになっている。

1 民間企業の状況
 民間企業のうち,1.8%の法定雇用率が適用される一般の民間企業(常用労働者数56人以上規模の企業)における雇用状況をみると,身体に障害のある人又は知的障害のある人を1人以上雇用すべき企業数は,6万1,025企業,雇用されている障害者数(身体に障害のある人,知的障害のある人及び重度の身体障害のある人又は重度の知的障害のある人である短時間労働者数)は,24万7,093人となっており,前年度(24万6,284人)に比べ,809人の増加となっている。実雇用率は,前年度比0.01ポイント増の1.48%であった。雇用率未達成企業の割合は,57.5%となり前年度と同様であった。
 これを企業規模別にみると,雇用されている障害者数は,300人以上規模企業では前年度より上昇したが,299人以下規模企業では前年度より低下した。実雇用率でみると,300人以上規模企業では前年度より上昇したものの,299人以下企業では前年度より低下している。雇用率未達成企業の割合は,300人以上規模企業で減少したが,299人以下企業では増加することとなった。
 一方,産業別では一般の民間企業における実雇用率と比較すると,医療・福祉(2.02%),電気・ガス・熱供給・水道業(1.80%)製造業(1.70%),運輸業(1.69%),鉱業(1.68%)及び農・林・漁業(1.64%)ではそれぞれ前年度を上回ったが,サービス業(1.37%),建設業(1.34%),金融・保険・不動産業(1.33%),教育・学習支援業(1.28%),複合サービス事業(1.21%),卸売・小売業(1.16%)及び情報通信業(1.08%)ではそれぞれ前年度を下回った。
 2.1%の雇用率が適用される公団,事業団等一定の特殊法人等(常用労働者48人以上規模の法人)については,実雇用率は前年度より0.13ポイント上昇し,2.09%となった。


図表1-9 一般の民間企業における規模別障害者の雇用状況
図表1-9 一般の民間企業における規模別障害者の雇用状況



2 国・地方公共団体の状況
 2.1%の法定雇用率が適用される国,地方公共団体の雇用状況を見ると,身体に障害のある人又は知的障害のある人を1人以上雇用すべき機関(職員数48人以上の機関)で雇用されている障害者数は国の機関で7,512人(前年1万1,013人),都道府県の機関で7,964人(前年7,994人),市町村の機関で2万1,066人(前年2万1,164人)であり,実雇用率は国の機関2.19%(前年2.14%),都道府県の機関2.49%(前年2.46%),市町村の機関2.45%(前年2.44%)となっている。
 2.0%の法定雇用率が適用される都道府県等一定の教育委員会についてみると,身体に障害のある人又は知的障害のある人を1人以上雇用すべき機関(職員数50人以上の機関)で雇用されている障害者数は6,980人(前年7,048人),実雇用率は1.24%(前年1.23%)となっている。


図表1-10 国・地方公共団体における障害者の在職状況
図表1-10 国・地方公共団体における障害者の在職状況



ウ 雇用率達成に向けた指導
 雇用率制度の履行を確保するため,公共職業安定所においては,雇用率未達成企業等に対し,雇用率達成指導を行っている。

1 民間企業に対する指導
 一般の民間企業に対する雇用率達成指導については,雇用率が著しく低い企業に対し,雇入れ計画の作成を命じ,計画に沿って雇用率を達成するよう指導している。平成15年度においては,平成14年度に企業名公表を前提とした特別指導を行った企業4社のうち,一定の改善がみられなかった1社について企業名の公表を行い,平成12年から3年間を計画期間とする雇入れ計画を作成している企業のうち,11社に対し企業名公表を前提とした特別指導を行った。
 事業主に対しては,「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき,次のような義務又は努力義務が課せられている。
・56人以上の従業員を雇用する民間企業については,障害のある人の雇用に対する取組体制の整備を図るため,「障害者雇用推進者」の選任努力義務を課している。
・障害のある人を5人以上雇用する事業所に対して,障害のある人の職業生活全般についての相談に当たらせるため,「障害者職業生活相談員」の選任を義務付けている。
・事業主が障害のある人を解雇する場合には,早期再就職を図るため,その旨を速やかに公共職業安定所に届け出ることを義務付けている。
 障害のある人の職場定着のために,原則として障害のある人を5人以上雇用する事業所ごとに,事業主,障害者職業生活相談員,障害のある人の代表などを構成メンバーとする「障害者職場定着推進チーム」の設置を促進するほか,職場が一体となって障害のある人の職場定着に取り組む場合に「障害者職場定着推進チーム育成事業」を昭和60年度から日本障害者雇用促進協会(平成15年10月より独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構)において実施している。平成15年現在,全国1万2,210の事業所において同チームが設置されている。

