少子化対策

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第3節 社会生活に必要なことを学ぶ機会を

2 学びや体験を通じ豊かな人間性を育成する

1)地域ぐるみで子どもの教育に取り組む環境の整備

学校、家庭及び地域住民等がそれぞれの役割と責任を自覚しつつ、未来を担う子どもたちを健やかに見守り育むことにより、地域や家庭の教育力の向上を図るため、学校支援地域本部や放課後子ども教室、家庭教育支援など、地域住民の参画による教育支援の取組を全国で推進している。

(1)学校支援地域本部

地域住民がボランティアとして学校の教育活動を支援し、地域全体で子どもを育てる体制づくりを行う学校支援地域本部を2008(平成20)年度より実施しており、学校や地域の実情に応じ、地域住民による学校支援のための様々な活動が行われている(2012(平成24)年度実施か所数:3,036本部)。

(2)放課後子ども教室

放課後や週末等に小学校の余裕教室等を活用して、子どもたちの安全・安心な活動拠点(居場所)を設け、地域の多様な方々の参画を得て、学習活動やスポーツ・文化芸術活動等の体験活動、地域住民との交流活動等の機会を提供する放課後子ども教室を実施している(2012年度実施か所数:10,098か所)。

(3)家庭教育支援

身近な地域において、すべての親が家庭教育に関する学習や相談が出来る体制が整うよう、家庭教育支援チームの組織化等による相談対応、保護者への学習機会や親子参加行事の企画・提供などの家庭教育を支援する活動を実施している(2012年度実施か所数:2,771か所)。

また、地域住民、学校、行政、NPO、企業等の協働による社会全体での家庭教育支援の活性化を図るため、効果的な取組事例等を活用した、全国的な研究協議を行っている。2012年度においては、埼玉県と鳥取県において研究協議会を開催し、全国的な啓発を行った。

さらに、家庭教育の基盤となる、食事や睡眠などをはじめとする子どもの基本的な生活習慣の定着を図るため、「早寝早起き朝ごはん」国民運動を推進している。

なお、2011(平成23)年度に、各自治体による主体的な取組の活性化や、喫緊の社会的課題を踏まえた家庭教育支援のあり方を国として示すこと等を目的として、「家庭教育支援の推進に関する検討委員会」を開催し、報告書「つながりが創る豊かな家庭教育」をとりまとめた。今後は、報告書の提言を踏まえた家庭教育支援を推進することとしている。

独立行政法人国立女性教育会館においては、男女共同参画の視点から、地域における次世代育成支援として「男性の家庭・地域への参画を促進するための調査研究及びプログラム開発」を実施し、参考資料を作成した。また、その成果を「家庭教育・次世代育成支援指導者研修」に活用した。さらに、「女性情報ポータル“Winet”(ウィネット)別ウインドウで開きます」において、育児・子育て支援に関する情報を提供している。

2)消費者教育等の推進

消費者が被害に遭わないようにし、自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動できる存在となるため、あるいは自らの消費生活に関する行動が現在及び将来の世代にわたって内外の社会情勢及び地球環境に影響を及ぼし得るものであることを自覚して、公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参画し、その発展に寄与する存在となるためには、消費者教育(消費者の自立を支援するために行われる消費生活に関する教育)が重要である。

そのような消費者教育を総合的かつ一体的に推進するために、2012(平成24)年8月22日に「消費者教育の推進に関する法律」(平成24年法律第61号)が公布され、同年12月13日に施行された。これまでも消費者庁と文部科学省が密接に連携を図りながら、学識経験者、消費者団体、教育関係者等をメンバーとする消費者教育推進会議(会長は内閣府副大臣、副会長は文部科学大臣政務官)を開催し、2012年4月にはその報告を公表した。今後は、政府は同法に基づき消費者教育の推進に関する基本的な方針(基本方針)を作成し(同法第9条)、これに則り消費者教育の推進を図ることとしている。また、消費者庁に審議会として消費者教育推進会議を置いた(第19条)。

また、消費者教育ポータルサイトにより、幼児期・児童期・少年期・成人期というライフステージごと、安全、契約・取引、情報、環境という分野ごとに、消費者教育用教材や取組事例を提供するとともに、新学習指導要領を反映した消費者教育用教材等の作成・配布等を行っている。

さらに、学校教育においては、2008(平成20)年3月に小・中学校、2009(平成21)年3月に高等学校の学習指導要領を改訂し、例えば、中学校の技術・家庭科において、消費者の基本的な権利と責任について指導することとするなど、消費者教育に関する内容の充実を図った。社会教育においては、2010(平成22)年度に策定した「大学等及び社会教育における消費者教育の指針」の周知や、多様な主体が消費者教育を推進する上での課題についての意見交換等を行う「消費者教育フェスタ」の開催等により、消費者教育の推進を図った。

今後も、消費者教育の推進に関する法律や消費者基本計画(2010年3月30日閣議決定)、新学習指導要領などを踏まえ、学校・家庭・地域における消費者教育を推進することとしている。

3)地域や学校における体験活動

少子化の進展、家庭や地域社会の教育力の低下などの様々な問題が指摘される中、特に、子どもたちの精神的な自立の後れや社会性の不足が顕著になっていることから、次世代を担う子どもたちが、規範意識や社会性、他人を思いやる心などを身に付け、豊かな人間性を育むよう、発達の段階などに応じた様々な体験活動の機会を充実させることが求められている。

このため、2001(平成13)年7月には、「社会教育法」(昭和24年法律第207号)、2006(平成18)年6月には「学校教育法」(昭和22年法律第26号)を改正し、青少年に対しボランティア活動など社会奉仕体験活動、自然体験活動、その他の体験活動の充実を図ることが明確化されている。

