少子化対策

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第3節 最近の少子化対策【特集】

1 少子化危機突破のための緊急対策

「少子化危機突破のための緊急対策」の策定

2013(平成25)年3月から内閣府特命担当大臣(少子化対策)の下で、「少子化危機突破タスクフォース」(以下「タスクフォース」という。)が発足した。タスクフォースにおいては、家族形成に関する国民の希望が叶えられない阻害要因の解消方策や、家庭と地域における子育ての向上に向けた支援の在り方等に関する議論が行われ、同年5月28日には、「『少子化危機突破』のための提案」が取りまとめられた。この提案をもとに、同年6月7日には、内閣総理大臣を会長とし、全閣僚を構成員とする少子化社会対策会議において「少子化危機突破のための緊急対策」(以下「緊急対策」という。)が決定された。

第1-2-8図 「少子化危機突破のための緊急対策」の柱

緊急対策では、これまで少子化対策として取り組んできた「子育て支援」及び「働き方改革」をより一層強化するとともに、「結婚・妊娠・出産支援」を新たな対策の柱として打ち出すことにより、これらを「3本の矢」として推進することとされた。この少子化対策「3本の矢」により、結婚・妊娠・出産・育児の「切れ目ない支援」の総合的な政策の充実・強化を目指すこととされた。

また、緊急対策の内容は「経済財政運営と改革の基本方針~脱デフレ・経済再生~」(平成25年6月14日閣議決定)及び「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」(平成25年6月14日閣議決定)にも盛り込まれ、政府を挙げて少子化対策に取り組むこととされた。

少子化危機突破タスクフォース(第2期)における検討

緊急対策を着実に実施するため、2013(平成25)年8月から内閣府特命担当大臣(少子化対策)の下で、「少子化危機突破タスクフォース(第2期)」(以下「タスクフォース(第2期)」という。)が発足した。タスクフォース(第2期)においては、緊急対策で掲げられた対策について具体的な施策の推進等について検討を行う「政策推進チーム」と、妊娠・出産等に関する情報提供・普及啓発の在り方を検討し、情報提供・普及啓発の内容、提供手法について検討を行う「情報提供チーム」が置かれ、それぞれ具体的な検討が行われた。

同年11月26日には政策推進チームにおいて、「少子化危機突破のための緊急提言」(以下「緊急提言」という。)を取りまとめられた。緊急提言には、少子化危機突破基金の創設や次世代育成支援対策推進法の延長・強化、長時間労働の抑制等が盛り込まれた。

また、タスクフォース(第2期)の全体の議論の取りまとめとして、7つの今後の取り組むべき課題と進むべき方向性、3つの今後に向けた提言をとりまとめた。

○今後の取り組むべき課題と進むべき方向性

  1. 都市と地方のそれぞれの特性に応じた少子化対策
  2. 少子化対策のための財源の確保
  3. 結婚・妊娠・出産・育児の「切れ目ない支援」のための地域少子化対策強化交付金の延長・拡充
  4. 妊娠・出産等に関する正確な情報提供
  5. 少子化危機突破の認識共有に向けて
  6. 施策の整理・検証(「CAPD」サイクル)の実施
  7. 少子化対策の目標のあり方の検討

○今後に向けた提言

  • 提言1 新しい大綱の策定に向けた検討
  • 提言2 少子化対策集中取組期間の設定と施策の総動員と財源の確保
  • 提言3 残された課題に対する議論の深化
第1-2-9図 少子化危機突破タスクフォース(第2期)取りまとめ(概要)

地域少子化対策強化交付金の創設

緊急対策や緊急提言においては、地域の実情に応じた結婚・妊娠・出産・育児の切れ目ない支援の重要性が盛り込まれたほか「好循環実現のための経済対策」(平成25年12月5日閣議決定)においても、「地域における少子化対策の強化」が盛り込まれた。これらを踏まえ、2013(平成25)年度補正予算において「地域少子化対策強化交付金」が創設された(30.1億円)。

