少子化対策

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第3章 仕事と生活の調和の推進

第1節 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の現状

●現在の急速な少子化の進行の背景の一つに、「働き方をめぐる様々な課題」が存在している。出産前に仕事をしていた女性の約7割が出産を機に退職しており(※)、育児休業制度の利用は増えているものの、出産前後で就労継続している女性の割合は、この20年間ほとんど変化がない。このような状況等を踏まえ、官民が一体となってこれまでの働き方を抜本的に改革し、仕事と生活の調和を推進するため、2007(平成19)年12月に、「仕事と生活の調和推進官民トップ会議」において、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」(以下「憲章」という。)及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」(以下「行動指針」という。)が決定された。
※きょうだい数1人(本人のみ)の場合。

図 就業と結婚・出産・子育ての「二者択一」

就業と結婚・出産・子育ての「二者択一」(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます

「ワーク・ライフ・バランスが実現された社会」に近づくために重要な企業による取組として、「無駄な業務・作業をなくす」が必要と考えている割合が9割近くおり、全体としては、トップの責任に係る取組が必要であると考える割合が高い。

図 「ワーク・ライフ・バランスが実現された社会」に近づくため、政府の取組のうちもっとも重要なもの

「ワーク・ライフ・バランスが実現された社会」に近づくため、政府の取組のうちもっとも重要なもの(CSV形式:2KB)別ウインドウで開きます

第2節 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現に向けた各主体の取組

1.推進体制の整備

●憲章及び行動指針に基づき、仕事と生活の調和を推進していくために、2008(平成20)年1月、内閣府に「仕事と生活の調和推進室」を設置した。また、仕事と生活の調和の実現のための連携推進を図るため、「仕事と生活の調和連携推進・評価部会」を同年4月に設置し、同年7月に、2008年度の効果的な取組推進と2009(平成21)年度の新たな展開を視野に入れ、重点的に取り組んでいく事項を整理した「仕事と生活の調和の実現に向け当面取り組むべき事項」をとりまとめた。

図 当面取り組むべき課題

2.国の取組

(1)国民の取組気運の醸成
ア 仕事と生活の調和推進ポータルサイトの開設
●仕事と生活の調和の推進に係る様々な情報を網羅的に提供し、企業、関係団体をはじめ、広く国民一般の取組を推進するために、2008(平成20)年2月、内閣府のホームページ上に「仕事と生活の調和推進ポータルサイト」を開設した。

イ 仕事と生活の調和推進のための国民運動「カエル!ジャパン」キャンペーン
●2008年6月には、「カエル!ジャパン」をキーワードに、国民参加型のキャンペーンを開始し、「ひとつ、働き方を変えてみよう」とのキャッチフレーズの下、親しみやすいカエルをキャラクターとして設定し、ポータルサイトの拡充や周知ポスター・チラシの作成・配布等を通じて、各界・各層の国民に「働き方を変えること」を呼びかけている。

シンボルマーク(キャッチフレーズとキャラクターの組み合わせ)

ウ 各種勉強会、セミナー・シンポジウム等への講師派遣
●憲章及び行動指針の策定以後、各種勉強会や、地方公共団体が主催するシンポジウム、セミナーにおいて、仕事と生活の調和がテーマとして扱われることが増加したことから、内閣府では積極的に講師を派遣し、講演・解説を行っている。

(2)企業への働きかけ
●企業における仕事と生活の調和を推進するためには、経営幹部のリーダーシップによる取組が必要である。このため、内閣府特命担当大臣(少子化対策、男女共同参画)自らが企業や業界団体等を訪問し、経営幹部層に憲章・指針の理念を伝え、取組への具体的な協力を要請する活動を随時積極的に展開している。

(3)男性の働き方の見直し
●育児休業を取得したいと希望する男性は3割を超えているにもかかわらず、男性の育児休業取得率は1.56%(2007(平成19)年)にとどまり、男性の育児・家事の時間も、欧米諸国と比較しても突出して低い水準にとどまっている。このような状況を踏まえ、「パパの育児休業体験記」を募集し、育児休業取得から復帰までの実践のロールモデルの普及に役立てている。また、男女ともに仕事と子育てを両立できるような雇用環境の整備を目指して、子育て期の短時間勤務制度の義務化やいわゆる「パパ・ママ育休プラス」の導入など、育児・介護休業法の見直しについての議論が進められている。

表 育児休業取得率(事業所規模別)

育児休業取得率(事業所規模別)(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます

図 6歳未満児を持つ男性の育児・家事関連時間(週全体)

6歳未満児を持つ男性の育児・家事関連時間(週全体)(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます

(4)長時間労働の抑制
●長時間労働は健康を害する可能性が高いだけでなく、家事や育児の時間を十分に確保できないという問題がある。長時間労働を防止するとともに、生活時間を確保しながら働くことができるようにすることを目的として2008年12月、労働基準法が改正された。主な内容は、[1]時間外労働の割増賃金について、現行は25%であるところを、60時間超については50%とする、[2]年休取得について、現行は日単位であるところを、労使協定を締結した場合には、5日分を限度として、時間単位での年休取得を可能とする、などである。

3.企業の取組

●仕事と生活の調和の実現に向けた取組を、「明日への投資」として積極的にとらえ企業の間でも関心が高まっている。

図 企業が「仕事と生活の調和」に取り組むメリット

図 一般事業主行動計画の届出数の推移

一般事業主行動計画の届出数の推移(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます

4.地域の取組

●内閣府では、「地方公共団体における仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)取組事例について」(2008(平成20)年3月)をとりまとめ、地方公共団体から報告された231の取組事例のうち、地域レベルでの取組推進に寄与する48の個別事例を公表している。代表的な取組としては、[1]理解の浸透・推進力強化のための枠組みの構築、[2]企業・組織の取組を社会全体で後押しする施策、[3]個人の多様な選択を可能にする支援やサービスの展開が挙げられる。また、ノー残業デーの設定など、地方公共団体における組織としてのマネジメント改革も積極的に行われている。


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