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子ども・子育て支援新制度

西宮市の子育てコンシェルジュ(利用者支援事業)

塚本 英樹 氏
(西宮市こども支援局新制度推進部新制度推進課 副主査)

講演中の会場風景講演中の塚本英樹氏の写真

皆さん、こんにちは。兵庫県西宮市から参りました、新制度推進課の塚本と申します。なにぶん、こうした場に不慣れなものですからお聞き苦しい点が多々あるかと存じますが、少しの間、どうぞお付き合い、よろしくお願いいたします。

私は新制度推進課という部署におりまして、地方版子ども・子育て会議の資料作成、運営、また、子ども・子育て支援事業計画の計画作成、進捗管理、子ども・子育て支援全般にかかる調整などを主な業務としております。せっかくこうした場に機会をいただきまして、全国デビューとなりますので、自慢話の1つや2つ織り交ぜながらお話ししたいところではございますが、時間に限りがありますので次の機会にさせていただきまして、本日は西宮市の利用者支援事業の取り組みについてご紹介したいと思います。

さて、西宮市は兵庫県の東に位置しまして、神戸と大阪それぞれに約20分でアクセスできる好立地にございます。人口は48万人、出生数は4400人の中核市です。甲子園球場といいますと皆さまピンと来るかもしれませんが、西宮市の売りとしましては、文教住宅都市として豊かな自然環境、また、落ち着いた住環境でございます。若い子育て世代からも、住みたい町ランキングの上位に選ばれる町へと発展し続けてまいりました。人口は阪神淡路大震災以前は減少傾向にありましたが、震災以降、人口は急増しまして、今後も微増傾向にございます。就学前児童数を見ますと、幼稚園入園率は一定であるにも関わらず、保育所を希望される方はここ20年で倍増しております。こうしたことから、平成22年以降待機児童対策が市の重要課題となっています。人口急増に伴い、子育て支援施策に対する多大な財源投入と政策転換を求められることとなり、ここ数年で子育て支援施策を急速に進めてまいりました。

さて、本市のご紹介はここまでにして、早速、利用者支援事業のお話に移っていきたいと思います。西宮市では、平成26年4月から特定型を1カ所、また平成27年10月からは基本型を2カ所開設しています。国のガイドラインにおけるそれぞれの役割は異なりますが、事業を一緒に連携を密にして担っていくという意味を込め、基本型と特定型のそれぞれのスタッフを共通で「子育てコンシェルジュ」と呼んでいます。

では、初めに特定型からご紹介いたします。市役所の正面玄関を入りますと、パッと目に付く所に子育てコンシェルジュが座っております。ベテラン保育士が利用者支援のほか、児童手当、母子手帳の交付など、妊婦や転入世帯などに対し、これから本市で子育てをされる方への最初の窓口としてこの業務を担っております。

次に基本型です。基本型は市直営と民間運営の2カ所で、子育て家庭の身近な場所、いつでも気軽に行ける場所として、いずれも地域子育て支援拠点事業のいわゆる旧センター型で実施しております。地域子育て支援拠点事業で実施しますと、相談を受けた方が次に来られるときに経過をお聞きするための声掛けをすることで、提供した情報がつながったのかどうか、もしくは次の手をあらためて考え直さなければならないのかを確認できることが非常に大きな利点であると感じております。

では、実際にどのように事業を進めてきたかについて、これからご説明いたします。まずは特定型です。初めは利用者支援事業というより、横浜市の「教育・保育コンシェルジュ」のような待機児童対策の一環として事業の検討が始まりました。そのため、市内部での理解を得ることはさほど難しくはありませんでした。また、市民の利便性向上の観点から、市役所1階フロア改修の時期と重なり、転入者のワンストップ窓口としてコンシェルジュ機能のほか、児童手当等の業務を行う窓口が出来、平成26年4月から事業を開始しました。

次に基本型です。特定型と異なり、こちらは市内部の理解を得るのに非常に時間がかかりました。どこに設置するのか、なにをする事業なのか等々、どこの自治体でもこの事業を理解してもらうために出てくる問題ではないかと思います。本市においては、これらを解決するために、まず管理職向け勉強会を実施しました。利用者支援事業は、地域子育て支援事業に地域連携機能が付加されます。職員が外に出て、地域のネットワークを作り、地域で子育て支援を支える仕組み作り、足掛かりとなるような事業であるイメージを持ってもらうこと。また、子ども・子育て支援法で13事業の一つとして位置付けられ、事業計画と利用者支援は車の両輪であるという事業の必要性を、勉強会を重ねることで管理職や市内部への理解を深めていくこととしました。また、事業計画で目標事業量を設定する際には、行政区域や交通網から市を4等分する形で事業計画に目標設置数を定め、平成27年度から取り組む形で進めてまいりました。

また、これは事業を始めて感じたことですが、これから事業を進めることを検討されている自治体職員様がおられましたら、ぜひとも利用者支援事業に従事する職員はフットワークの軽い職員をご採用いただければと思います。やはり、地域に出て、地域の資源を探してくる、また情報を結び付けるといった、どんどん外に出ていく事業になりますので、ぜひともフットワークの軽い職員を採用していただければと思います。

