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少子化対策

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1 生命の大切さ、家庭の役割等についての理解を深める

1)妊娠や家庭・家族の役割に関する教育・啓発普及

学習指導要領においては、学校における性に関する指導は、児童生徒が性に関して心身の発育・発達と健康、性感染症等の予防、人工妊娠中絶などに関する知識を確実に身に付け、適切な行動を取れることを目的として実施されており、体育科、保健体育科、特別活動、道徳などを中心に学校教育活動全体を通じて指導することとしている。

また、児童生徒に、家族の一員として家庭生活を大切にする心情をはぐくむことや、子育てや心の安らぎなどの家庭の機能を理解させるとともに、これからの生活を展望し、課題をもって主体的によりよい生活を工夫できる能力と態度を身に付けさせることが重要である。このため、小学校、中学校、高等学校において、発達の段階を踏まえ、関連の深い教科を中心に、家庭・家族の役割への理解を深める教育がなされている。

2008(平成20)年3月には小・中学校、2009(平成21)年3月には高等学校の学習指導要領を改訂し、家庭と家族の役割に気付かせる実践的・体験的な学習活動を一層重視するなど、教育内容の充実を図っている。

2)乳幼児とふれあう機会の提供

乳幼児と接する機会の少ない中学生、高校生が、乳幼児と出会い、ふれあうことは、他者への関心や共感能力を高め、乳幼児を身近な存在として意識し、愛着の感情を醸成するとともに、乳幼児へのイメージが膨らみ、将来、親となり子育てに関わる際の予備知識を得る重要な機会である。

このため、保育所、児童館や保健センターなどの公的施設等を活用して、主に、中学生及び高校生が乳幼児と出会い、ふれあう機会を広げるための取組を推進している。

3)学校・家庭・地域における取組の推進

将来の親となる世代が子どもや家庭について考え、子どもとともに育つ機会を提供するとともに、国民一人ひとりが家庭や子育ての意義について理解を深められるようにするため、学校教育においては、子どもたちに乳幼児とのふれあいの機会をできるだけ多く提供し、将来親となった際に必要となる子育ての基本的な知識・技能・態度等を習得させるとともに、少子化とそれがもたらす社会への影響、子育てや男女が共同して家庭を築くことの大切さなどについても理解を深めさせることが重要である。

このため、小学校、中学校、高等学校の各学校段階で、関係教科、道徳、総合的な学習の時間及び特別活動において相互の連携を図りながら子育てへの理解を深める教育が実施されている。

なお、2008(平成20)年3月に小・中学校、2009(平成21)年3月に高等学校の学習指導要領を改訂し、関連の深い教科等を中心に生命の大切さや家庭の役割等に関する内容の充実を図ったところである。

また、学校・地域の実情などに応じた多様な道徳教育を支援するため、道徳教材の活用をはじめ、道徳教育充実のための外部講師派遣、保護者・地域との連携など地方自治体による多様な事業への支援を行う「道徳教育総合支援事業」を実施しており、生命を大切にする心や思いやりの心、協力し合う態度を育成する道徳教育の一層の推進を図っている。

家庭や地域における取組としては、夫婦で共同して子育てをすることの大切さや命の大切さなどについて、保護者が理解を深められるよう、地域が主体的に実施する家庭教育に関する取組を支援している。

4)「家族の日」「家族の週間」等を通じた理解促進

社会全体における理解と広がりをもった取組を促進するため、「家族の日」、「家族の週間」を中心として、啓発事業を実施し、生命を次代に伝え育んでいくことや、子育てを支える家族・地域の大切さの再認識を図っている。

○「家族の日」、「家族の週間」

子どもと子育てを応援する社会の実現のためには、多様な家庭や家族の形態があることを踏まえつつ、生命の大切さ、家庭の役割等について、国民一人ひとりに理解されることが必要である。

このような観点から、政府においては、2007(平成19)年度から、11月の第3日曜日を「家族の日」、その前後各1週間を「家族の週間」と定めて、この期間を中心に地方公共団体、関係団体等と連携して、「生命を次代に伝え育んでいくことや、子育てを支える家族と地域の大切さ」を呼びかけてきた。

