株式会社CREATIVE LAB(美容)peekabooせせらぎ保育園/広島県広島市

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立ち上げ時のポイント
  • 「働くママを応援する保育園隣接型オフィス」をコンセプトに雇用と保育をセットで提供する新規事業を立ち上げ、妊娠・出産しても安心して働ける場所を用意した。
  • 現園長であるベテラン保育士に出会い、相談しながら開設準備を進めた。
  • 美容サロンの顧客や他の美容サロンを経営する企業の従業員の子どもを一時預かりで受け入れている。
設置者の概要
○企業概要 ■事業所  本社(広島市中区)他広島市内外に店舗・事業所
■設立年 平成24年1月
■資本金 200万円
○業種 美容(まつげエクステサロン)
○従業員規模

・グループ全体 230人(うち女性) 228人

・単独      80人(うち女性) 79人

○企業の特色

・美容サロンの経営を中心としながら、人材派遣業、Webライティング事業、保育事業等を展開。

・美容サロンとしては、広島、岡山、横浜に店舗を構えている。

保育施設の概要
○所在地 広島県広島市(人口:約119万人)
○地域の特色

・広島市郊外の住宅地

・平成29年4月時点の待機児童は93人

○設置方式 単独設置・共同利用型(企業グループ内)
○設置場所

・広島市の住宅密集地域

○運営方式 外部委託方式(分社化したグループ企業(株式会社peekaboo)への運営委託)
○開設日 平成29年6月
○利用定員と利用者数

・定員:88人(うち地域枠44人)
従業員枠(0歳児12人、1・2歳児28人、3歳児2人、4・5歳児2人)
地域枠(0歳児12人、1・2歳児28人、3歳児2人、4・5歳児2人)

・利用者数:83人(うち地域枠0人)※平成30年1月時点
従業員枠(0歳児30<6>人、1歳児34<7>人、2歳児16<2>人、3歳児1人、4歳児1人、5歳児1人)
 ※< >内は不定期利用者数で内数

○開所時間 通常保育
平日・土曜・祝日8:00~18:30(延長保育18:30~19:00)
一時預かり8:00~18:30
○保育施設の特色

・かつて飲食店であったビル1階を保育園と母親の働くオフィスに改装。

・母親たちが仕事をしながら子どもたちの様子を見ることができるよう保育園とオフィスの間仕切りをマジックミラーとした。

○費用の状況

・初期費用約1億300万円(うち助成分約7,000万円)※1
※1 施設設備費、その他費用(おもちゃ、お昼寝マット、机、いす等)を含む

・年間運営費用約7,000万円(うち助成分6,500万円)

設立までの流れ

時期 内容
開設3年前
平成26年6月頃
株式会社CREATIVE LAB経営陣で保育施設設置の構想浮上 ⇒社内での設置検討
開設1年7ヶ月前
平成27年11月頃
企業主導型保育事業の情報を入手し、雇用と保育をセットで提供する新規事業(Webライティング事業)の検討を開始 ⇒社内での設置検討
開設1年前
平成28年6月頃
保育事業をスタート、1ヶ所目の保育施設(袋町保育園)を自主運営で開設 ⇒社内での設置検討
開設11ヶ月前
平成28年7月頃
2ヶ所目の保育施設(せせらぎ保育園)の設置を決定 ⇒設置方式の決定
開設10ヶ月前
平成28年8月頃
株式会社CREATIVE LABの妊娠中の従業員に個別ヒアリングを実施 ⇒ニーズの把握、社内向け説明
開設9ヶ月前
平成28年9月頃
広島市子ども未来局および児童育成協会と設置について相談 ⇒自治体との調整
開設8ヶ月前
平成28年10月頃
申請手続き開始 ⇒申請手続き
開設7ヶ月前
平成28年11月頃
物件を選定し、建築士主導のもと施設整備 ⇒設置場所の選定、施設整備
開設6ヶ月前
平成28年12月頃
SNS等を活用し、保育士を募集 ⇒人材確保
開設5ヶ月前
平成29年1月頃
株式会社CREATIVE LABの事業だったWebライティング事業と保育事業を株式会社peekabooとして分社化
保育施設の運営は株式会社peekabooに委託することを決定
⇒運営方式の決定
開設2ヶ月前
平成29年4月頃
利用者の募集 ⇒利用者の募集
平成29年6月 せせらぎ保育園開設 ⇒開設