さて、基本型を平成27年度からスタートさせることが決まってから、まず事業を進めていく体制作りから始めました。特に本市では、特定型と基本型の所管課が異なりましたので、新制度推進課が調整役となり、一体的に取り組む体制を整えました。この事業をスタートさせるうえでは、現場しかできないこと、事務方しかできないことがそれぞれありますので、それぞれの持ち味を生かしながら二人三脚で準備を進めてきました。現場で働くこととなる子育てコンシェルジュの意見を取り入れ、一緒になって準備を進めていくことで理解を深めながら行ってきたことが大きな基盤になったと感じています。また、ここまでうまく事が進んだのは、事業の企画する側と現場の双方が、利用者支援事業の必要性を感じたためだと思っております。

では、二人三脚で歩んできた道のりを見ていきたいと思います。事業開始に当たり、それぞれの所管課担当者と5名の子育てコンシェルジュで、地域資源の情報収集から事業周知活動まで、常に情報を共有しながら進めてきました。定期的に勉強会を開き、イメージの共有を図りながら、利用者支援を行ううえで重要なツールとなる情報収集とそのデータベース化に着手しました。主に、子育て支援に関わる行政サービス等を中心に、なにが求められ、利用者支援を行ううえでどのような情報を持つべきかを話し合いながら、情報収集に当たりましたが、なかなか情報提供の重要性が認識されず、時間を要しました。さらに、相談記録やその集計、事例検討会記録、処理簿など、共通で使用できるものはすべて統一化を図りました。

次に、情報収集と地域への顔見せも兼ねて、市内の子育て支援施設へあいさつ回りを行いました。やはり、直接目で見て、耳で聞くことで、よりリアルな情報が提供できます。また、施設に対して「子育てコンシェルジュがいます」という情報提供だけでなく、顔を知ってもらうことで存在を感じていただけますし、次に連絡を取りやすくなる、思わぬ情報をもらえるなど、利用者支援の下地を作る大きな効果があったと感じています。今後も行政と子育てコンシェルジュが一緒になって、あいさつ回りと顔見せは続けていきたいと思っております。最後の総仕上げとして、市広報誌、コミュニティラジオ、記者会見など、さまざまな媒体を通して広報活動を行いました。開始からまだ3、4カ月ほどですが、振り返りますと、広報をしっかりした結果かもしれませんが、保護者の反応としては相談件数が全体で約1.5倍に増加しました。また、子育てコンシェルジュという看板をあらためて掲げることでより敷居が低くなり聞きやすくなるなど、相談しやすい雰囲気が生まれていると感じております。実際に、気になる家庭への声掛けのきっかけにつながったという報告を受けています。

次に、行政職員の反応です。こちらも子育てコンシェルジュのスタートと同時に、長年の課題であった母子保健部局と子育て支援部局の連携について、母子保健のほうから今後の連携方法などを話し合う機会を持ちたいと、あらためて連携を見直すきっかけの提案をいただきました。

地域の反応としましては、民生委員、児童委員さんなどからは「困ったときに相談できる相手ができた」。スライドに載せている写真は、地域の子育て関係者を集めた交流会の様子ですが、このときには「気軽に相談できる場所として紹介できます」などと、お褒めの言葉をいただきました。本当に、これからではありますが、こうしたことを積み重ねながら、各方面の関係作りを進めていかなければならないと思っております。

最後に、今後の方向性についてお話しいたします。今後の課題として、この事業は知ってもらって使ってもらってなんぼの事業となりますので、まだまだ周知活動を続けていく必要があります。また、本市の場合、新たに職員を配置するなど、地域での活動実績がほとんどないところからのスタートになりますので、地域との関係作りを地道に重ね、社会資源の発掘へどうつなげていくのかが課題です。また、これも大きな課題ですが、母子保健、障害児、児童虐待など、専門性を持った部局・機関との連携です。子育てコンシェルジュの使いやすさを覚えてもらうために、さまざまな仕掛けをしだしています。例えば、乳幼児健診の場に子育てコンシェルジュが出向き、保健師の代わりに子育て支援にかかる相談や情報提供を行うことなども始めています。母子保健に関するプロと子育て支援に関するプロが、それぞれの専門性を発揮し連携できる仕組みづくりや取り組みを、これから考えていかなければならないと思っています。また、生活支援コーディネーターとの顔合わせや勉強会なども始め、福祉との連携も進めております。

今後、本市では平成31年度までに、さらに2カ所増設する予定です。また、4月からは特定型の窓口に専任の保健師を配置し、母子保健型の機能を付加する予定です。本市の特定型の窓口は、妊婦や転入世帯など、これから西宮市で子育てを始める方への最初の窓口となりますので、一番最初に子育てコンシェルジュと保健師が関わることで、不安を持つ親や気になる親への早期支援につながると考えており、切れ目ない支援を行ううえで重要な役割を担っていくと考えております。さらに、各保健センターにおいて、母子保健型を実施し、基本型と母子保健型の連携により子育て世代包括支援センターの機能を付加したいと考えております。ここについては、どのように連携していくのか、個人情報の取り扱いなど、まだまだ整理すべき課題が残っております。切れ目なく支援していくためには、母子保健と子育て支援が連携した子育て支援包括支援センターの機能は不可欠になってくると考えております。本市でも、その重要性を認識し走りだしたところですので、具体的にどのように進めていくのかはこれからになると思いますが、子育て支援と母子保健の連携に向けて、大きな一歩を踏み出すきっかけとなりました。今後、よりよい子育て支援を提供できる環境作りを、これからも進めていきたいと考えております。

簡単ではございますが、以上が本市の取り組み状況です。利用者支援の実施を検討されている自治体にとって、少しでも参考になれば幸いです。ご清聴ありがとうございました。なにかございましたら、ご連絡、心よりお待ちしております。ありがとうございました。(拍手)

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