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少子化対策

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1 若者の自立した生活と就労に向けた支援に取り組む

1)非正規雇用対策の推進

非正規労働者数は近年増加傾向にあり、2010(平成22)年において、非正規労働者数は1,755万人、全労働者のうち約3割を占める状況である。

非正規労働者は、正規労働者と比較して、

<1>特に不況期において、解雇や期間満了による雇止めなどにより雇用調整の対象とされやすい、

<2>賃金が低く、有配偶率も低い、

<3>企業内で職業訓練を受け能力を高める機会も乏しい、
等が問題となっている。

これらの問題への対応として、正社員を希望する人に対しては正社員就職・正社員転換の支援に取り組み、非正規雇用として働く人については均等・均衡待遇を推進している。また、これらに加えて、キャリア形成の支援やセーフティネットの強化を図り、一体的に非正規労働者対策を推進することにより、希望しても正社員になれない非正規労働者の減少や、処遇の改善を図っている。

具体的には、非正規労働者への支援として、非正規労働者の集中する地域に「非正規労働者総合支援センター」を、全国の主要なハローワークに「非正規労働者総合支援コーナー」を設置し、求職者のニーズや能力等に応じて、担当者制によるきめ細かな職業相談・職業紹介、生活相談等を実施する。

事業主への支援としては、中小企業事業主が、就業規則等により有期契約労働者を対象とした、正社員転換制度、正社員と共通の処遇制度又は、正社員と共通の教育訓練制度を導入し、一定数以上に適用した場合に中小企業雇用安定化奨励金を支給している。

また、派遣労働者の雇用の安定を図るため、登録型派遣や製造業務派遣の原則禁止のほか、派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者との均衡待遇などを盛り込んだ労働者派遣法改正案を2010年4月に提出し、継続審議となっているところである。

パートタイム労働者の雇用管理の改善については、2008(平成20)年4月1日より、多様な就業実態に応じた正社員との均衡のとれた待遇の確保や、正社員への転換の推進等を内容とした改正短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成19年法律第72号、以下「改正パートタイム労働法」という。)が施行されている。現在、改正パートタイム労働法に基づき、事業主への相談・支援や、行政指導等を実施するとともに、パートタイム労働者の雇用管理の改善に取り組む事業主等に対して、短時間労働者均衡待遇推進等助成金を支給するなど、正社員との均衡のとれた待遇の確保等のための取組を推進している。

なお、同助成金については、2011(平成23)年4月から、中小企業雇用安定化奨励金と整理・結合して、新たに均衡待遇・正社員化推進奨励金を創設し、有期契約労働者とパートタイム労働者の均衡待遇の確保、正社員への転換を一体的に推進している。

有期契約労働者については、正社員と比べ、雇用の不安定さ、待遇等の格差、職業能力形成が不十分等の課題が指摘されていることから、その在り方について、2010年10月から、労働政策審議会において検討が進められており、同審議会での結論を踏まえ、必要となる施策を実施することとしている。

2)若者の就労支援

24歳以下の若者の失業率は、2009(平成21)年には9.1%(前年差1.9ポイント増)、2010(平成22)年には9.4%(前年差0.3ポイント増)と悪化している。また、25~34歳についても2009年には6.4%(前年差1.2ポイント増)と悪化したが、2010年には6.2%(前年差0.2ポイント減)と持ち直している。フリーターの数については、2010年平均で183万人と推計されており、これは前年比5万人増(2.8%増)と、悪化を続けている。

このため、2009年度に引き続き、2010年度においても、フリーター等を対象とした「フリーター等正規雇用化プラン」等の各種対策を積極的に推進することにより、我が国の将来を担う若者が安心・納得して働き、その意欲や能力を十分に発揮できる社会の実現を目指している。

(1) 学校段階から職場定着に至るまでの総合的・継続的なキャリア形成・就職支援策

ア.初等中等教育段階におけるキャリア教育の推進

学校教育において、子どもたちが勤労観・職業観を身に付け、明確な目的意識を持って日々の学業生活に取り組む姿勢や激しい社会の変化に対応し主体的に自己の進路を選択・決定できる能力を育成し、社会人・職業人として自立していくことができるようにするキャリア教育の推進が強く求められている。