これは、結婚・妊娠・出産・育児の切れ目ない支援を行うため、地域の実情に応じて地域独自の先駆的な取組を行う都道府県及び市区町村を国が支援することを目的とするものである。都道府県及び市区町村は、<1>結婚・妊娠・出産・育児の切れ目ない支援を行うための仕組みの構築、<2>結婚に向けた情報提供等、<3>妊娠・出産に関する情報提供、<4>結婚・妊娠・出産・育児をしやすい地域づくりに向けた環境整備を事業内容とする計画を定め、それに基づいて事業を実施することとされている。

第1-2-10図 地域における少子化対策の強化

2 待機児童の解消

2013(平成25)年4月には、保育所の定員が228万8,819人(対前年比4万8,641人増)となり、就学前児童の保育所利用児童割合(保育所利用児童数÷就学前児童数)も35.0%(対前年比0.8ポイント増)となったところである。保育所待機児童数については、3年連続で減少し2万2,741人(対前年比2,084人減)となっている。また、児童福祉法(昭和22年法律第164号)に基づき、待機児童が50人以上おり、保育事業等の供給体制の確保に関する計画を策定することが義務付けられている特定市区町村は101となっており、対前年比6減(新たに特定市区町村になったもの14、特定市区町村から外れたもの20)という状況となっている。

「待機児童解消加速化プラン」では、2013、2014(平成26)年度を「緊急集中取組期間」とし、2年間で約20万人分、2015(平成27)年度から2017(平成29)年度までを「取組加速期間」とし、保育ニーズのピークを迎える2017年度末までに、潜在的な保育ニーズも含め、合わせて約40万人分の保育の受け皿を確保し、待機児童の解消を目指すこととしている。

2013、2014年度の「緊急集中取組期間」では、緊急プロジェクトとして5本の柱からなる支援パッケージにより、意欲のある地方自治体を強力に支援する。

(支援パッケージ~5本の柱~)

  • <1>賃貸方式や国有地も活用した保育所整備(「ハコ」)
  • <2>保育の量拡大を支える保育士確保(「ヒト」)
  • <3>小規模保育事業など新制度の先取り
  • <4>認可を目指す認可外保育施設への支援
  • <5>事業所内保育施設への支援

こうしたことから、2014年度予算において、保育所の定員を7.2万人増加するための保育所運営費を確保するとともに、2013年度補正予算及び2014年度予算での一体的な措置により、都道府県に設置している安心こども基金に所要の金額を積み増し、事業期限を1年延長し、保育所、小規模保育、認定こども園等の整備や保育士の人材確保対策などの取組を推進していくこととしている。

また、2015年度に本格施行を予定している子ども・子育て支援新制度への円滑な移行を図るため、保育緊急確保事業により、「待機児童解消加速化プラン」に関する事業に加え、新制度の下で市町村が実施する、地域子ども・子育て支援事業等を先行的に支援する。

具体的には、小規模保育、家庭的保育、幼稚園における長時間預かり保育や、認可を目指す認可外保育施設への支援、保育士の処遇改善、利用者支援などを実施することとしており、待機児童解消への取組をより一層強力に支援していくとともに、放課後児童クラブの充実、地域子育て支援拠点事業、一時預かり事業、ファミリー・サポート・センター事業、乳児家庭全戸訪問事業等に関する補助を行う。

加えて、都市再生機構賃貸住宅では、地方公共団体と連携しつつ、団地再生事業等により生じた整備敷地や既存の空き店舗等の活用による、保育所の設置に努めている。なお、2012年度末現在で332件の実績がある。

第1-2-11図 保育所待機児童の現状

第1-2-12表 保育計画を策定する市町村(待機児童数50人以上)

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第1-2-13図 「安心こども基金」の概要

第1-2-14表 年齢区分別待機児童数

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第1-2-15図 待機児童解消加速化プラン

第1-2-16図 保育緊急確保事業

コラム 地域少子化対策強化交付金を活用した取組

我が国の危機的な少子化問題に対応するため、結婚・妊娠・出産・育児の「切れ目ない支援」を行うことを目的に、地域の実情に応じたニーズに対応する地域独自の先駆的な取組を行う地方公共団体を支援するため、平成25年度補正予算において地域少子化対策強化交付金が創設された。この交付金は、地域の実情に応じた結婚・妊娠・出産・育児の「切れ目ない支援」を行うため、以下の4点を盛り込んだ計画を策定し、事業を実施することとなっている。

