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少子化対策

第2部 少子化社会対策の具体的実施状況(第1章 第2節 1)

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第1章 重点課題(第2節 1)

第2節 結婚・出産の希望が実現できる環境を整備する。(1)

1 経済的基盤の安定

(若者の雇用の安定)
若者の就労支援

24歳以下の若者の完全失業率は、2015(平成27)年には5.5%(前年差0.8ポイント減)、25~34歳については4.6%(前年と同率)と、前年より回復している。また、フリーター数は、2015年平均で167万人(前年差12万人減)となっている。

2015年度に引き続き、2016(平成28)年度においても、新卒者・既卒者の就職支援やフリーター等の正規雇用化の推進等の各種対策を積極的に推進する。

また、青少年の雇用の促進等を図り、その能力を有効に発揮できる環境を整備するため、青少年の適職の選択並びに職業能力の開発及び向上に関する措置等を総合的に講ずる「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律」(平成27年法律第72号)が、2015年9月18日に公布された。

同法において改正された「青少年の雇用の促進等に関する法律」(昭和45年法律第98号。以下「若者雇用促進法」という。)においては、<1>若者の適職選択に資するよう、職場情報を提供する仕組みの創設、<2>一定の労働関係法令違反の求人者について、ハローワークで新卒求人を受理しないこと、<3>若者の雇用管理が優良な中小企業についての認定制度の創設などの内容を盛り込んでいる。(<3>については2015年10月1日、<1>及び<2>については2016年3月1日施行)。

・学校段階から職場定着に至るまでの総合的・継続的なキャリア形成支援策

「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」(2011(平成23)年1月中央教育審議会答申)(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1301877.htm)では、若年者の完全失業率や非正規雇用率の高さなど「学校から社会・職業への移行」が円滑に行われていないこと、また、職業意識・職業観の未熟さ、進路意識・目的意識が希薄なまま進学する者の増加など「社会的・職業的自立」に向けて課題がみられる中、学校教育においてキャリア教育・職業教育を充実していくことが重要であるとして、幼児期の教育から高等教育に至るまでの体系的なキャリア教育の推進、実践的な職業教育の重視と職業教育の意義の再評価、生涯学習の観点に立ったキャリア形成支援(生涯学習機会の充実、中途退学者などの支援)の3つの基本的方向性に沿った具体的な方策を提言している。

これらの基本的方向性に基づき、文部科学省では、関係省庁等とも連携し、学校におけるキャリア教育・職業教育を推進している。

初等中等教育段階においては、子供たちが、社会の一員としての役割を果たすとともに、それぞれの個性、持ち味を最大限発揮しながら、自立して生きていくことができるよう、後期中等教育修了までに、生涯にわたる多様なキャリア形成に共通して必要な能力や態度を培うキャリア教育の推進が求められている。

文部科学省では、上述の中央教育審議会答申を受けて、教員向けの手引き等の配布や研修用動画の配信等により、学校におけるキャリア教育実践のより一層の促進を図っている。また、企業、学校・地域・社会、産業界等が参画するキャリア教育推進のための協議会の設置を促進したり、「学校が望む支援」と「地域・社会や産業界等が提供できる支援」(「子供と社会の架け橋となるポータルサイト」)を書き込めるサイトを運営したりするなど、学校と地域・社会や産業界等との円滑な連携に向けた取組を行っている。

経済産業省では、2008(平成20)年度から2010(平成22)年度にかけてキャリア教育をコーディネートする人材を育成する「キャリア教育民間コーディネーター育成・評価システム開発事業」を実施し、2010年度には一般社団法人キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会が設立され、同協議会がコーディネーターの育成・研修事業や認定等を行っている。

さらに、学校と社会との連携によるキャリア教育の意義の普及・啓発及びその推進に資することを目的として、2011年度より文部科学省、厚生労働省及び経済産業省の3省合同で「キャリア教育推進連携シンポジウム」を毎年開催している。本シンポジウムにおいて、キャリア教育の充実・発展に尽力し、顕著な功績が認められる学校に対し文部科学大臣表彰、先進的な教育支援活動を行う企業・経済団体等に対し経済産業大臣表彰(「キャリア教育アワード」)を行い、同時に、学校、地域の産業界及び地方公共団体等の関係者が連携・協働してキャリア教育を行う取組を文部科学省及び経済産業省の両省で表彰する「キャリア教育推進連携表彰」を行っている。