(1)地域における体験活動の推進

放課後や週末等に小学校の余裕教室等を活用して、子どもたちの安全・安心な活動拠点(居場所)を設け、地域の多様な方々の参画を得て、学習活動やスポーツ・文化芸術活動等の体験活動、地域住民との交流活動等の機会を提供する放課後子ども教室を実施している。

また、次代を担う青少年の育成を図るため、自然体験活動の指導者養成に取り組むとともに、家庭や企業などへ体験活動に対する理解を求めていくための普及啓発を推進している。加えて、防災教育の観点に立った青少年の体験活動を推進している。

さらに、独立行政法人国立青少年教育振興機構において、全国28か所にある国立青少年教育施設における青少年の体験活動の機会と場の提供や指導者の養成、民間団体が実施する体験活動等に対する「子どもゆめ基金」事業による助成などを通して、青少年の体験活動を推進している。

(2)学校における体験活動の推進

小学校においては、「豊かな体験活動推進事業」を実施し、児童の豊かな人間性や社会性を育むため、学校教育において行われる自然の中での集団宿泊活動を推進する取組を支援している。

4)文化・芸術活動

子どもたちが本物の舞台芸術や伝統文化に触れ、日頃味わえない感動や刺激を直接体験することにより、豊かな感性と創造性を育むとともに、我が国の文化を継承、発展させる環境の充実を図るため、子どもたちが、小学校・中学校等において、文化芸術団体や芸術家による舞台芸術公演を鑑賞し、ワークショップ等を体験することを通じて、子どもたちの豊かな感性や発想力を育む取組を推進している。そのほか、全国高等学校総合文化祭を2012(平成24)年度は8月に富山県で開催した。

5)自然とのふれあいの場

優れた自然の風景地である国立公園等において、子どもたちに自然や環境の大切さを学んでもらえるよう、自然保護官(レンジャー)やパークボランティアの指導・協力の下、自然の中でのマナーの習得、自然環境の再生保全活動などを行う機会を提供した。

また、「インターネット自然研究所」や「自然大好きクラブ」などのウェブサイトにより、様々な自然とのふれあいの場やイベント、自然体験活動プログラム等に関する情報を幅広く提供した。

さらに、国立公園のビジターセンターなど全国100か所において、自然体験プログラムなどの体験を通して生物多様性の大切さを学び、理解を深める「全国自然いきものめぐりスタンプラリー」を実施した。

6)農林水産業の体験や、都市と農山漁村との交流体験

学ぶ意欲や自立心、思いやりの心、規範意識などを育み、力強い子どもの成長を支える教育活動として、2008(平成20)年度から、総務省、文部科学省、農林水産省が連携し、小学生が農山漁村において、農林漁家への宿泊や農林漁業体験などの宿泊体験活動を行う「子ども農山漁村交流プロジェクト」を推進している。

また、子どもたちの緑を守り育てる心と健康で明るい心を育てるため、各地域において森林体験活動や森林ボランティア活動を行っている「緑の少年団」等に対し支援を行っている。

さらに、主として小中学生を対象とした「森の子くらぶ」活動など入門的な森林体験活動を行う機会を提供するため、体験学習の場となる森林や施設の整備・情報提供等の支援を行うとともに、国有林野では、優れた自然景観を有し、森林浴や自然観察、野外スポーツ等に適した森林を「レクリエーションの森」として設定し、広く国民へ提供するなどの取組を行っている。

また、青少年の農山漁村等における自然体験活動を推進するため、青少年が農林水産業体験や自然体験などを通して社会性や主体性を育む交流体験活動等の事業を支援している。

稲刈り体験をする生徒(群馬県みなかみ市)

7)子どもの遊び場の確保(公園、水辺、森林)

子どもが身近な自然に安心してふれあうことができ、安全で自由に遊べる場所を地域に確保することは、子どもの健全な育成のために重要である。

子どもの遊び場としての役割が求められる都市公園については、各種運動施設や遊戯施設等を有し、手軽にスポーツやレクリエーションを楽しむことができる公園などの整備を推進している。

また、都市部にある下水処理場の上部空間や雨水排水路、雨水調整池などを活用した水辺空間の整備を進めるとともに、下水再生水を都市部のせせらぎ水路の水源として送水する等の取組により、都市内において子どもたちが水とふれあう場の整備を行っている。

河川空間については、身近な水辺等における環境学習・自然体験活動を推進するため市民団体や教育関係者、河川管理者等が一体となった取組体制の整備とともに、水辺での活動に必要な機材(ライフジャケット等)の貸出しや学習プログラムの紹介など、水辺での活動を総合的に支援する仕組みを構築し、必要に応じ、水辺に近づきやすい河岸整備等(水辺の楽校プロジェクト:2011(平成23)年度末280か所登録)をはじめとする「『子どもの水辺』再発見プロジェクト」(2011年度末293か所登録)を実施している。

また、国有林野においては、「レクリエーションの森」を設定(2012(平成24)年4月1日現在、1,096か所)し、広く国民に提供している。

市民団体、NPOなどが行う自然体験・環境教育の活動場となる藻場・干潟等を保全・再生・創出し、市民による良好な港湾環境の利活用の促進、自然環境の大切さを学ぶ機会の充実を図るため、海辺の自然学校を開催している。

下水再生水を活用したせせらぎ空間整備(福島県北九州市洞海ビオパーク)

「子どもの水辺」再発見プロジェクト(北海道 漁川)

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