・フォーラムの開催

「家族の日」に、地方公共団体等の協力を得て、家族や地域の大切さを呼びかけるための大会を開催している。2010(平成22)年度は、秋田県で全国大会を開催した。全体大会では、有識者の基調講演のほか、地域で子育てを支援している方々等によるパネルディスカッション等が行われた。また、親と子で参加し、家族のあらたなふれあいや多世代交流のきっかけとなる体験型コーナーを設け、多くの参加者に子どもを大切にし、子育てを社会全体で支える意識の醸成を図る機会とした。

フォーラム 全国大会秋田

親子ふれあいコーナー (つみきの広場)

・作品コンクールの実施

家族や地域の大切さに関する「標語」及び「手紙・メール」を公募し、優秀な作品を表彰することにより、子育てを支える家族や地域の大切さの意識の高揚を図ることを目的として実施している。2010年度の標語は、<1>子育てを支える家族みんなの力、<2>子育てを応援する地域みんなの力、<3>子どもや生命を大切にする社会の輪の3テーマを、手紙・メールは小学生、中・高校生、一般の3区分で募集し、1,379作品の応募があった。

5)家族形成に関する調査・研究等

2010(平成22)年度において、「少子化社会に関する国際意識調査」や「結婚・家族形成に関する調査」などを行ったところである(それぞれの調査における一部の調査結果については、第1部 第2章 第1節を参照)。後者の調査においては、少子化の要因の一つとしてあげられる「晩婚化」や「未婚化」「非婚化」に対応するため、20代・30代の未婚者と既婚者を対象にしたインターネットによる意識調査を行った。さらに、全国の地方自治体やNPO・団体で実施している結婚支援事業について、アンケート調査を行うとともに、地域おこしなどほかの団体の参考になるような先進的事例についてのヒアリング調査を行い事例集を取りまとめた。これらを広く情報提供し、結婚支援に着手しようとしている地方自治体等を支援することとしている。

地方自治体、NPO・団体による結婚支援事業の取組事例 - 「 結婚・家族形成に関する調査」より -

「結婚・家族形成に関する調査」※において、全国の地方自治体やNPO・団体に結婚支援事業について、アンケート調査を行うとともに、地域おこしなど他の団体の参考になり得る事例を20件程度選定し現地ヒアリングを行った。

アンケート調査に対して回答のあった地方自治体のうち、結婚支援事業を現在行っている都道府県は31団体(66.0%)、市区町村では552団体(32.5%)となっている。また、地方自治体について、結婚支援事業を行う理由としては、「家庭、地域、職域が果たしてきた結婚(縁結び)機能の低下」、「人口の減少による地域全体の活力の低下」が多くあげられている。

さらに同調査で実施したヒアリングから、それぞれ地域のネットワーク(商店街・企業・団体、人材等)を活用しながら結婚支援事業を推進し、その地域に合った事業を工夫しながら行っている様子がわかった。以下では、ヒアリングした事例の中から、<1>愛媛県、<2>最上町(山形県)・板橋区(東京都)、<3>特定非営利活動法人 花婿学校(愛知県)の3つの取組について紹介する。

(1) 愛媛県 えひめ結婚支援センター運営事業

●様々な団体や企業の連携プレーで地域社会に貢献

・2005(平成17)年に、知事が結婚対策を検討する旨を表明したことが事業のきっかけである。その後、2007(平成19)年に知事から事業の検討が指示され、同時期に県民の寄付により設立された基金を原資として、えひめ結婚支援センターが設立された。

・センターの主な事業は、メールマガジン購読者の募集、応援企業(イベント主催企業)・協賛企業の募集、イベントの指導・メールマガジンでの広報、大規模イベントの開催、ボランティア推進員の公募・研修である。また、イベントと併せて、未婚者のコミュニケーション能力向上を支援するセミナーの企画・運営も行っている

第6回えひめ結婚支援センターde 愛ふれ愛スペシャルイベントの様子

・センターのサポートの下、応援企業が小規模イベントを主催するほか、年に2回程度、センターが大規模イベントを主催する。2010(平成22)年11月までの2年間に500回のイベントが開催され、延べ14,000人が参加、約1,900組のカップルが成立し、成婚の報告があったカップルは70組を超える。

