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少子化対策

1 長時間労働の抑制、テレワークの活用等、働き方の見直しに向けた環境整備を図る

1)「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」・「仕事と生活の調和推進のための行動指針」に基づく取組の推進

経済界、労働界、地方公共団体の代表者、有識者、関係閣僚により構成される「仕事と生活の調和推進官民トップ会議」の下に設置された「仕事と生活の調和連携推進・評価部会」では、関係者間の連携を図るとともに、「憲章」・「行動指針」に基づく仕事と生活の調和の推進に向けた取組状況の点検・評価を行っている。また、2009(平成21)年からは、取組の更なる展開を図るとともに国民一人ひとりに仕事と生活の調和に対する理解を深めるため、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)レポート」を年1回取りまとめている。そのレポートでは、2011(平成23)年度版で新たに、就業形態別の出産前有識者の就業継続率や家族の介護や看護を理由とした離職・転職の状況、さらに東日本大震災発生以降、節電対策の必要性等から働き方の見直しに取り組む企業の事例などについて記載した。

内閣府では、仕事と生活の調和に向けた社会的気運を醸成するため、2008(平成20)年6月から、「カエル!ジャパン(Change!JPN)」をキーワードに、国民参加型のキャンペーンを展開している(2012(平成24)年2月現在の登録件数は、企業・団体424件、地方公共団体154件、個人1,457件)。また、各職場における取組を後押しするため、2009年10月から、メールマガジン「『カエル!ジャパン』通信」の配信を開始し、企業が取組を進める上で必要となるノウハウや好事例についての情報を毎月提供している(2012年2月現在の配信登録件数は3,495件)。このほか、地方公共団体の取組状況を取りまとめるとともに、企業等において仕事と生活の調和を推進する者が交流、各企業の取組について情報交換をする場として、仕事と生活の調和担当者交流会を開催した。また、内閣府の仕事と生活の調和ポータルサイト等で情報提供することにより、仕事と生活の調和に関する情報の集積を図っている。

2)長時間労働の抑制及び年次有給休暇の取得促進

労働時間対策としては、単に労働時間の短縮を図るだけではなく、労働時間、休日数及び年次有給休暇を与える時季など労働時間等に関する事項について労働者の健康と生活に配慮するとともに多様な働き方に対応したものへ改善することが重要である。近年、週労働時間60時間以上の雇用者の割合が依然高い水準で推移していること、長期間にわたる長時間労働等による脳・心臓疾患に係る労災認定件数が依然多いこと、年次有給休暇の取得率が50%を下回る水準で推移していること、育児・介護や自己啓発などの労働者の抱える事情が多様化していることなどの課題が生じている。これらを踏まえ、「労働時間等見直しガイドライン(労働時間等設定改善指針)」1に基づき、労働時間等の設定の改善に向けた労使の自主的な取組を促進することにより、仕事と生活の調和を推進している。

さらに、時間外労働の削減については、時間外労働の限度基準が遵守されるよう、周知徹底を図っている。

  1. 事業主等が、「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」(平成4年法律第90号)に基づき、労働時間等の設定の改善(労働時間、休日数、年次有給休暇を与える時季その他の労働時間等に関する事項について、労働者の健康と生活に配慮するとともに、多様な働き方に対応したものへ改善すること)について適切に対処するために必要な事項を定めたもの。

3)労働時間等の設定の改善に取り組む中小企業に対する支援・助成

「憲章」及び「行動指針」を踏まえ、長時間労働の抑制、年次有給休暇の取得促進など企業における取組の促進を図っている。具体的には、

<1>労働時間等の見直しに向けた職場意識の改善に積極的に取り組む中小企業を支援する職場意識改善助成金の支給、

<2>労働時間等の見直しに団体として取り組む中小企業に対し労働時間等設定改善推進助成金の支給、

等を行っている。

4)ライフスタイルに応じた多様な働き方の選択肢の確保

少子高齢化、大幅な労働力人口減少の中で、貴重な労働力を確保し、労働生産性を高め、経済の成長を持続させるためには、ライフスタイルに応じた多様な働き方の選択肢を確保するとともに、働き・貢献に見合った公正な待遇を実現することが重要である。

雇用者総数の約27.1%(岩手県、宮城県及び福島県を除く。)を占める、パートタイム労働者については、その能力を一層有効に発揮することができる雇用環境を整備するため、パートタイム労働法に基づき、事業主への行政指導等を実施するとともに、パートタイム労働者等の均衡待遇の確保等に取り組む事業主に対する奨励金の支給を通じて、正社員との均衡のとれた待遇の確保等を推進している。