高等教育段階においては、若年者雇用が社会的問題となる中で、高い職業意識・能力を有する若者を育成することがますます重要な課題となっている。経済産業省では、職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力を、「社会人基礎力」(「前に踏み出す力」、「考え抜く力」及び「チームで働く力」)として整理し、大学教育等を通した育成や評価の取組の普及を図っている。第一に、全国のモデル大学におけるゼミ・研究室等の教育活動を通して体系的な社会人基礎力の育成・評価を実施するプログラムの開発や、ノウハウブック「社会人基礎力育成の手引き」の制作を行った。

また、2009(平成21)年度から大学におけるゼミや研究室等の取組を通した「社会人基礎力」の育成事例を、学生自身によるプレゼンテーションによって発表し、各取組の中で社会人基礎力等がどれくらい向上したかを評価する「社会人基礎力育成グランプリ」(2015(平成27)年度で9回目)を開催している。2015年度は46校(55チーム)が参加し、最も高い社会人基礎力の成長が見られたチームを経済産業大臣賞として表彰している。

さらに、更なる社会人基礎力の育成・普及に向けて、大学教職員や企業の人事担当者等を対象に、社会人基礎力の教育手法等の優良事例の共有等を行うための研修会(全国6か所)を実施している。また、地域における企業の中核的な人材の育成に向けて、教育的な効果が高い産学協働でのインターンシップを推進するため、受け入れ企業促進や産学をつなぐ専門人材の育成・確保等、環境整備に取り組んでいる。こうした「社会人基礎力」育成のための取組やインターンシップの推進を通じて、地域の産学がお互いに協働する教育が浸透し始めている。

文部科学省では、2010年に大学設置基準(昭和31年10月22日文部省令第28号)等を改正し、2011年度から、全ての大学と短期大学において、当該大学及び学部等の教育上の目的に応じ、学生が卒業後自らの資質を向上させ、社会的及び職業的自立を図るために必要な能力を培うよう取り組むこととなっている。2013(平成25)年度に学部段階においてキャリア教育を実施している大学数は731大学(99%)となっており、勤労観・職業観の育成を目的とした授業科目の開設については2009年の491大学(67%)から622大学(84%)となっている。

厚生労働省では、キャリアコンサルティングの手法を活かしたキャリア教育の企画・運営を担う人材を養成するための講習を2010年度より実施しており、2012年度からは特に、大学等のキャリア教育を対象に本講習を実施しているところである。

・新卒者・既卒者の就職支援

厚生労働省では、新卒者・既卒者の就職支援のため、全国57か所の新卒応援ハローワーク等において、ジョブサポーターによるきめ細かな就職支援を実施するとともに、大学等との連携による学校への出張相談などを行っている。

また、若者の雇用管理の状況が優良な中小企業の情報発信を後押しすることにより当該企業が求める人材の円滑な採用を支援し、マッチングの向上を図るため2015(平成27)年10月より、若者の雇用管理の状況が優良な中小企業について厚生労働大臣による認定制度(ユースエール認定制度)が始まっており、その普及等に取り組んでいる。

加えて、2016(平成28)年3月より施行されている、若者の適職選択に資するよう、職場情報を提供する仕組みや、一定の労働関係法令違反の求人者について、ハローワークで新卒求人を受理しないことについて、その取組を着実に進めていく。

さらに、卒業後3年以内の既卒者の就職を促進するため、若者雇用促進法に基づく「青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針(平成27年厚生労働省告示第406号)」において、学校等の新規卒業予定者の募集を行う場合は、学校等の卒業者が卒業後少なくとも3年間は応募できるものとすること等を定め、その周知に取り組んでいる。また、既卒者等の新規学卒枠での応募機会の拡大及び採用・定着の促進を図るため、2016年2月より、3年以内の既卒者及び中退者を対象とした助成金制度を創設したところであり、当該助成金を活用した既卒者等の応募機会の拡大を図っていく。

