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少子化対策

第2部 少子化社会対策の具体的実施状況(第1章 第3節)

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第1章 重点課題(第3節)

第3節 男女の働き方改革の推進

1 男性の意識・行動改革

(配偶者の出産直後からの男性の休暇取得の促進)
男性の育児休業の取得促進

仕事と家庭の両立については、男女を問わず推進していくことが求められる。父親が子育ての喜びを実感し、子育ての責任を認識しながら、積極的に子育てに関わるよう促していくことが一層求められている。現在のところ、男性が子育てや家事に十分に関わっていないことが、女性の継続就業を困難にし、少子化の一因となっている。

こうしたことから「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号。以下「育児・介護休業法」という。)においては、男性労働者の育児休業取得を促進するため、2009(平成21)年に、〈1〉父母がともに育児休業を取得する場合、育児休業取得可能期間を延長する制度「パパ・ママ育休プラス」、〈2〉出産後8週間以内の父親の育児休業取得を促進する制度、〈3〉労使協定を定めることにより、配偶者が専業主婦(夫)や育児休業中である場合等であれば育児休業の取得不可とすることができる制度の廃止等の改正が行われ、2010(平成22)年に施行された。

厚生労働省では、これらの制度の周知・徹底を図るなど、男女ともに子育て等をしながら働き続けることのできる環境の整備を支援している。2017(平成29)年度予算においても、男性の育児休業取得に向けた職場風土づくりに取り組み、取得者が新たに生じた事業主に対し支給する「両立支援等助成金 出生時両立支援コース」を引き続き実施することとしている。

2 ワーク・ライフ・バランス、女性の活躍

(ワーク・ライフ・バランスに向けた環境整備)
育児休業や短時間勤務等の両立支援制度の定着

育児・介護期は特に仕事と家庭の両立が困難であることから、労働者の継続就業を図るため、仕事と家庭の両立支援策を重点的に推進する必要がある。

直近の調査では、女性の育児休業取得率は81.8%(2016(平成28)年)と、育児休業制度の着実な定着が図られつつある。また、第1子出産後の女性の継続就業割合をみると、子供の出生年が2010(平成22)年から2014(平成26)年である女性の継続就業率は53.1%(2015年)となり前回調査に比べると大きく上昇した。他方、男性の育児休業取得率については、少子化社会対策大綱において、2020(平成32)年には13%にすることを目標としているが、3.16%(2016年)にとどまっている。さらに、男性の子育てや家事に費やす時間も先進国中最低の水準にとどまっている。

こうした状況の中、男女ともに子育て等をしながら働き続けることができる環境を整備するため、育児・介護休業法において、短時間勤務制度や所定外労働の制限の義務化のほか、父母がともに育児休業を取得する場合の育児休業取得可能期間の延長(パパ・ママ育休プラス)等、父親の育児休業取得を促進するための制度が設けられている。

厚生労働省では、この育児・介護休業法の周知・徹底を図るとともに、法律に規定されている育児・介護休業や短時間勤務制度等の両立支援制度を安心して利用できる職場環境の整備を支援している。また、育児・介護休業法については、有期契約労働者の育児休業取得要件の緩和等を内容とする改正法が、2017(平成29)年1月1日から施行されている。育児・介護休業や短時間勤務制度等の両立支援制度を始め改正内容についても定着が図られるよう、政府広報等を活用した各種媒体により周知徹底を図っている。

都道府県労働局雇用環境・均等部(室)では、計画的に事業所を訪問し、就業規則等で必要な制度が設けられているかを確認するなど、育児・介護休業法に規定されている制度の履行確保に向けた行政指導を実施している。また、育児休業を取得した労働者の雇用の継続を目的として、雇用保険を財源に、育児休業開始から180日までは休業開始前賃金の67%、それ以降は休業開始前賃金の50%を育児休業給付金として支給している。

