少子化対策

政府の少子化対策について

平成17年12月18日

内閣府


1.少子化の進行

現在わが国では急速に少子化が進行。2004(平成16)年の合計特殊出生率は、前年に引き続き過去最低水準の1.29となる。出生数は、対前年比で1万3千人減少し、過去最低。

少子化の進行

出典:
厚生労働省「人口動態統計」
注:
1947~1972年は沖縄県を含まない。

2.都道府県別の出生率

都道府県別合計特殊出生率(2004年)

注:
棒グラフが赤色のところは、対前年比で上昇した都県を表す。

3.人口減少社会の到来

わが国の総人口は2006年にピークを迎え、2007年から減少に転じると予想。

2050年の総人口は約2,700万人も減少し、1億59万人と、38年前と同水準になると見込まれている。

人口減少社会の到来

資料:
2003年までは総務省統計局「国勢調査」、「10月1日現在推計人口」、2004年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成14年1月推計)」
注:
1941~1943年は1940年と44年の年齢3区分別人口を中間補間した。1946年~71年は沖縄県を含まない。

4.これまでの政策と少子化の進行

様々な施策の実施にも関わらず、出生数および合計特殊出生率の低下傾向には歯止めがかかっていない。

出生数及び合計特殊出生率の年次推移


出生数及び合計特殊出生率の年次推移(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます


5.出生率低下の社会的背景

これまで様々な角度から対策を進めてきたものの、様々な社会の変化に対して、対策が十分に追いついておらず、出生率が依然低下傾向。

(1)働き方の見直しに関する取組が進んでいない

子育て期にある30歳代男性の4人に1人は週60時間以上就業しており、子どもと向き合う時間が奪われている。

我が国の男性の家事・育児に費やす時間は世界的にみても最低の水準であり、その負担は女性に集中。

このような「職場の雰囲気」から育児休業制度も十分に活用されていない。

(2)子育て支援サービスがどこでも十分に行き渡っている状況にはなっていない

二期にわたるエンゼルプラン、平成14年度からの「待機児童ゼロ作戦」で保育サービスの拡充を図るものの、保育ニーズの増加により、待機児童はまだ多数存在。

地域協同体の機能が失われていく中で、身近な地域に相談できる相手がいないなど、在宅で育児を行う家庭の子育ての負担感が増大。

(3)若者が社会的に自立することが難しい社会経済状況

若年者の失業率は厳しい状況が続いており、特に24歳以下は、近年急速に上昇。

雇用の不安定な若者は社会的、経済的に自立できず、家庭を築くことが難しい。

国民が、子どもを生み育てやすい環境整備が進んだという実感をもつことができていない


6.出生率と女性の労働力率との関係(1)

2000年時点では、女性労働力率が高い国ほど、出生率も高い傾向。
(OECD加盟24か国における女性労働力率と合計特殊出生率)

<合計特殊出生率と女性労働力率>

<合計特殊出生率と女性労働力率>1970年、1985年、2000年

データ出所:
Recent Demographic Developments in Europe 2004, 日本:人口動態統計, オーストラリアBirths, No. 3301, カナダ:tatistics Canada, 韓国:Annual report on the Vital Statistics, ニュージーランド:Demographic trends, U.S.:National Vital Statistics Report, ILO Year Book of Labour Statistics
出典:
内閣府男女共同参画会議「少子化と男女共同参画に関する専門調査会」
「少子化と男女共同参画に関する社会環境の国際比較報告書」(平成17年)

6.出生率と女性の労働力率の関係(2)

欧米は女性の労働力率が上昇し、出生率も高いのに対し、日本は出生率が低下し、女性労働力率の上昇幅も小さい。

合計特殊出生率

注:
1970年、80年、85年、90年、2000年の5時点。韓国の70年の合計特殊出生率は4.53、女性労働力率は40.4%

7.近年の政府の取組

「少子化の流れを変える」ための総合的な施策展開の指針として、少子化社会対策大綱を策定。

重点施策の具体的実施計画として「子ども・子育て応援プラン」を策定。


8.子ども・子育て応援プランの概要

少子化社会対策大綱(平成16年6月4日閣議決定)の掲げる4つの重点課題に沿って、平成21年度までの5年間に講ずる具体的な施策内容と目標を提示

「子どもが健康に育つ社会」「子どもを生み、育てることに喜びを感じることのできる社会」への転換がどのように進んでいるのかが分かるよう、概ね10年後を展望した「目指すべき社会の姿」を掲げ、それに向けて、内容や効果を評価しながら、この5年間に施策を重点的に実施