設置検討の段階

保育施設の設置の経緯

株式会社CREATIVE LABは、まつげエクステサロンを経営している。会社の経営が軌道に乗り出した平成26年ごろ、経営陣は、中心的な戦力である女性に長く働き続けてもらうためには自社の従業員向けの保育施設の設置が必要であると考えるようになった。しかし、当時の従業員規模80人では保育ニーズの予測が難しかったため、保育施設の設置はあきらめかけていた。そのような中、当時の取締役が「保育施設を必要とする女性従業員を増やし、結婚・妊娠・出産しても安心して働ける場所を用意する事業を立ち上げればよい」と提案した。この提案はすぐに社長に受け入れられ、雇用と保育をセットで提供する新規事業の企画が進められることとなった。

「働くママを応援する保育園隣接型オフィス」というコンセプトを実現する事業として、同社は受注状況により勤務時間や雇用人数の調整が可能であるWebライティング業務を選択した。この新規事業は「peekaboo事業」と呼ばれ、保育事業とあわせて発案者である取締役に推進が一任された。

peekaboo事業の実現に向けて取締役を中心に検討を進めていたところ、企業主導型保育事業が制度化されることが分かった。同制度であれば、助成金を活用して企業の想いを反映した保育施設の設置・運営が可能になると考え、具体的な準備を進めることとした。

peekaboo事業として立ち上げた1ヶ所目の企業主導型保育施設である袋町保育園は、保育の具体的な様子を把握できるよう本社の近くに設置することを決め、平成28年6月に定員21人で開設した。peekaboo事業では地域に雇用を創出することと、保育を事業として成り立たせることの両立を目指していた。そのためより大きい規模の保育施設の必要性を感じ、袋町保育園の開設直後に2ヶ所目となるせせらぎ保育園の設置を決めた。

自社の従業員のための保育施設と位置づけているため、他の企業と共同利用契約はしなかった。

設置場所の確保

一定規模の人数を保育するスペースと母親が就業できる場所が同時に確保でき、かつ周辺に自然がある物件を探すのは大変な苦労であった。場所の確保から開設までの期間が長引くと空家賃が発生することや、施設整備が年度をまたぐと助成金の受け取り手続きが複雑になることから、設置場所の確保から開設までを迅速に行う必要があった。探し始めてから5ヶ月で、広島市内でも待機児童が比較的多く、同社の従業員も多く住んでいる安佐南地区に適当な物件を見つけることができた。以前飲食店が2店舗入っていたビルの1階を改修し、定員88人の保育施設と50人程度の母親が働くオフィスを確保した。屋外遊戯場が確保できない分、室内のプレイスペースを広めに確保した(62.8m2)。

プレイスペースとワーキングスペースの壁はマジックミラーとし、母親たちが仕事をしながらプレイスペースで遊んでいる子どもたちの様子を見ることができるようにした。

また、授乳室を設け、就業時間内でも授乳できるようにした。

施設内に野外遊戯場がないため、室内に広めのプレイスペースを確保マジックミラーの先には母親の働くオフィス

保育室の様子

施設内に屋外遊戯場がないため、室内に広めのプレイスペースを確保マジックミラーの先は母親の働くオフィス
施設の延べ床面積は575.6m2 、うち保育室は206.2m2

施設の延べ床面積は575.6平方メートル、うち保育室は206.2平方メートル

保育の様子

就業時間でも利用できる授乳室

自然に囲まれた環境でのお散歩

母親が働くオフィス

運営方法の検討

株式会社CREATIVE LABにとって保育は全くの新規分野であったため、保育施設の運営については外部委託も検討した。しかし、保育は会社として手掛けたい事業であり、従業員のための保育園としたかったことから同社の一事業として位置づけるほうがより密接な連携ができると考え自主運営とすることとした。1ヶ所目の袋町保育園は比較的小規模であったことから開設準備は内部のスタッフで進め、開設後は現場の保育士と連携して運営を行うことができていた。しかし、2ヶ所目のせせらぎ保育園は定員が4倍になることから、保育士だけ確保して保育事業を展開することに不安を感じ、園長という立場の人が重要と考え募集を行った。その結果、認可保育施設で長年保育士としての勤務経験がありその後園長の経験ももつベテラン保育士(現株式会社peekaboo執行役員保育事業部部長)に出会い、保育士の確保を含め、開設に向けての様々な課題の相談をすることができるようになった。