中央教育審議会答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」(2011(平成23)年1月31日)を踏まえて、「キャリア教育における外部人材活用等に関する調査研究協力者会議」を開催している。同協力者会議においては、キャリア教育に関して外部人材を導入するに当たっての学校・教育委員会における態勢づくりや活用方策、職場体験・インターンシップの効果的な活用等、キャリア教育を推進するための教育委員会等における組織・態勢の在り方などについて検討を行っていくこととしている。

さらに、「キャリア教育優良教育委員会・学校、企業及びPTA団体等文部科学大臣表彰」や「キャリア教育推進フォーラム」を実施し、キャリア教育の意義の普及・啓発に努めている。

加えて、民間のアイデア・経験を活用した地域一体型のキャリア教育を実現する観点から、学校と企業等の仲介役(キャリア教育コーディネーター)を育成・評価する事業を全国14地域で実施している。

イ.高等教育段階におけるキャリア教育の推進

若年者雇用が社会的問題となる中で、高い職業意識・能力を有する若者を育成することがますます重要な課題となっている。

このため、社会で共通して求められる基礎的な能力(社会人基礎力)の育成を推進する観点から、2010年度は、過去3か年に全国のモデル大学において開発された、ゼミ・研究室等の教育活動を通して体系的に社会人基礎力の育成・評価を実施するプログラムをより多くの大学に普及させるための「社会人基礎力育成事例研究セミナー」を全国7都市にて開催した。本セミナーでは各大学で実際に指導にあたった教員や、協力にあたった企業がプログラム解説を行い、全国で約1,000名の参加があった。また、全国の大学における社会人基礎力の育成事例を、学生のプレゼンテーションによって発表する「社会人基礎力育成グランプリ」を開催、参加校は昨年度の53大学から大幅に増加し、100大学に達した。さらに、開催規模も全国6都市に拡大、地域の産学を接続する場としても機能を始めている。

また、学生の資質能力に対する社会からの要請や、学生の多様化に伴う卒業後の職業生活等への移行支援の必要性等が高まっていることから、大学等が教育課程の内外を通じて社会的・職業的自立に関する指導等に取り組む体制を整えるため、大学設置基準等を改正した(公布:2010年2月25日、施行:2011年4月1日)。これにより、2011年度から、全ての大学と短期大学において、当該大学及び学部等の教育上の目的に応じ、学生が卒業後自らの資質を向上させ、社会的及び職業的自立を図るために必要な能力を培うよう取り組むこととなる。

さらに、2010年度より「大学生の就業力育成支援事業」として、産業界との連携による課題解決型授業など、学生の卒業後の社会的・職業的自立に向けた優れた取組に対して財政支援を行っている(2010年180件)。

ウ.今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方の検討

文部科学省では、2008(平成20)年12月、今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について、中央教育審議会に対して諮問し、2011年1月に「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」が取りまとめられた(答申の全文、付属資料(データ・事例)については、「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」(答申)別ウインドウで開きます参照)。

答申では、若者の現状とその原因・背景、それを踏まえた学校におけるキャリア教育・職業教育の充実の必要性について次のように指摘されている(以下「」内が指摘の主な内容)。

「現在の若者は、大きな困難に直面している。それは、例えば、若者の完全失業率・非正規雇用率の高さや、若年無業者(ニート)・早期離職者の存在など、若者の「学校から社会・職業への移行」が円滑に行われていない点や、コミュニケーション能力など職業人としての基本的な能力の低下や、職業意識・職業観の未熟さ、進路意識・目的意識が希薄なまま進学する者の増加など、若者の「社会的・職業的自立」に向けて様々な課題がみられる点にあらわれている。

