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少子化対策

第2部 少子化社会対策の具体的実施状況(第2章 第1節)

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第2章 きめ細かな少子化対策の推進(第1節)

第1節 結婚、妊娠・出産、子育ての各段階に応じて支援する。

1.結婚
【関連:第1章 第2節 結婚・出産の希望が実現できる環境を整備する。】

ライフデザイン構築のための支援

結婚、妊娠・出産、子育て、仕事を含めた将来のライフデザインを希望どおり描く前提となる知識・情報を適切な時期に知ることが重要である。情報提供の一環として、地方公共団体の結婚、妊娠・出産、育児支援の取組の事例集作成、妊娠・出産に関する医学的・科学的に信頼できる情報の関連リンク集の作成等を行った。

「家族の日」「家族の週間」等を通じた理解促進

社会全体における理解と広がりをもった取組を促進するため、「家族の日」、「家族の週間」を中心として、啓発事業を実施し、生命を次代に伝え育んでいくことや、子育てを支える家族・地域の大切さの再認識を図っている。

家族形成に関する調査・研究等

2015(平成27)年度において、「少子化社会に関する国際意識調査」を行った。調査の結果について、ホームページ等を通じて公表することにより、広く国民への普及啓発を図るとともに、我が国と諸外国の国民意識を調査し、比較分析を行い、我が国の特性を把握し、今後の我が国の少子化対策の推進に役立てる。

コラム「少子化に関する国際意識調査について」参照)

2.妊娠・出産
【関連:第1章 第2節 結婚・出産の希望が実現できる環境を整備する。】

(妊娠から子育てまでの切れ目のない支援体制の構築)
「子育て世代包括支援センター」の整備

2014(平成26)年度において、妊産婦等の支援ニーズに応じ、必要な支援につなぐ母子保健コーディネーターの配置、産後ケア事業、妊産婦の孤立感の解消を図るために相談支援を行う産前・産後サポート事業といった各地域の特性に応じた妊娠から出産、子育て期までの切れ目ない支援を行うための妊娠・出産包括支援モデル事業を29市町村で実施した。

2015(平成27)年度においては、妊娠期から子育て期にわたるまでの様々なニーズに対する総合的相談支援を提供するワンストップ拠点(子育て世代包括支援センター)の整備を行うとともに、地域の実情に応じて、産後ケア事業や産前・産後サポート事業を実施するなど、妊娠期から子育て期にわたるまでの切れ目のない支援を提供する体制の構築に向けた取組を推進した。

乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)等の実施

乳児がいる全ての家庭を訪問し、子育て支援に関する情報提供や養育環境等の把握、育児に関する不安や悩みの相談等の援助を行う「乳児家庭全戸訪問事業」や、養育支援が特に必要な家庭を訪問し養育に関する相談、指導、助言等により養育能力を向上させるための支援を行う「養育支援訪問事業」を推進している。

(マタニティハラスメントの防止等)
指針の周知徹底及び企業の指導

男女雇用機会均等法で禁止されている「妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」に該当する具体的な内容を示した「労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」の周知に加え、企業に対する指導の強化・徹底を行った。また、上司・同僚からの言動により、妊娠、出産、育児休業・介護休業の取得等をした労働者の就業環境が害されることのないよう、事業主に雇用管理上の措置を義務付ける等を内容とする「雇用保険法等の一部を改正する法律(平成28年法律第17号)」が2016(平成28)年3月29日に成立した。

女性労働者の妊娠中及び出産後の母性健康管理の推進

企業や働く女性に対して母性健康管理に関する情報を提供する支援サイト「妊娠・出産をサポートする 女性にやさしい職場づくりナビ」により、健康診査受診等に必要な時間の確保、産前産後休業、危険有害業務の就業制限など母性健康管理の制度の周知を図っている。

(妊娠・出産に関する経済的負担の軽減と相談支援の充実)
妊婦健診や出産・産前産後休業期間中に係る経済的負担の軽減

妊婦に対する健康診査については、2008(平成20)年度第2次補正予算等で、必要な回数(14回程度)を受けられるよう支援の拡充を図り、その後も補正予算において必要額を確保し、2012(平成24)年度まで妊婦健康診査臨時特例交付金により、都道府県の基金事業を通じて支援した。また、2013(平成25)年度以降、基金事業が一般財源化され、地方財政措置が講じられている。

産科医療補償制度の整備

安心して産科医療が受けられる環境整備の一環として、2009(平成21)年1月から、産科医療補償制度が開始されている。

相談支援体制の整備(妊娠・出産、人工妊娠中絶等)

妊娠や出産、人工妊娠中絶等の悩みを抱える方に対して、訪問指導等の母子保健事業を活用した相談支援のほか、「女性健康支援センター」等において、相談援助を行っている(女性健康支援センター:2015(平成27)年度63地方公共団体)。

(周産期医療の確保・充実等)
出産環境の確保

安心して子供を生み育てることができるよう、特定の地域や診療科での勤務を条件とする「地域枠」を活用した医学部入学定員の増加や地域医療支援センターによる医師不足病院への医師確保支援等を通じて産科医の確保を図っている。

