少子化対策

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コラム:結婚・妊娠・出産支援

2013(平成25)年6月に少子化社会対策会議において決定された「少子化危機突破のための緊急対策」では、「子育て支援」と「働き方改革」の強化に、これまで取組が薄かった「結婚・妊娠・出産支援」を加え、これらを少子化対策「3本の矢」として位置づけた。「結婚・妊娠・出産支援」の取組を既に進めている自治体等の取組を紹介する。

《結婚支援》~茨城県の取組~

茨城県では、2001(平成13)年度から、全国に先駆けて「男女の出会いの場づくり」を県の少子化対策に関する総合計画であるエンゼルプランに位置付けるなど、未婚化・晩婚化対策として積極的な結婚支援に取り組んできた。現在、茨城県では、<1>会員登録制によるパートナー探しの支援、<2>出会いの場としての「ふれあいパーティー」の開催、<3>マリッジサポーター(婚活支援ボランティア)による婚活支援、の3つを出会いのためのチャンネルとして設けている。<1>パートナー探しの支援及び<2>「ふれあいパーティー」の開催を行う「いばらき出会いサポートセンター」(以下、「センター」という。)は、2006(平成18)年6月に茨城県及び社団法人茨城県労働者福祉協議会によって設立され、現在県内に5か所の活動拠点センターを設けている。

センターが実施する<1>会員登録制によるパートナー探しの支援の特徴としては、会員自ら検索システムを活用してパートナーを探す点が挙げられる。会員はセンターのタブレット型端末を使用してお見合いをしたい相手を検索し、選択する。センターの相談員は選ばれた相手にお見合いの意思があるかを確認し、その意思がある場合はお見合いをセッティングし、5か所の拠点いずれかでお見合いが行われる。お見合いを経て、双方に交際の意思があることを確認するまでは、双方の氏名と電話番号は伝えないなど、プライバシーへの配慮がなされている。

週末はお見合いスペースが予約でいっぱいになることがあるなど、その盛況ぶりがうかがえ、これまでに県全体で1,162組が成婚に至っている(2014(平成26)年3月末現在)。実績を上げている要因としては、低額な入会金、広域的な取組、マスコミの協力(成婚数100組ごとにマスコミに資料提供)、市町村との連携などが挙げられる。

また、<2>「ふれあいパーティー」として、センター主催のパーティーを月3回程度開催しているほか、市町村、NPO法人、農協など他団体が行うパーティーをセンターが共催・後援するとともに、ホームページでPRするなど、積極的に支援している。

<3>マリッジサポーターは、茨城県知事からの委嘱を受け、地域において出会いの仲介や世話をするボランティアであり、その数は699人に上る(2014(平成26)年3月末現在)。

マリッジサポーターは、単独での活動としてお見合いのマッチングを行うほか、組織での活動として、全県を対象としたお見合いパーティーの開催や、県内5つの地域ごとに開催される定例会にそれぞれが保管する身上書を持ち寄ってのマッチング活動等を行う。さらに、パンフレットの配布によるセンターのPRも行っている。

《妊娠・出産支援》

生涯を通じて健康を保持できるライフプランをよりよく考える材料として、妊娠・出産等に関する知識の提供が重要であり、医学的・科学的に正しい情報提供が求められている。

このような状況において、妊娠・出産に関する正しい情報を提供する取組が進められている。例えば、齊藤英和国立成育医療研究センター副周産期母性診療センター長は、慶應義塾大学、東京大学などで男女を対象とした「出前授業」を実施し、正確な情報提供を行うとともに、社会人になってからの働き方を含めたライフプランニングを考える機会を提供している。

また、あるマタニティ情報誌は、若者向けの漫画週刊誌掲載の産科医を主人公とした人気漫画とのコラボレーションにより、男性向けに妊娠・出産に関する情報を盛り込んだ「男の妊娠読本」を作成した。これまで父親が子育てをする「イクメン」が推奨されてきたが、この「男の妊娠読本」は、子どもが生まれてから「イクメン」になるのではなく、妊娠中の妻の体調の変化・精神状態を理解し、しっかりとサポートしよう、という趣旨で作られている。妊娠中の妻の体型変化、風疹のようにお腹の子どもに影響を及ぼす妊娠期のリスクなどについて分かりやすい解説を行うとともに、妻がつわりで苦しんでいる時などに活用できる「男の優しさで彼女を笑顔にするステキなセリフ集」など、夫婦がより良い妊娠・出産期を過ごすための情報を紹介している。

《産後ケア》~世田谷区・武蔵野大学の取組~

東京都世田谷区では、2007(平成19)年度から「児童虐待のないまち世田谷をめざして」を重点施策として位置付け、様々な子育て支援施策や虐待予防・防止施策に取り組んでいる。その中で、育児の不安への支援として産後ケア事業を実施し、2008(平成20)年3月に産後ケアセンターを開設した。

同センターは世田谷区が土地を提供し、武蔵野大学に事業運営を委託しているもので、産後4ヶ月未満で体調不良や育児不安があり、家族から援助を受けられない母親と乳児を対象に、ショートステイ(宿泊)とデイケア(日帰り)のそれぞれにおいて、出産後の母親のケア、乳児のケア、育児相談などの支援を行っている。24時間助産師が常駐しており、週2日は臨床心理士によるカウンセリングも受けることができる。全15室のうち10室が区民利用、5室が武蔵野大学の自主事業となっており、区民利用分は利用料の約9割を都と区が負担している。武蔵野大学の自主事業分は利用者の実費負担であるが、ほぼ満室の状態であり、産後ケアのニーズの高まりがうかがえる。

世田谷区の特徴としては、出産の高齢化、祖父母が同居・近居でない、家族から支援を受けられない子育て世帯が多い点が挙げられる。こうした状況のもと、子育てに対する不安感や孤立感を軽減させ、子どもを安心して育てられる取組が進められている。

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