少子化対策

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第4章 子育ての新たな支え合いと連帯

第1節 就学前の児童の教育・保育を充実する

1. 新待機児童ゼロ作戦

●保育所、保育ママ、幼稚園による預かり保育等を活用し、2002(平成14)年度からの3年間で目標を上回る約15.6万人の受入児童数の拡大を達成した。その結果、待機児童数は2003(平成15)年をピークに4年連続で減少してきたが、2008(平成20)年4月1日現在では5年ぶりに増加に転じ1万9,550人となっている。
●2008年2月、保育所等の待機児童の解消をはじめとする保育施設を質・量ともに充実・確保し、推進するための「新待機児童ゼロ作戦」を展開することとしている。なお、2008年度補正予算において、「新待機児童ゼロ作戦」による保育所の整備等、認定こども園等の新たな保育需要への対応及び保育の質の向上のための研修などを実施し、子どもを安心して育てることができるような体制整備を行うための「安心こども基金」を都道府県に造成した。

2. 多様なニーズに合わせた保育サービス

●多様な保育ニーズに対応するため、延長保育、夜間保育、病児・病後児保育事業等についても、引き続き推進を図っている。
●幼稚園の通常の教育時間(標準4時間)の前後や長期休業期間中などに、地域の実態や保護者の要請に応じて、希望する者を対象に行われる「預かり保育」を実施する幼稚園に対して支援を行っている。2008(平成20)年3月には幼稚園教育要領を改訂し、教育活動として適切な活動となるようその充実を図った。

3. 幼稚園と保育所の連携と認定こども園

●2008(平成20)年3月にそれぞれ改訂された幼稚園教育要領と保育所保育指針において内容の整合性を図るなど、幼稚園と保育所の連携をさらに進めている。
●幼稚園、保育所等のうち、就学前の子どもに教育・保育を提供する機能、地域における子育て支援を行う機能を備える施設について、都道府県が「認定こども園」として認定する仕組みとしている(2008年4月1日現在認定件数:229件)。また、2008年10月に内閣府特命担当大臣(少子化対策)、文部科学大臣、厚生労働大臣の3大臣合意により「認定こども園制度の在り方に関する検討会」において、2009(平成21)年3月の報告書のとりまとめに向けて議論が行われている。

4. 幼稚園及び保育所の評価と情報提供の推進

●幼稚園については、自己評価の実施とその評価の公表に努めるとともに、積極的な情報提供を行っており、2008(平成20)年3月に「幼稚園における学校評価ガイドライン」を作成した。
●保育所については、児童の視点に立ったサービスの向上を目指し第三者評価事業を推進している。

5. 事業所内託児施設の設置の推進

●労働者のための託児施設を事業所内に設置・運営及び増築等を行う事業主または事業主団体に、その費用の2分の1を支給する(両立支援レベルアップ助成金 事業所内託児施設設置・運営コース)ことにより、事業主の取組を支援している(2008(平成20)年度予算助成件数:541件)。また、法人が事業所内託児施設を新設した場合、当該施設及びこれと同時に設置する一定の器具備品について、5年間20%(次世代育成支援対策推進法に規定する中小事業主については30%)の割増償却ができる税制上の優遇措置も講じられている。
さらに、事業所内託児施設を整備しようとする中小企業者を対象として、株式会社日本政策金融公庫から、貸付期間15年以内、基準利率で資金を融資する制度を2007(平成19)年度から実施している。

第2節 放課後対策を充実する

1. 「放課後子どもプラン」の着実な推進

●2007(平成19)年度に、文部科学省と厚生労働省が連携・協力し、子どもたちの安全で健やかな居場所づくりを推進し、総合的な放課後児童対策として実施する「放課後子どもプラン」を創設した。

2. 「新待機児童ゼロ作戦」に基づく放課後児童クラブの設置促進

●「新待機児童ゼロ作戦」においては、放課後児童クラブ(小学1年~3年)の提供割合を現行の19%から60%とすることを10年後の目標として示しており、「放課後児童クラブガイドライン」を踏まえた質の高い放課後児童クラブの推進を図ることとしている。

第3節 地域における子育て支援の拠点等の整備及び機能の充実を図る

1. 地域における子育て支援サービスの推進

●2008(平成20)年11月に成立した「児童福祉法等の一部を改正する法律」により、2009(平成21)年4月から、「乳児家庭全戸訪問事業」、「養育支援訪問事業」、「一時預かり事業」は、児童福祉法上の事業として位置付けられるとともに、市町村に対し、その実施に努力義務が課された。
●商店街の空き店舗を活用して、地域社会において子育て支援や親子交流拠点等の機能を担うコミュニティ施設を設置することにより、空き店舗の解消と少子高齢化社会への対応を図り、商店街に賑わいを創出することでその活性化を図るための施策を講じた。

