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少子化対策

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付録7 子ども・子育て新システムの基本制度案要綱

平成22年6月29日

少子化社会対策会議決定

I 総論

【目的】

子ども・子育て新システムでは、以下のような社会を実現

◆ すべての子どもへの良質な成育環境を保障し、子どもを大切にする社会

◆ 出産・子育て・就労の希望がかなう社会

◆ 仕事と家庭の両立支援で、充実した生活ができる社会

◆ 新しい雇用の創出と、女性の就業促進で活力ある社会

【方針】

以下の方針のもとに、制度を構築

◆ 子ども・子育てを社会全体で支援

◆ 利用者(子どもと子育て家庭)本位を基本とし、すべての子ども・子育て家庭に必要な良質のサービスを提供

◆ 地域主権を前提とした住民の多様なニーズに応えるサービスの実現

◆ 政府の推進体制の一元化

【新システムとは】

以下のような新システムを実現

◆ 政府の推進体制・財源の一元化

◆ 社会全体(国・地方・事業主・個人)による費用負担

◆ 基礎自治体(市町村)の重視

◆ 幼稚園・保育所の一体化

◆ 多様な保育サービスの提供

◆ ワーク・ライフ・バランスの実現

II 基本設計

○ 子どもの育ち・子育て家庭を社会全体で支えるため、市町村(基礎自治体)が制度を実施し、国・都道府県等が制度の実施を重層的に支える仕組みを構築する。

○ 事業ごとに所管や制度、財源が様々に分かれている現在の子ども・子育て支援対策を再編成し、幼保一体化を含め、制度・財源・給付について、包括的・一元的な制度を構築する。

○ 実施主体は市町村(基礎自治体)とし、新システムに関するすべての子ども・子育て関連の国庫補助負担金、労使拠出等からなる財源を一本化し、市町村に対して包括的に交付される仕組み(子ども・子育て包括交付金(仮称))を導入する。

○ 給付の内容は、以下の2種類とし、すべての子どもと子育て家庭のニーズに応じて必要な給付を保障する。

(1) すべての子ども・子育て家庭を対象とした基礎的な給付

(2) 両立支援・保育・幼児教育のための給付

1 国・都道府県の役割

○ 国は、新システムの制度設計を担うとともに、市町村への子ども・子育て包括交付金(仮称)の交付等、制度の円滑な運営のための必要な支援を行う。

○ 都道府県は、広域自治体として、市町村の業務に関する広域調整や市町村に対する情報提供など、市町村における制度の円滑な運営のための必要な支援を行うとともに、子ども・子育て支援施策のうち、都道府県が主体となって行う事業を行う。

2 市町村の権限と責務

○ 市町村は、国・都道府県等と連携し、新システムの下で、現金給付と現物給付の組合せ(配分)や給付メニューの設定(選択)など、自由度を持って地域の実情に応じた給付を設計し、以下の責務の下で、当該市町村の住民に新システムのサービス・給付を提供・確保する。

<1> 必要な子どもにサービス・給付を保障する責務

<2> 質の確保されたサービスの提供責務

<3> 適切なサービスの確実な利用を支援する責務

<4> サービスの費用・給付の支払い責務

<5> 計画的なサービス提供体制の確保、基盤の整備責務

III 給付設計

1 すべての子ども・子育て家庭支援(基礎給付)

○ すべての子ども・子育て家庭を対象にした基礎的な給付として、子ども手当や一時預かり、地域子育て支援等のための給付を行う。

(個人給付)

(1) 子ども手当(個人への現金給付)

○ 中学生以下の子どもを対象に、子ども手当の給付を行う。

(2) 子育て支援サービス(個人への現物給付)

○ 乳幼児の良質な成育環境の確保と保護者の負担軽減の観点から、すべての乳幼児と保護者を対象とした個人への現物給付(一時預かり等)を行う。

(3) 現金給付・現物給付の一体的な提供

○ 市町村の決定する枠組みの下、個人の選択に基づき、子ども手当と個人への現物給付を組み合わせることを可能とする仕組みを検討する。

○ 個人給付の一部については、市町村の選択により、以下のような仕組みで給付を行う方法を検討する。

<1> 個人給付の一部を、就学後の学校給食費等として学校に支払うことを可能とする仕組み

<2> 給付の趣旨が活かされた利用を促すため、個人給付の一部を、子育てサービス、教育サービス等に利用可能な利用券等の方式により給付を行うことを可能とする仕組み

(4) 妊婦健診

○ 妊婦健診について、基礎給付として新システムから給付することを検討する。

(その他の子育て支援事業)

(5) その他の地域の子育て支援事業

○ 乳児家庭全戸訪問事業、養育支援訪問事業、地域子育て支援拠点事業、児童館など、地域の子育て支援のための事業を給付する。

(6) 市町村独自の給付

○ 市町村の裁量により、基礎給付の上乗せや、上記の基礎給付以外の子育て支援サービスを新システムの事業として独自に給付することができる仕組みとする。

2 子どものための多様なサービスの提供と仕事と家庭の両立支援(両立支援・保育・幼児教育給付(仮称))

