少子化対策

コラム:被災地における子ども・子育て支援活動

2011(平成23)年3月11日に発生した東日本大震災は未曾有の被害をもたらした。東日本大震災の被災地においては、地方自治体やNPO、ボランティア団体などが、子どもや、子どもを抱える方に対して引き続き支援を行っている。

○母子の心身ケア~被災地に母と子の笑顔が広がることが、復興への第一歩~

「花巻市民活動ネットワーク協議会」(岩手県花巻市)は、花巻市において、助産師会や「お産と地域医療を考える会」、医療関係機関などと連携をし、2011年4月から8月まで、助産師による授乳ケアや沐浴・沐浴介助、健康相談等のサポートや、家事援助のボランティアなどの被災妊産婦のケア事業を行ってきた。

また、「花巻市民活動ネットワーク協議会」と妊産婦の支援団体「母と子の虹の架け橋」(花巻市)が協力し、「被災地に母と子の笑顔が広がることが、復興への第一歩である」との考えに基づき、被災妊産婦が沿岸部に戻った後の母子の心身ケア、絆の再生、情報受発信、社会参加・就労支援などを目的として、2011年9月25日、岩手県釜石市に「ママハウス」を設けた。ここでは、助産師・看護師らを中軸に、行政との連携協力の下、県立釜石病院、釜石市社会福祉協議会、岩手県臨床心理士会など関係機関・団体等による健康相談等を行う保健指導部門、子育ての悩みなどを語らうピアカウンセリングコーナー(井戸端会議・お茶っこ飲み)などの活動を通した精神的健康を支える心理ケア部門、ワーク

ショップやベビーダンス・ロディヨガ、手編みサロンなど各種企画を行う講座部門などの様々な事業を実施しており、2012(平成24)年2月末時点の延べ数で、母親が364人、子どもが422人、計786人(ママハウス劇場などに参加の祖父母178人を含めると計964人)が利用している。

(助産師を囲んで座談)

○父子家庭などの支援~東日本大震災 父子家庭+(プラス)父親支援プロジェクト~

被災により父子家庭となった子どもたちは、家事・育児を主に担ってきた母親を失い、厳しい養育環境に置かれていると指摘されている。一方、甚大な被害から復興に向けて歩む被災地では、働き盛りの父親たちに、地域再生や産業復興に向けての役割に加え、生活再建をするなかで父親のストレスや心身の疲労が、父親自身はもとより、家族や子育てに暗い影を落とすことがないよう、地域全体で見守り、支えていくことが必要となっている。

(石巻市牡鹿半島給分浜旧保育所跡仮集会所におけるお父さん交流会)

「特定非営利活動法人新座子育てネットワーク」(埼玉県新座市)では、日本ユニセフ協会からの要請に応え、「東日本大震災 父子家庭+(プラス)父親支援プロジェクト」に取り組んでいる。宮城県仙台市、石巻市において、子どもや家族に関わる専門家や支援者、ボランティアの方々を対象に、被災した父子支援のための研修機会を提供し、父親と子どもの支援を行うために研修を受けた「お父さん支援員」(延べ107人)を養成している。また、子どもや家庭関係全般の相談場所や就業支援を行っている施設など、父親の子育てに必要な地域情報を集積した「パパステーション」を各地に設置(延べ31か所)し、「パパと子どもの暮らしガイド」の提供をしている。さらに、お父さん支援員による父子家庭を対象としたイベントなどの様々な支援活動を応援しており、2012年度は岩手県沿岸被災地へも支援を広げているところである。

○子どもの遊び場の確保~ペップキッズこおりやまの開設~

東京電力福島第一原子力発電所事故による放射線の影響で、子どもたちが、安心して屋外で遊ぶことが難しい環境が続いている。

福島県郡山市では、「郡山市震災後こどもの心のケアプロジェクト」の一環として、このような環境下であっても、未来を担うこどもの健康増進、そして健やかな心の発達のため、地元企業からの土地・建物の無償貸借、また東京の企業から遊具等の寄附など、多くの支援者からの協力を受けつつ、広い屋内で思いっきり遊ぶことができる施設の整備を進め、2011年12月23日に「郡山市元気な遊びの広場」(愛称:PEP Kids Koriyama(ペップキッズこおりやま)、以下「ペップキッズこおりやま」という。)を開設した。

「ペップキッズこおりやま」では、「外遊びを室内で」、「からだ遊び」、「遊びを通した子育て」、「料理をする」というコンセプトに基づき、水遊びもできる70平方メートルの屋内砂場、三輪車のサーキット、一定の職業になりきることができるロールプレイゾーン、はいはいの赤ちゃんも安心して遊べるベビーゾーンや、生きる基本である「食べる」ことの大切さを学べるペップキッチンなどの多くの施設があり、平成24年3月26日現在で、利用者は10万人を超えたところである(一日平均約1,200人)。

ペップアクティブの様子

利用者からは、「子どもが体を思いっきり動かすことによって、寝つきがよくなった」、「ご飯をよく食べるようになった」など、日常の生活サイクルがよくなったというものから、「今まで出来なかったことができるようになった」、「他の子ともコミュニケーションが取れるようになった」など、子どもの成長につながっているという声などがあげられている。また、子どもの笑顔や元気に走り回る姿を久しぶりに見た親が涙を流したり、ずっと外の砂での砂遊びを制限されてきた子どもが本当に嬉しそうに砂で遊んでいる姿に感動する親もいたとのことである。

※ 本コラム中における、「子ども園」、「こども園」の呼称については、各地方自治体における独自の取組による幼保一体化施設の呼称。

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