2. 地域における子育て支援のネットワークづくり

●一時保育や地域子育て支援拠点事業、NPO等の民間団体が実施する子育て支援事業をはじめとする地域における多様な子育て支援サービス情報を一元的に把握し、利用者への情報提供、ケースマネジメント及び利用援助等を行う子育て支援に関するコーディネート業務については、市町村の責務として位置づけられている。
●全国的に配置されてきた「子育てサポーター」の資質向上を図る「子育てサポーターリーダー」の養成を行い、子育てに関する相談体制の充実を図っている。
●乳幼児や小学生の児童を有する子育て中の労働者や主婦などを会員として、送迎や放課後の預かりなどの相互援助活動を行うファミリー・サポート・センターの設置促進を行っており、2008(平成20)年度は579か所で実施されている。

第4節 家庭教育の支援に取り組む

1. 家庭教育に関する学習機会や情報の提供

●乳幼児健診や就学時健診など多くの親が参加する機会を利用して、子育て講座など、家庭教育に関する学習機会を提供している。また、家庭教育に関する一人ひとりの親の身近なヒント集として、家庭教育手帳を作成し、全国の教育委員会等に提供して、家庭教育に関する学習機会などで活用を図っている。

2. 地域や社会全体で家庭教育を支える環境の整備

●「子育てサポーター」の相互連携の促進などのため、子育てサポーターリーダーを養成するとともに、2008(平成20)年度からはITを活用し、親同士のコミュニケーションの円滑化や相談対応についての調査研究を行い、普及促進を図った。

3. 子どもの基本的な生活習慣の育成

●子どもの生活リズム向上に関する普及啓発活動や実践活動等の調査研究を行っているほか、地域ぐるみで生活リズムの向上を図るため、PTA等の様々な関係団体の協力を得て、「早寝早起き朝ごはん」国民運動を推進している。

第5節 地域住民の力の活用、民間団体の支援、世代間交流を促進する

●母親クラブや子育てサークルなど、地域住民の自主的な参加により活動している地域組織においては、登下校時の子どもの見守り活動や公園の遊具の安全点検、親子やお年寄りとの交流機会の提供などの活動を積極的に展開している。

第6節 児童虐待防止対策を推進する

1. 児童虐待の現状

●児童虐待への対応については、児童虐待防止法及び児童福祉法の改正により、制度的な対応について充実が図られてきたところであるが、全国の児童相談所における児童虐待に関する相談対応件数は増加を続け、2007(平成19)年度には児童虐待防止法制定直前の約3.5倍に当たる4万639件となるなど、依然として、社会全体で早急に取り組むべき重要な課題となっている。

2. 児童虐待防止対策の取組状況

●虐待の発生予防から早期発見・早期対応、さらには虐待を受けた子どもの保護・自立支援に至るまでの切れ目のない総合的な支援体制を整備、充実していくことが必要であるため、生後4か月までの乳児のいるすべての家庭を訪問する「生後4か月までの全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)」や、市町村における要保護児童対策地域協議会(子どもを守る地域ネットワーク)の設置促進及び機能強化などに取り組んでいる。

3. 児童虐待防止法及び児童福祉法の改正

●2007(平成19)年には、児童虐待防止法及び児童福祉法の改正が行われ、2008(平成20)年4月に施行された。これに伴い、児童相談所運営指針の改正等が行われている。また、「児童福祉法等の一部を改正する法律」の成立により、里親制度の改正及び小規模住居型児童養育事業の創設等家庭的養護の拡充などが盛り込まれた(一部を除き2009(平成21)年4月1日から施行)。

4. 児童虐待防止に向けた広報啓発の取組

●毎年11月を「児童虐待防止推進月間」と位置づけるとともに、児童虐待防止の啓発を図ることを目的に、民間団体(特定非営利活動法人児童虐待防止全国ネットワーク)が中心となって実施している「オレンジリボンキャンペーン」について後援を行っている。

5. 児童虐待の事例検証等の取組

●児童虐待による死亡事例等の検証は、事件の再発防止と対策を講ずる上での課題を抽出するために重要であり、「児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会」において、2008(平成20)年6月、第1次から4次までの報告の総括報告書がとりまとめられた。