  • <1>結婚・妊娠・出産・育児の切れ目ない支援を行うための仕組の構築
  • <2>結婚に向けた情報提供等
  • <3>妊娠・出産に関する情報提供
  • <4>結婚・妊娠・出産・育児をしやすい地域づくりに向けた環境整備

ほとんどの都道府県より応募があり、地域における少子化対策の取組への機運醸成が高まりつつあるところである。本稿では、交付金を活用した事業を紹介したい。

○みえの少子化対策を考えるフューチャーセンター事業(三重県)

少子化対策の中長期的な課題について、県内のNPO、企業、学生、行政などの多様な参加者を募り、10年後、20年後の未来の三重県をイメージしながら、対話を通じて、課題の抽出や新たなアイディアを考える交流の場(フューチャーセンター)を創設する。

フューチャーセンターの様子

フューチャーセンターでは、「今の子どもたちが、将来どうしたら安心して結婚生活を送ることができるか。」、「これから就職しようとする若者が、将来どうしたら働きながらいきいきと子育てをすることができるか。」などの具体的なテーマを設定し、参加者が協力して、「結婚や妊娠、出産、子育てに希望が持てる三重県」に向けたシナリオを描き、多様な視点から課題・問題点を抽出し、解決に向けたアイディアを考える。

ここで出されたアイディアは、福祉・教育関係者や産業界などの代表者からなる少子化対策に関する県レベルの会議においてさらに議論を深め、県内の多様な主体による具体的な取組につなげていく。

○地域の出会い応援団事業(香川県)

子どもの結婚問題について、30代後半から50代の独身者の親からの県への問い合わせも多く、心配している親は多い。

その一方で、親世代の出会いから結婚までのプロセスや考え方と現在のプロセスや考え方は異なっていることから、子どもの結婚への態度を理解できていない親が多い。

そこで、親世代を中心に、県民に広く、「結婚活動をしないと結婚できない時代」という現実もあることを知ってもらうためのシンポジウムを開催するとともに、親として出来ること、地域の一員としてできることを紹介する。あわせて、親世代にはネットが不得意な人も多いため、シンポジウムの内容を踏まえた親向けの結婚応援冊子を作成し、地域のコミュニティセンターや関係団体等を活用して配布することにより、子どもへのアドバイスの参考にしてもらうための事業を実施する。

○妊娠・出産への理解を深めるための男性に対する知識の啓発事業(高知県)

高知県は、妊娠中の女性の就業率が全国に比べて高い、妻の妊娠期に夫が喫煙している割合が高い、といった現状がある。また、10代を含め、望まない妊娠の結果である人工妊娠中絶率が全国平均を上回り、思春期の性に関する相談を受ける「思春期相談センター」では、男子生徒からの相談が圧倒的に多いという現状がある。

こうしたことから、妊娠期の女性のパートナーに対して、妊婦の負担を軽減するための配慮と妊娠中からの父性意識等を啓発するリーフレットを作成するとともに、思春期の男子生徒に対し、性に関する正しい知識にとどまらず、不妊の知識や日常生活での留意点、母性保護等を啓発するハンドブックの作成、配布を行う。

○前向き子育て指導者養成事業(宮城県)

震災以降の家庭環境や生活環境の変化により、子育て家庭の孤立化や心のケアを必要とする親子の増加が懸念されていることから、育児中の親に対する子育てサポートを早急に実施し、地域での子育て支援体制の強化を図る必要がある。

「子育て支援指導者養成セミナー」は、望ましい親子関係の形成に有効とされる母親どうしのカウンセリング手法(ピアカウンセリング)に着目し、その手法を指導することのできる人材(子育て支援指導者)を養成するものである。子育て支援指導者による地域におけるピアカウンセリングを継続的に実施することにより、地域の子育て環境の整備を促進する。

また、「前向き子育てプログラムファシリテーター養成セミナー」は、子育て中の親に対する支援・指導技術の向上を図るため、親支援のプログラムの知識と技術を持つ人材(前向き子育てプログラムファシリテーター)を育成するものである。前向き子育てプログラムファシリテーターによる的確な支援・指導を行うことにより、地域における親支援体制の強化を図る。

