少子化対策

「新しい子ども・子育て支援制度について」

 「新しい子ども・子育て支援制度について」  14:40 ~ 14:50

説明者:伊奈川 秀和(内閣府大臣官房少子化・青少年対策審議官)

伊奈川審議官の写真

皆さん、こんにちは。内閣府で子ども・子育て施策の推進を担当しております審議官の伊奈川でございます。本日は、家族の日ということでこのようなフォーラムを開催しておりますが、私の方から、この前の国会で成立いたしました、子ども・子育てに関する新しい仕組みを創設し、支援する法律の内容等について、簡単ではございますが、ご説明させていただきます。

まず、政府といたしましては、今後、これまで以上に、子どもの教育・保育、子育て支援を総合的に進める新しい仕組みを目指すこととしております。

この背景といたしましては、第一に、核家族化や高齢化の進展に伴い、地域のつながりが希薄になり、親が子育てをするときも、子どもが育つ上でも、必要な、子ども同士や親以外のたくさんの人達との関わりが少なくなってきていることがあります。

第二に、都市部をはじめとして全国的に保育所に入れないたくさんの待機児童が存在し、一方で子どもが減ってきたことで、近くに保育所がなくなってしまうような地域もたくさんあります。具体的には、全国でみますと、33都道府県において、24,825人の待機児童がいます。

第三に、日本は、子どもにかける予算が、対GDP比でみますと、先進国の中で最も少ない国の一つです。具体的には、日本においては対GDP比で約1%ですが、子育て支援の充実したフランスやスウェーデンと比較しますと、その3分の1です。

このような状況のもと、子ども・子育てに関しまして、新しい制度を創設し、その中で大きな柱として4つのことを目指すこととしています。

大きな柱の一つとしましては、質の高い幼児期の学校教育・保育を総合的に提供できる仕組みを創ることとしております。

具体的には、一つ目は、現在の認定こども園の中でも、幼保連携型認定こども園について、単一施設として認可・指導監督等を一本化することなどにより、認定こども園の一層の普及を目指します。

二つ目は、現在、ばらばらとなっている、認定こども園や幼稚園、保育所を通じた共通の給付を創設し、どの施設を利用しても必要な給付が受けられるようにします。

三つ目は、認定こども園や幼稚園、保育所、放課後児童クラブを始めといたしまして、教育と保育等の子育て支援に携わる職員の体制強化を図り、教育・保育の質を高めます。

四つ目は、市町村に窓口を一本化するとともに、国においても内閣府に一本化し、二重行政を解消することとしています。

大きな柱の二つ目としましては、皆さんご存知と思いますが、都市部を中心とした待機児童を解消していきます。その中で、一定の基準を満たせば、自治体は認可する仕組みとすることにより、質を確保しながら、保育等の量的拡大を図ると同時に、認定こども園や保育所を中心に、小規模保育や保育ママなど多様な保育を充実することとしております。また、このような待機児童の解消に向けては、各々の地域のニーズを踏まえ、市町村が計画的に整備することとなっています。

大きな柱の三つ目としましては、子どもが減り続けている地域の保育・子育て支援を支え続けます。こちらも、各々の市町村がその地域の状況を踏まえながら、認定こども園や幼稚園、保育所とともに、小規模保育や保育ママなども活用して、引き続き、保育、子育て支援を提供できるようにします。

大きな柱の四つ目としましては、地域でいきいき子育て出来ることが大切であり、親子で相談や交流などができる地域の拠点を増やしたり、多様なメニューから施設や支援を選べるようになります。

以上のような施策を講じるためには、財源が必要となりますが、これらを実現するために、消費税を引き上げることで得られる収入の一部を、日本の未来を担う子どものための予算として使うこととします。

また、皆さんに身近な市町村の役割としまして、全ての市町村が責任を持って、保護者など地域の方と一緒に、計画的に地域の子育て支援を充実するとともに、保護者が必要な支援を受けられるよう、市町村が利用者をしっかりサポートできるようにすることとなっています。