2 国・地方公共団体に対する指導
 国及び地方公共団体の機関については,民間企業に率先垂範して障害のある人の雇入れに努めるべき立場にかんがみ,国及び地方公共団体の各機関の人事担当幹部(各省庁の官房長等)に対し,身体に障害のある人又は知的障害のある人の計画的な採用を図るよう要請を行っている。
 法定雇用率が未達成である機関については,障害のある人の採用に関する計画を作成しなければならないこととしており,その計画が適正に実施されていない場合には,勧告を行うとともに,これに従わない場合には,公表を行うという前提の下,強力に計画の適正実施を求めている。

エ 除外率及び除外職員制度の縮小
 雇用義務の軽減措置である除外率制度及び除外職員制度に関しては,障害者が一定の職種にまったく就き得ないことを想起させるものであり,ノーマライゼーションの理念からみて適切ではないとの観点から,平成14年に成立した「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律」により,段階的に縮小していくこととしている。
 これを受け,平成16年4月1日から除外率については,各除外率設定業種において一律10%ポイント縮小するほか,除外職員制度については職種を限定するとともに,雇用義務の軽減割合を縮小しつつ除外率に転換することにしている。


図表1-11 除外率制度
図表1-11 除外率制度



図表1-12 除外職員制度
図表1-12 除外職員制度



オ 障害者雇用納付金制度に基づく雇用の促進
 身体に障害のある人又は知的障害のある人の雇用に伴う事業主間の経済的負担の調整を行うとともに,身体に障害のある人又は知的障害のある人の雇用水準を全体として引き上げるための助成・援助を行うため,障害者雇用納付金(常用労働者が300人を超える企業で,雇用率未達成の企業が,不足数1人につき月額5万円を納付する)を財源として,障害者雇用調整金(常用労働者が300人を超える企業で,雇用率を超えて身体に障害のある人又は知的障害のある人を雇用する企業に対し,雇用義務を超えて雇用する身体に障害のある人又は知的障害のある人1人につき月額2万7,000円を支給する),報奨金(常用労働者が300人以下の企業で,一定水準を超えて身体に障害のある人又は知的障害のある人を雇用する企業に対し,その一定数を超えて雇用する身体障害のある人又は知的障害のある人1人につき月額2万1,000円を支給する)の支給を行うとともに,障害のある人を雇い入れるために作業設備の設置等を行う事業主等に対し,各種の助成金を支給している。


図表1-13 障害者雇用納付金制度の概要
図表1-13 障害者雇用納付金制度の概要



カ 企業等に対する啓発活動の充実
 障害のある人を雇用する企業,これから雇用しようとする企業に対し,障害のある人の雇用管理に関するノウハウの提供や雇用についての相談などを行う業務を全国,9つの事業主団体に委託し実施している。
 なお,知的障害のある人の保護者等の雇用に関する理解の促進を図るため,「知的障害者の職業自立啓発事業」を実施している。

(2)障害者の能力・特性に応じた職域の拡大

ア 障害特性を踏まえた施策の推進
 身体に障害のある人については,職域の拡大を図るためのITを活用した機器の開発・普及を行っているほか,視覚障害のある人に対しては,あんま,マッサージ,指圧師の職種について,そのうち70%以上を1級から3級の視覚障害のある人を雇用するよう努めなければならない「特定身体障害者雇用率制度」を設けている。
 また,あんま・マッサージ,鍼,灸といったいわゆる三療の分野以外にも,視覚障害のある人の職域を拡大するため,「ヘルスキーパー(企業内理療師)雇用のすすめ」,「事務的職業とコンピュータープログラマー雇用のすすめ」,「電話交換手その他の職種の雇用のすすめ」,「視覚障害者と働く」,「視覚障害者の職場定着推進」,「福祉施設における視覚障害者の雇用促進」と題した雇用マニュアルを作成し,事業主等に対する啓発を行っている。
 知的障害のある人や精神に障害のある人についても,職域を拡大する観点から,「知的障害者の就労事例−製パン業編」,「知的障害者の能力開発−数や計算の指導に関する工夫」,「大企業で働く知的障害者」,「コミック版障害者用マニュアル・知的障害者と働く」等の雇用マニュアルを作成し,事業主等に対する啓発を行っている。
 また,知的障害のある人や精神障害のある人の働く職場において障害特性を踏まえた専門的かつ直接的な支援を行う職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援事業の実施等を通じて,新たな職域開拓に努めている。
雇用マニュアル

