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少子化対策

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第4節 労働時間の短縮等仕事と生活の調和のとれた働き方の実現に向けた環境整備を図る

1 仕事と生活の調和の考え方の浸透のための取組

仕事と生活の調和のとれた働き方を推進するため、厚生労働省においては、企業経営者、経営者団体、有識者の参集を求め、「男性が育児参加できるワーク・ライフ・バランス推進協議会」を開催し、検討結果を2006(平成18)年10月に提言としてとりまとめを行った。この提言は、男性も育児参加できる働き方の必要性やその利点、そのような働き方を可能とする取組等について、企業経営者に取組を呼びかけるものであり、その広報・普及活動に取り組んでいるところである。

また、2007(平成19)年12月には、関係閣僚、経済界・労働界・地方公共団体の代表等からなる官民トップ会議において、仕事と生活の調和に関する基本的な考え方を示す「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」(以下「憲章」という。)及び国・地方公共団体・企業の具体的取組や政策の方針を示した「仕事と生活の調和推進のための行動指針」(以下「行動指針」という。)が合意された。

憲章及び行動指針では、仕事と生活が調和した社会を実現することの重要性を指摘し、目指すべき社会の姿や、各主体が果たすべき役割、社会全体として達成すべき数値目標を示している。具体的な取組としては、まず、企業と働く者は、協調して生産性の向上に努めつつ、職場の意識や職場風土の改革とあわせて働き方の改革に自主的に取り組み、国及び地方公共団体は、国民運動を通じた機運の醸成や制度的枠組みの構築、地域の実情に応じた環境整備などを推進することとしている。数値目標に関しては、就業率、フリーターの数、週労働時間60時間以上の雇用者の割合、年次有給休暇の取得率、テレワーカーの比率、短時間勤務を選択できる事業所の割合、第1子出産前後の女性の継続就業率等の項目について、社会全体として10年後までに達成すべき数値が設定されている(第1部 第3章参照)。

今後は、憲章及び行動指針に基づき、国、地方公共団体、経済界・労働界が相互に連携し、取組を着実に推進していくとともに、数値目標等の活用により、取組の進ちょく状況を把握・評価し、政策への反映が図られることとなる。


2 長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進等、労働時間等設定改善の促進

労働時間対策としては、単に労働時間の短縮を図るだけではなく、労働時間等の設定を労働者の健康と生活に配慮するとともに、多様な働き方に対応したものへと改善を図ることが重要である。近年、労働時間の長い者と短い者の割合がともに増加する、いわゆる「労働時間分布の長短二極化」の進展、年次有給休暇の取得率の低下傾向、長い労働時間等の業務に起因する脳・心臓疾患に係る労災認定件数の高水準での推移、育児・介護や自己啓発などの労働者の抱える事情の多様化などの課題が発生している。これらを踏まえ、「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」(平成4年法律第90号)及び同法に基づく「労働時間等設定改善指針(労働時間等見直しガイドライン)」に基づき、労働時間等の設定の改善に向けた労使の自主的な取組を促進することにより、仕事と生活の調和を推進している。

具体的には、労働時間等の設定の改善に積極的に取り組む中小企業団体に対して、個々の会員事業場の実情を踏まえた指導・援助を行う労働時間等設定改善援助事業や、労働時間等の設定の改善を団体的取組として行う中小企業団体に対し労働時間等設定改善推進助成金を支給するなど、労使の自主的な取組を促進することにより、所定外労働の削減や年次有給休暇の取得促進等を推進している。

また、仕事と生活の調和の実現のため、事業主等が労働時間等の設定の改善について適切に対処するための事項を定めた「労働時間等見直しガイドライン」については、2007(平成19)年12月に策定された憲章及び行動指針を踏まえ、その趣旨を盛り込むべく改正した。

さらに、時間外労働の削減については、時間外労働の限度基準が遵守されるよう、周知徹底を図っている。


3 ライフスタイルに応じた多様な働き方の推進

近年、パートタイム労働者は増加し、2007(平成19)年には1,346万人と、雇用者総数の約24.9%にも達し、従来のような補助的な業務ではなく、役職に就くなど職場において基幹的役割を果たす者も増加している。


第2-2-4図 短時間雇用者(週間就業時間35時間未満の者)数・割合の推移―非農林業―

しかしながら、パートタイム労働者の待遇がその働きに見合ったものになっていない場合もあり、正社員との不合理な待遇の格差を解消し、働き・貢献に見合った公正な待遇を確保することが課題となっている。

このような公正な待遇を実現することは、少子高齢化、大幅な労働力人口減少の中で貴重な労働力を確保し、労働生産性を高め、経済の成長を持続させるという点からも重要である。

