少子化対策

2 子どもの学びを支援する

1)公立高校授業料無償制・高等学校等就学支援金制度(高校等の授業料負担の軽減)

今日、高等学校等への進学率は約98%に達し、国民的な教育機関となっており、その教育の効果が広く社会に還元されるものであることから、その教育費について社会全体で負担していくことが求められている。また、多くの国で後期中等教育を無償としており、国際人権A規約にも中等教育における「無償教育の漸進的な導入」が規定されている。

このような観点を踏まえ、家庭の状況にかかわらず、全ての意志ある高校生等が安心して勉学に打ち込める社会をつくるため、「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」(平成22年法律第18号)が2010(平成22)年3月31日に成立し、同年4月1日から施行されている。

本制度の対象となる学校は、国公私立の高等学校、中等教育学校後期課程、特別支援学校高等部、高等専門学校の1年生から3年生、専修学校高等課程、各種学校である外国人学校のうち「高等学校の課程に類する課程を置くもの」として文部科学大臣の指定を受けたものとなっている。

このうち、公立高等学校(中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部を含む。)については、授業料を原則不徴収とすることとしている。

一方、私立高等学校等の生徒については、経済的負担の軽減を図るため、「高等学校等就学支援金」として、授業料について一定額(年額11万8,800円)を支給することとしている。また、特に低所得世帯の生徒については、就学支援金の支給額を増額することとしている。具体的には、生徒の保護者の年収が250万円未満程度1の場合には2倍額、350万円未満程度2の場合には1.5倍額を上限として支給することとしている。

制度の導入や、都道府県の授業料減免等の取組によって、2010年度の経済的理由による高等学校等中途退学者数は、前年度に比べて減少(高等学校:1,647人(2009年度)⇒1,043人(2010年度)、約37%減少。私立高等専修学校:253人(2009年度)⇒174人(2010年度)、約31%減少)するなど、高等学校等の生徒の就学に変化が見られた(「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」及び「文部科学省調べ」)。

2)奨学金の充実等

独立行政法人日本学生支援機構が実施する奨学金事業は、教育の機会均等を確保する観点から、学ぶ意欲と能力のある学生が家庭の経済状況によって修学の機会が奪われることのないよう、毎年充実を図っている。2011(平成23)年度においては、特に、無利子奨学金の貸与基準を満たしながら貸与を受けられない者の解消に向けた拡充に重点化し、無利子奨学金で対前年度比9千人増の35万8千人、無利子奨学金と有利子奨学金をあわせた事業全体で、対前年度比8万8千人増の127万2千人の学生等に対して奨学金を貸与するための事業費を計上している。

国立大学においては、全大学で授業料免除制度を整備しており、経済的理由などにより、授業料の納付が困難である者などを対象に、修学継続を可能にし、教育を受ける機会を確保している。

第2-1-1図 奨学金の貸与人員の推移

奨学金の貸与人員の推移(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます

第2-1-2図 奨学金事業費の推移

奨学金事業費の推移(CSV形式:1KB)別ウインドウで開きます

また、私立学校が行う経済的に修学困難な学生等への授業料減免等を支援する。

幼稚園については、幼稚園に通う園児の保護者に対する経済的負担の軽減や、公私立幼稚園間における保護者負担の較差の是正を図ることを目的として、入園料や保育料を減免する「就園奨励事業」を実施している地方公共団体に対して、文部科学省がその所要経費の一部を補助している。2011年度は、私立幼稚園に係る国庫補助単価を引き上げた。

3)学校の教育環境の整備

2008(平成20)年3月に幼稚園教育要領、小・中学校の学習指導要領を、2009(平成21)年3月に高等学校・特別支援学校の学習指導要領などの改訂を行った。新学習指導要領では、子どもたちに知・徳・体のバランスのとれた「生きる力」を育むことをねらいとして、授業時数の増や指導内容の改善を図っており、2011(平成23)年4月から小学校等、2012(平成24)年4月から中学校等において新学習指導要領が全面実施となっている。

また、学校の教育環境の根幹である教職員配置については、2011年度において、公立小学校1年生の学級編制の標準を40人から35人に引き下げる制度改正を行うとともに2,300人の教職員定数の増を盛り込んだ。また、2012年度予算においては、小学校2年生の35人以下学級への対応のほか、被災した児童生徒のための学習支援や特別支援教育への対応等のために必要な教職員定数3,800人の増を盛り込んでいるところである。

  1. 両親と子ども2人の世帯の場合を想定
  2. 両親と子ども2人の世帯の場合を想定
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