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少子化対策

第2部 少子化社会対策の具体的実施状況(第1章 第2節 2)

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第1章 重点課題(第2節 2)

第2節 結婚・出産の希望が実現できる環境を整備する。(2)

2 結婚に対する取組支援

地方公共団体、商工会議所等による結婚支援の充実に向けた国の支援

地方公共団体において結婚支援に取り組む担当者、および結婚希望者の支援をしている結婚支援者(おせっかいさん等)を対象に、「結婚支援に関する全国連携会議」が開催された(2015(平成27)年7月)。有識者から、近年の若者をとりまく未婚化の現状や、未婚者に関する人口・分布・男女比等のデータを把握した上で各地域において取組を推進する必要性が示されたほか、全国に先駆けて結婚支援事業を推進してきた茨城県や、ビッグデータを活用したマッチングシステムにより結婚支援を行う愛媛県の発表、参加者同士のグループワークを通じて情報共有を図った。

コラム「結婚応援のための全国フォーラム」参照)

また、2014(平成26)年度補正予算で措置された地域少子化対策強化交付金では、結婚・妊娠・出産・育児の「切れ目ない支援」を行うことを目的に、地域の実情に応じた先駆的な取組を行う地方公共団体を支援した。

さらに、2015(平成27)年度補正予算で措置された地域少子化対策重点推進交付金では、結婚に対する取組及び結婚、妊娠・出産、乳児期を中心とする子育てに温かい社会づくり・機運の醸成の取組に対象分野を集約し、地方公共団体の先駆的な取組であって、緊急的に支援すべき事業に重点化し、その取組を支援しているほか、2016(平成28)年度予算で措置された同交付金では、これまでの地方公共団体の取組から見出された優良事例の横展開を支援することとしている。

コラム「地域における結婚支援の取組」参照)

コラム 結婚応援のための全国フォーラム
~一人でも多くの希望をかなえるために、新たな連携へ~

地方公共団体、商工会議所等による結婚支援の充実に向けた国の支援を推進するため、2016(平成28)年4月、「結婚応援のための全国フォーラム~一人でも多くの希望をかなえるために、新たな連携へ~」が開催された(主催:内閣府・東京都、後援:日本商工会議所)。

全国の地方公共団体の担当者や、結婚支援事業の受託団体、また、地域で結婚支援の活動を行う商工会議所等の企業、オピニオンリーダーになりうる学識経験者等約150名が参加し、結婚支援事業のさらなる充実に向け、情報の共有や機運の醸成を図った。

フォーラムでは、未婚化の社会的な背景についての基調講演や、先進的な結婚支援の取組事例の紹介、有識者、実践者によるパネルディスカッションが行われた。

また、参加者を代表して5つの地方公共団体や実践者から、今後の意気込みや目標を「アクション宣言」として発表し、機運の醸成を図った。

○新たな連携の取組

福井県の発表では、新たな取組として、地域の企業を巻き込み、職場のつながりを生かした結婚支援の事例が紹介された。また、愛媛県法人会連合会からは、地域の多数の中小企業が緩やかに連携してイベント実施を行うなど、新たな結婚支援の取組が紹介された。有識者からは、地域において、地方公共団体が企業や学校と連携して結婚支援に取り組む提案がなされたほか、地方公共団体の垣根を越えた広域での取組事例が紹介された。

○データの活用

有識者からは、結婚希望者が相手に求める条件と実情との乖離からミスマッチが起きやすく、解消するための対応の推奨がされたほか、各地方公共団体において独身者に関するデータを含め地域の実情を把握した上で結婚支援に取り組むことの重要性が訴えられた。

また、若者が結婚、妊娠・出産、育児、仕事も含めたライフプランを立てるための知識・情報支援の必要性等が共有された。

今回のフォーラムをキックオフとして、各地でフォーラムを開催する予定であり、今後、全国での実施拡大が期待される。

(参考)http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/index.html

アクション宣言を行った地方公共団体・実践者と、主催者・後援者によるフォトセッション 結婚応援のための全国フォーラム~一人でも多くの希望をかなえるために、新たな連携へ~の写真