コラム 結婚・妊娠・出産支援に関する意識

結婚や妊娠・出産に当たっての意向を知るため、内閣府は、20歳~59歳の男女のほか、回答者もしくは配偶者が3年以内に妊娠・出産をした20~49歳の男女、3年以内に結婚をした20~49歳の男女を対象に調査を実施した。

●未婚者に対する結婚支援

未婚者に対する結婚支援として重要だと思うものについては、20歳~59歳の男女では「給料を上げて、安定した家計を営めるよう支援する」(47.3%)が最も高く、次いで「夫婦がともに働き続けられるような職場環境の充実」(45.8%)、「雇用対策をして、安定した雇用機会を提供する」(45.7%)となっている。

39歳以下の未婚の男女を就業形態別でみると、いずれの就業形態においても、女性が「夫婦がともに働き続けられるような職場環境の充実」を選ぶ割合が男性より高く、特に学生では、男性の35.3%に対して女性は62.6%と、非常に高くなっている。

図1 未婚者に対する結婚支援

●妊娠・出産時に利用してみたい職場の制度や取組について

20歳~59歳の男女のうち、子どもがいる、または子どもを持つことを望んでいる人を対象に、妊娠・出産時に利用してみたい(利用したかった)職場の制度や取組について聞いたところ、「妊娠・出産のための特別休暇(不妊治療休暇、妊娠中の休暇など)」(33.4%)が最も高く、次いで「復職制度(育児のため一旦退職した社員が、育児終了をもって復職ができる制度)」(29.5%)、「上司からの育休取得等のすすめ」(28.0%)となっている。

(注):

「少子化社会対策の大綱の見直しに向けた意識調査」について

  • 調査対象:
    全国20歳~59歳の男女13,260人
    内訳(<1>20歳~59歳の男女10,000人、<2>回答者もしくは配偶者が3年以内に妊娠・出産をした20歳~49歳の男女2,000人、<3>3年以内に結婚をした20歳~49歳の男女2,000人。<1>と<2>、<1>と<3>で重複サンプルがある。)
  • 調査方法・登録モニターに対するインターネット調査

詳細は、内閣府ホームページを参照。

図2 妊娠・出産時に利用したい職場の取組について

コラム 結婚・妊娠・出産支援

2013(平成25)年6月に少子化社会対策会議において決定された「少子化危機突破のための緊急対策」では、「子育て支援」と「働き方改革」の強化に、これまで取組が薄かった「結婚・妊娠・出産支援」を加え、これらを少子化対策「3本の矢」として位置づけた。「結婚・妊娠・出産支援」の取組を既に進めている自治体等の取組を紹介する。

《結婚支援》~茨城県の取組~

茨城県では、2001(平成13)年度から、全国に先駆けて「男女の出会いの場づくり」を県の少子化対策に関する総合計画であるエンゼルプランに位置付けるなど、未婚化・晩婚化対策として積極的な結婚支援に取り組んできた。現在、茨城県では、<1>会員登録制によるパートナー探しの支援、<2>出会いの場としての「ふれあいパーティー」の開催、<3>マリッジサポーター(婚活支援ボランティア)による婚活支援、の3つを出会いのためのチャンネルとして設けている。<1>パートナー探しの支援及び<2>「ふれあいパーティー」の開催を行う「いばらき出会いサポートセンター」(以下、「センター」という。)は、2006(平成18)年6月に茨城県及び社団法人茨城県労働者福祉協議会によって設立され、現在県内に5か所の活動拠点センターを設けている。

センターが実施する<1>会員登録制によるパートナー探しの支援の特徴としては、会員自ら検索システムを活用してパートナーを探す点が挙げられる。会員はセンターのタブレット型端末を使用してお見合いをしたい相手を検索し、選択する。センターの相談員は選ばれた相手にお見合いの意思があるかを確認し、その意思がある場合はお見合いをセッティングし、5か所の拠点いずれかでお見合いが行われる。お見合いを経て、双方に交際の意思があることを確認するまでは、双方の氏名と電話番号は伝えないなど、プライバシーへの配慮がなされている。

