内閣府 Cabinet Office, Government of Japan

内閣府ホーム  >  共生社会政策トップ  >  少子化対策 / 子ども・子育て支援新制度  >  少子化対策  >  白書  >  平成20年版 少子化社会白書(本編<HTML形式>)  >  第11節 妊娠・出産の支援体制、周産期医療体制を充実する

少子化対策

前の項目     次の項目 目次へ

第11節 妊娠・出産の支援体制、周産期医療体制を充実する

1 「いいお産」の普及

安全で快適な出産環境により、妊娠・出産に満足し、その後の子育てが楽しいと感じられるような「いいお産」の普及を図っているところであり、妊産婦にやさしい環境をつくるため、「マタニティマーク」の普及の推進、各地方公共団体における妊婦健診に係る公費負担の拡充、安全・安心なお産の場を確保するための研究事業などを実施している。なお、その際、妊産婦と産科医や助産師などの関係者との信頼・協力関係の構築も重要である。

とりわけ、近年、妊娠中に健診を全く受診しない妊婦の存在が社会問題となっているが、妊婦健診については、2007(平成19)年度予算において妊婦健診の公費助成を充実するための地方財政上の措置を講じ、健康な妊娠、出産を迎える上で最低限必要な5回を基準とした公費負担の拡充について、厚生労働省が各地方公共団体に対して実施を促し、その充実を図っている5

また、妊婦健診の適正な受診、妊娠の早期届出(それに伴う母子健康手帳の早期交付)について、政府広報、リーフレットの作成・配布等を通じて広く国民に周知を図っている。


第2-4-8図 妊婦健診の受診及び早期の妊娠届出の勧奨のためのリーフレット

2 周産期医療体制の充実

リスクの高い妊産婦や新生児などに高度な医療が適切に提供されるよう、総合周産期母子医療センターを中核とする周産期医療ネットワークを整備し、地域の分娩施設等と高次の医療施設との連携体制の確保などを図っている(2007(平成19)年度において、43都道府県で整備済み)。

国が担うべき政策医療の一つである成育医療分野では、国立成育医療センター及び独立行政法人国立病院機構の設置する医療機関等とが協力しつつ、医療の質の向上のための研究の推進や標準的医療等の普及に取り組んでいる。

特に、国立成育医療センターでは、生殖、妊娠、胎児期、周産期、新生児期、小児期、思春期、成人期に至る一連のサイクルに関わるすべての身体的、精神的疾患を対象とした高度先駆的医療、医療従事者への教育研修、治療に直結した臨床研究及び全国の医療機関等へ医療情報の発信に取り組んでいる。


3 産科救急搬送受入体制の確保

2007(平成19)年8月、奈良県において妊婦が救急搬送中に死産したという事案を契機として、産科・周産期傷病者の救急搬送、受入医療体制について、各地域において様々な課題があることが指摘されている。

総務省消防庁及び厚生労働省では、搬送から病院収容までの産科・周産期救急体制の現状を把握するため、「救急要請における産科・周産期傷病者搬送の実態調査」(2007年10月公表)を緊急に実施したところであり、その結果によると、医療機関への受入れに至らなかった照会回数が多い事案は、近年増加傾向にあり、地域別では、大都市部において照会回数の多い事案が多くなる傾向にあることがわかった。

また、厚生労働省が、各都道府県の周産期医療ネットワークの実態等の把握を目的として行った「周産期医療ネットワーク及びNICUの後方支援に関する実態調査」(2007年10月公表)の結果によると、回答を寄せた53の総合周産期母子医療センターの約7割(38センター)においてNICUの病床利用率が90%を超えており、同センターの新生児及び母体搬送の受入れができなかった主な理由としてNICUが満床であったことをあげていることが明らかになった。

また、厚生労働省では、奈良県の事案の発生を受けて同県が設けた調査委員会の報告書を受けて、産科医療、救急医療、救急搬送の各分野における有識者及び関係省庁からなる「産科救急搬送受入のあり方に関する懇話会」を開催し意見交換を行った。

そして、2007年12月、奈良県の事案を踏まえた上記の検証等を通じ、奈良県に限らず全国的に共通すると思料される課題及び方策を示す通知を発出した(総務省及び厚生労働省の連名)。同通知は、救急医療に対する支援体制の確保、救急医療と産科・周産期医療の連携、産科医療体制の確保、妊婦健康診査の受診勧奨といった再発防止策を示し、これを参考に各地方公共団体が地域の実情に応じて必要な施策を講じるべきことを要請している。

 

 5  市町村における妊婦検診の公費負担は平均2.8回(2007年8月現在)となっているが、今後、各地方公共団体において更なる公費負担の充実が図られることが必要である。なお、一部の市町村では里帰り先においても公費負担による検診が受けられるよう、きめ細やかな対応がなされている。


前の項目     次の項目 目次へ
内閣府 Cabinet Office, Government of Japan〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
電話番号 03-5253-2111(大代表)