コラム 地域における結婚支援の取組
~地域少子化対策強化交付金等の活用事例~

我が国の危機的な少子化問題に対応するため、結婚・妊娠・出産・育児の「切れ目ない支援」を行うことを目的に、地域の実情に応じた先駆的な取組を行う地方公共団体を支援するため、2013(平成25)年度及び2014(平成26)年度補正予算において地域少子化対策強化交付金が予算措置された。

本交付金は、過去2か年を通じて、47都道府県すべてに交付されており、その結果、各地方公共団体における少子化対策の新規事業の立上げが実現し、特に、結婚支援の取組が進んだことが明らかとなっている1

他方で、本交付金については、各省との役割分担の観点や、適切に効果検証を実施していく観点から、平成27年秋の年次公開検証「秋のレビュー」における指摘も踏まえ、2015(平成27)年度補正予算及び2016(平成28)年度予算において、対象分野を

  • 結婚に対する取組
  • 結婚、妊娠・出産、乳児期を中心とする子育てに温かい社会づくり・機運の醸成の取組

に集約し、支援事業の重点化を図るとともに、地方公共団体にKPI(重要業績評価指標)の設定や定量的な効果検証の実施を求めること等により、これまで以上に効果が見込まれる事業の採択、実施事業の効果検証を図ることとした(名称も「地域少子化対策重点推進交付金」に変更2)。

ここでは、これまで本交付金を活用して各地域で実施された主な事業を紹介する。


1 内閣府委託調査「地域における結婚・妊娠・出産・育児の切れ目ない支援事業の調査研究・効果検証と先進事例調査報告書」(2015(平成27)年12月)参照

2 なお、2015(平成27)年度補正予算における地域少子化対策重点推進交付金は、地方公共団体の先駆的な取組であって緊急的に支援すべきものを対象としている一方、2016(平成28)年度当初予算における地域少子化対策重点推進交付金は、これまでの取組から見出された優良事例の横展開を対象としている。

「マリッジサポーターの育成及びネットワーク構築」(茨城県)(平成25年度補正予算)

~マリッジサポーターのスキルアップ・連携強化によるマッチングの促進~

茨城県においては、「いばらき出会いサポートセンター」を2006(平成18)年に開設し、結婚支援事業の拠点として各種事業を展開している。加えて同県では、同センターとは別に、各地域において結婚支援を行うボランティアの「マリッジサポーター」にお見合いのセッティング等を委嘱し、全県的に結婚支援を実施しているところである。

上記センターとマリッジサポーターは、それぞれの利用者に相互の取組を紹介し合うなどして連携しているが、他方で、地域間のマリッジサポーター同士の連携が不十分という課題もあった。

そこで、結婚支援を行うマリッジサポーターを集め、スキルアップ、新規サポーターの掘り起こし及び結婚に関する情報共有のための広域交流会を開催するとともに、併せてマリッジサポーターのスキルアップの成果を活かし、結婚に関する悩みを持つ人を対象に、市町村と連携の上で、各地域で独身者やその親等を対象とした相談会を実施した。

この取組の結果、マリッジサポーターは事業実施後127名増加し(2013(平成25)年度末699名→2014(平成26)年度末826名)、新たにマリッジサポーターの間のネットワークが作られたことにより、各々持参した独身者のプロフィール交換の結果、72組のマッチングが成立した。さらに、地域での相談会における相談者は延べ850名にものぼった。このように、マリッジサポーターのスキルアップや情報共有によって、直接マッチングが促進されるとともに、新規サポーターの掘り起こしや相談会の実施により、県の結婚支援事業の認知度の向上にもつながっている。実際に、その成果は、茨城県全体での婚姻数が減少する(2013年14,323組→2014年13,800組)中、センター等における成婚数は増加している(2013年度178組→2014年度204組)ことに表れている。