助産師の活用

助産師を活用し、地域において安心・安全な出産ができる体制を確保するため、2015(平成27)年度は、就業助産師の偏在解消、助産実践能力の強化、助産学生等の実習施設確保を図る目的で、助産師出向支援導入事業を実施している。

周産期医療体制の整備・救急搬送受入体制の確保

リスクの高い妊産婦や新生児などに高度な医療が適切に提供されるよう、周産期医療の中核となる総合周産期母子医療センター及び地域周産期母子医療センターを整備し、地域の分娩施設等との連携の確保等により、周産期医療体制の充実を図っている。

周産期救急医療については、総合周産期母子医療センターや地域周産期母子医療センターの整備等を進めてきたところであり、妊産婦死亡率や新生児死亡率の改善が図られてきた。

(不妊治療等への支援)
不妊専門相談センターの整備

地域において中核的な役割を担う保健医療施設などにおいて、専門医等が、不妊や不育症に関する医学的な相談や、心の悩みの相談等を行う「不妊専門相談センター事業」を実施している(2015(平成27)年度:63地方公共団体)。

不妊治療に係る経済的負担の軽減等

2004(平成16)年度から、配偶者間の不妊治療に要する費用の一部を助成して、経済的負担の軽減を図っている。

また、2016(平成28)年1月から、早期の受診を促すため、出産に至る割合が高い初回治療の助成額を15万円から30万円に拡充するとともに、不妊の原因が男性にある場合に精子回収を目的とした手術療法を実施した場合、高額な医療費の負担を軽減するため、更に15万円を上限に上乗せして助成することとした。

(健康な体づくり、母子感染予防対策)
母子保健・母子感染予防対策の推進

21世紀における母子保健分野での国民運動計画である「健やか親子21(第2次)」を2015(平成27)年度から推進し、母子保健サービスの一層の充実を図っている。

また、母子感染予防対策として、HTLV-11母子感染対策事業を実施し、都道府県における母子感染対策協議会の設置や、母子感染予防のための保健指導等の支援体制の整備を図っている。


1 HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)とは、血液中の白血球の一つであるリンパ球に感染するウイルスであり、感染は主に母乳を介した母子感染による。HTLV-1に感染していても約95%の方は生涯HTLV-1による病気になることはない。しかし、一部の方は血液や神経の病気、又は眼の病気などを発症する場合がある。

3.子育て
【関連:第1章 第1節 子育て支援施策を一層充実させる。/第3節 3人以上子供が持てる環境を整備する。】

(子育ての経済的負担の緩和・教育費負担の軽減)
児童手当の支給

子育て世帯に対する現金給付については、2012(平成24)年4月から新しい児童手当制度による児童手当が支給されており、児童を養育している者に児童1人につき月額1万円もしくは1万5千円、所得制限額以上の者に対し、特例給付として児童1人につき月額5千円を支給している。

幼児教育の無償化の段階的実施

幼稚園については、幼稚園に通う園児の保護者に対する経済的負担の軽減や、公私立幼稚園間における保護者負担の格差の是正を図ることを目的として、入園料や保育料を減免する「就園奨励事業」を実施している地方公共団体に対して、文部科学省がその所要経費の一部を補助している。2015(平成27)年度は、低所得世帯の保護者負担の軽減を図るため、市町村民税非課税世帯の保護者負担額を月額9,100円から3,000円に引き下げた。また、市町村に対する補助を拡充した。

高校生等への修学支援

いわゆる高校授業料無償化制度については、2014(平成26)年度から、低所得世帯の生徒への支援や公私間の教育費格差の是正に充てる財源を捻出するため、受給資格要件として、所得制限を設ける制度に改正した。また、2014年度に創設した高校生等奨学給付金制度については、2015(平成27)年度は給付対象の拡大や非課税世帯における給付額の増額など制度の充実を図っている。加えて、高校未設置の離島の高校生に対する「離島高校生修学支援事業」を拡充した。

高等教育段階における教育費負担軽減策の充実等

意欲と能力のある学生等が、経済的理由により進学等を断念することがないよう安心できる環境を整備するため、日本学生支援機構が実施する大学等奨学金事業について、充実に努めている。

2015(平成27)年度予算においては、無利子奨学金の貸与基準を満たす年収300万円以下の世帯の学生等全員への貸与を実現するとともに、無利子奨学金の新規貸与人員を8千6百人増員し、奨学金の「有利子から無利子へ」の流れを加速している。また、返還月額が卒業後の所得に連動する、より柔軟な「所得連動返還型奨学金」の導入に向けて、詳細な制度設計を進めるとともにシステムの開発・改修に着手する等対応を加速している。さらに、大学院の業績優秀者返還免除制度について、学生に博士課程進学のインセンティブを付与し、給付的効果を充実するため、博士課程の入試結果等に応じて返還免除候補者を進学の段階で決定することができるよう改善を行うこととするなど、奨学金制度の改善充実を図っている。

(多様な主体による子や孫育てに係る支援)
祖父母等による支援

2015(平成27)年11月26日に一億総活躍国民会議において取りまとめられた「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策-成長と分配との好循環に向けて-」において、「家族の支え合いにより子育てしやすい環境を整備するため、三世代同居・近居の環境を整備する。」とされ、三世代同居など複数世帯の同居に対応した住宅の整備及びリフォーム工事への補助、リフォーム工事を行った場合の所得税の税額控除の取組を行っている。