第7節 特に支援を必要とする家庭の子育て支援を推進する

1. 母子家庭等の自立支援

●2008(平成20)年度からは、母子家庭等就業・自立支援センター事業について、在宅就業推進事業を追加するとともに、直ちに就業に移行することが困難な母子家庭の母についてボランティア活動等への参加を促し就業意欲の醸成等を行う「就職準備支援コース」を創設している。2009(平成21)年2月から、高等技能訓練促進費の支給期間の延長を行うなど、母子家庭の母の就業支援策の充実を図っている。

2. 障害児の健全な発達を支援する取組

●児童思春期におけるこころの健康づくり対策として、児童相談所等で児童思春期の専門相談を実施するほか、障害のある児童につき、施設等に短期間の入所をさせ、必要な保護を行う「短期入所」を行っている。
●2007(平成19)年4月から施行された改正学校教育法では、小・中学校等においても、特別支援教育を推進することが法律上明確に規定された。2008(平成20)年度は、「発達障害等支援・特別支援教育総合推進事業」等の各種事業の実施や、「特別支援教育支援員」の配置に関する地方財政措置の拡充等を通じて、その推進を図っている。

3. 小児慢性特定疾患対策

●小児慢性疾患のうち、小児がん等特定の疾患については、その治療が長期間にわたり、医療費の負担も高額となることから、医療費の自己負担分の一部を補助する小児慢性特定疾患治療研究事業を実施している。

第8節 行政サービスの一元化を推進する

●重点戦略及び憲章・行動指針の策定(2007(平成19)年12月)を踏まえ、各地方公共団体の庁内における推進体制の整備や地域の関係者との協議会の設置を要請したところ、2009(平成21)年度末には、「庁内の推進体制の整備」状況において、都道府県で100%(47都道府県)、市町村で62%(1,128市町村)、「地域の企業や民間団体との協働の推進」状況においては、都道府県で100%(47都道府県)、市町村で52%(946市町村)となる見込みである(2008(平成20)年8月1日現在における状況)。

第9節 小児医療体制を充実する

●小児患者の保護者等に対し小児科医等が電話で助言等を行う小児救急電話相談事業(短縮ダイヤル「#8000」)を2004(平成16)年度よりを実施しているほか、地域の小児医療を支えようとする地域住民や関係機関の取り組みの支援を2006(平成18)年度より実施しているところである。さらに、小児医療については、2008(平成20)年度診療報酬改定においても、小児入院医療の評価や夜間・休日の小児救急医療体制の評価を充実させるなどの措置を講じたところである。
●国民健康保険の資格証明書の取扱について、2008年12月に「国民健康保険法の一部を改正する法律」が成立し、2009(平成21)年4月から資格証明書の交付世帯における中学生以下の被保険者については、資格証明書を交付せず、有効期間が6ヶ月の被保険者証を交付することとなった。

第10節 子どもの健康を支援する

1. 「食育」の推進

●2008(平成20)年3月には、小中学校の学習指導要領の改訂を行い、その総則において、「学校における食育の推進」を明確に位置付けるとともに、関連する教科等においても食育に関する記述を充実した。同年6月には、学校給食法の改正を行い、法律の目的において、「学校における食育の推進」を規定するとともに、栄養教諭が学校給食を活用した食に関する指導を行うことや、校長が食に関する指導の全体計画を作成するなど、必要な措置を講ずることを規定した。
●栄養バランスに優れた「日本型食生活」の実践を促すため、ポスターやマスメディアなどの多様な媒体を活用した普及・啓発、食育を熱心に取り組もうとしている地区を対象に、集中的・重点的に「食事バランスガイド」を活用した「日本型食生活」の普及・啓発を推進した。
●食育の一層の推進を図るため、2008年度の厚生労働科学研究において、自治体の食育に関する様々な取組事例を収集し、ホームページ掲載による情報提供を行っている。

2. 子どもの事故予防のための取組

●2004(平成16)年度厚生労働科学研究において、「子どもの事故予防のための市町村活動マニュアル」をとりまとめるとともに、研究の成果のホームページへの掲載や、健診時に使用できる子どもの事故防止チェックリストの自治体への配布など普及啓発を行っている。

3. 子どもの心の健康支援

●2008(平成20)年度においては、都道府県域における拠点病院を中核とし、各医療機関や保健福祉機関等と連携した支援体制の構築を図るための事業を実施するとともに、中央拠点病院の整備を行い、人材育成や都道府県拠点病院に対する技術的支援等を行っている。

4. 性に関する健全な意識の涵養

●学校における性に関する指導は、2008(平成20)年3月に改訂された学習指導要領において、児童生徒の発達段階に応じて性に関する科学的知識や生命の大切さを理解させるとともに、これに基づいた行動がとれるようにすることをねらいとしており、学校教育活動全体を通じて、指導することとされている。