これらの原因・背景には、産業構造や就業構造の変化など、社会全体を通じた構造的問題が存在しており、社会が一体となった対応が必要である。

また、企業内教育・訓練の縮減の指摘や、非正規雇用の増加の中、人々が生涯にわたり職業に関する学習を行う環境の充実が重要である。

このような中で、学校教育は、重要な役割を果たすものであり、キャリア教育・職業教育を充実していくことが必要である」。

以上を踏まえ、答申では、人々の生涯にわたるキャリア形成を支援する観点から、次の3つの基本的方向性に沿った具体的な方策が提言されている。

【基本的方向性】

・幼児期の教育から高等教育に至るまでの体系的なキャリア教育の推進

・実践的な職業教育の重視と職業教育の意義の再評価

・生涯学習の観点に立ったキャリア形成支援(生涯学習機会の充実、中途退学者などの支援)

(2) 就職経路の複線化に対応した多様な就職システムの整備

ア.フリーター等の就労支援の推進

2009年度においては、フリーター等正規雇用化プランの推進として、「若年者のためのワンストップサービスセンター(通称ジョブカフェ)」による就職支援((4)を参照)のほか、次の各種施策等を最大限効果的かつ効率的に実施している。

ア ハローワークにおけるフリーター等正規雇用化支援

ハローワークにおいて、広くフリーター等に対し、支援対象者一人ひとりの課題に応じて、正規雇用化に向け、一貫したきめ細かな支援を実施している。

イ 若年者等トライアル雇用等の活用

職業経験、技能、知識の不足等により就職が困難な若年者等について、一定期間(原則3か月)試行的に雇用することにより、業務遂行に当たっての適性や能力などを見極めるとともに、求職者及び求人者の相互理解を促進し、その後の正規雇用を図る「若年者トライアル雇用事業」(1人4万円、最大3か月)等を実施している。

ウ ジョブ・カード制度の推進

ジョブ・カード制度は、フリーター等の正社員経験の少ない方を対象に、

<1>ジョブ・カードを活用した、きめ細かなキャリア・コンサルティングを通じた意識啓発やキャリア形成上の課題の明確化を行い、

<2>企業実習と座学を組み合わせた実践的な職業訓練(職業能力形成プログラム)の機会を提供し、

<3>企業からの評価結果や職務経歴等をジョブ・カードとして取りまとめる
ことにより、正社員としての就職へと導く制度である。

本制度の職業訓練には、企業が訓練生と労働契約を結んで行われる雇用型訓練と、民間教育訓練機関等への委託により行われる委託型訓練がある。訓練生は、雇用型訓練では訓練実施企業から賃金を得ることができ、委託型訓練では雇用保険を受給できる場合には雇用保険の受給を受け、受給できない場合には訓練・生活支援給付により、安心して訓練を受けることができる仕組みとなっている。

これまでの累計で、ジョブ・カード取得者数は約38.6万人(2010年12月末)、職業訓練受講者数は約12万人(2010年12月末)となっている。

政府として取りまとめた「新成長戦略」(2010年6月18日閣議決定)の中でも、2020(平成32)年までの目標として、「ジョブ・カード取得者300万人」が盛り込まれており、一層の普及・促進をしていくこととしている。

イ.就労が困難な若者に対する職業的自立支援の推進

様々な要因により働くことに悩みを抱えている若者の職業的自立を支援するため、2006(平成18)年度から、地方自治体との協働により地域の若者支援機関からなるネットワークを構築するとともに、その拠点となる地域若者サポートステーションを設置(2010年度:100か所)し、若者の置かれた状況に応じた専門的な相談やネットワークを活用した誘導など、多様な就労支援メニューを提供している。

(3) 若年者に対する技能啓発の推進

公共職業能力開発施設、認定職業訓練施設及び工業高校等において技能を習得中の20歳以下の若者に対して技能レベルを競い合う場を提供し、若者に目標を明確化し技能を向上させるとともに、若年技能者の裾野の拡大を目的として、若年者ものづくり競技大会を実施している。

また、工業高校や職業訓練校等で技能を学ぶ学生や訓練生等を対象として、若年技能者の人材育成を目的とした3級技能検定を実施するなど、若年労働者の技能離れの防止や技能労働者の定着化に努めている。