また、UR賃貸住宅においては、子育て世帯等や子育て世帯等との近居を希望する支援世帯に対して、新築賃貸住宅の募集(抽選)時における当選倍率の優遇や、既存賃貸住宅の募集(先着順)時において、新たに入居する世帯の家賃を一定期間割り引く制度を実施しており、2016(平成28)年2月より、子育て世帯等と支援する親族の世帯がUR賃貸住宅に近居(概ね半径2km以内、またはニュータウンなどの地域では一方の住宅がUR賃貸住宅以外でも可)する場合、新たに入居する世帯(月額所得が25.9万円以下の世帯)の家賃を5年間20%割引する取組を行っている。

コラム「三世代同居・近居の環境の整備について」参照)

商店街の空き店舗、小中学校の余裕教室、幼稚園等の活用による地域の子育ての拠点づくり

商店街の活性化は、地域経済の活性化、地域コミュニティの形成にとって重要な要素であることから、空き店舗等を活用し、地域における子育て支援や親子交流等の機能を担う場を設置するなどの、商店街の活性化を図る取組を支援している。

また、国庫補助事業完了後10年以上経過した公立学校施設を無償で転用する場合には国庫納付金を不要とするなど、財産処分手続の大幅な簡素化・弾力化を図っているほか、活用事例を紹介したパンフレットを周知するなどにより、廃校施設や余裕教室の有効活用を促している。

(子育てしやすい住宅の整備)
融資、税制を通じた住宅の取得等の支援

住宅金融支援機構における証券化支援事業のフラット35Sにより、耐久性・可変性等に優れた住宅に係る金利引下げを行っている。また、住宅ローン減税等の税制措置を講じている。

良質なファミリー向け賃貸住宅の供給促進

子育て世帯等を対象とする公的賃貸住宅の的確な供給や民間賃貸住宅への円滑な入居の支援等の各種施策を一体的に推進し、良質なファミリー向け賃貸住宅の供給を促進している。

公的賃貸住宅ストックの有効活用等による居住の安定の確保

公営住宅においては、子育て世帯等について、入居者の選考に際し、地域の実情を踏まえた地方公共団体の判断により優先入居の取扱い及び入居収入基準の緩和を行っている。

公的賃貸住宅と子育て支援施設との一体的整備等の推進

大規模な公営住宅の建替えに際して社会福祉施設等を原則として併設することを求めるとともに、公的賃貸住宅と子育て支援施設等を一体的に整備する事業や子育て世帯等の居住の安定確保に資する先導的な取組に対し、国が直接支援を行っている。

街なか居住等の推進

都心における職住近接により子育て世帯を支援するため、都市部や中心市街地における良質な住宅供給や良好な住宅市街地等の環境整備を行っている。

(小児医療の充実)
小児医療の充実

小児医療については、近年の累次の診療報酬改定において重点的な評価が行われているところであり、2016(平成28)年度診療報酬改定においても、小児かかりつけ診療料の新設により、乳幼児期から学童期まで、継続性のある小児科外来診療を評価するとともに、重症小児等の診療に積極的に取り組んでいる入院・在宅医療の評価及び連携の充実を図ったところである。

小児慢性特定疾病対策等の充実

従来、小児慢性特定疾患治療研究事業として都道府県等が実施していた、慢性疾患にかかっている児童等について医療費の自己負担分の一部を助成する事業を、2015(平成27)年1月の児童福祉法の一部を改正する法律(平成26年法律第47号)の施行により、公平かつ安定的な制度(小児慢性特定疾病医療費助成制度)として確立するとともに、対象疾病を514から704疾病まで拡大した。

予防接種の推進

2013(平成25)年3月の「予防接種法」(昭和23年法律第68号)改正では、新たにHib感染症、小児の肺炎球菌感染症、ヒトパピローマウイルス感染症の三ワクチンが定期接種に位置付けられた。また、予防接種に関する基本的な計画の策定、副反応報告制度の法定化、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の設置等の取組が進んだ。さらに、水痘、成人用肺炎球菌については、2014(平成26年)10月から定期の予防接種として実施するとともに、B型肝炎については、2016(平成28)年2月の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において、2016年10月からの定期接種化について了承を得た。

こころの健康づくり

様々な子供の心の問題、被虐待児の心のケアや発達障害に対応するため、都道府県域における拠点病院を中核とし、各医療機関や保健福祉機関等と連携した支援体制の構築を図るための事業を2008(平成20)年度より3か年のモデル事業として実施してきたところであり、2011(平成23)年度以降においては、本モデル事業の成果を踏まえ、「子どもの心の診療ネットワーク事業」として事業の本格実施を行っている。

(子供の健やかな育ち)
学校の教育環境の整備等

現行の学習指導要領で、1.基礎的・基本的な知識・技能、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等、主体的に学習に取り組む態度(「確かな学力」)、2.自らを律しつつ、他人と共に協調し、他人を思いやる心や感動する心など(「豊かな心」)、3.たくましく生きるための健康や体力(「健やかな体」)のバランスを重視した「生きる力」を育むことを目指している。

