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少子化対策

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第2節 仕事と家庭が両立できる職場環境の実現を

1 育児休業制度その他の両立支援制度の普及・定着及び継続就業の支援とともに、子育て女性等の再就職支援を図る

1)育児休業や短時間勤務等の両立支援制度の定着

育児・介護期は特に仕事と家庭の両立が困難であることから、労働者の継続就業を図るため、仕事と家庭の両立支援策を重点的に推進する必要がある。

直近の調査では、女性の育児休業取得率は83.6%(2012(平成24)年)と、育児休業制度の着実な定着が図られつつある。しかし、第1子出産後の女性の継続就業割合をみると、子どもの出生年が2005(平成17)年から2009(平成21)年である女性の継続就業率は38.0%(2010(平成22)年)にとどまっている。ただ、2010年出生児を持つ女性について、第1子出産前後の継続就業率を見ると、10年前の出生児を持つ女性に比べ、継続就業率が32.2%から45.8%に上昇しており、改善が見られる。しかし依然として、第1子出産を機に離職する女性の割合は高く、仕事と育児の両立が難しいため、やむを得ず辞めた女性も少なくない。

また、男性の約3割が育児休業を取りたいと考えているが、実際の取得率は1.89%(2012年)にとどまっている。さらに、男性の子育てや家事に費やす時間も先進国中最低の水準にとどまっている。こうした男女とも仕事と生活の調和のとれない状況が女性の継続就業を困難にし、少子化の原因の一つとなっていると考えられる。

こうした状況の中、男女ともに子育て等をしながら働き続けることができる環境を整備することを目的に、2009年6月に育児・介護休業法の一部が改正され、短時間勤務制度の措置義務や所定外労働を免除する制度の新設のほか、父母がともに育児休業を取得する場合の育児休業取得可能期間の延長(パパ・ママ育休プラス)等、父親の育児休業取得を促進するための制度の導入等が盛り込まれた。このうち、短時間勤務制度、所定外労働の制限の制度及び介護休暇については、従業員数が100人以下の事業主に適用が猶予されていたが、2012年7月1日より全面施行された。

この育児・介護休業法の周知・徹底を図るとともに、法律に規定されている育児・介護休業や短時間勤務制度等の両立支援制度を安心して利用できる職場環境の整備を支援している。

都道府県労働局雇用均等室では、計画的に事業所を訪問し、就業規則等で必要な制度が設けられているかを確認するなど、育児・介護休業法に規定されている制度の普及・定着に向けた行政指導を実施している。

また、育児休業を取得した労働者の雇用の継続を目的として、雇用保険を財源に、育児休業開始から6月までは休業開始前賃金の67%、それ以降は休業開始前賃金の50%を支給している(育児休業給付)。

従来は、全期間について休業開始前賃金の50%を支給していたが、2013(平成25)年12月26日に労働政策審議会雇用保険部会において取りまとめられた「雇用保険部会報告」において、「男女ともに育児休業を取得していくことを更に促進するため、育児休業給付の給付率を引き上げることとし、(中略)育児休業開始時から最初の6月の間について67%の給付率とすべきである。」とされ、同内容を盛り込んだ「雇用保険法の一部を改正する法律案」が2014(平成26)年3月28日に第186回通常国会で成立し、2014(平成26)年4月1日より施行されている。

2)両立支援制度を利用しやすい職場環境の整備

育児や家族の介護を行う労働者が働き続けやすい雇用環境の整備を行う事業主等を支援するため、両立支援等助成金の支給を行っている。

  • 事業所内保育施設設置・運営等支援助成金

    労働者のための事業所内保育施設を設置・運営等したとき

  • 子育て期短時間勤務支援助成金

    子育て期の労働者が利用できる短時間勤務制度の導入・利用促進に向けた取組を行い、利用者が出たとき

  • 中小企業両立支援助成金
    • 代替要員確保コース
      育児休業取得者に対し、代替要員を確保し、原職等に復帰させたとき
    • 休業中能力アップコース
      育児又は介護休業者が円滑に職場に復帰できるよう、能力開発及び向上に関するプログラムを実施したとき(※2014(平成26)年3月31日までに育児休業又は介護休業を開始し、休業を終了した労働者が2014年9月30日までに出た事業主が対象)
    • 継続就業支援コース
      育児休業取得者を原職等に復帰させ、一年以上継続して雇用するとともに、両立支援制度を利用しやすい職場環境の整備のため、研修を実施したとき(※初めて育児休業を終了した労働者が2011(平成23)年10月1日以降2013(平成25)年3月31日までに出た事業主が対象)
    • 期間雇用者継続就業支援コース
      期間雇用者と正社員が同等の要件で利用できる育児休業制度、育児短時間勤務制度を就業規則等に規定し、期間雇用者の育児休業取得者を原職又は原職等に復帰させ、6か月以上継続して雇用するとともに、両立支援制度を利用しやすい職場環境の整備のため、研修を実施したとき(※育児休業を終了した期間雇用者が2013年4月1日以後2016(平成28)年3月31日までに出た事業主が対象)