イ 特例子会社制度を活用した雇用の推進
 事業主が障害者の雇用に特別の配慮をした子会社(特例子会社)を設立した場合,一定の要件の下で特例子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されている者とみなして,実雇用率を計算できることとしており,これを特例子会社制度と呼んでいる。特例子会社制度は,障害に配慮された就業機会が拡大する等事業主のみならず障害のある人に対してもメリットがあるなど,障害のある人の雇用の促進に有効な手段であり,平成16年3月現在で141社が認定されている。
 平成14年の制度改正により,特例子会社を持つ親会社については,関係する他の子
会社も含め,企業グループでの雇用率算定を可能とした。
特例子会社で働く障害のある人

ウ 第3セクター方式による重度障害者雇用企業の育成
 重度障害者については,民間の活力とノウハウを生かしつつ,地域社会や地域経済との密接な連携の下に運営される企業を各地に設置し,その雇用の場を確保していくことが望ましい。このため,民間企業と地方公共団体の共同出資(いわゆる第3セクター方式)による重度障害者雇用企業を育成し,これらの障害のある人の雇用の促進と安定を図ることにしている。これにより,平成15年において,第3セクター方式による重度障害者雇用企業は35企業が操業している。

エ 事業主に対する助成

1 障害者雇用納付金に基づく助成金
 事業主が障害のある人の雇用に伴い,作業施設・設備の設置又は整備や,手話通訳担当者・職場介助者の委嘱等の雇用管理上の措置を行う場合において,これらの事業主の経済的負担を軽減し,障害のある人の雇用の促進及び雇用の継続を図るため,障害者雇用納付金に基づく助成金の支給を行っている。
 助成金制度については,平成15年4月より在職中に精神障害になった者及び1週間の勤務時間が15時間以上20時間未満の精神障害者にも支給対象を拡大している。

2 障害者雇用継続助成金
 在職中に労働者が障害のある人となった場合に,その労働者の職場復帰に際して,継続して雇用するために作業施設等の設置又は整備,能力開発,職務開発等の職場適応措置を行う事業主に対して助成金の支給を行っている。

3 特定求職者雇用開発助成金
 身体に障害のある人,知的障害のある人又は精神に障害のある人を継続して雇い入れる事業主に対して,雇入れに係る者の賃金の一部を助成金として支給する。また,重度障害者等の取扱いについては,一般の障害のある人の場合よりも支給期間を長くし,助成率を高く設定している。

4 重度障害者雇用促進融資
 日本政策投資銀行において,重度の障害のある人(重度身体障害者,知的障害者,精神障害者,重度身体障害者である短時間労働者,重度知的障害者である短時間労働者)を常時5人程度以上雇用する事業主が,事業施設等の設置若しくは整備又は土地を取得する場合,必要な資金を低利で貸し付けている。

5 税制上の特例措置
 障害のある人を雇用する事業所に対し,税制上の各種の特例措置を講じている。


図表1-14 障害者を雇用する事業所に対する税制上の特例措置
図表1-14 障害者を雇用する事業所に対する税制上の特例措置



オ 障害者に係る欠格条項の見直し
 「障害者に係る欠格条項」とは,資格・免許制度等において障害があることを理由に資格・免許等の付与を制限したり,障害のある人に特定の業務への従事やサービスの利用などを制限・禁止する法令の規定のことであり,平成5年3月に策定された「障害者対策に関する新長期計画」においては,「障害者に係る欠格条項」が障害のある人の社会参加を不当に阻む要因とならないよう,必要な見直しについて検討することとされた。
 平成11年8月には見直しの促進を図るため中央省庁再編前に設置されていた旧・障害者施策推進本部において「障害者に係る欠格条項の見直しについて」を決定し,63制度をその対象とした。
 これを受けて,障害者関係団体等から意見聴取を実施するなどし,これら意見も踏まえ,14年度中に62制度の見直しが終了,残る1制度について,平成15年度末現在,国会審議中(出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案)である。
 欠格条項の見直しにより,障害のある人の資格取得等の機会が実質的に確保されるためには,教育や就業環境など必要な条件整備を併せて推進する必要があることから,障害者施策推進本部は平成13年6月12日,それぞれの資格制度の実態に応じて適切な措置を講じるよう努めるとともに,関係団体に対し協力を要請する旨の申合せを行った。