【4つの重点課題】 【平成21年度までの5年間に講ずる施策と目標(例)】 【目指すべき社会の姿(例)】
若者の自立とたくましい子どもの育ち
  • 若年者試用(トライアル)雇用の積極的活用
  • 全国の小・中・高等学校において一定期間のまとまった体験活動の実施
  • 若者が意欲を持って就業し経済的にも自立[若年失業者等の増加傾向を転換]
  • 各種体験活動機会が充実し、多くの子どもが様々な体験を持つことができる
仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し
  • 企業の行動計画の策定・実施の支援と好事例の普及
  • 個々人の生活等に配慮した労働時間の設定改善に向けた労使の自主的取組の推進、仕事と生活の調和キャンペーンの推進
  • 希望する者すべてが安心して育児休業等を取得[育児休業取得率男性10%、女性80%]
  • 男性も家庭でしっかりと子どもに向き合う時間が持てる[育児期の男性の育児等の時間が他の先進国並みに]
  • 働き方を見直し、多様な人材の効果的な育成活用により、労働生産性が上昇し、育児期にある男女の長時間労働が是正
生命の大切さ、家庭の役割等についての理解
  • 保育所、児童館、保健センター等において中・高校生が乳幼児とふれあう機会を提供
  • 全国の中・高等学校において、子育て理解教育を推進
  • 多くの若者が子育てに肯定的な(「子どもはかわいい」、「子育てで自分も成長」)イメージを持てる
子育ての新たな支え合いと連帯
  • 地域の子育て支援の拠点づくり(市町村の行動計画目標の実現)
  • 待機児童ゼロ作戦のさらなる展開(待機児童が多い95市町村における重点的な整備)
  • 児童虐待防止ネットワークの設置
  • 子育てバリアフリーの推進(建築物、公共交通機関及び公共施設等の段差解消、バリアフリーマップの作成)
  • 全国どこでも歩いていける場所で気兼ねなく親子で集まって相談や交流ができる
  • 全国どこでも保育サービスが利用できる[待機児童が50人以上いる市町村をなくす]
  • 児童虐待で子どもが命を落とすことがない社会をつくる[児童虐待死の撲滅を目指す]
  • 妊産婦や乳幼児連れの人が安心して外出できる[不安なく外出できると感じる人の割合の増加]

9.地方ブロック・プロセス

少子化対策の推進において、都道府県・市町村の役割は極めて大きい。「少子化担当大臣と地方自治体トップのブロック会合」を全国で開催し、少子化担当大臣と地方自治体トップが国・地方自治体における取組、少子化対策への提言、国への要望等について活発な議論を行う。

開催方法等
内閣府主催。全国のブロックごとに少子化担当大臣が議長として往訪。
参加者は、猪口邦子少子化担当大臣(議長)、都道府県知事、政令指定都市の長等

国と地方自治体が連携し、少子化対策の一層の推進を図る


10.官民一体子育て支援推進運動事業の展開


11.少子化社会対策推進会議の開催

少子化社会対策会議の下に、内閣官房長官が主宰し、関係閣僚と有識者で構成する「少子化社会対策推進会議」を開催。

「推進会議」の下に、少子化対策担当大臣が主宰し、同大臣と有識者で構成する「少子化社会対策推進専門委員会」を開催。

「推進会議」において基本方針を議論し、「専門委員会」において基本方針を踏まえた具体的な施策検討を行う。


12.検討課題

「子ども・子育て応援プラン」の課題の検討を行う。

  1. 地域や家庭の多様な子育て支援
  2. 働き方に関わる施策
  3. 児童手当等の経済的支援 など

「少子化社会対策大綱」及び「子ども・子育て応援プラン」のフォローアップを行う。

予想以上の少子化の進行に対応して、新規施策も含めた対策の総合的な検討を行い、戦略的な推進の方法を探る。来年6月頃を目途に、議論のまとめを行い、「少子化担当大臣と地方自治体トップのブロック会合」の成果も踏まえつつ、「骨太方針2006」や19年度予算編成作業に反映させる

経済界・労働界トップと関係閣僚による「子育て支援官民トップ懇談会」などを通じ、仕事と家庭・子育ての両立のための子育て支援を推進する国民的運動を展開する。

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