また、学校の教育環境の根幹である教職員配置については、2015(平成27)年度においては、少子化等に伴い教職員定数が減少する一方で、授業革新やチーム学校の推進等に係る教職員定数500人の増を図ったほか、補充学習など学力向上等のため、約10,000人の学校サポーターを活用する補習等のための指導員等派遣事業を引き続き実施している。

地域ぐるみで子供の教育に取り組む環境の整備

学校、家庭及び地域住民等がそれぞれの役割と責任を自覚しつつ、未来を担う子供たちを健やかに見守り育むことにより、地域や家庭の教育力の向上を図るため、学校支援地域本部や放課後子供教室、家庭教育支援など、地域住民の参画による教育支援の取組を全国で推進している。

いじめ防止対策の推進

2013(平成25)年6月に成立したいじめ防止対策推進法を踏まえ、文部科学省では同年10月、「いじめの防止等に関する基本的な方針」を策定した。「いじめの防止等のための普及啓発協議会」や、教員を対象とした「いじめの問題に関する指導者養成研修」を開催するなど、同法や方針の周知に取り組んでいる。

スクールサポーターによるいじめ防止対策の推進

退職した警察官等からなるスクールサポーターの学校への訪問活動等により、いじめ事案の早期把握に努めるとともに、把握したいじめ事案の重大性及び緊急性、被害少年及びその保護者等の意向、学校等の対応状況等を踏まえ、学校等と緊密に連携しながら、的確な対応を推進している。2015(平成27)年4月現在、43都道府県で約800人のスクールサポーターが配置されている。

(「食育」等の普及・促進、多様な体験活動の推進)
食育の普及促進

「食育」については、2011(平成23)年3月に作成した「第2次食育推進基本計画」に基づき、子供たちに対する食育が重要であるとの認識の下、家庭、学校、保育所、地域等において食育を推進しており、主食、主菜、副菜がそろう栄養バランスに優れた「日本型食生活」などの健全な食生活の実践や「食育ガイド」や「食事バランスガイド」を通じて、自ら食育に関する取組を実践できるより普及啓発を行うとともに、農林漁業体験を通じて食や農林水産業への理解を深める教育ファームなどの食育活動を支援した。さらに、学校給食への地場産物の活用など、地域の特性を活かした取組を促進している。

2016(平成28)年3月には、2016年度から2020(平成32)年度の5年間を対象とする第3次食育推進基本計画が決定され、これに基づく食育の推進に関する各種施策が行われることとなる。

また、2014(平成26年)8月に閣議決定した「子供の貧困対策に関する大綱」に基づき、子供の食事・栄養状態の確保、食育の推進に関する支援や、ひとり親家庭の子供に対し、放課後児童クラブ等の終了後に学習支援や食事の提供等を行うことが可能な居場所づくりを行い、さらに、子供の未来応援国民運動等を展開している。

消費者教育等の普及・促進

消費者が被害に遭わないようにし、自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動できる存在となるため、あるいは自らの消費生活に関する行動が現在及び将来の世代にわたって内外の社会情勢及び地球環境に影響を及ぼし得るものであることを自覚して、公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参画し、その発展に寄与する存在となるためには、消費者教育(消費者の自立を支援するために行われる消費生活に関する教育)が重要である。

2015(平成27)年7月に第2期推進会議が始動し、今後2年間は、<1>「消費者教育の推進に関する基本的な方針」(2013(平成25)年6月閣議決定)の見直しに向けた論点整理、<2>若年者に対する消費者教育の機会の充実など社会情勢等の変化への対応を行うこととした。

地域や学校における体験活動、文化・芸術活動

学習活動やスポーツ・文化芸術活動等の体験活動、地域住民との交流活動等の機会を提供する放課後子供教室を実施している。

また、家庭や企業などへ体験活動に対する理解を求めていくための普及啓発を推進するとともに、独立行政法人国立青少年教育振興機構において、全国28か所にある国立青少年教育施設における青少年の体験活動の機会と場の提供や指導者の養成、民間団体が実施する体験活動等に対する「子どもゆめ基金」事業による助成などを通して、青少年の体験活動を推進している。

学校教育において児童生徒の健全育成を目的として様々な創意工夫のある農山漁村等における体験活動が行われており、それらの取組を支援している。

子供たちが、小学校・中学校等において、文化芸術団体や芸術家による実演芸術公演を鑑賞し、ワークショップ等を体験することを通じて、子供たちの豊かな感性や発想力を育む取組を推進している。

自然とのふれあい

自然保護官(レンジャー)やパークボランティアの指導・協力の下、自然体験や、自然環境の保全活動などを行う機会を提供している。

農山漁業体験や都市と農山漁村との交流体験

農山漁村における宿泊体験活動等を通じて子供たちの生きる力を育む「子ども農山漁村交流プロジェクト」を推進している。また、国有林野では、優れた自然景観を有し、森林浴や自然観察、野外スポーツ等に適した森林を「レクリエーションの森」として設定(2015(平成27)年4月1日現在、1,075か所)し、広く国民へ提供するなどの取組を行っている。また、青少年の農山漁村等における自然体験活動を推進するため、青少年が農林水産業体験や自然体験などを通して社会性や主体性を育む交流体験活動等の事業を支援している。