○ 幼保一体給付(仮称)や育児休業給付等、幼保一体化を含め、仕事と子育ての両立支援と、保育サービス、幼児教育を保障するために、妊娠から出産、育児休業、保育サービスの利用、放課後対策まで、切れ目のないサービスを提供する。

(1) 産前・産後・育児休業給付(仮称)

○ 産前・産後・育児期における就業中断中においても安心して子どもを生み育てることができるよう、妊娠から保育サービスまで切れ目なく給付が受けられる仕組みとして、産前・産後・育児休業中の現金給付の一体化を、実施方法とあわせて検討する。

(2) 幼保一体給付(仮称)

○ 幼保一体給付(仮称)は、こども園(仮称)への給付を始め、小規模保育サービス、短時間利用者向け保育サービス、早朝・夜間・休日保育サービス、事業所内保育サービス等の多様なサービスに対する給付とする。

○ これらのサービスに対する給付については、価格制度を一本化する。

<1> こども園(仮称)

○ 幼稚園・保育所・認定こども園の垣根を取り払い(保育に欠ける要件の撤廃等)、新たな指針に基づき、幼児教育と保育をともに提供するこども園(仮称)に一体化し、新システムに位置づける。

○ こども園(仮称)については、「幼保一体給付(仮称)」の対象とする。

<2> 小規模保育サービス

○ 主に3歳未満児に重点化した需要や、へき地などの人口減少地域などに対応するため、家庭的保育サービス、複数の家庭的保育者によるサービス、訪問型サービス、保育所等と連携した形態による小規模サービス等について、小規模保育サービスとして新システムに位置づける。

<3> 短時間利用者向け保育サービス

○ 主に3歳未満児を対象として日数や時間の短い需要に対応し、短時間労働者等が定期的に利用する形態のサービスとして、短時間利用者向け保育サービスを新システムに位置づける。

<4> 早朝・夜間・休日保育サービス

○ 早朝、夜間、休日の保育ニーズに対応した保育サービスとして、早朝・夜間・休日保育サービスを新システムに位置づける。

<5> 事業所内保育サービス

○ 事業所内保育サービスを、新システムに位置づける。

<6> 広域保育サービス

○ 複数の市町村が連携して設置する保育施設、複数の事業者が共同で設置する保育施設等について、広域保育サービスとして、新システムに位置づける。

<7> 病児・病後児保育サービス

○ 体調不良・病気などの場合において必要な保育サービスを提供するものとして、病児・病後児保育サービスを新システムに位置づける。

<8> その他サービス

※ <1>~<7>について、多様な給付メニューのイメージ(別紙)

(給付の仕組み)

○ 非正規労働者、自営業者、求職者も含め、親の様々な就労状況にも応じることができる公的保育サービスを確実に保障するため、客観的な基準に基づく保育の必要性を認定し、それに基づきサービスを利用する地位を保障する。

○ 利用者がサービスを選択可能な仕組みとするため、市町村の関与の下、利用者と事業者の間の公的保育契約制度を導入する。

○ 必要な給付の保障責務や利用者の支援など、市町村の責務の明確化を図る。

○ 利用者に対し、利用したサービスの費用を確実に保障する仕組み(利用者補助方式)とし、一定の利用者負担の下にサービスが利用できるよう、公定価格を基本としつつ、現物給付する。その際、サービスの多様化の観点等を踏まえ、柔軟な制度を検討するとともに、提供される多様なサービスの特性に配慮する。

(多様な事業者の参入による基盤整備)

○ 幼保一体給付(仮称)の各サービス類型ごとに、事業者を指定し、指定された事業者がサービスを提供する仕組みを導入(指定制の導入)する。

○ 子ども・子育てビジョンの目標達成に向け、幼保一体給付(仮称)の各サービスについて、集中的に整備する。特に、地域におけるNPO等による家庭的保育サービス、小規模保育サービス等の取組支援の拡充を図る。

○ イコールフッティングによる株式会社・NPO等の多様な主体の参入促進のため、

・サービスの質を担保する客観的な基準による指定制を導入する。

・施設整備費の在り方を見直す。

・運営費の使途範囲は事業者の自由度を持たせ、一定の経済的基礎の確保等を条件に、他事業等への活用を可能とする。

・会計基準は、法人類型ごとの会計ルールに従うことを基本とする。

(サービスの安定と質の確保・向上)

○ 撤退規制、情報開示等のルール化を行うことにより、サービスの安定と質の確保を図る。

○ サービスの質の向上を検討する。

(3) 切れ目のないサービスの保障

○ 育児休業の給付と保育サービスを一元的な制度により保障することにより、育児休業から保育サービスへの円滑な利用を保障する仕組みとする。

<1> 市町村の認定による保育サービスを受ける権利の付与

<2> <1>と連動した市町村によるサービス提供体制確保

<3> 短時間労働者向けサービスなどのサービスメニューの多様化

<4> 育児休業中の給付あるいは保育サービスのいずれかが保障される仕組み

(4) 放課後児童給付(仮称)