第11節 妊娠・出産の支援体制、周産期医療体制を充実する

1. 安心・安全な出産の確保

●2008(平成20)年度第2次補正予算において、費用の心配をしないで妊娠・出産できるようにするため、妊婦健診を必要な回数(14回程度)受けられるように、2010(平成22)年度までの間、地方財政措置されていない残りの9回分について、国庫補助、地方財政措置により2分の1ずつ支援することとしたところである。
●2009(平成21)年1月からは、「産科医療補償制度」の運用が開始されており、在胎週数22週以降の出産1件ごとに分娩機関が3万円の掛金を負担することから、健康保険から支給される出産育児一時金等も、同出産については3万円(35万円から38万円)引上げられた。また、出産育児一時金については、2009年10月から2010(平成22)年度までの間、更に4万円引き上げられることとされた。

2. 周産期医療体制の充実

●リスクの高い妊産婦や新生児などに高度な医療が適切に提供されるよう、総合周産期母子医療センターを中核とする周産期医療ネットワークを整備し、地域の分娩施設等と高次の医療施設との連携体制の確保などを図っている(2008(平成20)年度において、45都道府県で整備済み)。

3. 周産期救急搬送受入体制の確保

●2008(平成20)年に東京都で発生した事案を受け、周産期救急医療の在り方等について「周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会」で検討を行い、2009(平成21)年3月に同懇談会の報告書が取りまとめられ、周産期医療対策事業の見直しや救急医療・周産期医療に対する財政支援、地域の実情に応じたNICUの整備、救急患者搬送体制の整備などが提言されたところであり、同報告書を踏まえ、周産期救急医療の確保に取り組んでいくこととしている。

第12節 不妊治療への支援等に取り組む

1. 不妊治療の経済的負担の軽減

●体外受精及び顕微授精は経済的な負担が大きいことから、配偶者間のこれらの不妊治療に要する費用の一部を助成し、経済的負担の軽減を図っている。2007(平成19)年度からは、給付額を拡大し(治療1回につき上限額10万円、年2回まで)、所得制限を緩和(夫婦合算所得730万円まで)している(2007年度支給実績:60,536人)。

2. 「不妊専門相談センター」の整備

●地域において中核的な役割を担う保健医療施設などにおいて、専門医等が、[1]不妊に関する医学的な相談や、[2]不妊による心の悩みの相談などを行う「不妊専門相談センター事業」を実施している(2007年度:56か所)。

第13節 良質な住宅・居住環境の確保を図る

1. 子育てを支援するゆとりある住宅の確保の支援

●持家の取得を促進するため、住宅金融支援機構の証券化支援事業の枠組みを活用し、親子リレー返済制度による子育てに適した広い住宅の建設の支援や、優良住宅取得支援制度による耐久・可変性能が特に高い住宅に係る金利引下げなどを行っている。

2. 公共賃貸住宅における子育て世帯の支援

●公営住宅においては、子育て世帯について、入居者の選考に際し地方自治体の判断により優先入居の取り扱いを行っており、小学校就学前の子どものいる世帯について、入居収入基準を緩和している。
●都市再生機構賃貸住宅においては、子育て世帯や子育て世帯との近居を希望する支援世帯に対して、新規賃貸住宅募集時の当選倍率優遇や、既存賃貸住宅募集時の優先申込期間の設定をしている。

3. 職住近接の実現とシックハウス対策の推進

●都心における職住近接により子育て世帯を支援するため、既存オフィス等のファミリー向け賃貸住宅への転用をはじめとする都市型住宅の供給を促進している。また、子どもの健康への影響を考慮し、シックハウス対策に係る調査研究を進めるとともに、シックハウス症候群に関する学校関係者の理解の一層の促進等、学校におけるシックハウス対策を推進している。

第14節 子育てバリアフリーなどを推進する

1. ユニバーサルデザインの考え方を踏まえたバリアフリー施策の推進

●「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方に基づき、施策の拡充を図った「バリアフリー新法」が制定された(2006(平成18)年12月施行)。

2. 建築物におけるバリアフリー化の推進

●妊産婦や児童・乳幼児を含む高齢者・障害者等に配慮した建築空間、設備等によるバリアフリー対応については、「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」により、促進されている。

3. 公共交通機関のバリアフリー化の推進

●補助・税制・融資等の各種支援により公共交通機関のバリアフリー化の促進が図られているところであり、例えば、旅客施設における段差の解消、多機能トイレ(おむつ交換シート等)の設置、乗合バス車両におけるノンステップバス及び路面電車における低床式車両(LRV)の導入等が進められている。

