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少子化対策

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1 若者の自立した生活と就労に向けた支援に取り組む

1)非正規雇用対策の推進

雇用失業情勢が厳しさを増している中で、非正規労働者の多くは、きめ細かな就職支援と同時に、生活のための資金や住宅等の様々な生活支援を必要としていることから、非正規労働者に対する支援体制の一層の強化が課題となっている。

こうした中、非正規労働者への支援として、非正規労働者の集中する都市圏に「非正規労働者就労支援センター」を、センター未設置の府県のハローワークに「非正規労働者就労支援コーナー」を設置し、求職者のニーズや能力等に応じて、担当者制によるきめ細かな就職支援や住宅確保相談等の生活支援、派遣労働者等からの派遣先での直接雇用就労支援についての相談等様々な支援をワンストップで提供している。

事業主への支援としては、中小企業事業主が、有期契約労働者から正社員に転換する制度を就業規則等により新たに規定し、有期契約労働者の希望により正社員として1人以上転換させた場合や、正社員転換制度導入から3年以内に3人以上転換させた場合に中小企業雇用安定化奨励金を支給している。さらに、2009(平成21)年4月には、フルタイムの有期契約労働者と正社員との共通の処遇制度や教育訓練制度について新たに規定し、一定数以上に適用した場合にも支給されるよう拡充を図った。

また、派遣労働者の雇用の安定を図るため、登録型派遣、製造業務派遣の原則禁止のほか、派遣労働者と派遣先労働者との待遇均衡などを盛り込んだ労働者派遣法改正案を提出したところである。

パートタイム労働者の雇用管理の改善については、2008(平成20)年4月1日より、多様な就業実態に応じた正社員との均衡のとれた待遇の確保や、正社員への転換の推進等を内容とした改正パートタイム労働法が施行されている。現在、改正パートタイム労働法に基づく行政指導等を実施するとともに、パートタイム労働者の均衡待遇の確保等に取り組む事業主等に対する相談支援、助成金の支給等を通じて、通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保のための取組を推進している。

2)若者の就労支援

24歳以下の若者の失業率は、2004(平成16)年以降5年連続で改善していたものの、2009(平成21)年には9.1%(前年差1.9ポイント増)、25~34歳についても6.4%(前年差1.2ポイント増)と悪化している。また、フリーターの数についても、2009年平均で178万人と推計されており、これは前年比8万人増(4.7%増)と、6年ぶりの増加となっている。

このため、2009年度においては年長フリーター等(25~39歳)に対する支援に重点を置いた「フリーター等正規雇用化プラン」等の各種対策を積極的に推進することにより、我が国の将来を担う若者が安心・納得して働き、その意欲や能力を十分に発揮できる社会の実現を目指している。

(1)学校段階から職場定着に至るまでの総合的・継続的なキャリア形成・就職支援策

ア 初等中等教育段階におけるキャリア教育の推進

学校教育において、子どもたちが勤労観・職業観を身に付け、明確な目的意識を持って日々の学業生活に取り組む姿勢や激しい社会の変化に対応し主体的に自己の進路を選択・決定できる能力を育成し、社会人・職業人として自立していくことができるようにするキャリア教育の推進が強く求められている。

このため、政府では、2009年度においては、小・中学校の発達段階に応じた組織的・系統的なキャリア教育プログラムの開発等の調査研究を行う「発達段階に応じたキャリア教育支援事業」を実施するとともに、小学校の教員を対象としたキャリア教育の指導資料を作成し、全国の教育委員会及び小学校等に配布した。

また、高等学校(特に普通科高校)におけるキャリア教育を充実するための調査研究を行う「高等学校におけるキャリア教育の在り方に関する調査研究」を引き続き実施するとともに、民間のアイデア・経験を活用した地域一体型のキャリア教育を実現する観点から、学校と企業等の仲介役(コーディネーター)を育成・評価する事業を全国9地域で実施している。

イ 高等教育段階における職業体験の機会の提供等のキャリア教育の推進

大学等の高等教育機関において、多様な社会の要請に対応できる人材や、新たな産業を創出する創造性豊かな人材の養成が求められている。このため、各高等教育機関においても、インターンシップ等に取り組んでいる。政府では、インターンシップを推進する観点から、インターンシップの意義や実施上の手順等を示した「インターンシップの導入と運用のための手引き」の作成・配布など、各種の施策を実施している。これらの取組を受けてインターンシップの実施率は年々上昇しており、授業科目として実施したインターンシップは、2007(平成19)年度には全大学の67.7%で行われ、約5万人の大学生がインターンシップを体験した。また、社会で共通して求められる基礎的な能力(社会人基礎力)の育成を推進する観点から、2009年度は、12か所のモデル大学において、様々な科目等により、ゼミ・研究・授業等の教育活動を通して体系的に社会人基礎力の育成・評価を実施するプログラムの開発を実施した。さらに、全国の大学における社会人基礎力の育成事例を集め、学生のプレゼンテーションによって発表する「社会人基礎力育成グランプリ」を開催、53大学の参加があった。