次に、今申し上げました、幼児期の学校教育や保育、地域の子育て支援を総合的に推進するための新しい仕組みをしっかりと構築するために、民主党や自民党、公明党の三党の合意により、8月に子ども・子育てに関連する法律を3本成立頂きました。

その法律の主なポイントとしましては、一つ目が、幼保連携型認定こども園の改善等といたしまして、その設置の際の認可や指導監督を一本化することや、学校及び児童福祉施設としての法的な位置づけをしっかりと行ったこと、二つ目が、施設型の給付として、認定こども園や幼稚園、保育所を通じた共通の給付と地域型の給付として、小規模保育等への給付を創設いたしました。三つ目としては、地域の利用者に対する支援や地域の子ども・子育て支援の拠点等を充実することが盛り込まれています。

次に、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援に共通の仕組みがどのようになっているかについて、簡単にご説明します。

まず、今回の支援を行う実施主体については、市町村、いわゆる基礎自治体が実施主体となります。市町村は、その各々の地域のニーズに基づき計画を策定し、先ほど申し上げた給付や支援事業を実施することとなっています。 国や都道府県は、実施主体の市町村を重層的に支えることとなります。

子ども・子育て支援を実施するに当たっては、当然のことですが、財源が必要になります。この財源の確保には、社会全体による費用負担が大切です。このため、消費税率の引き上げにより、国と地方の恒久財源の確保を前提としておりまして、幼児教育・保育や子育て支援の質と量の拡充を図るためには、消費税率の引き上げにより0.7兆円程度を含めて1兆円超程度の財源を確保することが必要です。

また、子ども・子育て支援を推進していく場合、有識者や地方公共団体、事業主代表、労働者代表のみならず、子育て当事者や子ども・子育て支援に関する事業に従事する子育て支援当事者等の皆さんが、子育て支援の政策プロセス等に参画し、関与することができる仕組みとすることが重要であり、今回、国に子ども・子育て会議を設置することとしています。なお、市町村等においてもこのような合議制の機関の設置が大切でありますが、努力義務となっています。

続きまして、子どもや子育て家庭の状況に応じた子ども・子育て支援をどのように提供していくかというイメージ図です。

子ども・子育て家庭の状況と需要については、その図にありますとおり、概ね4つの家庭が想定されます。一つ目が、一番左にありますとおり、満3歳以上の子どもを持つ、保育を利用せず家庭で子育てを行う家庭でありまして、その家庭における、子ども・子育てのニーズとしては、学校教育と子育て支援であります。次に、その右になりますが、満3歳以上の子どもを持つ、保育を利用する家庭ですと、子ども・子育てのニーズとしては、学校教育に保育、放課後児童クラブ、子育て支援の需要が、その隣の、満3歳未満の子どもを持つ、保育を利用する家庭における子ども・子育てのニーズとしては、保育と子育て支援が、一番右になりますが、満3歳未満の子どもを持つ、保育を利用せず家庭で子育てを行う家庭においては、子ども・子育てのニーズとしては、子育て支援の需要があると考えられます。

このような需要を各々の市町村が調査、把握することにより、市町村子ども・子育て支援事業計画を策定し、計画的な整備を行うこととなります。このような整備を図り、認定こども園や幼稚園、保育所を対象とする給付や小規模保育や家庭的保育、居宅訪問型保育、事業所内保育を行う事業者を対象とする地域型保育給付を行うこととなります。

また、これらの給付以外にも、地域の子ども・子育て支援事業として、地域子育て支援拠点事業や一時預かり、乳児家庭全戸訪問事業等、延長保育事業や病児・病後児保育事業、放課後児童クラブなどを実施することになります。

そろそろ持ち時間が無くなってまいりました。最後の資料は、子ども・子育て支援法の仕組みについて、これまで説明いたしましたことを図において整理したものですので、お時間のある時にお目通し頂ければ幸いです。

最後に、今回説明申し上げました、子ども・子育て支援法を円滑かつ着実に施行することにより、子育て世代の皆様が、安心して子育てできる社会を構築できるよう努めてまいりたいと考えております。以上、簡単な説明でございましたが、私からの説明を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

内閣府 Cabinet Office, Government of Japan〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
電話番号 03-5253-2111(大代表)