・活動継続のポイントは、経済団体に事業を委託したことである。少子化で困るのは若い労働力を失う企業も同じであり、企業に当事者意識を抱いてもらい、事業に巻き込んだ。また、様々な団体や企業が連携し事業を行っているため、横のつながりも強くなった。さらに、過疎・離島地域でのイベント開催は、地域の活性化につながっている。

(2) 最上町(山形県)・板橋区(東京都) 田園空間体験交流ツアー

●地方の男性と都市部の女性による農業・自然体験で地域も活性化

・山形県最上町においては、以前ならば青年団活動や郷土芸能の継承、地域のイベントやお祭り等が盛んにあったが、そのような未婚者同士が出会う機会も、近年少なくなっている。そうした状況を受け、行政による地元の男性と都市の女性との交流ツアーを実施することにした。最上町と東京都板橋区の連携は、両地方自治体が防災協定を結んでいたことがきっかけで、区民まつり等のイベント参加による交流事業という位置づけで始めたものである。

・2010年に実施した田園空間体験交流事業は、主に最上町が事業の企画と男性参加者の募集を行い、板橋区が女性参加者の募集を行った。対象は、男女とも20代から40代前半で、当初、男女20人の定員で募集したところ、最終的に男性38人、女性23人が参加した。ツアーでは、「農業体験―アスパラ・ブルーベリー狩り」や「自然体験―アユの友釣り・イワナ釣り」などのグループごとの活動や、各グループで持ち寄った食材を用いた交流バーベキューパーティなどを行った。その後、各自で交際を進め、5組のカップルが誕生している。

・最上町における婚活イベントとしては初の試みであり、ツアーとして取り組んだことがマスコミからも注目された。また、地元の男性と都市部の女性との様々な農業・自然体験が実現できたため、地域の活性化にも結びついたと考えられる。

バーベキューパーティの様子

農業体験の様子

(3) 特定非営利活動法人 花婿学校(愛知県)

●パーティ前のコミュニケーション力向上セミナー開催でカップリング確率向上へ

・活動のきっかけは、異性とのコミュニケーションが苦手なため、カップリングがうまくいかないという話から、花婿学校の代表が、出会いの場の創設以前に、マッチングのためには男性側のコミュニケーション能力をあげることが最も重要であり、これに特化した婚活セミナーを開くことを考えついたことである。

・主な事業は、未婚男性のコミュニケーション能力を上げ魅力をアップさせるための講座・セミナーの開催、婚活パーティ等のイベントの開催、講演である。それ以外に大手結婚情報サービス企業や全国の結婚相談所、地方自治体やJA、商工会議所、社会福祉協議会等様々な団体が主催するパーティ、イベント等でのセミナー、講演活動、パーティの運営請負、アドバイス等も行っている。

婚活講座の様子

・パーティでのカップリングの確率は、セミナー不参加者に比べて参加者の方が高い。こうした効果が認められ、地方自治体等との連携事業が増えている。

※内閣府「結婚・家族形成に関する調査」1(結婚支援の取組に関する調査)

 少子化の要因の1つとして「未婚化」「晩婚化」の増加があり、若者の結婚や家族形成に関する意識を把握・分析するとともに、地方自治体などの結婚支援の取組状況を調査し、施策に反映することを目的として行った。

<取組状況等のアンケート調査>

★調査対象:全国の地方自治体1,797団体(47都道府県及び市町村、東京23区)

 NPO・団体(有識者委員会での検討に基づき抽出された、NPOや団体計201団体)

★調査方法:郵送・留置法によるアンケート調査

★調査期間:2010年9月15日~10月25日

★調査票配布数、回収数

調査票配布数、回収数の表

<現地ヒアリング調査>

★調査対象:他の地方自治体、NPO・団体の参考となるような特徴的取組を行っている事例20件を有識者委員会で選定

★調査期間:2010年10月9日~2011年1月24日

1 詳細は、内閣府ホームページ(平成22年度結婚・家族形成に関する調査報告書【全体版】(PDF形式))を参照

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