また、都市部を中心に待機児童が多く見られることが背景となり、子が1歳6か月に達するまで育児休業を取得してもなお保育所に入れず、やむを得ず離職する方が一定数いることから、子が1歳6か月に達するまで育児休業を取得してもなお保育所に入れない等の場合について、緊急的なセーフティネットとして、最長で子が2歳に達するまで育児休業を延長できること等を内容とする育児・介護休業法の改正を含む「雇用保険法等の一部を改正する法律」(平成29年法律第14号)が、2017年通常国会(第193回国会)で成立した。(第2-1-14図)

第2-1-14図 育児休業期間の延長(育児・介護休業法、雇用保険法関係)

加えて、同改正により、労働者が育児休業を取得しやすい職場環境とするため、事業主が、労働者もしくはその配偶者が妊娠し、もしくは出産したことを知った時には、当該労働者に対して育児休業等の制度を個別に周知すること、男性労働者による育児を促進するため、子が小学校に就学する前まで利用できる育児を目的とした休暇制度を設けることを努力義務とした。改正育児・介護休業法は2017年10月1日に施行される。

(女性の活躍の推進)
女性の職業生活における活躍の推進

労働者が性別により差別されることなく、また、働く女性が母性を尊重されつつ、その能力を十分に発揮できる雇用環境を整備するため、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」(昭和47年法律第113号)に沿った男女均等取扱いがされるよう周知徹底、指導を行うとともに、事業主と労働者の間に紛争が生じた場合には円滑かつ迅速な解決を図られるよう援助を行っているほか、男女労働者間の格差について企業内での実態把握や気づきを促す「男女間賃金格差解消に向けた労使の取組支援のためのガイドライン」の普及を行っている。

さらに、女性の職業生活における活躍を一層推進するため、国・地方公共団体、常時雇用する労働者数が301人以上の民間事業主に対して、女性の採用・登用などの状況を自ら把握し、課題分析した上で、その結果を踏まえ、数値目標の設定を含めた行動計画を策定・公表すること、また、女性の活躍状況に関する情報や女性の職業選択に資する情報を公表することを求める「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)が2015(平成27)年8月に成立し、2016(平成28)年4月1日に完全施行となった。

同年9月には、同法に基づく国及び地方公共団体の取組を中心に、一覧化して掲載した「女性活躍推進法「見える化」サイト」を開設した。さらに、同法に基づき、地方公共団体が策定する地域の女性の職業生活における活躍についての推進計画による取組について、地域女性活躍推進交付金等により支援を行った。行動計画の策定率は国・都道府県・市区町村において100%、女性の活躍状況に関する情報公表の実施率も100%となっている。民間事業主に対しては、同法に定める、自社の女性活躍の状況把握、課題分析、行動計画策定を簡易に行える「一般事業主行動計画策定支援ツール」の提供や、中小企業における法に基づく取組を支援することを目的とした「中小企業のための女性活躍推進事業」を実施するとともに、実際に行動計画に定めた目標を達成した事業主に対する助成金の支給、さらに、企業の女性の活躍状況に関する情報や行動計画を公表できる場として「女性の活躍推進企業データベース1」の提供などにより、取組支援を行った。

また、ポジティブ・アクション(男女労働者間に事実上生じている格差の解消を目指すための企業の自主的かつ積極的な取組)を推進している企業を公募し表彰する「均等・両立推進企業表彰」を実施した。

さらに、一般事業主行動計画の策定・届出が義務付けられている常時雇用する労働者数が301人以上の大企業の届出率は、2017(平成29)年3月31日時点で99.9%となっている。さらに、女性活躍の状況が優良な企業に対して行う「えるぼし」認定については、同じく2017年3月31日時点で291社になっている。

今後、策定された行動計画に沿って適切に取組が行われるよう助言指導等を実施することで法の実効性確保を図るとともに、より多くの企業が「えるぼし」認定に向けて取組を進めるよう周知・啓発を図るほか、行動計画の策定・届出が努力義務となっている中小企業に対しても、行動計画策定の支援等を行っていくこととしている。


1 http://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/

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