(コラム:視覚障害のある医師の誕生)

(3)障害者の働きやすい多様な雇用・就業形態の促進

ア 多様な勤務形態による重度の障害のある人の雇用の促進
 重度の障害のある人については,体力・通勤等の問題から,通常のフルタイム雇用が困難な者も多く,そのような場合には勤務形態に配慮を加えて雇用することが,その職業的自立に役立つと考えられる。このため,短時間勤務,在宅勤務,フレックスタイム等の多様な勤務形態による重度障害者雇用の事例集や雇用管理マニュアルを作成・配布し,事業主に対する指導・啓発等を行っている。

イ 就労に向けた各種訓練の推進
 国立光明寮,国立保養所,国立身体障害者リハビリテーションセンターにおいて,就労に必要な知識・技能を習得させるため,障害のある人の特性に合わせた,職業訓練,生活訓練,理療教育を実施しており,情報化社会に対応するため,各訓練において情報機器の訓練を実施している。また,長期的な就労が図られるよう,訓練修了者に対して,相談や指導を行っている。
 理療(あんま・マッサージ・指圧,鍼,灸)の分野については,晴眼者の進出により,視覚に障害のある人の就労が厳しい状況にあることから,就職指導,職域拡大を目的とした研修会を入所者及び修了者に対して実施している。
 各訓練において知識・技能を獲得することも大切であるが,就職や開業後の人間関係形成の観点から対人技能の獲得も重要であり,さらに不規則な生活習慣,記憶障害,注意欠陥,感情障害等も退所後の家庭や職場における生活上の支障となることから,国立身体障害者リハビリテーションセンターでは,職業技術などの習得と併行して「社会経済活動に速やかに移行できるための幅広い社会性を身につける訓練方法を作り上げること」を目的とした「社会生活技能訓練プロジェクト」を行っている。

(4)ITも活用した雇用の促進

ア テレワークの研究及び支援
 都市地域への企業集中は障害のある人,特に肢体不自由者の就職を阻害する要因となっており,企業が積極的にテレワークを導入することが障害のある人の雇用を進める上で効果的であると考えられる。
 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構では,平成9年度に,障害のある人を在宅勤務の形態で雇用する場合の留意点等をQ&A形式で示した「在宅勤務障害者雇用管理マニュアル」を取りまとめたほか,「重度障害者の在宅雇用・就労支援システムに関する研究調査」(平成10年度〜12年度)及び「情報機器の活用による重度障害者社会参加・就労支援連携モデル事業(平成12年度〜13年度)」の実施結果を踏まえ,平成14年度から障害者の在宅雇用・就労の推進を目的とした「重度障害者在宅就労推進事業」を実施している。

イ IT生きがい・ふれあい支援センター施設の整備
 総務省では,障害のある人などの情報通信を活用した自立,就労機会の拡大を目的として,平成10年度から「IT生きがい・ふれあい支援センター施設整備事業」を実施している。この事業は,障害のある人等の利用に配慮した情報通信システム等を設置し,これらの人々が最適な情報通信利用環境でテレワークを行うことを可能とする「IT生きがい・ふれあい支援センター施設」を整備する地方公共団体等に対して,その整備に必要な経費の一部を補助するものであり,平成15年度末までに全国7か所で当該施設が整備された。

ウ 就労支援機器等の開発
 最近のITの進歩により,従来,障害のある人が就労困難と考えられていた職業であっても,IT機器を利用することにより,重度の障害のある人が職業的なハンディキャップを克服し,職域を拡大することの可能性が高まってきている。このため,障害者職業総合センターにおいて,障害のある人や事業主のニーズに対応した就労支援機器,ソフトウエア等の開発を行い,就労が困難な障害者の職域拡大を図っている。

(コラム:重度障害者在宅就労推進事業)

(5)障害者の創業・起業等の支援
 生活福祉資金貸付制度は,低所得世帯,障害者世帯等に対し,資金の貸付けと必要な援助指導を行うことにより,その経済的自立及び生活意欲の助長促進並びに在宅福祉及び社会参加の促進を図り,安定した生活を送れるようにすることを目的に,都道府県社会福祉協議会を実施主体として運営されている。本制度の資金種類の1つとして,障害者世帯が生業を営むのに必要な経費を支援する「障害者更生資金(生業費)」が設けられている。

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