子供の遊び場の確保(公園、水辺、森林)

子供の遊び場としての役割が求められる都市公園については、各種運動施設や遊戯施設等を有し、手軽にスポーツやレクリエーションを楽しむことができる公園などの整備を推進している。

(地域の安全の向上)
災害時の乳幼児等の支援

地方公共団体において、総合防災訓練大綱に基づき、乳幼児、妊産婦等を含む要配慮者の参加を得ながら防災訓練を実施している。

また、「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」を策定・公表し、2014(平成26)年度においては、同取組指針の実施状況を把握するため、各市町村に対して調査を行うとともに、都道府県等の防災担当者や福祉担当者を対象とする同取組指針の説明や先進的な取組事例の紹介などを実施し、周知徹底を図った。

子供の事故防止

2009(平成21)年12月より、子供の不慮の事故を予防するため、「子どもを事故から守る!プロジェクト」を展開している。

都市公園における遊具については、安全確保に関する基本的な考え方を示した「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」を2014(平成26)年6月に改訂し、各施設管理者への周知徹底を図っている。

また、多数の者が利用する特定の特殊建築物等について、建築物等の所有者等による維持保全計画の作成、定期報告制度等を通じ、適切な維持保全及び必要な改修を促進している。

幼稚園・保育所等における事故の発生・再発防止

2014(平成26)年11月28日の「教育・保育施設等における重大事故の再発防止策に関する検討会中間とりまとめ」を踏まえ、2015(平成27)年6月より4半期に1回の事故情報データベースの公表(内閣府HP掲載)を開始した。2015年12月21日には「教育・保育施設等における重大事故の再発防止策に関する検討会最終とりまとめ」を取りまとめ、公表・通知した。また、教育・保育施設等における事故の発生防止(予防)のためのガイドライン等について作成した。

交通安全教育等の推進

家庭及び関係機関・団体等との連携・協力を図りながら、幼児や小・中・高校生に対し、子供の発達段階に応じた交通安全教育を推進している。

犯罪等の被害の防止

防犯ボランティア等によるパトロール活動や「子供110番の家」の活動に対する支援、不審者情報等の迅速な発信及び共有に努めているほか、学校等と連携した被害防止教育、スクールサポーターの派遣等を推進している。

文部科学省においては、通学路等で子供たちを見守る体制を強化するため、スクールガード・リーダーの配置やスクールガードの養成、防犯教室の講師となる教職員を対象とした都道府県教育委員会が実施する講習会への支援など、子供が犯罪被害に遭わないための取組を推進している。

また、2014(平成26)年度においても、子供たちが安心して教育を受けるために、学校安全ボランティア等を効果的に活用する仕組みを整備することにより、地域社会全体で、子供の安全を見守る体制の充実を図っている。

インターネットに起因する子供の犯罪被害等を防止するため、関係機関・団体等と連携し、携帯電話事業者に対する保護者へのフィルタリング等の説明強化に関する要請のほか、入学説明会等の機会を捉えた保護者に対する啓発活動や子供に対する情報モラル教育等の取組を推進している。

「安全安心まちづくり」の一環として、子供に対する犯罪の発生が懸念される学校周辺、通学路、公園、地下道、空き家等における危険箇所の把握・改善等の取組を支援するとともに、防犯灯や防犯カメラの整備を促進するなど、子供が犯罪被害に遭いにくいまちづくりを推進している。

子供の健康に影響を与える環境要因の解明

環境中の化学物質等が子供の健康に与える影響を解明するため、2010(平成22)年度より、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」を行っている。

(ひとり親家庭支援)
ひとり親家庭支援の推進

就業による自立に向けた支援を基本にしつつ、子育て・生活支援、学習支援などの総合的な取組を充実することを目的とした「ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクト」を策定した。

第2章第1節4参照)

子育て・生活支援

母子及び父子並びに寡婦福祉法において、保育所等の利用調整を行う際のひとり親家庭の子供に対する特別な配慮を地方公共団体に義務付けているほか、未就学児のいる家庭が就業上の理由で帰宅時間が遅くなる場合などに定期的に家庭生活支援員(ヘルパー)の派遣等を行うひとり親家庭等日常生活支援事業を実施している。

なお、子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)においては、ひとり親家庭等の利用支援を行う地方公共団体に対して補助を実施している。

就業支援

母子家庭の母等が、よりよい収入・雇用条件等で就労することにより、経済的な自立が図られるようにするため、就業支援として、就業情報の提供等の一貫した就業支援サービス等を提供する母子家庭等就業・自立支援センター事業等を実施している。

養育費の確保等

2011(平成23)年6月に民法(明治29年法律第89号)が改正され(2012(平成24)年4月1日施行)、協議離婚で定めるべき「子の監護について必要な事項」の具体例として、養育費の分担と親子の面会交流が明示された。

経済的支援

ひとり親家庭等の生活の安定と自立の促進に寄与するため、児童扶養手当を支給している。

また、ひとり親家庭等の生活や子供の就学に必要な資金等について貸付を行う母子父子寡婦福祉資金貸付金の貸付を行っている。さらに、2014(平成26)年の「次代の社会を担う子どもの健全な育成を図るための次世代育成支援対策推進法等の一部を改正する法律」では、新たに父子家庭を対象とした福祉資金貸付制度が創設された。

