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少子化対策

平成20年度 少子化施策利用者意向調査の構築に向けた調査報告書―概要版(HTML版)

平成21年3月
内閣府政策統括官(共生社会政策担当)

1 調査概要

1.1 調査の目的

「子どもと家族を応援する日本」重点戦略(平成19年12月27日少子化社会対策会議決定、以下「重点戦略」という。)では、各種少子化施策の利用者の視点に立った点検・評価手法の充実のための1つの方策として、利用者意向調査の実施を掲げている。

利用者意向調査は、各施策の進捗状況や統計等によっては捉えられない、利用者の実際の意識や感覚を把握するための手法として有効であり、今後、これらの具体的な手法を構築し、実際の施策に反映していく仕組みを確立することが求められている。

本事業は、利用者意向調査の具体的な設計を行った上で、実際にいくつかの地域において調査を実施することにより、手法としての有効性を検証するとともに、実施上の課題等を明らかにすることを目的とする。

なおこの調査は、少子化社会対策大綱の評価に主眼を置き、大綱の見直しに際し、参考に供するものである。また、重要な取組については、利用者から、もう一段深堀りした評価を求めるものとする。

1.2 調査方法

アンケート調査は、平成20年12月から平成21年1月に郵送調査により実施した。住民基本台帳等の閲覧を行い、無作為抽出法により該当となる対象者を選定した。なお、調査実施にあたり、有識者から構成される研究会(「少子化施策利用者意向調査の構築に向けた調査」に関する研究会)を設置し、全4回の研究会を通して具体的な調査手法や調査内容等について検討を行った。

○ 研究会委員名簿

有北 いくこ NPO法人ままとんきっず 理事長
岩間 暁子 和光大学 准教授
佐々井 司 国立社会保障・人口問題研究所 人口動向研究部室長
※矢島 洋子 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) 経済・社会政策部主任研究員
※座長

(五十音順、敬称略)

○ 調査研究委託機関

日本PMIコンサルティング株式会社

1.3 調査の配布数、回収数、回収率

アンケート調査は、6自治体それぞれについて2,000通、合計12,000通配布している。回収率は自治体により差はあるが(大都市圏は「東京都江東区」、「千葉県袖ヶ浦市」、「埼玉県三郷市」、地方圏は「静岡県富士宮市」、「福井県勝山市」、「岐阜県美濃市」)(22.0%~38.3%)、全体では3,660通の回収があり、30.5%の回収率となっている。

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2 調査結果

2.1 目指すべき社会の姿の達成度

2.1.1 全回答者の集計結果

「少子化社会対策大綱」に基づく「子ども・子育て応援プラン」(平成16年12月)に掲げられている「目指すべき社会の姿」について、そのような社会になっていると思うかどうかを質問している。

「目指すべき社会の姿」の達成度を質問した結果について、全回答者の回答率と平均値を算出している(図1)。なお、平均値の算出方法は、とてもそう思う(100点)、ややそう思う(75点)、どちらともいえない(50点)、あまりそう思わない(25点)、そう思わない(0点)により算出している。また、無回答は、平均値の分析からは除いている。

○達成度が相対的に高く評価されている項目

回答率から達成度が相対的に高く評価されている項目(「とてもそう思う」+「ややそう思う」)は、「3.ボランティア体験、自然体験、社会体験活動の機会が充実し、多くの子どもが様々な体験を持つことができる社会(33.8%)」、「2.教育を受ける意欲と能力のある者が、経済的理由で修学を断念することのない社会(27.4%)」、「25.妊婦、子ども及び子ども連れの人に対して配慮が行き届き安心して外出できる社会(26.9%)」となっている。

平均値から達成度が相対的に高く評価されている項目としては、平均値の高い順に 「3. ボランティア体験、自然体験、社会体験活動の機会が充実し、多くの子どもが様々な体験を持つことができる社会(48点)」、「22.障害のある子どもの「育ち」を支援し、一人ひとりの適性に応じた社会的・職業的な自立が促進される社会(46点)」、「12.地域住民や関係者を交えた子育てを応援する取組が行われる社会(44点)」となっている。

○達成度が相対的に低く評価されている項目

回答率から達成度が相対的に低く評価されている項目(「あまりそう思わない」+「そう思わない」)をみると、「1.若者が意欲を持って就業し、経済的にも自立できるような社会(71.5%)」、「5.希望する者すべてが、安心して育児休業等を取得できる職場環境が整った社会(71.3%)」、「9.育児期に離職を余儀なくされる者の割合が減るとともに、育児が一段落した後の円滑な再就職が可能な社会(65.5%)」、「7.働き方を見直し、多様な人材を効果的に育成活用することにより、(労働)生産性が上昇するとともに、育児期にある男女の長時間労働が是正される社会(65.0%)」となっている。