(4) 若年者のためのワンストップサービスセンター(通称ジョブカフェ)の整備

地方公共団体と産業界、学校等の連携の下、若者に対するカウンセリングから研修等までの一連の就職支援サービスを提供する「若年者のためのワンストップサービスセンター(通称ジョブカフェ)」を都道府県が設置している。

全国46都道府県(90か所)(2010年4月現在)にジョブカフェが設置されており、うち40都道府県において、都道府県からの要望に応じてハローワークを併設している。

3)子ども・若者育成支援推進法に基づく支援

子ども・若者をめぐっては、昨今の子ども・若者による凶悪な事件の発生、児童虐待、ニート、ひきこもり、不登校等の社会生活を円滑に営む上で困難を有する子ども・若者の問題の深刻化、インターネット上の有害情報の氾濫など、様々な問題があり、大変厳しい状況にある。このうち、15~34歳の非労働力人口のうち、家事も通学もしていない「若年無業者」(いわゆるニート)は、現在58万人とされている(総務省「労働力調査」。2010(平成22)年平均の値)。また、普段の外出頻度についての質問で「自室からほとんど出ない」「自室からは出るが、家からは出ない」「近所のコンビニなどには出かける」「自分の趣味に関する用事のときだけ外出する」に該当する「広義のひきこもり」は、15~39歳の子ども・若者で69.6万人と推計されている(内閣府「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」2010年)。

これらを背景として、「子ども・若者育成支援推進法」(平成21年法律第71号)が2009(平成21)年7月に成立し、2010年4月1日より施行された。同法では、教育、福祉、雇用等各関連分野における施策の総合的推進とともに、ニート、ひきこもり等困難を抱える子ども・若者への支援を行うために地域の関係機関等が連携して支援するためのネットワークづくりを推進している。

また、ネットワークづくりの一環として「子ども・若者支援地域協議会」の設置促進を図るためのモデル事業(2010年度:全国16県市町)を実施し、関係機関による支援ネットワークの構築と必要な人材育成に努めている。

子ども若者育成・子育て支援功労者表彰の創設について

「子ども・子育てビジョン」(2010(平成22)年1月29日閣議決定)や「子ども・若者育成支援推進法」(平成21年法律第71号、翌年4月施行)により、子育てや子ども・若者の育成を社会全体として応援していくこととされたことを踏まえ、子ども・若者の健やかな成長に資することを目的に、子育てと子育てを担う家族を支援する活動や子ども・若者を育成支援する活動に取り組み顕著な功績があった企業、団体、個人に対し「子ども若者育成・子育て支援功労者表彰」を実施することとした。

表彰に当たっては、関係府省、各都道府県等から推薦された候補者の中から、学識経験者等で構成される選考委員会の意見を聴いた上で、受賞者を決定した(表彰の選考基準等と対象となる活動例は下図のとおり)。2010年度には、第1回の表彰を行い、内閣総理大臣表彰を4団体・1名、内閣府特命担当大臣表彰(子育て・家族支援部門)を4企業・8団体・3名、内閣府特命担当大臣表彰(子ども・若者育成支援部門)を9団体・4名が受賞した。

表彰式は、2010年11月24日に、内閣総理大臣官邸において行われ、内閣府特命担当大臣から表彰状が授与された。

(受賞した活動例)

・一軒の建物の中に作業所や保育所を設立し、学童、高齢者や不登校・ひきこもり者に居場所を提供する活動を行っている団体

・日本初の医療機関併設型病児保育室を開設し、病児保育活動を行っている個人

子ども若者育成・子育て支援功労者表彰

また、表彰のほか、その活動を広く社会に紹介することを目的に、「チャイルド・ユースサポート章」を交付することとした。2010年度は、子育てと子育てを担う家族を支援する活動で7企業・25団体・3名、子ども・若者を育成支援する活動で16団体・8名が受章した。

・子ども若者育成・子育て支援功労者表彰の詳細は

平成22年度 「子ども若者育成・子育て支援功労者表彰」について

・子ども若者育成・子育て支援活動事例紹介事業の詳細は

平成22年度 「子ども若者育成・子育て支援活動事例の選考結果」について

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