また、フルタイム正社員より所定労働時間(日数)が短いながら、正社員としての待遇が得られる短時間正社員については、「憲章」において、国は、「短時間正社員制度」等多様な働き方を推進するための条件整備を行うこととされるとともに、「短時間勤務を選択できる事業所の割合(短時間正社員制度等)」を、2020(平成32)年には29%とする数値目標が設定されている(「行動指針」)。

こうした中、厚生労働省では、制度を導入した事業主に対する奨励金の支給に加え、インターネット上で「短時間正社員制度導入支援ナビ」を運営するとともに、短時間正社員制度の概要や取組事例等についての情報提供を行うなど、短時間正社員制度の導入支援を行っている。

5)テレワークの推進

情報通信技術を活用した、時間と場所にとらわれない柔軟な働き方であるテレワークは、職住近接の実現による通勤負担の軽減のみならず、特に育児や介護、障害等の個々の事情を抱える人にとって仕事と生活の調和の実現に有効な働き方として、社会的な期待や関心も大きいものとなっている。

政府では、2010(平成22)年5月に「新たな情報通信技術戦略」を策定し、その中で様々な働き方を希望する人の就業機会の創出及び地域の活性化等に資する「テレワークの推進」を位置付け、2015(平成27)年までに在宅型テレワーカーを700万人とする目標の実現に向けて、関係各省が連携して、テレワークの一層の普及拡大に向けた環境整備、普及啓発等を推進することとしている。

このような中で、政府が自ら率先してテレワークを導入する観点から、総務省、国土交通省等がテレワークを本格導入しているほか、経済産業省など複数の省庁においてテレワークを試行しているところである。また、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省が呼びかけ人となり、産学官協働でテレワークの普及促進を図ることを目的とする「テレワーク推進フォーラム」(2005(平成17)年11月設立)と連携して、「企業のためのテレワーク導入・運用ガイドブック」(2008(平成20)年度改訂)等を活用し、テレワーク導入の意義や効果を広く浸透させるための普及活動を行っている。

そのほか、特に在宅型テレワークを中心として、普及課題を幅広く調査・抽出し、その解決方策を明らかにすることによる効果的かつ効率的なテレワークの導入方法の確立、テレワークによる働き方の実態やテレワーク人口の定量的な把握、多様な働き方を実現するテレワークセンターについて、社会実験の実施等による立地推進方策等の検討、セミナーの開催等を通じた普及促進のための事業を実施している。また、適正な労働条件を確保しつつテレワークの普及促進を図るため、「在宅勤務ガイドライン(情報通信機器を活用した在宅勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン)」について、事業主等への周知・啓発を行っている。さらに、テレワーク導入・実施時の労務管理上の課題等についての質問に応じるテレワーク相談センターを設置するとともに、事業主・労働者等を対象としたセミナーを全国7都市で実施している。

在宅ワーク2については、情報通信技術の普及等により、データ入力やテープ起こしといった他者が代わって行うことが容易な業務の単価が低下し、市場ニーズも縮小傾向にある一方で、データの取扱い等における個人情報保護の要請が高まる等、在宅ワークを取り巻く環境は大きく変わってきている。

このため、2010年に、在宅ワークの発注者が在宅ワーカーと契約を締結する際に守るべき最低限のルールとして周知に努めてきた「在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン」を改正し、適用対象の拡大、発注者が文書明示すべき契約条件の追加等を行ったほか、在宅ワークの基礎知識集として「在宅ワーカーのためのハンドブック」を作成し、これらの周知・啓発を行っている。

第2-4-1図 テレワークの推進 工程表

  1. 情報通信機器を活用して請負契約に基づきサービスの提供等を行う在宅形態での就労(法人形態により行っている場合や他人を使用している場合などを除く。)。

6)農業経営体等における女性が働きやすい環境づくりの推進

農山漁村の女性は、仕事に加え家事・育児等の負担が大きいことから、出産・育児期の女性の負担を軽減し、農林漁業経営及び地域社会活動への参画を支援するため、家族間で仕事や家事の役割分担等を定める、家族経営協定の締結の促進や女性の労働環境改善に関する研修の開催等を通じた普及啓発活動を行っている。

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