少子化対策

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コラム:中学生とあかちゃんのふれあい体験学習

愛知県豊田市役所が市内の中学校と共催で実施してきた「中学生とあかちゃんのふれあい体験」は、2012(平成24)年度で6年目となった。

中学生が乳児とふれあう体験を通して、子育ての喜びや命の尊さや家族の絆の大切さを感じ取り、親の役割を考える機会とし、将来親になるための準備教育として実施している。中学生と赤ちゃんがふれあえる体験は全国的にも数が少なく、貴重な体験の場となっている。

中学生とあかちゃんのふれあい体験学習の様子

この事業は、地域と学校が連携して実施することで、地域の子育て環境づくりの推進を図ることを目的としており、当日はたくさんの地域の方にもボランティアとして参加してもらうことで、世代を越えた交流を通じて、地域ぐるみで子育てする基盤作りを進めることもねらいとしている。

事業の特色は、

  • 3年生全員が参加する体験学習として学校の授業の一環として位置づけられていること
  • 概ね1対1で実施するためより高い効果が得られること
  • 母子保健推進員、保護者、大学生(中学校によっては、民生児童委員、老人クラブ)などの地域ボランティアも乳児と同数程度参加し、地域の子育て環境づくりの推進に繋がっていること

などが挙げられる。

事業の内容については、各学校と話し合い決定するが、当日に向けて、乳幼児の成長、体の発達、へその緒の話、命の重さ、乳児に関する学習、当日の注意点、赤ちゃんの抱き方等や、ビデオ鑑賞、自分史作成などの事前授業を行い、当日は抱っこ、おんぶ、遊びなどのふれあい体験を行っている。また、終了後には中学生からお母さんたちへの礼状(メッセージカード等)の作成などを行い、交流を図っている。

ふれあい体験の時間中は会場のあちこちから終始、中学生たちの赤ちゃんに対する「かわいい」という声が聞こえていた。お母さんだけでなく、お父さんが来ていたり、夫婦で参加している人も多かった。参加した中学生全員が抱っことおんぶを体験するが、赤ちゃんに泣かれてしまい、戸惑う中学生もいれば、あやし方がうまくて赤ちゃんを寝かせつけてしまう中学生もいた。

中学生からは「抱っこしたけど泣かれてしまって残念でした」、「抱っこしたら重くて、下にずり落ちそうになってびっくりしました」、「赤ちゃん欲しいとも思ったけれど、同時に大変だなとも思いました」などの声が聞かれ、お母さんからは「中学生が周りにいないので、いい機会だと思って参加しました。自分の子も15年経つとこうなるのかなと想像することができました」などの声が聞かれた。

こういった体験は、中学生だけでなく、参加した親にとっても、親になるということや、命の重さや大切さを実感させられるきっかけとなっている。

核家族化などの影響で、わが子を授かって初めて、赤ちゃんを抱いたり、おむつを替えたりするという人も少なくなく、子育てに対する知識・経験不足が、子育てに対する不安感を高め、虐待へつながる恐れもある。こうした豊田市の取組をはじめとする「赤ちゃんとのふれあい体験」は今後一層の広がりが期待されるが、こうした事業に協力をしてくれる親子の協力が必須であり、親子が安心して協力できるよう、学校との橋渡し役を養成することが必要であると指摘されている。東京成徳短期大学寺田教授が代表を務める「ハートフルママ」では、赤ちゃんとのふれあい体験の普及に長年取り組んでいるが、2年前から品川区との共催により、橋渡し役を担うファシリテータの養成活動にも取り組んでおり、今後こうした事業が一層広がることが期待される。

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