児童扶養手当の多子加算額について、特に経済的に厳しい状況にあるひとり親家庭に重点を置いた改善を図ることとし、第2子の加算額を月額5千円から月額最大1万円(36年ぶりの引き上げ)に、第3子以降の加算額を月額3千円から月額最大6千円(22年ぶりの引き上げ)とする「児童扶養手当法の一部を改正する法律」が2016(平成28)年通常国会(第190回国会)で成立した。

(児童虐待の防止、社会的養護の充実)
児童虐待防止に向けた普及啓発

2004(平成16)年から毎年11月を「児童虐待防止推進月間」と位置付け、児童虐待問題に対する社会的関心の喚起を図っており、月間中は、関係府省庁や地方公共団体、関係団体等と連携した集中的な広報・啓発活動を実施している。

児童相談所全国共通ダイヤルについては、覚えやすい3桁番号にし、ためらわずに虐待通告等を児童相談所にできるようにするため、2015(平成27)年7月から、これまでの10桁番号から3桁番号(189)に変更し、運用を開始した。

児童虐待の未然防止、重篤化防止のための早期対応

・児童虐待防止対策強化プロジェクト

児童虐待について、発生予防から自立支援までの一連の対策の更なる強化を図るため、2015(平成27)年12月21日に開催された第4回子どもの貧困対策会議において、「児童虐待防止対策強化プロジェクト」が決定された。

・発生予防から自立支援までの一連の対策の更なる強化

児童虐待は、子供の心身の発達及び人格の形成に重大な影響を与えるとともに、将来の世代の育成にも懸念を及ぼすため、「児童虐待防止対策強化プロジェクト」に基づき、児童虐待の発生予防、発生時の迅速・的確な対応、被虐待児童への自立支援まで一連の対策を進めていくこととした。

また、児童虐待について発生予防から自立支援までの一連の対策の更なる強化等を図るため、市町村・児童相談所の体制の強化、子育て世代包括支援センターの法定化、里親委託の推進等を内容とした「児童福祉法等の一部を改正する法律案」を2016(平成28)年3月に国会に提出した。

・児童虐待による死亡事例等の検証

児童虐待による死亡事例等について、2004(平成16)年度より、社会保障審議会児童部会の下に設置されている「児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会」において分析、検証し、事例から明らかになった問題点・課題から具体的な対応策を提言として取りまとめている。

・学校による取組

学校における児童虐待の早期発見・早期対応体制の充実を図るため、教員等向けの研修教材の作成、教育委員会への配布を行った。また、学校等と児童相談所等の相互の連携の強化や、養護教諭の児童虐待への対応の充実の支援、児童生徒の相談への体制整備の支援などを行っている。

社会的養護の充実

2011(平成23)年7月に取りまとめられた「社会的養護の課題と将来像」に沿って、家庭的養護の推進、里親委託・里親支援の推進、施設運営の質の向上、親子関係の再構築の支援、自立支援の充実、子供の権利擁護などを進めている。

家庭的養護の推進

虐待を受けた子供等、家庭での養育に欠ける子供に対しては、可能な限り家庭的な環境の下で愛着関係を形成しつつ養育を行うことが重要であり、原則として、家庭養護(里親、ファミリーホーム)を優先するとともに、児童養護施設等における施設養護も、施設の小規模化、地域分散化を行い、できる限り家庭的な養育環境の形態に変えていく必要がある。

このような観点から、ケア形態の小規模化を図るため、児童養護施設、乳児院、情緒障害児短期治療施設及び児童自立支援施設を対象とした小規模グループケアの実施や、児童養護施設を対象とした地域小規模児童養護施設の設置を進めている。

一方、里親制度においては、要保護児童を里親の家庭に迎え入れ、家庭的な環境の中で養育を行う重要な制度であり、その拡充を図る必要がある。

このため、各都道府県(一部の政令市及び児童相談所設置市を含む。)において、「児童養護施設等の小規模化及び家庭的養護の推進について(厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)」に基づき、2015年度から2029(平成41)年度末までの15年間に、「本体施設入所児童の割合」、「グループホーム入所児童の割合」、「里親・ファミリーホームへの委託児童の割合」をそれぞれ概ね3分の1ずつにしていく「都道府県推進計画」を策定しており、計画に基づいた取組が開始されている。

また、養子縁組や里親委託等の家庭的養護の推進等を内容とした「児童福祉法等の一部を改正する法律案」を平成28(2016)年3月に国会に提出した。

(障害のある子供等への支援)
障害者施策の推進

2013年(平成25)年9月に策定された第3次障害者基本計画において、教育については、インクルーシブ教育システムを構築することや、療育については、障害児支援の充実などを盛り込んでいる。

さらに2013年6月、障害者差別の解消を推進することを目的とした「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が成立した。2015(平成27)年2月24日には、同法に基づく、政府における施策の基本的な方向を示す「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」を閣議決定した。また、2016(平成28)年4月の法施行に向けて、基本方針を踏まえ、国の行政機関の長及び独立行政法人等における対応要領、主務大臣における対応指針の作成等を進めるとともに、同法に係る国民への周知広報を行った。

