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少子化対策

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第1節 ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現に向けた働き方の改革

1 ワーク・ライフ・バランス実現の重要性

○急速な少子化の進行の背景には、就業継続と子育てとが二者択一的となっている状況や、国民一人ひとりにとって、自身の望む生き方の実現を困難にし、二者択一構造の原因となっている「働き方をめぐる様々な課題」の存在がある。
○こうした仕事と子育ての両立が困難な現在の構造を「女性が安心して結婚、出産し、男女ともに仕事も家庭も大事にしながら働き続けることができるシステム」へと変革していくこと、すなわち「ワーク・ライフ・バランスの実現を目指した働き方の改革」が求められている。
○我が国社会の持続的・安定的な発展を図るためには、少子化の流れを変えるとともに、若者、女性、高齢者などの労働市場への参加を促進し、労働力人口の減少の緩和を図ることも必要である。
○企業がワーク・ライフ・バランスを実現できる環境整備に取り組むことにより、労働者が子どもや家族と過ごす時間が増え、企業の生産性向上や労働者の仕事の意欲の向上、人材確保につながる。また、男女がともに子育てを行うことが可能となれば、女性の継続就業希望も実現しやすくなる。さらに、地域活動への参加の機会や、未婚者の出会いの機会の増大にもつながる。このような個人にとっても社会にとっても企業にとっても望ましい豊かな社会の実現の基盤となるワーク・ライフ・バランスを実現することは、個別の労使のみならず、社会全体で取り組むことが必要な課題である。

2 働き方をめぐる問題点

○これまでの働き方には、子育て期にある女性が、仕事と子育てを両立することが難しいといった問題がある。子どもが1人の女性の場合、出産する1年前には仕事を持っていた人のうち、約7割が出産6か月後に無職となっている。また、出産後の母親の就業状況をみると、有職率は出産半年後25%に対して4年後には46.8%と上昇しているが、このうちパート・アルバイトの割合が22.2%と常勤(15.9%)よりも高くなっている。このように、妊娠・出産を機に仕事と子育ての二者択一を迫られるとともに、いったん離職すると、常勤での再就職が難しい状況にある。
第1‐3‐1図 出産前後の就業状況の変化

○両立が難しかった具体的な理由としては、「自分の体力がもたなそうだった」(52.8%)、「育児休業をとれそうもなかった」(36%)、「保育園等の開所時間と勤務時間が合いそうもなかった」(32.8%)、「子供の病気等で度々休まざるを得ないため」(32.8%)など、職場に両立支援制度があっても、実際には利用しにくい状況があることを示唆する回答も多い。
第1‐3‐4図 両立が難しかった理由

○これまでの働き方の2つ目の問題点としては、子育て期にある男性が、長時間労働や休暇が取りづらいといった仕事優先の働き方により、家事や育児の時間が十分に確保できないという問題がある。既婚者で有業の男性において、約8割の男性が家事・プライベートを仕事と同等以上にしたいとする希望があるにもかかわらず、現実には、5割以上の人が「仕事優先」となっており、希望と現実の間に大きなかい離がみられる。
第1‐3‐6図 ワーク・ライフ・バランスの希望と現実(男性:既婚有業 n=1,929)

○3つ目の問題点としては、職場においてワーク・ライフ・バランスを実現できるような仕事の仕方になっていないため、実際には両立支援制度が利用しにくいといった問題がある。企業における両立支援策の利用促進上の問題点を尋ねた調査では、「代替要員の確保が難しい」(46.7%)、「日常的に労働時間が長い部門・事業所がある」(33.3%)、「職場で周りの人の業務量が増える」(30.9%)といった回答が多くなっており、労働時間の長さや休業することによる周囲への負荷を配慮する状況がうかがえる。
○女性の継続就業率を向上させるためには、育児休業の利用を促進するだけでなく、出産後も継続就業できる見通しが立つような職場環境の整備が必要である。
○日本では、結婚や出産、子育て期に当たる30代で女性労働力率がいったん低下し6割にとどまる、いわゆるM字カーブを描くのに対し、フランスやスウェーデンでは、労働力の低下はみられず、高い労働力率を維持している。
○フランスやスウェーデンにおいて、仕事と子育ての両立を可能としている背景には、両立支援制度の整備のみならず、両立支援制度が十分に機能するためのワーク・ライフ・バランスの実現及び多様な働き方を支える保育サービスの提供等の環境が整備されていることがある。
第1‐3‐7図 両立支援策を利用促進する上での問題

第1‐3‐10表 両立先進国と日本の両立環境の比較

3 働き方の改革に向けた取組

○ワーク・ライフ・バランスの実現を目指した働き方の改革は、近年、少子化対策の観点のみならず、企業経営や経済の生産性の向上、男女共同参画の推進の観点からも、ワーク・ライフ・バランスの重要性が指摘されている。
○経済財政諮問会議の下で開催された労働市場改革専門調査会の第1次報告(2007年4月)では、年齢や性別にかかわらず働きたい人が働けるような弾力的な労働市場を目指すとともに、特にワーク・ライフ・バランスを実現するための取組の基本的な在り方が示された。
○男女共同参画会議の下に設置された「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する専門調査会」の報告(2007年7月)では、ワーク・ライフ・バランス実現に向けた社会基盤づくりを図ることとしている。また、企業・組織が自発的にマネジメント改革を推進し、多様な人材から高付加価値を生み出すことの重要性を指摘している。
○重点戦略検討会議の中間報告では、ワーク・ライフ・バランスを実現するための働き方の改革の方向性が示された。また、「骨太方針2007」において、平成19年内を目途に「ワーク・ライフ・バランス憲章」(仮称)及び「働き方を変える、日本を変える行動指針」(仮称)を策定することとされたことを踏まえ、2007年7月、「ワーク・ライフ・バランス推進官民トップ会議」が設置された。今後、各会議とも連携をとりながら議論を進め、平成19年内を目途に憲章や行動指針を策定することとしている。
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