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少子化社会対策に関する国際連携推進事業報告書

3月7日 少子化対策を考える国際シンポジウム

政府の取組について(内閣府)

山田英樹(内閣府少子化対策企画調整室室長)

山田英樹(内閣府少子化対策企画調整室室長)

 日本政府の少子化対策についてご説明させていただきます。

 まず、〈スライド1〉の表でございますが、出生数と合計特殊出生率の推移を見ますと、1971年から74年にかけての第2次ベビーブーム以降、30年間にわたって出生数、出生率ともに低下傾向にあります。一昨年(2005年)、出生数は106万人、合計特殊出生率は1.26といずれも過去最低を記録しました。1966年の年をご覧いただきますと、1.58ということなのですけれども、この年はひのえうまという特殊要因がございまして、ひのえうまというと60年に1回の年なのですが、この年の生まれは良くないというような伝説といいますか、迷信みたいなものがありまして、その年に1.58という低い数字になっています。その低い数字をさらに下回ったのが1989年の1.57ショックという年がございます。この年を契機に政府は少子化を問題と認識しまして、1990年代半ば以降、「エンゼルプラン」や「新エンゼルプラン」、「子ども・子育て応援プラン」などに基づきまして少子化対策を推進してきました。しかしながら、現在まで少子化の流れを変えるには至っておりません。

〈スライド1〉
スライド1

 次に、〈スライド2〉の表をご覧ください。2005年、初めて出生数が死亡数を下回り、総人口が減少に転じるという人口減少社会が到来しました。昨年末に公表された新人口推計を見ますと、現状のまま少子化が進行した場合、2046年に総人口は1億人を下回ります。また、総人口に占める65歳以上人口の割合は、現在の20%が2055年には40.5%になりまして、超少子高齢社会が到来することになります。こうした急速な人口減少は、経済産業や社会保障の問題にとどまらず、国や社会の存立基盤にかかわる問題ということで、第2次ベビーブーム世代が30歳代であるあと5年程度のうちに速やかに手を打つ必要があります。

〈スライド2〉
スライド2

 次に、〈スライド3〉の表をご覧ください。少子化の原因としては、未婚化の進展、晩婚化の進展、夫婦の持つ子ども数の減少という三つがあると思います。まず未婚化の進展ですが、2005年、男性は20歳代後半で約7割、1975年には48.3%、30歳代前半では5割弱、30年前には14.3%が未婚となっています。また、女性は20代後半で6割弱、75年には20.9%でした。30代前半で約3割、75年には7.7%が未婚となっています。生涯未婚率も男性15.6%、75年には2.1%でした。女性は7.2%、75年には4.3%となっています。

  次に晩婚化の進展ですけれども、平均初婚年齢は、2005年、夫29.8歳、妻28.0歳となっておりまして、30年前に比べてそれぞれ3歳程度高くなっています。また、第1子の出産年齢も75年の25.7歳から29.1歳と大幅に上昇しています。最後に夫婦の子どもの数の減少ですけれども、日本の夫婦の平均出生児数2.2人前後で推移してきました。しかしながら、1960年代以降生まれの夫婦の出生児数は2.09人と、こちらも減少しております。

〈スライド3〉
スライド2

 次に、〈スライド4〉をご覧ください。未婚化・晩婚化の進展の背景には、良い相手にめぐりあわない、独身生活に利点がある、結婚観や価値観の変化などのほか、自立できない若者の増加、仕事と家庭の両立の困難、結婚・出産の機会費用の増加などがあります。次に夫婦から生まれる子ども数の減少の背景ですけれども、育児や教育コストの負担増、妻の仕事と育児・家事の両立の難しさ、夫の育児の不参加などに加え、核家族化の進展や家族の小規模化、都市化の進展などにより家庭や地域の子育て力が低下しているといったことも指摘されています。

〈スライド4〉
スライド4

 次に、〈スライド5〉をご覧ください。わが国の少子化対策は先ほど述べましたように、1989年の1.57ショックを契機に本格的な取組が始まりまして、95年度からの「エンゼルプラン」、2000年度からの「新エンゼルプラン」に基づきまして対策が推進されてきました。「エンゼルプラン」「新エンゼルプラン」の特徴は、いずれも保育サービスを中心とした計画となっていることです。その実績を見ますと、計画の目標値をおおむね達成しておりまして、一定の効果はあったのではないかと考えられますけれども、少子化の流れを変えるまでには至っておりません。