平均値から達成度が相対的に低く評価されている項目としては、平均値の低い順に「5.希望する者すべてが、安心して育児休業等を取得できる職場環境が整った社会(27点)」、「1.若者が意欲を持って就業し、経済的にも自立できるような社会(31点)」、「7.働き方を見直し、多様な人材を効果的に育成活用することにより、(労働)生産性が上昇するとともに、育児期にある男女の長時間労働が是正される社会(31点)」となっている。

特に、「目指すべき社会の姿」について、「5.希望する者すべてが、安心して育児休業等を取得できる職場環境が整った社会」の達成の評価に対し、「そう思わない」と回答した割合が4割を超えるなど、「仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し」に関して厳しい評価となっている。

図1 目指すべき社会の姿の達成度(回答率及び平均値)

※赤色の枠は、回答率と平均値から達成度が相対的に高く評価されている項目のそれぞれ上位3項目である。なお「3.ボランティア体験、自然体験、社会体験活動の機会が充実し、多くの子どもが様々な体験を持つことができる社会」の項目は、回答率と平均値のいずれも上位となっていたため、赤色の枠は全体で5箇所となっている。青色の枠は、回答率と平均値から達成度が相対的に低く評価されている項目である。なお、回答率が低く評価されていた3位と4位がほとんど変わらない回答率であったため、4項目まで選択している。また、平均値の上位3位までは回答率の上位4位までと同じ項目であるため、青色の枠は4箇所である。
※平均値は、以下の得点により算出している。なお、無回答は分析から除いている。
100点:とてもそう思う、75点:ややそう思う、50点:どちらともいえない、25点:あまりそう思わない、0点:そう思わない
※結果は、6自治体を抽出した分析である。

2.2 少子化社会対策大綱の国の取組への評価

2.2.1 回答者全体の集計

「目指すべき社会の姿」を実現するため、現在、少子化社会対策大綱の取組が、社会全体(国、都道府県、市町村、企業、各種団体等)において行われているが、国はこのような取組をどの程度行っていると思うかについて回答を求めている。

国の取組に対する評価の結果について、全回答者の回答率と平均値を算出している(図2)。なお、平均値の算出方法は、積極的に行っていると思う(100点)、やや行っていると思う(75点)、どちらともいえない(50点)、あまり行っていないと思う(25点)、行っていないと思う(0点)として算出している。また、「国の取組を知らないため評価できない」と回答した者及び無回答は、平均値の分析からは除いている。

○取組が相対的に高く評価されている項目

回答率から国の取組についての評価が相対的に高い項目(「積極的に行っていると思う」+「やや行っていると思う」)をみると、「2.奨学金の充実を図る取組(34.9%)」、「16.地域における子育て支援の拠点等の整備及び機能の充実を図る取組(34.0%)」、「28.児童手当の充実を図り、税制の在り方の検討を深める取組(33.2%)」、「27.子育てバリアフリーなどを推進する取組(31.4%)」、「15.放課後対策を充実する取組(31.0%)」となっている。

平均値から取組が相対的に高く評価されている項目は、平均値の高い順に「2.奨学金の充実を図る取組(55点)」、「16.地域における子育て支援の拠点等の整備及び機能の充実を図る取組(53点)」、「15.放課後対策を充実する取組(50点)」、「23.子どもの健康を支援する取組(50点)」となっている。

○取組が相対的に低く評価されている項目

回答率から国の取組についての評価が相対的に低い項目(「あまり行っていないと思う」+「行っていないと思う」)をみると、「7.男性の子育て参加促進のための父親プログラム等の普及の取組(59.2%)」、「8.労働時間短縮等、仕事と生活の調和のとれた働き方の実現に向けた環境整備の取組(54.8%)」、「24.妊娠・出産の支援体制、周産期医療体制を充実する取組(52.9%)」、「9.妊娠・出産しても安心して働き続けられる職場環境の整備を進める取組(50.4%)」となっている。

平均値から国の取組についての評価が相対的に低い項目は、平均値の低い順に「7.男性の子育て参加促進のための父親プログラム等の普及の取組(28点)」、「8.労働時間短縮等、仕事と生活の調和のとれた働き方の実現に向けた環境整備の取組(30点)」、「24.妊娠・出産の支援体制、周産期医療体制を充実する取組(32点)」となっている。