こうしたことから、パートタイム労働者がその能力を一層有効に発揮することができる雇用環境を整備するため、働き方の実態に応じた通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保や通常の労働者への転換の推進等を内容とするパートタイム労働法の改正案を第166回通常国会へ提出し、2007(平成19)年5月25日に成立したところであり、2008(平成20)年4月1日からの円滑な施行に向けて、周知啓発を行っている。同法の主な内容は次のとおりである。


【改正パートタイム労働法】

(1)労働条件の文書交付・説明義務

 労働条件を明示した文書の交付等の義務化等

(2)均衡のとれた待遇の確保の促進(働き・貢献に見合った公正な待遇の決定ルールの整備)

1) すべてのパート労働者を対象に、通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保措置の義務化等
2) 特に、通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対しては、差別的取扱いの禁止

(3)通常の労働者への転換の推進

 通常の労働者への転換を推進するための措置を義務化

(4)苦情処理・紛争解決援助

1) 苦情を自主的に解決するよう努力義務化
2) 行政型ADR(調停等)の整備

施行期日 2008(平成20)年4月1日


また、パートタイム労働者の均衡待遇に取り組む事業主や中小企業事業主団体への支援を図るため助成金を支給している。

さらに、正社員でありながら所定労働時間が正社員より短い短時間正社員は、育児・介護や地域活動など個々人のライフスタイルやライフステージに応じた多様な働き方を提供するものとして期待されるものであり、2007年12月にとりまとめられた「仕事と生活の調和推進のための行動指針」において、今後10年後に25%の企業での導入を目標とし定めたところである。厚生労働省では、短時間正社員制度導入の手順等を示した制度導入マニュアルを事業主へ提供するとともに、実際に制度を導入した事業主に対して助成金を支給するなど、制度普及に向けた取組を行っている。

短時間労働者への厚生年金の適用については、現在、労働時間及び労働日数がその事業所の通常の労働者のおおむね4分の3未満である者は、原則として厚生年金の適用対象となっていない。

しかしながら、短時間労働者が社会経済においてその役割や比重を増していく中で、その被用者にふさわしい年金保障を充実することは、均衡待遇を確保するための労働政策の展開とともに、将来の老後生活における格差を拡大・固定化させないための喫緊の政策課題であり、短時間労働者への厚生年金の適用拡大は、2006年12月にとりまとめられた「再チャレンジ支援総合プラン」にも位置づけられている。また、現行の厚生年金の適用基準が雇用形態等の選択に中立的でないとの指摘もあることからも、これらを踏まえ、「週所定労働時間が20時間以上」、「賃金が月額9万8千円以上」、「勤務期間が1年以上であること」等の要件を満たす短時間労働者に厚生年金の適用を拡大するための「被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案」を第166回通常国会に提出し、継続審議とされたところである。

4 テレワークの推進

情報通信技術を活用した、時間と場所にとらわれない柔軟な働き方であるテレワークは、職住近接の実現による通勤負担の軽減のみならず、特に育児や介護、障害等の個々の事情を抱える人にとって仕事と生活の調和の実現に有効な働き方として、社会的な期待や関心も大きいものとなっている。国土交通省の推計によれば、テレワーカー(週8時間以上情報通信技術を活用して、職場以外で勤務した人)の就業者全体に占める割合は、2002(平成14)年度に6.1%であったものが、2005(平成17)年度には10.4%と増加しており、テレワークが着実に広まってきていることがうかがえる。


第2-2-5表 2005年時点における日本のテレワーク人口推計値(前回2002年と比較)

政府では、「テレワーク人口倍増アクションプラン」において、2010(平成22)年までにテレワーカーを就業者人口の2割とする目標を掲げている。また、「経済財政改革の基本方針2007」において、「テレワーク人口倍増アクションプラン」を着実に推進するなど、テレワーク普及に向けた総合的な支援環境の整備を図り、2010年までにテレワーク人口の倍増を実現することを掲げ、政府一体となってテレワークの普及を推進しているところである。

このような中で、政府が自ら率先してテレワークを導入する観点から、総務省がテレワークを本格導入しているほか、経済産業省、国土交通省など複数の省庁においてテレワークを試行しているところである。また、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省が呼びかけ人となり、産学官協働でテレワークの普及促進を図ることを目的とする「テレワーク推進フォーラム」(2005年11月設立)と連携して、「企業のためのテレワーク導入・運用ガイドブック」やDVD等を活用し、テレワークの意義やメリットを広く浸透させるための普及活動を行っている。