4. 都市公園、自然公園及び河川空間等のバリアフリー化の推進

●2008(平成20)年度より「都市公園バリアフリー化緊急支援事業」を創設し、市町村における都市公園のバリアフリー化を支援している。これらを受け、妊婦、子ども及び子ども連れの人をはじめ、すべての人々の健康運動や遊びの場、休息、交流の場等となる都市公園を計画的に整備するとともに、園路や便所、休憩所等の公園施設のバリアフリー化が促進されている。

5. 子育てバリアフリーの情報提供

●妊産婦や乳幼児をもつ子育て家庭が地域において安心して生活できる子育て環境を整備するため、子育てバリアフリーのまちづくりに関する基本計画を市町村が策定する際の支援を行っている。また、市町村において、乳幼児とその親が外出する際の遊び場や授乳コーナー、一時預かりの実施場所等を示したマップを作成し、子育てしやすいまちづくりを推進している。

6. 子育てを支援する道路交通環境の整備

●妊婦、子ども及び子ども連れの人などが安全にかつ安心して通行することができるよう、生活道路等において、都道府県公安委員会による信号機、光ビーコン等の整備、道路管理者による歩道、ハンプ(道路上の凸型施設)、シケイン(車両通行部分のジグザグ蛇行)の整備等を重点的に実施し、歩行空間の整備及び通過交通の進入や速度の抑制に努めた。

7. 子どもの事故防止対策の推進

●都市公園における遊具については、安全確保に関する基本的な考え方を示した「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」を近年の事故状況を踏まえ2008(平成20)年8月に改定し、各施設管理者への周知を図っている。
●建築物に要求される性能水準を維持し、常時適法な状態に保ち安全性を確保するため、多数の者が利用する特定の特殊建築物等について、建築物の所有者等による維持保全計画の作成、定期報告制度等を通じ、適切な維持保全及び必要な改修を促進している。
●子どもの安全・安心と健やかな成長発達につながる生活環境の創出を目指したデザインである「キッズデザイン」の開発・普及を推進している。2008年8月には、東京での第2回キッズデザイン賞受賞作品の展示会や親子参加型・体験型のイベント「キッズデザイン博2008」の開催や、金沢、神戸、高松等での巡回展の開催等を通じて、子どもに優しい製品やサービス、取組などを広くアピールした。また、子どもを安心して生み育てられる生活環境を整備するため、子どもの事故情報の収集・分析・共有等を行い、子どもの事故予防を図る「安全知識循環型社会構築事業」を実施している。

8. 子どもを犯罪等の被害から守るための取組の推進

●2008(平成20)年12月には、犯罪対策閣僚会議において、「犯罪から子どもを守るための対策」を改訂するとともに、「犯罪に強い社会実現のための行動計画2008」を策定した。これらに基づき、子どもを対象とする犯罪の取締りや通学時間帯における通学路等のパトロール活動を強化するとともに、防犯ボランティアによるパトロール活動、「子ども110番の家」の活動への支援を推進している。

9. 「安全・安心まちづくり」の推進

●子どもに対する犯罪の発生が懸念される学校周辺、通学路、公園、地下道、空き家等における危険箇所の把握・改善に努めている。

第15節 児童手当の充実を図り、税制の在り方の検討を深める

1. 児童手当の充実

●2007(平成19)年4月には、児童手当法が改正され、若い子育て世帯等の経済的負担の軽減を図る観点から、3歳未満の乳幼児の養育者に対する児童手当の額を、第1子及び第2子について倍増し、出生順位にかかわらず一律月1万円に引き上げられた。

2. 「子育て応援特別手当」の支給

●現下の厳しい経済情勢に鑑み、2008(平成20)年度の緊急措置として、多子世帯における幼児教育期の子育ての負担に配慮し、小学校就学前3年間に属する児童であって、第2子以降である児童がいる場合、1人当たりに3.6万円を支給することにより、子育てを行う家庭における生活安心に資することとした。

3. 税制上の措置

●法人が事業所内託児施設を新設した場合、当該施設及びこれと同時に設置する一定の器具備品について、5年間20%(次世代育成支援対策推進法に規定する中小事業主については30%)の割増償却ができる税制上の優遇措置が講じられている。

4. 年金制度における次世代育成支援措置

●年金制度における次世代育成支援措置を拡充するため、育児休業中の保険料免除措置について、子が3歳に達するまでの間に延長しているところである。


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