経済産業省では、地域の中小企業・小規模事業者のニーズを把握し、地域内外の若者・女性・シニア等多様な人材から、地域事業者が必要とする人材を発掘するとともに、地域事業者の魅力を発信し、マッチングの促進等を行う「中小企業の人材確保支援事業」を行っている。

・就職経路の複線化に対応した多様な就職システムの整備

フリーター等の正規雇用化の推進のため、全国のハローワークでのきめ細やかな職業相談・職業紹介、職業訓練の情報提供・相談などを実施している。また、フリーター等への専門的な支援拠点として、わかものハローワークを28カ所に設置し、支援を強化している。

また、2008(平成20)年度から職業訓練受講者を中心に活用されてきたジョブ・カードについて、「生涯を通じたキャリア・プランニング」及び「職業能力証明」の機能を担うツールであることを明確にし、労働市場のインフラとして、キャリアコンサルティング等の個人への相談支援のもと、求職活動、職業能力開発などの各場面において一層活用されるよう、活用方法、様式等の見直しを行った。

第189回通常国会で成立した勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律(平成27年法律第72号)による職業能力開発促進法の一部改正において、ジョブ・カードが同法に位置付けられた。これらを踏まえ、「ジョブ・カード制度総合サイト」の開設等により、ジョブ・カードのさらなる普及促進を行った。雇用型訓練、求職者支援訓練及び公共職業訓練(離職者訓練・学卒者訓練)においても、引き続き、ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングや能力評価を実施した。

その他様々な要因により働くことに悩みを抱えている若者の職業的自立を支援するため、2006(平成18)年度から、地方公共団体との協働により地域の若者支援機関から成るネットワークを構築するとともに、その拠点となる地域若者サポートステーションを全国に160箇所設置し、若者の置かれた状況に応じた専門的な相談やネットワークを活用した誘導など、多様な就労支援メニューを提供している。

・若年者に対する技能啓発の推進

公共職業能力開発施設、認定職業訓練施設及び工業高校等において技能を習得中の20歳以下の若者に対して技能レベルを競い合う場を提供し、若年者に目標を明確化し技能を向上させるとともに、若年技能者の裾野の拡大を目的として、若年者ものづくり競技大会を実施している。

また、工業高校や職業訓練校等で技能を学ぶ学生や訓練生等を対象として、若年技能者の人材育成を目的として3級技能検定を実施しているが、さらなる受検機会の拡大を図るため、新たな職種の追加や受検ニーズの高い職種について年2回の試験を実施するなど、若年労働者の技能離れの防止や技能労働者の定着化に努めている。

・若年者のためのワンストップサービスセンター(通称ジョブカフェ)の整備

都道府県が設置する「若年者のためのワンストップサービスセンター(通称ジョブカフェ)」において、各都道府県が工夫をこらして若者に対するカウンセリング・情報提供等の一連の就職支援サービスを提供している。全国46都道府県(110か所)(2015(平成27)年4月現在)にジョブカフェが設置されており、うち40都道府県において、都道府県からの要望に応じてハローワークを併設している。

非正規雇用対策の推進

非正規雇用労働者の数は近年増加傾向にあり、2015(平成27)年において、非正規雇用の労働者数は1,980万人、役員を除く雇用者に占める割合は3分の1を超える状況である。非正規雇用の労働者は、正規雇用の労働者と比較して、<1>雇用が不安定、<2>賃金が低い、<3>能力開発機会が乏しい、といった課題がある。

雇用情勢が着実に改善しているタイミングを捉え、非正規雇用労働者の希望や意欲・能力に応じた正社員転換・待遇改善を強力に推し進めていくことが重要である。このため、厚生労働大臣を本部長とする「正社員転換・待遇改善実現本部」において「正社員転換・待遇改善実現プラン」を2016(平成28)年1月に策定するとともに、各都道府県労働局に設置している本部においてそれぞれの「地域プラン」を同年3月までに策定しており、キャリアアップ助成金の活用促進など必要な施策に取り組むこととしている。