障害のある子供の保育等

障害のある子供に対して、児童福祉法に基づき、日常生活における基本動作の指導や、集団生活の適応のための支援を行う児童発達支援や保育所等訪問支援を実施している。また、従来から引き続き、家族の休息などができるよう一時的に預かって見守る日中一時支援等を実施している。

発達障害のある子供への支援の充実

発達障害のある子供への支援については、2005(平成17)年4月に施行された「発達障害者支援法」(平成16年法律第167号)を踏まえ、発達障害のある人の乳幼児期から成人期までの各ライフステージに対応する一貫した支援の推進を図るため、保健、医療、福祉、教育及び労働等の制度横断的な関連施策の推進に取り組んでいる。

「気づき」の段階からの支援

乳幼児健診や子育て家庭の利用する様々な施設・事業において、特別な支援が必要となる可能性のある子供を早期に発見し、適切な専門機関につなぐこと等により、「気づき」の段階からの支援の充実を図っている。

特別支援教育の推進

インクルーシブ教育システムの構築という障害者の権利に関する条約の理念を踏まえた特別支援教育の在り方については、中央教育審議会の「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」が2012(平成24)年7月に取りまとめた、「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」等を踏まえ、2013(平成25)年8月、障害のある児童生徒等の就学先決定について、特別支援学校への就学を原則とせず、障害の状態等を踏まえた総合的な判断を市町村教育委員会が行う仕組みとするなどの学校教育法施行令の改正を行った。

(ニート、ひきこもり等の子供・若者への支援)
地域のネットワークを通じた子供・若者への支援

2010(平成22)年4月に施行された子ども・若者育成支援推進法(平成21年法律第71号)に基づき「子ども・若者支援地域協議会設置促進事業」を実施しており、2016(平成28)年4月1日現在、89か所の地方公共団体に子ども・若者支援地域協議会が設置されている。また、困難を有する子供・若者に対する支援に携わる人材養成を図るため、アウトリーチ(訪問支援)研修を始めとする各種研修を実施している。

遺児への支援

東日本大震災被災地の子供と家族に対する健康・生活支援として、2014(平成26)年度に「被災した子どもの健康・生活対策等総合支援事業」を創設し、児童精神科医等が巡回相談により子供の心のケア等を行う「親を亡くした子ども等への相談・援助事業」を実施した。

交通事故遺児支援については、自動車事故による交通遺児等の健全な育成を図るため、独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA〔ナスバ〕)において、中学校卒業までの遺児等を対象に、育成資金の無利子貸付を行うとともに、公益財団法人交通遺児等育成基金においては、満16歳未満の遺児を加入対象に、育成給付金の支給を満19歳に達するまで行っている。

地域自殺対策緊急強化基金を活用して、地方公共団体において、自死遺児支援のためのつどいの開催等の取組を実施した。

定住外国人の子供に対する就学支援

外国人については、保護者が希望する場合には、その子供を公立の義務教育諸学校に無償で就学させることができ、その支援のための諸施策を行っている。

4.子供の貧困

子供の貧困対策

OECDでは、2010(平成22)年のOECD加盟国の子どもの貧困率を公表しているが、これによると、我が国の子どもの貧困率はOECD加盟国34か国中25位と高い水準となっており、子供がいる現役世帯のうち大人が1人の世帯の相対的貧困率が特に高くなっている。相対的貧困率は可処分所得のみで算定されていることから、この数字だけで貧困の状況全てを測ることはできないが、長期的な傾向としておおむね緩やかに上昇していることから、子供の貧困が解決しなくてはならない状況にあることがうかがえる。

子供の貧困対策については、2013(平成25)年6月に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が成立し、2014(平成26)年1月17日に施行した。本法では、子供の将来がその生育環境に左右されることのないよう、貧困の状態にある子供が健やかに育成される環境を整備するとともに、教育の機会均等を図るため、子供の貧困対策を総合的に推進することを目的としている。本法を踏まえ、政府は、同年8月29日「子供の貧困対策に関する大綱」を策定(閣議決定)した。当該大綱では、子供の貧困対策に関する基本的な方針をはじめ、子供の貧困に関する指標、指標の改善に向けた当面の重点施策、子供の貧困に関する調査研究等及び施策の推進体制等を定めている。

子供の貧困対策を推進するにあたっては、国民の力を結集する必要があるとともに、経済的にも様々な困難を抱えているひとり親家庭等に対して、特にきめ細かな支援が必要である。2015(平成27)年4月2日には、子供の貧困対策を、国民の幅広い理解と協力の下に国民運動として展開していくため、政府、地方公共団体、経済界、労働組合、マスコミ、支援団体等から成る発起人が一堂に会し、「『子供の未来応援国民運動』発起人集会」を開催した。