また、若年者雇用が社会的問題となる中で、高い職業意識・能力を有する若者を育成することがますます重要な課題となっている。

そこで、政府としても、高等教育段階での質の高いキャリア教育を促進するため、2006(平成18)年度に「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」の公募テーマの1つとして「実践的総合キャリア教育の推進」を設定し、大学・短期大学・高等専門学校の優れた取組に対して財政支援を行っている。(2009年度29件)

また、学生の資質能力に対する社会からの要請や、学生の多様化に伴う卒業後の職業生活等への移行支援の必要性等が高まっていることから、大学等が教育課程の内外を通じて社会的・職業的自立に関する指導等に取り組む体制を整えるため、大学設置基準等を改正した(公布:2010年2月25日、施行:2011年4月1日)。これにより、2011(平成23)年度から、全ての大学と短期大学において、当該大学及び学部等の教育上の目的に応じ、学生が卒業後自らの資質を向上させ、社会的及び職業的自立を図るために必要な能力を培うことができるよう取り組むこととなる。

ウ 今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方の検討

近年、産業構造や雇用状況などの経済・社会の変化、進学率の上昇等に伴う学校教育の変化、人間関係をうまく築けない若者や進路意識等が希薄なまま進学する者の増加などの子ども・若者の変化等、学校から社会・職業への移行を巡る状況が大きく変化し、これらを背景とし、非正規雇用者・若年無業者の存在や早期離職等といった問題が顕在化している。このような状況へ対応するための学校教育の改善は重要な課題となっている。

このような観点から、文部科学省では、今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について、2008(平成20)年12月、中央教育審議会に対して諮問し、2009年7月には審議経過報告を公表した。その後、各界各層から幅広く意見を聞きながら、更なる審議を行っているところである。

(2)就職経路の複線化に対応した多様な就職システムの整備

ア フリーター等の就労支援の推進

2009年度においては、フリーター等正規雇用化プランの推進として、「若年者のためのワンストップサービスセンター(通称ジョブカフェ)」による就職支援((4)を参照)のほか、次の各種施策等を最大限効果的かつ効率的に実施し、約23万1千人(2010年2月現在速報値)の正規雇用を実現したところである。

(ア) 若年者等正規雇用化特別奨励金を活用した年長フリーター等の安定した雇用の促進

正社員としての就業経験が少なく、就職が困難な年長フリーター等を積極的に正規雇用する事業主に対して、求人枠を設けて正規雇用する場合に、若年者等正規雇用化特別奨励金を支給(中小企業1人100万円、大企業1人50万円)することにより、年長フリーター等の雇用機会の確保を図っている。

(イ) ハローワークにおけるフリーター等正規雇用化支援

ハローワークにおいて、就職氷河期に正社員になれなかった年長フリーター等を重点に、支援対象者一人ひとりの課題に応じて、就職活動に関する個別相談・指導助言、求人の確保、グループワーク方式による就職活動方法等の習得、模擬面接、職業相談・職業紹介、職場定着からなる支援メニューを組み合わせ、必要に応じて担当者制により正規雇用化に向けた一貫した支援を実施している。

(ウ) 若年者等トライアル雇用の活用

職業経験、技能、知識の不足等により就職が困難な若年者等について、一定期間(原則3か月)試行的に雇用することにより、業務遂行に当たっての適性や能力などを見極めるとともに、求職者及び求人者の相互理解を促進し、その後の正規雇用を図る「若年者トライアル雇用事業」(1人4万円、最大3か月)を実施している。同事業により、2010年2月末現在で、約4万8千人がトライアル雇用を開始し、そのうちトライアル雇用を終了した約3万9千人の約8割に当たる約3万1千人が正規雇用に移行するなど、正規雇用の実現に高い効果を上げている。