〈スライド5〉
スライド5

 次に、〈スライド6〉をご覧ください。2003年に「少子化社会対策基本法」が制定されまして、2004年6月、この法律に基づきまして、少子化の流れを変えるための総合的な施策展開の指針として少子化社会対策大綱が策定されました。少子化社会対策大綱は5年程度を視野に入れた指針でありまして、「自立への希望と力」、「不安と障壁の除去」、「子育ての新たな支え合いと連帯」という三つの視点、それから「若者の自立とたくましい子どもの育ち」、「仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し」、「生命の大切さ、家庭の役割等についての理解」、「子育ての新たな支え合いと連帯」という四つの重点課題を掲げまして、さらに重点課題に取り組むための28の具体的行動計画を掲げています。

〈スライド6〉
スライド6

 次に、〈スライド7〉をご覧ください。少子化社会対策大綱の策定を受けまして、2004年12月、その具体的実施計画である「子ども・子育て応援プラン」が策定されまして、2005年度から実施されています。このプランでは2009年度までの5年間に講ずる施策・目標を掲げていますが、この目標値は「次世代育成支援対策推進法」に基づく市町村の行動計画とリンクしたものとなっておりまして、このプランの推進が市町村行動計画の推進を支援することにもつながります。

〈スライド7〉
スライド7

 次に、〈スライド8〉をご覧ください。政府は1990年代半ば以降、さまざまな少子化対策を講じてきましたが、さらに急速な少子化の進行と初めての人口減少を受けまして、少子化対策の抜本的な拡充、強化、転換を図るために、昨年6月、政府・与党の合意を得まして、総理と全閣僚から構成される少子化社会対策会議におきまして、「新しい少子化対策について」、というものを決定しました。

〈スライド8〉
スライド8

 本対策では、親が働いている働いていないにかかわらず、すべての子育て家庭を社会全体で支援するということ、出産前後や乳幼児期における経済的負担の軽減を含めまして、子育て家庭に対する総合的な支援を行うということ、子育てを応援する観点から、働き方の改革を進めていくということ、子育ての素晴らしさ、家族の価値を社会全体で共有できるような意識改革に取り組むといった点を柱としておりまして、40項目にわたる具体的な施策を掲げています。本対策は、出産・乳幼児期から中学・高校・大学に至るまでの子どもの成長に応じた子育て支援策、働き方の改革、家族・地域の絆を再生する国民運動の推進などを掲げておりまして、今後これらの取組を着実に実施してまいりたいと考えております。

 次に、〈スライド9, 10, 11, 12〉をご覧ください。2007年度予算案におきましては、厳しい財政事情の中、少子化社会対策関係予算は総額で1兆7064億円と、前年度に比べまして12.3%増の要求となっております。

〈スライド9〉
スライド9

〈スライド10〉
スライド10

〈スライド11〉
スライド11

〈スライド12〉
スライド12

 まず子育て支援策ですけれども、子どもの成長段階に応じて整理をしております。妊娠・出産・乳幼児期におきましては、小児科・産科医療体制の確保、不妊治療の支援など母子保健医療の充実を図ることとしています。特に不妊治療については、助成事業の助成額を増額するとともに、所得制限を緩和することとしています。

 また、生後4か月までの乳児がいるすべての家庭を訪問して、子育て支援に関する情報提供や養育環境等の把握を行う「こんにちは赤ちゃん事業」を新たに実施することとしています。妊娠中の健診費用の負担軽減につきましては、地方交付税による対応により、市町村が行う軽減措置を拡大することとしています。児童手当の乳幼児加算の創設につきましては、2007年4月から、0歳以上3歳未満の第1子、第2子の手当額を現行の月5000円から月1万円に拡充し、一律1万円にすることとしています。

 次に、小学校入学前の未就学期におきましては、つどいの広場や地域子育て支援センターといった地域における子育て支援拠点につきまして、「子ども・子育て応援プラン」の2009年度目標値6000か所を前倒しで実施することとしています。そのほか、病児・病後児保育の拡充、事業所内託児施設の設置・運営を行う中小企業事業主に対する助成措置の拡充、子どもの事故防止対策の推進、幼稚園に通う園児の保護者に対する経済的負担の軽減を目的とした就学前教育費負担の軽減などを行うこととしています。