マリッジサポーターによる地域での相談会の様子

「愛顔(えがお)の婚活サポート事業」(愛媛県)(平成25、26年度補正予算)

~システムの高機能化によるマッチング精度の向上~

愛媛県においては、2008(平成20)年に「えひめ結婚支援センター」を開設し、出会いイベントとマッチングシステムによるお見合いや、イベント参加者のフォローを行う「ボランティア推進員」や、お見合いの交際フォローを行う「愛結びサポーター」による婚活支援を実施しているところであるが、成婚事例や好アドバイス等の記録など、開設以来培った各種データの成果を利用者に還元できず、成婚に向けた活動に活かしきれていなかった。

そこで、愛媛県は本交付金を活用し、コミュニケーション能力向上のための独身者向けワークショップ、ボランティア推進員など婚活支援者向けに好アドバイスや成功事例等を紹介する啓発講座等を開催するとともに、結婚支援システムの高機能化を図るために、システムに蓄積されたユーザの行動履歴を分析し、その結果を基に、マッチングシステムにおいてマッチングの可能性がより高い相手を紹介するとともに、参加することでマッチングの可能性が高まる出会いイベントを紹介する機能を新たに構築した。

マッチングシステムのディスプレイ画面

これらの取組により、マッチングシステムの利用者のうちお見合いにたどり着く割合は、2015(平成27)年3月の新システム開始時で平均13%だったところ、高機能化された後のマッチングシステムの利用者においては、2015年度第1四半期には約30%に増加したほか、システムの成果が高いとの評判が高まったことにより、システムへの登録者数は同時期に前年比で約4割増加した。さらに、成婚数は、2014(平成26)年1月から12月までで82組であったが、2015年1月から12月には111組と増加している。

このように、蓄積されたデータの分析によるマッチングシステム機能強化による後押しと、ボランティア推進員などによる人の温かみのある支援の両立により、利用者の結婚意欲の維持や、早期に結婚を意識した活動が以前にも増して見られるようになった。

これらの取組は、全国から多くの地方公共団体が視察に訪れており、特にマッチングシステムについては、実際に愛媛県の方式を取り入れた地方公共団体も出てきている。


「高校生等のライフデザインセミナー」(山形県)(平成25、26年度補正予算)

~講師養成と併せたライフデザイン講座の展開~

将来のライフデザインを希望通り描けるようにするためには、その前提となる知識・情報を男女ともに適切な時期に知ることが重要である。

例えば、結婚や妊娠・出産は個人の選択によるものだが、子供を生み育てたいという希望をかなえるためには、医学的・科学的に正しい知識に基づき判断できることが必要である。

そこで、進学や就職など自分の将来について具体的に考え始める時期である高校生を主な対象として、通常行われている進路指導を中心としたキャリア教育に加え、家庭科や総合学習の時間を活用し、結婚、妊娠・出産、子育てなどのライフイベントを含めた10年後、20年後の自分の姿を想像し、より良い人生設計を行う機会を提供する場として、本事業を実施した。

セミナーを受講した生徒を対象としたアンケート結果によれば、受講前は医学的に妊娠・出産に適した時期を知らない生徒が大多数を占めていたが、受講後は受講者の100%が正しい知識を習得できた旨を回答しているなど、セミナーの実施によりライフデザインを描く上での基礎づくりができたことが確認できる。

また、事業を開始した2013(平成25)年度においては、県外の専門家に講師を依頼し、県立高校4校で実施したが、2014(平成26)年度においては、県内在住者の中から3名を講師として育成し、県立高校8校及び大学1校、2015(平成27)年度においては県立・私立高校11校、専門学校3校及び大学2校と、徐々に取組を拡大させている。

こうした成果を受け、他の都道府県等からは、セミナーの具体的内容や全県的な取組とするための手法等について、問合せがなされているとのことである。

自らのライフデザインについて話し合う高校生
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