少子化対策

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4 結婚、出産、子育てをめぐる状況

結婚に対する意識

内閣府が実施した「結婚・家族形成に関する調査」(2011(平成23)年)によると、将来結婚したいと考えている人は、男性は約83%、女性は約90%と高い割合となっている。特に、「すぐにでも結婚したい」又は「2~3年以内に結婚したい」と考える人は、男性は約3割、女性は約4割となっている。

将来結婚したいと考えている人に結婚生活を送る上での不安についてきいてみると、男女ともに半数以上が「経済的に十分な生活ができるかどうか」をあげているが、女性については、「配偶者の親族とのつきあい」、「出産・子育て」、「配偶者や自分の親の介護」などの家庭的役割を果たすことへの負担感をあげる人が男性より非常に多い。結婚意欲がみられる一方で、こうしたことが結婚を踏みとどまる背景になっていることがうかがわれる。

第1-2-14図 将来結婚する意向(未婚者)
第1-2-15図 結婚生活を送る上での不安(未婚者、複数回答)

出産に対する意識

希望する子どもの数と実際の子どもの数について、内閣府が実施した「少子化社会に関する国際意識調査」(2011年)をみると、各国(日本、韓国、アメリカ、フランス、スウェーデン)とも、今いる子ども数(平均)は1.1~1.4人、希望する子どもの数(平均)は2.2~2.4人であり、各国で大きな差はみられない。

しかし、子どもを増やすかについては、各国により大きな違いがみられ、日本では、「希望する子どもの数になるまで子どもを増やしたい」と回答した人の割合は42.8%と韓国に次いで低く、「今よりも子どもを増やさない、または、増やせない」と回答した人は47.5%と最も高くなっている。

希望する子どもの数になるまで、子どもを増やさない理由10についてみると、日本では、男女ともに「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」をあげる人がもっとも多く、男性は約45%、女性は約40%となっており、次いで「自分または配偶者が高年齢で生むのがいやだから」をあげる人が多い(男性26.8%、女性35.1%)。加えて、女性については、「働きながら子育てできる職場環境がない」をあげる人が26.3%と多くなっている。

第1-2-16図 希望する子ども数と今いる子ども数
  1. 「今よりも子どもは増やすが、希望する子ども数になるまでは増やさない、または、増やせない」または「今よりも子どもは増やさない、または、増やせない」と回答した者が対象。
第1-2-17図 希望する子どもの数まで子どもを増やすか
第1-2-18図 子どもを増やさない理由、または、増やせない理由(男性)、複数回答
第1-2-19図 子どもを増やさない理由、または、増やせない理由(女性)、複数回答

若い世代の所得の伸び悩み

20代、30代といった子育て世代の所得分布をみると、20代では、1997(平成9)年には年収が300万円台の雇用者の割合が最も多かったが、2007(平成19)年には200万円台前半の雇用者が最も多くなっている。また、30代では、1997年には年収が500~699万円の雇用者の割合が最も多かったが、2007年には300万円台の雇用者が最も多くなっている。このように子育て世代の所得分布は、この10年間で低所得層にシフトしていることがわかる。

第1-2-20図 子育て世代の所得分布

就労形態などによる家族形成状況の違い

若年者の雇用をめぐる環境をみると、完全失業率及び非正規雇用割合ともに、全年齢計を上回る水準で推移している。また、非典型雇用者の有配偶率は低く、30~34歳の男性においては、非典型雇用の人の有配偶率は正社員の人の半分程度となっているなど、就労形態の違いにより家庭を持てる割合が大きく異なっていることがうかがえる。

また、内閣府が実施した「結婚・家族形成に関する調査」(2011年)によると、既婚者(結婚3年以内)の割合を年収別に20代、30代の男性についてみると、300万円未満では8~10%である一方、300万円以上の各階層は25~40%となっており、300万円を境に大きな差がみられる。

これらのことから、結婚に対する個人の希望を実現できる社会に向け、若者に対する就労支援が求められていることがわかる。

第1-2-21図 若年者の完全失業率と非正規雇用割合

第1-2-22図 就労形態別配偶者のいる割合(男性)

若年者の完全失業率と非正規雇用割合(CSV形式:2KB)別ウインドウで開きます

第1-2-21,22図 資料/注

第1-2-23図 既婚者の割合(男性、年収階層別)

依然として厳しい女性の就労継続

女性の就労をめぐる環境をみると、出産前に仕事をしていた女性の約6割が出産を機に退職している。また、女性の育児休業利用者の割合は堅調に推移しているものの(2009(平成21)年は85.6%)、育児休業を取らずに就業を継続している女性の割合も考慮すると、出産前後で就労継続をしている女性の割合は、この20年間ほとんど変化していない。

また、出産を機に退職した女性の約4分の1が、仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立が難しいという理由で仕事をやめている。このことから出産に伴う女性の就労継続は依然として厳しいことがうかがえる。

第1-2-24図 子どもの出生年別、第1子出産前後の妻の就業経歴
第1-2-25図 妊娠・出産前後に退職した理由

子育て世代の男性の長時間労働

男性について週60時間以上の長時間労働をしている人は、どの年代においても、2005(平成17)年以降減少傾向にある。しかしながら、子育て期にある30代男性については、約5人に1人が週60時間以上の就業となっており、他の年代に比べもっとも高い水準となっている。

加えて、育児時間を国際比較してみると、6歳未満の子どもをもつ夫の育児時間は、1日平均約30分程度しかなく、欧米諸国と比較して半分程度となっている。家事の時間を加えても、我が国の子育て期の夫の家事・育児にかける時間は1日平均1時間程度となっており、欧米諸国と比べて3分の1程度となるなど、男性の育児参加が進んでいないことがわかる。

第1-2-26図 子育て世代の男性の長時間労働
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