また、「『日本再興戦略』改訂2014」(2014(平成26)年6月閣議決定)を受けて、職務等に着目した「多様な正社員」モデルの普及・促進を図るため、雇用管理上の留意事項及び好事例の周知・啓発を継続して行うとともに、「多様な正社員」に関するモデル就業規則の作成及び「多様な正社員」の導入を検討している企業に対するコンサルティング等の支援措置を実施した。さらに多様な正社員の好事例を収集し、雇用管理上の留意事項と併せて周知を行った。

こうした取組を通じて、正社員転換を進めるとともに、正規・非正規にかかわらず労働者が安心して生活ができる環境整備を推進することとしている。さらに、派遣労働者、有期契約労働者、パートタイム労働者といった非正規雇用の態様ごとに以下のとおり必要な施策を講じている。

派遣労働者については、2012(平成24)年4月に公布された改正労働者派遣法の国会審議における附帯決議等を踏まえ、2013(平成25)年8月から、労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会において検討が行われた。2014年1月に、労働政策審議会より、すべての労働者派遣事業を許可制とすることや派遣期間制限を見直すこと、派遣労働者の均衡待遇やキャリアアップの推進を図ること等を内容とする建議が厚生労働大臣に対しなされた。これらの内容や与党合意を踏まえ、2015年3月に労働者派遣法の改正法案を第189回通常国会に提出し2015年9月に成立・施行された。また、施行に当たり改正法の内容を解説したパンフレットを作成し都道府県労働局で配布するとともに、都道府県労働局が説明会を開催する等により周知を行った。

有期契約労働者については、2013年4月に全面施行された、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合に、労働者の申込みにより期間の定めのない労働契約に転換させる仕組み(いわゆる「無期転換ルール」)の導入等を内容とする「労働契約法の一部を改正する法律」(平成24年法律第56号)の内容について、労働局・労働基準監督署・ハローワークの窓口でのチラシの配布、厚生労働省ホームページによる無期転換ルールを先行導入した企業の好事例の紹介、全国47都道府県でのセミナー開催とその後の個別相談会の実施など、あらゆる機会を活用して無期転換ルールの周知・啓発及び導入支援を行った。

パートタイム労働者については、多様な就業実態に応じた正社員との均等・均衡待遇の確保や、正社員への転換の推進等を内容とする「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(平成5年法律第76号)に基づき、事業主への行政指導や専門家による相談・援助等を実施している。

(高齢世代から若者世代への経済的支援の促進)
結婚・子育て資金や教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度の実施

将来の経済的不安が若年層に結婚・出産を躊躇させる大きな要因の一つとなっていることを踏まえ、両親や祖父母の資産を早期に移転することを通じて、子や孫の結婚・出産・子育てを支援することを目的として、祖父母等から孫等に対して結婚・子育て資金の一括贈与を行った場合について、贈与税を非課税とする制度が2015(平成27)年4月から実施されている。本制度は、2016(平成28)年度税制改正において、非課税の対象となる一部の費目につき、対象範囲の明確化を行うこととされた。

また、金融資産の世代間移転を促進し、子育て世代を支援することを目的として、祖父母等から孫等に対して教育資金の一括贈与を行った場合について、贈与税を非課税とする制度が2013(平成25)年4月から実施されている。本制度は、2015年度税制改正において、その適用期限を2019年(平成31)年3月31日までに延長することや、非課税対象となる教育費の範囲の拡大を行うこと、また手続の簡素化を行うことが決定された。

(若年者や低所得者への経済的負担の軽減)
若年者や低所得者への経済的負担の軽減

2015(平成27)年度補正予算で措置された低所得者向けに結婚に伴う新生活の支援を行う自治体支援事業(結婚新生活支援事業費補助金)では、新たに婚姻した低所得者世帯に対し、住居費・引越費用を支援する施策を新たに開始する地方公共団体の取組を支援している。

また、地方公共団体が設置する公営住宅においては、子育て世帯等について、入居者選考に際し、地域の実情を踏まえた優先入居の取扱いを行っている例がみられる。

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