週末はお見合いスペースが予約でいっぱいになることがあるなど、その盛況ぶりがうかがえ、これまでに県全体で1,162組が成婚に至っている(2014(平成26)年3月末現在)。実績を上げている要因としては、低額な入会金、広域的な取組、マスコミの協力(成婚数100組ごとにマスコミに資料提供)、市町村との連携などが挙げられる。

また、<2>「ふれあいパーティー」として、センター主催のパーティーを月3回程度開催しているほか、市町村、NPO法人、農協など他団体が行うパーティーをセンターが共催・後援するとともに、ホームページでPRするなど、積極的に支援している。

<3>マリッジサポーターは、茨城県知事からの委嘱を受け、地域において出会いの仲介や世話をするボランティアであり、その数は699人に上る(2014(平成26)年3月末現在)。

マリッジサポーターは、単独での活動としてお見合いのマッチングを行うほか、組織での活動として、全県を対象としたお見合いパーティーの開催や、県内5つの地域ごとに開催される定例会にそれぞれが保管する身上書を持ち寄ってのマッチング活動等を行う。さらに、パンフレットの配布によるセンターのPRも行っている。

《妊娠・出産支援》

生涯を通じて健康を保持できるライフプランをよりよく考える材料として、妊娠・出産等に関する知識の提供が重要であり、医学的・科学的に正しい情報提供が求められている。

このような状況において、妊娠・出産に関する正しい情報を提供する取組が進められている。例えば、齊藤英和国立成育医療研究センター副周産期母性診療センター長は、慶應義塾大学、東京大学などで男女を対象とした「出前授業」を実施し、正確な情報提供を行うとともに、社会人になってからの働き方を含めたライフプランニングを考える機会を提供している。

また、あるマタニティ情報誌は、若者向けの漫画週刊誌掲載の産科医を主人公とした人気漫画とのコラボレーションにより、男性向けに妊娠・出産に関する情報を盛り込んだ「男の妊娠読本」を作成した。これまで父親が子育てをする「イクメン」が推奨されてきたが、この「男の妊娠読本」は、子どもが生まれてから「イクメン」になるのではなく、妊娠中の妻の体調の変化・精神状態を理解し、しっかりとサポートしよう、という趣旨で作られている。妊娠中の妻の体型変化、風疹のようにお腹の子どもに影響を及ぼす妊娠期のリスクなどについて分かりやすい解説を行うとともに、妻がつわりで苦しんでいる時などに活用できる「男の優しさで彼女を笑顔にするステキなセリフ集」など、夫婦がより良い妊娠・出産期を過ごすための情報を紹介している。

《産後ケア》~世田谷区・武蔵野大学の取組~

東京都世田谷区では、2007(平成19)年度から「児童虐待のないまち世田谷をめざして」を重点施策として位置付け、様々な子育て支援施策や虐待予防・防止施策に取り組んでいる。その中で、育児の不安への支援として産後ケア事業を実施し、2008(平成20)年3月に産後ケアセンターを開設した。

同センターは世田谷区が土地を提供し、武蔵野大学に事業運営を委託しているもので、産後4ヶ月未満で体調不良や育児不安があり、家族から援助を受けられない母親と乳児を対象に、ショートステイ(宿泊)とデイケア(日帰り)のそれぞれにおいて、出産後の母親のケア、乳児のケア、育児相談などの支援を行っている。24時間助産師が常駐しており、週2日は臨床心理士によるカウンセリングも受けることができる。全15室のうち10室が区民利用、5室が武蔵野大学の自主事業となっており、区民利用分は利用料の約9割を都と区が負担している。武蔵野大学の自主事業分は利用者の実費負担であるが、ほぼ満室の状態であり、産後ケアのニーズの高まりがうかがえる。

世田谷区の特徴としては、出産の高齢化、祖父母が同居・近居でない、家族から支援を受けられない子育て世帯が多い点が挙げられる。こうした状況のもと、子育てに対する不安感や孤立感を軽減させ、子どもを安心して育てられる取組が進められている。

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