平成28年6月の袋町保育園の開設後、保育施設の利用者と併設のオフィスで働く従業員は順調に増え、peekaboo事業に従事する従業員は、株式会社CREATIVE LABの中核事業である美容サロンの従業員を上回るようになった。peekaboo事業と美容サロンとでは就業形態が異なるため、同一の就業規則を適用させることに無理がでてきていた。また、事業規模も大きくなり、複数あるうちの一事業という位置付けではなくなった。そこで、同社はせせらぎ保育園開設5ヶ月前の平成29年1月にpeekaboo事業を分社化して、株式会社peekabooを設立した。

株式会社CREATIVE LABが2ヶ所目として設置したせせらぎ保育園は、株式会社peekabooが運営委託を受ける形にはなっているものの、グループ会社内であるため、同じ目標に向かって運営している(袋町保育園も現在は株式会社peekabooに運営委託)。

企業グループ関係図

企業内に向けた対応

福利厚生としての側面

福利厚生の側面を持つ施設であるため、利用料は、株式会社CREATIVE LABの従業員は月10,800円、株式会社peekabooの従業員は月4,500円とした。グループ企業内で金額に差があるのは、助成金だけでは賄えない運営費の一部を株式会社peekabooWebライティング事業等の売上から補填しているためである。

一時預かりとして、1時間300円で子どもを保育施設に預けることを可能とした。

ニーズ把握の実施と企業内での説明

親会社であるCREATIVE LABについては、peekaboo社長が妊娠中の従業員に個別に面談し、具体的なニーズ把握を行うと同時にせせらぎ保育園についての詳細を説明した。

株式会社peekabooでは、子どもを預けながら保育施設に併設した職場で勤務することを前提に従業員を採用していた。そのため、従業員向けにニーズを把握する必要はなかった。利用者兼従業員の募集のため、株式会社peekabooは開設2ヶ月前の平成29年4月から説明会の開催をはじめた。開設までに説明会を4回開催し、80人程が集まった。

地域とのかかわり

自治体との連携と自治体等への手続き

初めての保育事業でわからないことばかりであったため、1ヶ所目の袋町保育園の開設準備の段階から、広島市子ども未来局に繰り返し相談した。しかし、企業主導型保育事業は新しい制度であり、市も把握しきれていない部分があったため、詳細は児童育成協会に問い合わせるようにと言われることが多かった。一方、児童育成協会からも、自治体の方針に従ってほしいと言われることがあり、双方に何度も確認をとりながら申請手続きを進めた。

地域枠の取扱いと利用定員枠の運用

地元企業による地域貢献として地域枠は設定したが、従業員の募集と保育施設の利用者の募集はセットというのが同社の基本的な考え方であったため、保育施設の利用は自社の従業員を優先させることとした。現在の利用者は、CREATIVE LABの従業員の子ども4人とpeekabooの従業員の子ども79人となっている。

近隣住民とのかかわり

施設の改装工事開始時には、建築業者が地域住民に挨拶まわりをし、開設直前には開設案内のチラシを配布した。物件のオーナーには株式会社peekabooの社長が直接挨拶に出向いた。また、開設後に子どもたちが交流できるように、近隣の介護施設にも挨拶に出向いた。

開設に向けた具体的な準備段階

施設整備に関する法令の遵守

せせらぎ保育園の設置にあたっては、過去に保育施設を100ヶ所以上手掛けた東京在住の建築士に相談したが、建築基準法や消防法の確認をはじめとした実際の設計は地元の建築士に依頼した。

避難経路の設置の仕方を含め、企業主導型保育事業は、認可と認可外のいずれの基準に従うべきかわかりづらい点も多かったため、広島市と児童育成協会の双方に相談しながら法令遵守に努めた。