○取組が知られていない項目

次の項目については、「国の取組を知らないため評価できない」という回答が多かった。

・一般事業主行動計画による次世代育成支援対策に関する取組の推進などの「5.企業等におけるもう一段の取組」(32.8%)

・子どもに関する各種手続きの等の窓口や情報の一本化を図るなど、一元的な行政サービスの実施を図るなどの「21.行政サービスの一元化を推進する取組」(30.3%)

・不妊治療の経済的負担の軽減などの「25.不妊治療への支援等の取組」(27.4%)

図2 少子化社会対策大綱の国の取組への評価

※赤色の枠は、回答率と平均値から国の取組への評価が相対的に高く評価されている項目である。回答率の評価が相対的に高い項目の上位5位までは、その回答率に顕著な差がなかったため、5項目選択している。また、平均値の上位3位までは回答率の上位5位までと重複した項目であるが、「23.子どもの健康を支援する取組」も上位3位の項目と同じ平均値であるために枠をつけており、赤色の枠は6箇所である。青色の枠は、回答率と平均値から国の取組が相対的に低く評価されている項目である。なお、回答率が低く評価されていた3位と4位がほとんど変わらない回答率であったため、4項目まで選択している。また、平均値の上位3位までは回答率の上位4位までと同じ項目であるため、青色の枠は4箇所である。
※平均値は、以下の得点により算出している。なお、「国の取組を知らないため評価できない」と回答した者と無回答は、平均値の分析から除いている。
100点:積極的に行っていると思う、75点:やや行っていると思う、50点:どちらともいえない、25点:あまり行っていないと思う、0点:行っていないと思う
※結果は6自治体を抽出した分析である。

2.3 少子化社会対策大綱の取組に関する要望

現在、行われている少子化社会対策大綱の取組のうち、最も実現してほしい項目(5項目まで選択)を質問している。要望が相対的に多い項目は「22.小児医療体制の充実(42.1%)」、「24.妊娠・出産の支援体制、周産期医療体制を充実する取組(36.0%)」、「28.児童手当の充実を図り、税制の在り方の検討を深める取組(32.1%)」「8.労働時間短縮等、仕事と生活の調和のとれた働き方の実現に向けた環境整備の取組(27.1%)」、「9.妊娠・出産しても安心して働き続けられる職場環境の整備を進める取組(26.8%)」等である(図3)。また、「1.若者の就労支援の取組」は、調査対象者に若者の比率が低いにもかかわらず、全体の2割超から要望があるため、赤枠で囲んでいる。

図3 少子化社会対策大綱の取組に関する要望(回答率)

※6自治体を抽出した分析

2.4 仕事と生活の両立

「自分の仕事と生活の調和が取れていると思うかどうか」について、仕事をしている者を対象として質問している。その結果、全体の傾向として、半数弱がそう思う(「そう思う」+「ややそう思う」)と回答しており、そう思わない(「あまりそう思わない」+「そう思わない」)とする回答は、全体の34.6%となっている(図4)。

また、「自分の仕事と生活の調和が取れていると思うかどうか」について、1週間あたりの労働時間別に分析したところ、男性女性ともに、50時間を越えると、そう思わない(「あまりそう思わない」+「そう思わない」)とする回答が増加する傾向にある。特に1週間当たりの労働時間が60時間を超えている場合には、そう思わないという回答が増加しており、男性女性ともに6割強にのぼっている。

図4 労働時間別の仕事と生活の調和

※仕事をしている者を対象とした質問

2.5 職場における子育て支援の取組(育児休業の取得状況)

2.5.1 育児休業の取得状況

職場において、育児休業を希望する人が、安心して育児休業を取得できているかどうかについて、民間企業勤務及び公務員を対象に質問している。その結果、そう思う(「そう思う」+「ややそう思う」)とする回答は、全体の30.8%となっているが、そう思わない(「あまりそう思わない」+「そう思わない」)とする回答は、全体の44.8%となっており、安心して取得できていないと回答している者のほうが多い(図5)。

民間企業と公務員について分析し、民間企業については、勤務している企業の従業員数別に分析した結果、男性女性ともに、民間企業よりも公務員のほうが、「そう思う」とする回答率が高い。また、民間企業について、従業員数別に分析したところ、従業員数が少ないほど安心して取得できていないとする回答(「そう思わない」)の比率が高い傾向にあり、特に男性の「民間企業100人以下」において顕著である。