 次に、小学生期につきましては、子どもの放課後対策として「放課後子どもプラン」を2007年度に創設しまして、原則としてすべての小学校区で放課後の子どもの安全で健やかな活動場所を確保することとしています。そのほか、スクールバスの導入等、学校や登下校時の安全対策を図ることとしています。

 次に、中学生、高校生、大学生期におきましては、奨学金の貸与人員を前年度比5.2万人増とするなど、その充実を図ることとしています。

 次の項目で働き方の改革ですけれども、育児休業の取得促進を図るために、育児休業の給付率を休業前の賃金の40%から50%に暫定的に、これは2009年度までですが、引き上げることとしています。また、育児休業や子育て期の短時間勤務等の両立支援制度を利用しやすい職場風土づくりを推進するために、育児休業取得者等に対して企業独自の給付を行った事業主に対する助成制度の創設を行うこととしています。

 また、長時間労働の抑制等仕事と生活の調和を図るための労働時間法制の見直し、あるいはパートタイム労働者の均衡処遇の推進、マザーズハローワークの充実、フリーター25万人常用雇用化プランの推進、ニート等の若者の自立支援を行うこととしています。さらに、企業における仕事と子育ての両立支援や見直しを進めるため、職場の意識改革を図る国民運動を推進することとしています。具体的には、経済団体、労働団体、有識者、マスコミ団体、自治体、関係府省が連携しまして、働き方の改革をテーマとするシンポジウムの開催や啓発パンフレットの作成等を行うこととしております。

 その他の重要な施策としまして、企業が設置する事業所内託児施設に対して、一定の要件に該当する場合に、割増償却制度を創設することとしています。また、家族用住宅・三世代同居・近居の支援を行うこととしています。

 次に、社会全体の意識改革のための国民運動の推進としまして、少子化社会対策の推進に必要な調査研究のほか、家族・地域の絆を再生する国民運動を推進することとしています。この国民運動は、家族の日や家族の週間の制定、家族・地域の絆に関する国、地方公共団体による行事の開催、あるいは功労者表彰などを行うこととしております。

〈スライド13〉をご覧いただきたいと思います。昨年度、官房長官主催で関係閣僚と経済・労働界の団体のトップから構成される「子育て支援官民トップ懇談会」が開催されまして、仕事と家庭の両立のための環境整備に向けた官民あげての国民的な運動を実施することで合意したことを受けまして、内閣府では2006年度から官民一体子育て支援推進運動を展開しております。事業内容は、経済界、労働界、マスコミ、地方団体、関係府省から構成される子育て支援推進フォーラムを組織しまして、共通認識の形成と情報交換を行うとともに、働き方の改革がテーマのシンポジウムの開催、啓発パンフレットの作成などを行うこととしています。2006年度は、全国版シンポジウムを1か所、地方版シンポジウムを5か所で開催しました。2007年度も引き続きこうした運動に取り組んでまいります。

〈スライド13〉
スライド13

次に、〈スライド14〜16〉をご覧ください。政府では2030年以降の若年人口の大幅な減少を視野に入れまして、制度・政策・意識改革など、あらゆる観点からの対策の再構築・実行を図るために、「子どもと家族を応援する日本」重点戦略を策定することとしまして、先日2月9日にそのための検討会議を立ち上げたところです。今後、基本戦略、働き方の改革、地域・家族の再生、点検・評価の四つの分科会におきまして、掘り下げた議論を進めることとしています。

〈スライド14〉
スライド14

〈スライド15〉
スライド15

〈スライド16〉
スライド16

〈スライド17〉
スライド17

最後になりますけれども、<スライド17>をご覧ください。最近の出生数、婚姻数の推移を見ますと、2006年1月から12月までの間で、出生数は対前年比3万2041人増、婚姻数は1万7850組増となっています。その理由につきまして現段階で確たることは申し上げられませんけれども、景気回復による若者の雇用環境が好転し、結婚や出産を決断するカップルが増加しているといったことが一つの要因ではないかと考えています。

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