3)妊娠・出産、産前産後休業及び育児休業の取得等を理由とする不利益取扱いの防止

妊娠・出産、産前産後休業及び育児休業等の取得等を理由とする解雇その他不利益取扱いは、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」(昭和47年法律第113号。以下「男女雇用機会均等法」という。)及び育児・介護休業法により禁止されているところであるが、こうした不利益取扱いに関する相談件数等は引き続き高い水準で推移している。

このような不利益取扱いに係る労働者からの相談には丁寧に対応し、法違反の疑いがある事案については迅速かつ厳正に指導するとともに、法違反を未然に防止するための周知徹底を行っている。さらに、相談者のニーズに応じ、都道府県労働局長による紛争解決援助及び調停を実施し、円滑かつ迅速な紛争の解決を図っている。

4)妊娠中及び出産後の健康管理の推進

男女雇用機会均等法に基づいた母性健康管理の措置(健康診査の受診等に必要な時間の確保及び医師等の指導事項を守るために必要な措置を講じること)及び労働基準法の母性保護規定(産前産後休業、危険有害業務の就業制限等)について、事業主、女性労働者、医療関係者等に対し周知徹底を図っている。

また、母性健康管理に関して必要な措置を講じない等男女雇用機会均等法違反の企業に対し、行政指導を行うとともに、事業主が母性健康管理の措置を適切に講ずることができるように、女性労働者に対して出された医師等の指導事項を的確に事業主に伝えるための「母性健康管理指導事項連絡カード」の利用を促進している。

さらに、企業や働く女性に対して母性健康管理に関する情報を提供する支援サイト「妊娠・出産をサポートする女性にやさしい職場づくりナビ」をPCサイト及び携帯サイトで開設し、制度の周知を図っている。

5)子育て女性等の再就職支援

全国177か所(2014(平成26)年4月1日現在)のマザーズハローワーク・マザーズコーナーにおいて、子育てをしながら就職を希望する女性等に対して、子ども連れで来所しやすい環境を整備するとともに、担当者制によるきめ細かな就職支援、求人情報や地方公共団体等との連携による保育サービス関連情報等の提供など、再就職に向けた総合的かつ一貫した支援を行っている。

子育て等のためにいったん離職した女性の再就職・起業等を総合的に支援するための「女性の再チャレンジ支援プラン」(2006(平成18)年12月改定)に基づき、関係府省が密接に連携して支援策の推進に努めている。

職業能力開発施設では、土日・夜間等の時間帯を活用した訓練コースを設定し、訓練機会の確保を図った。

さらに、インターネット上で再就職に向けた具体的な取組計画の作成や再就職のための基礎知識を習得できるe-ラーニングプログラムの提供を行っている。

内閣府では、子育て中の女性の再チャレンジに必要な情報提供を行う講座を身近な子育て支援施設等において実施できるようなプログラム・教材の開発とともに、再チャレンジした女性の成功事例の分析やNPOにおける女性の再チャレンジの実情等に関する調査事業を実施している。また、総合的な支援情報ポータルサイト「女性いきいき応援ナビ」を通じ子育て等でいったん退職した女性等の再就職・起業支援を推進している。

経済産業省では、2012(平成24)年度より、育児等で一度退職し、再就職を希望する女性等(新戦力)に対し、職場経験のブランクを埋める機会を提供するため、中小企業・小規模事業者が実施する職場実習(インターンシップ)を支援する「中小企業新戦力発掘プロジェクト」を全国5,000人規模で実施している。

6)男女雇用機会均等の確保による就業継続の支援

労働者が性別により差別されることなく、また、働く女性が母性を尊重されつつ、その能力を十分に発揮できる雇用環境を整備するため、男女雇用機会均等法に沿った男女均等取扱いが徹底されるよう周知啓発、指導を行うとともに、事業主と労働者の間に紛争が生じた場合には円滑かつ迅速な解決を図られるよう援助を行っている。なお、2013(平成25)年12月に改正男女雇用機会均等法施行規則等を公布し、2014(平成26)年7月から施行されるので、改正内容について周知徹底を図っている。

また、実質的な男女労働者間の均等を確保するためには、男女労働者間に事実上生じている格差の解消を目指すための企業の自主的かつ積極的な取組(ポジティブ・アクション)が不可欠である。このため、企業が具体的な取組を行うことができるよう、必要な助言及び情報提供を積極的に行い、その一層の促進を図っている。具体的には、ポジティブ・アクションの取組やポジティブ・アクション情報ポータルサイトを活用した女性の活躍状況の情報開示についての個別の企業に対する働きかけを実施するとともに、ポジティブ・アクションに積極的に取り組む企業に対する中小企業両立支援助成金の支給額加算の実施、「均等・両立推進企業表彰」(第2-4-3表)の実施、経営者団体等と連携した「女性の活躍推進協議会」の開催、ポジティブ・アクション普及促進のためのシンボルマーク「きらら」の活用促進等を実施している。

第2-4-1図 ポジティブ・アクション普及促進のためのシンボルマーク「きらら」

さらに、男女労働者間の格差について企業内での実態把握や気づきを促す「男女間賃金格差解消に向けた労使の取組支援のためのガイドライン」や「業種別『見える化』支援ツール」の作成・普及により、ポジティブ・アクションの具体的取組を支援するとともに、メンター制度やロールモデルの普及促進により、女性労働者が就業を継続していけるような環境作りを支援している。

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