(エ) ジョブ・カード制度の推進

ジョブ・カード制度は、フリーター等の正社員経験の少ない方を対象に、

<1>ジョブ・カードを活用した、きめ細かなキャリア・コンサルティングを通じた意識啓発やキャリア形成上の課題の明確化を行い、

<2>企業実習と座学を組み合わせた実践的な職業訓練(職業能力形成プログラム)の機会を提供し、

<3>企業からの評価結果や職務経歴等をジョブ・カードとして取りまとめる

ことにより、正社員としての就職へと導く制度である。

本制度の職業訓練には、企業が訓練生と労働契約を結んで行われる雇用型訓練と、民間教育訓練機関等への委託により行われる委託型訓練がある。訓練生は、雇用型訓練では訓練実施企業から賃金を得ることができ、委託型訓練では雇用保険を受給できる場合には雇用保険により、受給できない場合には訓練・生活支援給付(年収要件等一定の条件あり)により、安心して訓練を受けることができる仕組みとなっている。

これまでの累計で、ジョブ・カード取得者数は約20.9万人(2010年2月末確定値)、職業訓練受講者数は約8.1万人(2010年3月末速報値)となっている。

政府として取りまとめた「新成長戦略(基本方針)」(2009年12月30日閣議決定)の中でも、2020(平成32)年までの目標として、「ジョブ・カード取得者300万人」が盛り込まれており、一層の普及・促進をしていくこととしている。

イ 就労が困難な若者に対する自立支援の推進

様々な要因により働く自信をなくした若者に対して、合宿形式による集団生活の中で労働体験等を通じて、働くことについての自信と意欲を付与することにより就労等へと導く若者自立塾事業を実施しており、2009年度は全国28か所で実施したところである。

また、働くことに悩みを抱えている若者の職業的自立を支援するため、2006年度から、地方自治体との協働により地域の若者支援機関からなるネットワークを構築するとともに、その拠点となる地域若者サポートステーションを設置(2009年度:92か所)し、若者の置かれた状況に応じた専門的な相談やネットワークを活用した誘導など、多様な就労支援メニューを提供している。

(3)能力を軸としたマッチングを可能とする若年労働市場の基盤の整備

若年者について、「コミュニケーション能力」など職業人としての基礎能力の著しい低下が指摘される中で、早い段階から若年者の主体的な就職基礎能力の習得を支援することを目的として、企業が若者に求めている就職基礎能力の内容を公表し、それらを身に付けるための講座や試験の認定を行うとともに、講座を修了又は試験に合格等した若年者からの申請に応じて証明書を発行するYES-プログラムを展開した。

さらに、若年ものづくり人材の育成のため、3級技能検定の実施職種数を拡大し、若者の受検機会の拡大を図ってきた。

(4)若年者のためのワンストップサービスセンター(通称ジョブカフェ)の整備

地方公共団体と産業界、学校等の連携の下、若者に対するカウンセリングから研修等までの一連の就職支援サービスを提供する「若年者のためのワンストップサービスセンター(通称ジョブカフェ)」を都道府県の主体的取組により整備している。

全国46都道府県(87か所)(2009年4月現在)にジョブカフェが設置されており、うち40都道府県においてハローワークを併設し、若者を対象とした職業紹介を実施するほか、経済団体等関係機関との連携の下、企業説明会や各種セミナーの開催等を行う若年者地域連携事業を委託・実施している。

2009年度においては、全国でサービス利用者数延べ約166万7千人、就職決定者約8万5千人となっており、着実に実績をあげている。

3)子ども・若者育成支援推進法に基づく支援

子ども・若者をめぐっては、昨今の子ども・若者による凶悪な事件の発生、児童虐待、ニートなど社会的自立の遅れ、インターネット上の有害情報の氾濫など、様々な問題があり、大変厳しい状況にある。このうち、15~34歳の非労働力人口のうち、家事も通学もしていない「若年無業者」(いわゆるニート)は、現在63万人とされており(総務省「労働力調査」。2009(平成21)年平均の値)、長期間にわたって自宅にひきこもって社会参加しない状態が持続している「ひきこもり」については、約32万世帯(2004(平成16)年厚生労働科学研究「こころの健康についての疫学調査に関する研究」)とされている。

これらを背景として、「子ども・若者育成支援推進法」が2009年7月に成立し、2010(平成22)年4月1日より施行された。同法では、教育、福祉、雇用等各関連分野における施策の総合的推進とともに、ニート、ひきこもり等困難を抱える子ども・若者への支援を行うために地域の関係機関等が連携して支援するためのネットワークづくりを推進している。

また、2008(平成20)年度から地域における若者支援体制の整備を行うモデル事業(2009年度:全国15市町村)を実施し、関係機関による支援ネットワークが機能するために必要な人材育成に努めている。


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