図5 職場における育児休業の取得状況

※職場のある者(民間企業勤務と公務員)を対象とした質問

2.5.2 育児休業が取得できていない理由

 職場において育児休業が取得できていない理由について、職場で育児休業が取得できていないと回答した者を対象に質問している。その結果、最も回答数が多かったものは、「制度を利用すると業務に支障が生じる(57.2%)」であり、次いで「制度を利用する風土がない(50.0%)」とする回答が顕著である(図6)。また、「制度を利用することに抵抗を感じる(36.9%)」、「制度利用に対して「上司」の理解が得られていない(35.4%)」、 「制度を利用すると、収入が減る(34.2%)」、「制度を利用すると、昇給・昇格に悪影響を及ぼす懸念がある(31.3%)」といった理由もあげられており、制度利用が進まない理由として、複数の課題が指摘されている。

図6 育児休業が取得できていない理由

※職場で育児休業が取得できていないと回答した者を対象とした質問

2.6 子育て支援

2.6.1 子育ての楽しさと辛さ

「子育てが楽しい」と感じることが多いと思うか、それとも「辛い」と感じることが多いと思うかについて、子どもを持つ者を対象に質問している。その結果、「楽しいと感じることの方が多い」とする回答が55.6%となっており、「楽しいと感じることと辛いと感じることが同じくらい」とする回答は31.9%である(図7)。

図7 子育ての楽しさと辛さの割合

※子どものいる者を対象とした質問

2.6.2 子育ての楽しさの促進と辛さの解消につながる支援・対策

どのような支援・対策があれば、「子育ての楽しさ」や「子育ての辛さの解消」につながると感じるかについて、子どもを持つ者を対象に質問している。その結果、「仕事と生活の両立の推進」が最も回答率が高く(36.0%)、子どもを持つ者にとっては、仕事と生活の両立の推進が、子育ての楽しさを促進し、辛さの解消につながるとする回答が相対的に多い(図8)。「地域内での育児関係費用の補助サービス」も期待されている(33.6%) 。

図8 子育ての楽しさの促進と辛さの解消につながる支援・対策

※子どものいる者を対象とした質問

2.6.3 地域子育て支援サービスの利用満足度

※この調査における「地域子育て支援サービス」とは、地域子育て支援拠点(地域子育て支援センター、つどいの広場等)、家庭訪問事業(生後4か月までの全戸訪問事業、育児支援家庭訪問事業等)、子育て相談事業、子育ての情報提供、一時預かり事業などとしています。

地域子育て支援サービスを利用している者を対象として、その満足度を質問している。地域子育て支援サービスを利用している者のうち6割強が満足(「満足」+「やや満足」)と回答している(図9)。

地域子育て支援サービスを利用していて不満足である者を対象として、その理由を質問している。その結果、「利用したい時に利用できない(42.7%)」、「利用時間が合わないから(31.1%)」、「利用料がかかるから(23.3%)」の順となっている。利用したいときにできないことや利用時間が合わないという時間的な理由や、利用料金といった金銭的な理由から、満足していない様子がうかがえる。

図9 地域子育て支援サービスの利用者満足度

※地域子育てサービスを利用している者を対象とした質問

2.6.4 安心して妊娠・出産できるための支援や保健医療サービス

<子どもを持つ者全体の分析>

子どもを持つ者を対象として、安心して妊娠・出産できるための支援や保健医療サービスが整っているかどうか質問している。その結果、整っている(「そう思う」+「ややそう思う」)とする回答は、全体の24.2%にとどまっており、整っていない(「あまりそう思わない」+「そう思わない」)とする回答のほうが多くなっている(41.6%)(図10)。

図10 安心して妊娠・出産できるための支援や保健医療サービス

※子どもを持つ者を対象とした質問

2.6.5 子どもが病気になったときも安心して医療にかかることができる環境

<子どもを持つ者全体の分析>

子どもを持つ者を対象として、子どもが病気になったときも、安心して医療にかかることができる環境が整っているかどうか質問している。その結果、整っている(「そう思う」+「ややそう思う」)とする回答は、全体の47.4%となっており、整っていない(「あまりそう思わない」+「そう思わない」)とする回答は24.7%となっている(図11)。

図11 子どもが病気になったときも安心して医療にかかることができる環境

※子どもを持つ者を対象とした質問

2.6.6 保育サービスの利用満足度

保育サービス(保育所、幼稚園、その他サービス)を利用している者を対象に、その利用の満足度を質問している。利用している者の58.3%は満足している(「満足」+「やや満足」)が、不満足(「あまり満足していない」+「満足していない」)も30.3%となっている(図12)。