ひとり親家庭、多子世帯等の自立に向けた支援

「『子供の未来応援国民運動』発起人集会」での安倍内閣総理大臣の指示を受けて、関係府省により検討が進められ、2015(平成27)年8月、「すべての子どもの安心と希望の実現に向けた副大臣等会議」(議長:内閣官房副長官)が設置されるとともに、方向性をとりまとめた。同会議では、同年12月、財源確保も含めた政策パッケージとして、「ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクト」及び「児童虐待防止対策強化プロジェクト」からなる「すべての子どもの安心と希望の実現プロジェクト」を取りまとめ、子どもの貧困対策会議(議長:内閣総理大臣)にて決定した。また、同副大臣等会議において、2016(平成28)年2月、本プロジェクトの愛称を「すくすくサポート・プロジェクト」と決定した。

このプロジェクトでは、就業による自立に向けた支援を基本にしつつ、子育て・生活支援、学習支援などの総合的な取組を充実することとしており、主な内容としては、地方公共団体の窓口のワンストップ化の推進、子供の居場所づくりや学習支援の充実、親の資格取得支援の充実、児童扶養手当の機能の拡充を盛り込んでいる。

また、児童扶養手当の多子加算額について、特に経済的に厳しい状況にあるひとり親家庭に重点を置いた改善を図ることとし、第2子の加算額を月額5千円から月額最大1万円(36年ぶりの引き上げ)に、第3子以降の加算額を月額3千円から月額最大6千円(22年ぶりの引き上げ)とする「児童扶養手当法の一部を改正する法律」が2016年通常国会(第190回国会)で成立した。

社会全体で応援する取組

2015(平成27)年4月以降、上記「子供の未来応援国民運動趣意書」に基づき各種事業の内容の具体化や関係各方面との調整を進め、同年8月28日に「子どもの貧困対策会議」を開催し、同国民運動の始動時期や推進体制に関して了解を得て、同年10月1日に「子供の未来応援国民運動」が始動した。具体的には、「子供の未来応援国民運動ホームページ」を開設し、国や地方公共団体の各種支援情報を一元的に集約した上で、地域別、属性等別、支援の種類別に検索できる総合的な支援情報ポータルサイトや、CSR活動を行う企業等の支援リソースとNPO等が抱えているニーズの双方を掲載し、相互に検索できるマッチングサイトを設けるとともに、草の根で支援を行っているNPO等への助成等を行うため、「子供の未来応援基金」を創設した。

その後、同年10月19日において「子供の未来応援国民運動発起人会議」を開催し、今後の国民運動の展開について議論するとともに、子供の未来応援国民運動発起人より同基金への協力を呼びかける決議が行われた。国民の幅広い理解と協力の下に子供の貧困対策が推進されるよう、同国民運動の広報・啓発活動も実施しているところである。

また、「すくすくサポート・プロジェクト」を効果あるものとするため、各地方自治体において、子供の発達・成長段階に応じて切れ目なく「つなぎ」、教育と福祉を「つなぎ」、関係行政機関、地域の企業、NPO、自治会などを「つなぐ」地域ネットワークの形成の支援を目的として、「地域子供の未来応援交付金」を創設した。

第2-2-1図 すべての子どもの安心と希望の実現プロジェクト

沖縄の子供の貧困対策

2015(平成27)年10月以降、沖縄の子供の貧困に関し、全国に比べて特に深刻な状況等について、実際に様々な支援活動に取り組んでいるNPOや有識者との意見交換を行った。深刻な状況にもかかわらず行政の支援が子供に行き届いていないことや、日中にとどまらず夜間も子供の居場所がないことなど、沖縄特有の課題に緊急に対応するため、2016(平成28)年度より居場所づくりや支援員の配置を、モデル的・集中的に実施することとした。

5.教育
【関連:第2章 第1節 結婚、妊娠・出産、子育ての各段階に応じて支援する。 3.子育て】

学校教育段階からの妊娠・出産等に関する医学的・科学的に正しい知識の教育

高等学校の保健体育の啓発教材「健康な生活を送るために」の改訂に当たり、個人が将来のライフデザインを描けるようにするため、その前提となる、妊娠・出産等に関する医学的・科学的に正しい知識等について盛り込んだ。

性に関する科学的な知識の普及

学校において適切な性に関する指導が実施されるよう、各地域における指導者養成と普及を目的とした研修会等を行った。

妊娠や家庭・家族の役割に関する教育・啓発普及

2008(平成20)年3月には小・中学校、2009(平成21)年3月には高等学校の学習指導要領を改訂し、家庭と家族の役割に気付かせる実践的・体験的な学習活動を一層重視するなど、教育内容の充実を図っている。

例えば、中学生及び高校生等が乳幼児と出会い、ふれあう機会を広げるための取組を推進するとともに、小学校、中学校、高等学校の各学校段階で、関係教科、道徳、総合的な学習の時間及び特別活動等において相互の連携を図りながら子育てへの理解を深める教育が実施されている。また、家庭や地域における取組として、夫婦で共同して子育てをすることの大切さや命の大切さなどについて、保護者が理解を深められるよう、地域が主体的に実施する家庭教育に関する取組を支援している。

キャリア教育の推進

男女ともに、ライフイベントを踏まえて多様な選択肢の中から自分の生き方を考えることができるよう、男女共同参画の視点からのキャリア教育を推進するため、高校生を対象としたブックレットの普及を進めるとともに、学生を対象に男女の働き方や家庭生活について考えるワークショップを実施し、普及のための実践手引書を作成した。

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