そのほか、テレワークのうち、事業主と雇用関係にある者が、労働時間の全部又は一部について自宅等で業務に従事する勤務形態について、テレワーク試行・体験プロジェクト(約100の企業等に簡易なツールにより安心・安全に自宅等のパソコンから社内システムに接続する環境を提供し、テレワークを試行・体験いただく)の実施や、「テレワーク環境整備税制」の新設、シンポジウムの開催等を通じた普及促進のための事業を実施しているほか、[1]在宅勤務の適切な労務管理の在り方、[2]テレワークシステム構築時及び運用管理時における情報セキュリティ上の対策をそれぞれ示したガイドラインについて、事業主等への周知・啓発を行っている。

また、在宅で自営的に、文章入力、テープ起こし等比較的単純・定型的な作業を行う在宅ワークについて、契約をめぐるトラブルの発生を未然に防止するため、契約に関する最低限のルールを定めた「在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン」を策定し、発注者等への周知を図っている。さらに、在宅ワーカーを対象に、インターネット上で必要な能力を自己診断し、不足している知識や技術をe-ラーニングにより学習できるシステムを運用するとともに、職業能力を外部に客観的に表示するための自己PRシートの提供、セミナーの開催、相談事業等の各種支援事業を実施している。

5 公務員の働き方の見直し

次世代育成支援対策推進法に基づき、国や地方公共団体の各機関においては、職員を雇用する事業主の立場から、2004(平成16)年度末までに、国が定める指針(行動計画策定指針)に即して、仕事と子育ての両立や働き方の見直し等に関する具体的な方策や目標を掲げた行動計画を策定することになっており、それぞれの機関の実情に応じて、総合的かつ具体的な取組を盛り込むことが求められている。

さらに、少子化社会対策大綱においては、公務員について、多様な勤務形態の導入について検討を進め、これを踏まえた適切な対応を行うこととし、また、小学校就学始期までの子どもを養育する公務員に対する仕事と子育ての両立支援策について検討することとした。

国家公務員について、人事院は、2005(平成17)年7月、国家公務員の勤務時間制度の在り方について検討するため2003(平成15)年10月に立ち上げた「多様な勤務形態に関する研究会」から最終報告「勤務時間の弾力化・多様化への提言」を受け、その中で早急に検討を進めるよう要請された育児のための短時間勤務について検討を重ねた。その結果、小学校就学前の子を養育する職員の職業生活と家庭生活の両立を支援するため、常勤職員のまま1日4時間勤務や週3日勤務等、1週間当たりの勤務時間を短くすることができる育児のための短時間勤務の制度を設けるとともに、その後補充のための職員を任期付短時間勤務職員として採用できる制度及び週20時間勤務をする育児短時間勤務職員2人を1つの常勤官職に並立的に任用し、空いた官職に常勤職員を任用できる仕組みを導入することが適当と認め、2006(平成18)年8月、国会及び内閣に対して意見の申出を行った。これを受けて、2007(平成19)年5月、「国家公務員の育児休業等に関する法律」(平成3年法律第109号)が改正された(2007年8月1日施行)。

また、2007年の人事院勧告時の公務員人事管理に関する報告において、超過勤務の縮減は、職業生活と家庭生活の調和の観点からも、喫緊に取り組む必要のある重要課題であり、政府全体の計画的な取組が肝要であることについて言及した。

地方公務員については、一般的に公務の世界に多様な働き方を導入するため、「地方公務員法及び地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律の一部を改正する法律」(平成16年法律第85号)により、任期付短時間勤務職員制度を創設し、制度の周知を図っている。この制度の活用により、短時間勤務職員が育児のための部分休業を取得している職員の業務を代替することで職員の育児のための部分休業の取得を推進し、子育てを支援している。

さらに、国家公務員と同様に、地方公務員においても、職務を完全に離れることなく長期にわたり仕事と育児の両立が可能となるよう、小学校就学の始期に達するまでの期間、育児のための短時間勤務をすることができる制度等を導入するとともに、あわせて部分休業の対象となる子の範囲も小学校就学の始期に達するまでに拡大するため、2007年5月、「地方公務員の育児休業等に関する法律」(平成3年法律第110号)が改正された(2007年8月1日施行)。

6 農山漁村での両立支援

農山漁村の女性は、仕事に加え家事・育児等の負担が大きいことから、出産・育児期の女性の負担を軽減し、農林漁業経営及び地域社会活動への参画を支援するため、シンポジウム等の開催、農山漁村における子育て支援活動の優良事例の紹介、子育て支援に携わる担当者への情報提供などを行っている。



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