施設運営に関する法令の遵守

認可外基準に基づき法令を遵守しても、監査の段階で企業主導型保育事業では基準を満たしていないと指摘されることも多いため、認可保育施設の基準にあわせるように努めた。その一例が0歳児の就寝時の呼吸チェックである。本事業ではどちらの基準にあわせてよいか1ヵ所目開設当初はわからなかったが、厳しい基準(5分毎のチェック)にあわせることに決め、実践している。

外部委託時の業者選定

給食は、認可保育施設の実績のある会社に委託し、自園調理することとした。既に多くの保育施設に食事提供している企業であったため、自治体に確認すべきポイント等に関してもアドバイスを得られた。

保育士等の必要人材の確保

保育士の募集には、主に雇用している保育士のSNSと、会社のホームページを活用した。開設後、同施設はテレビで紹介され、それを見て応募してきた人もいた。実際の応募は既に雇用している保育士の口コミが多かった。

保育士の子どもの受け入れも可能としたため、子育て中の保育士が集まり、採用難といわれている時代にもかかわらず、人材確保には苦労しなかった。保育士の子どもが同保育施設を利用する際には、担当クラスは自身の子どもの在籍クラスとは別にするよう配慮している。

事故等への備え

子どもたちの安全確保のために、ドアの側壁、いすなどすべての角に丸いクッション材を施したほか、ドアノブは、子どもの手の届かない高さに設定した。

高めに設置したドアノブ

運営費に関する事項

助成金だけでは運営費は賄いきれないため、不足分は株式会社peekabooの他事業の売上から補填している。割合のイメージは、助成金:保育料:他事業からの補填が7:2:1である。

設立後の運営

家庭、地域への情報提供

保育ノートとして連絡帳アプリを活用し、子どもたちの様子を写真つきで配信している。登録すれば、子どもの両親のほか、祖父母にも配信されるので成長記録やアルバム代わりになると喜ばれている。

関係機関や近隣保育施設などとの連携

災害時等は消防署、警備会社と連携するようにしている。子どもの健康管理には、近隣の小児科と提携しているが、突発的に起きた発熱や怪我の場合は提携以外の医療機関に直接連れて行くなど、迅速な対応をとっている。

受け入れ時間や体制の工夫

併設したオフィスで働く人たちは、必ずしも週5日のフルタイム勤務ではないため、せせらぎ保育園の利用者(平成30年1月26日時点で83人)には、1ヶ月15日以下の利用の不定期利用者も15人含まれている。

親会社が美容サロンであり、土日祝日も営業している。Webライティング事業も土曜日を含めたシフト制としており、これらの従業員の子どもを預かるために、土曜日・祝日も開所している。

働く母親を支援することを目的にはじめた事業であるため、母親の仕事が延び、延長保育が必要な場合には、申し出が当日であっても、保育士の都合がつく限り対応するようにしている。

一時預かりも実施しており、美容サロンの顧客や他の美容サロンを経営する企業の従業員の子どもを預かっている。顧客の場合は、月1回のサロンの利用の際、次回の利用予約とともに一時預かりの予約を受け付けている。突発での利用希望は保育士の余裕があれば受け入れるようにしている。

企業担当者・利用者の声

企業担当者の声

企業主導型保育事業により、念願だった「働くママを応援する保育園隣接型オフィス」を開設することができ、とても感謝しています。企業主導型保育事業の立ち上げで最も重要な点は、信頼できる専門家と組むことです。素人が保育士だけ確保して運営しようとしてもうまくいきません。

現在、認可外として位置づけられている企業主導型保育施設ですが、設置運営基準は認可保育施設並みに整備しているため、日々努力している保育士たちが自信をもって活動できるよう、同制度の認知度が向上していくことを願います。

従業員枠利用者の声

子どもが急に体調不良になったり、怪我をした場合にもすぐに駆けつけることができ、時間の短縮にもなります。そして何より子どもと同じ空間で働けることは本当に心強く、安心感もあります。

peekabooの求人をみて、子離れできていない私にとって、理想の場所だとときめいたこと思い出しました。

peekabooを創っていただかなければ、今の生活とは全く違う生活を送っていたと思います。本当に心から感謝しています。

私のように、peekabooに出会えて良かったと思ってくれるママがこれからも益々増えるよう、精一杯頑張ってお手伝いできたらと思っています。

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