○ 放課後児童給付(仮称)については、「小一の壁」に対応し、保育サービス利用者が就学後の放課後対策に円滑な移行を可能とするという視点に基づき、放課後の遊びの場と生活の場を提供するサービスとして、個人に対する利用保障を強化する。

○ 指定事業者ごとに利用登録する仕組みを導入し、登録児童数に応じて当該指定事業者に費用保障する仕組みを検討する。

○ 小4以降も放課後児童給付(仮称)が必要な子どもにサービス提供を行う。

(5) 市町村独自の給付

○ 市町村の裁量で、両立支援・保育・幼児教育給付(仮称)の上乗せ給付が可能となる仕組みを検討する。

IV 費用負担

○ 社会全体で子ども・子育て支援を支えるという観点から、社会全体(国・地方・事業主・個人)により、必要な費用を負担する。

○ 両立支援・保育・幼児教育給付(仮称)に、事業主・個人が拠出することを検討する。

○ 国及び地方の恒久財源の確保を前提として実施する。

○ 既存の特別会計(勘定)の活用などにより、子ども・子育て勘定(仮称)を設け、各種子ども・子育て対策の財源を統合し、市町村が自由度を持って必要な給付を行うことができるよう、子ども・子育て包括交付金(仮称)として、市町村に対して必要な費用を包括的に交付する。

○ 子ども・子育て包括交付金(仮称)の算定基礎は、児童人口などの客観的な指標を基本とするが、両立支援・保育・幼児教育給付(仮称)について需要量に応じた要素を加味することなどを検討する。

○ 市町村は、子ども・子育て特別会計(仮称)において、子ども・子育て包括交付金(仮称)と地方からの財源をあわせ、地域の実情に応じ、給付を行う。

○ 事業主拠出の在り方は、社会全体で子ども・子育てを支える観点や、両立支援における企業の果たす役割を踏まえ、企業の経済活動に対する影響などにも配慮しながら、検討を行う。

V 幼保一体化

○ 幼稚園・保育所・認定こども園の垣根を取り払い(保育に欠ける要件の撤廃等)、新たな指針に基づき、幼児教育と保育をともに提供するこども園(仮称)に一体化する。(再掲)

○ すべての子どもに質の高い幼児教育・保育を保障するとともに、家庭における子育て・教育にも資するため、幼稚園教育要領と保育所保育指針を統合し、小学校学習指導要領との整合性・一貫性を確保した新たな指針(こども指針(仮称))を創設する。

○ こども指針(仮称)に基づき提供される幼児教育・保育について、資格の共通化を始めとしたこども園(仮称)としての機能の一体化を推進する。

○ こども園(仮称)については、現在の幼稚園、保育所、認定こども園からの円滑な移行に配慮しつつ、学校法人、社会福祉法人、株式会社、NPO等、多様な事業主体の参入を可能とする。

VI 新システム実施体制の一元化

○ 新システムを一元的に実施する子ども家庭省(仮称)の創設に向けて検討する。

VII 都道府県が行う市町村支援事業

○ 子ども・子育て支援施策のうち、広域自治体として市町村を支援する事業、社会的養護を始め都道府県事業として位置づけることが適当であると考えられる事業について、新システムに位置づけることを検討する。

VIII その他

○ 子ども・子育て支援のサービス・給付を、子ども・子育て当事者のニーズに即したものとするため、また、効果的かつ効率的な制度運用のため、地方公共団体、労使代表を含む負担者、子育て当事者、NPO等の子育て支援当事者等が子育て支援の政策プロセス等に参画・関与することができる仕組みとして、国に子ども・子育て会議(仮称)を設置することを検討する。

○ 具体的な給付設計、費用負担等について、ワーク・ライフ・バランスを推進する観点から制度の検討を行う。

○ 給付設計に当たっては、子ども・子育て支援における地方の自主性を発揮する観点から、可能な限り、地方の自由度を尊重することを基本とする。

○ まちづくりと連携して子育て支援施設の整備を推進する仕組みづくりを行う。

○ すべての子どもを対象とした放課後子ども教室推進事業については、放課後児童給付(仮称)との関係について検討する。

IX 工程

○ 23年通常国会に法案を提出、25年度の施行を目指す。

※ 国及び地方の恒久財源を確保しながら25年度の本格施行に向けて段階的に実施する。

※ 待機児童解消対策、現金・現物給付の一体的提供など、23年度から実施できるものは前倒しして実施する。

※ 新システムの実施に当たっては、成長戦略策定会議等との連携を図る。

※ 子ども・子育て包括交付金(仮称)をはじめとした国と地方の役割に関する具体的な制度設計に当たっては、実施主体である地方が新システムを円滑に施行できるよう地方の意見を反映するとともに、地域主権戦略会議が進めている一括交付金の制度設計や国と地方の協議の場での議論との連携を図る。

制度設計のイメージ

イメージ1 こども園(仮称)

イメージ2-1 小規模保育サービス1

イメージ2-2 小規模保育サービス2

イメージ3 短時間利用者向け保育サービス

イメージ4 早朝・夜間・休日保育サービス

イメージ5・6 事業所内保育・広域保育サービス

イメージ7 病児・病後児保育サービス

(参考) 一時預かり(イメージ)

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