図12 保育サービス利用の満足度

※保育サービスを利用している者を対象とした質問

2.6.7 放課後の児童対策のサービスの利用満足度

放課後の児童対策のサービスを利用している者を対象に、その利用の満足度を質問している。利用している者の63.3%は満足している(「満足」+「やや満足」)が、不満足(「あまり満足していない」+「満足していない」)も24.4%となっている(図13)。

図13 放課後児童対策サービス利用の満足度

※小学生の子どもを持ち、放課後児童対策サービスを利用している者を対象とした質問

2.6.8 子育ての経済的負担

子育ての経済的な負担について、家族構成別に分析した結果からは、既婚者(子どもなし、子どもあり)において「そう思う」とする回答が相対的に多く、経済的負担が大きいと感じられている(図14)。

図14 家族構成別の子育ての経済的な負担

2.6.9 子育ての経済的な負担の理由

子育てには経済的な負担が大きい(「そう思う」+「ややそう思う」)と回答した者を対象に、子育ての経済的な負担の理由を質問している。その結果、最も回答数が多かった項目は、「高校・大学の時期の教育費(81.4%)」であり、次いで「乳幼児期の保育・教育費用(40.2%)」、「高校・大学の時期の衣食住に関する費用(38.6%)」の順となっている(図15)。

図15 子育ての経済的な負担の理由

※子育てには経済的な負担が大きいと回答した者を対象とした質問

2.7 結婚に関する支援

2.7.1 結婚に対する考え

独身者を対象に、自分の一生を通じた結婚に対する考えを質問している。その結果、「いずれ結婚するつもり」の回答が、85.8%となっている(図16)。年代別に分析したところ、男女とも30代において「一生結婚するつもりはない」が1割程度となっている。

図16 結婚に対する考え

2.7.2 結婚に関する支援の要望

結婚を考える上で、どのような支援があればよいと考えるかについて、質問したところ、「結婚は個人の問題であるため、支援は必要ない(35.0%)」が最も多い。次いで「結婚生活に向けた経済的自立のための就労支援(23.2%)」、「出会いや交際のための労働時間削減など、働き方の見直しのための支援(21.0%)」となっている(図17)。

図17 結婚に関する支援の要望

※独身者を対象とした質問

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3 調査結果のまとめ

3.1 調査結果のまとめ

本調査は、少子化施策利用者意向調査の構築のための基礎調査となるものであり、少子化施策の利用者として考えられる層(セグメント)を対象として6自治体に限定して調査したものである。このように本調査対象者は一部の自治体に限定して実施しているが、調査結果からは、有益な示唆が得られている。

「若者の就労支援」については評価が厳しく、要望が強い結果であった。また、少子化に影響すると考えられる「結婚」に関しては、「結婚生活に向けた経済的自立のための就労支援」の要望が強い。これら結果から、比較的若い世代の就労の支援が期待されていることが示唆されている。

「仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し」に対しては、「達成度」、「評価」のいずれの結果からも、その評価は厳しいものであった。仕事と生活を両立しやすい社会は実現されておらず、また国の取組も不十分とする評価となっている。国の取組に対する要望についても、両立支援のテーマは要望が強いなど、国の取組として仕事と生活の両立支援を充実させることが求められている。

「生命の大切さ、家庭の役割等についての理解」に関しては、「安心して子どもを生み育てることができる社会の形成についての理解を進める取組」や「生命の大切さ、家庭の役割等についての理解を深める取組」への要望が相対的に強く、充実への期待が相対的に高いと考えられる。

「妊娠・出産の支援体制、周産期医療体制」や「小児医療体制」に関する評価については、社会として比較的達成されているとの評価であり、取組の評価も全体としては決して低くはない。しかし、子どものいない世帯からは「妊娠・出産の支援体制、周産期医療体制の充実」に対する評価が厳しく、要望が強い。また、子どものいる世帯からは「小児医療体制の充実」の評価が厳しく、要望が強い。したがって、実際に利用する立場からは、更なる医療の充実が期待されているものと推察される。

「児童手当の充実を図り、税制の在り方の検討を深める取組」については、相対的に取組の評価は高いが要望も強い結果となっている。このことは、取組は評価できたとしても、更に充実することが期待されていると考えられる。

本調査は、少子化施策利用者意向調査の構築に向けた調査として、少子化施策の利用者の意向把握と調査方法の検討を行うものであるが、一定の方向性と課題が明らかにされた。また、本調査の対象者は限定的ではあるが、国の施策に対する課題についても、その方向性が示唆されたと考えられる。今後は、他の調査結果等も考慮し、少子化施策利用者意向調査の構築に向けて、引き続き検討を継続したいと考える次第である。

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