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少子化対策

第1部 少子化対策の現状(第2章 第3節 4)

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第2章 少子化対策の取組(第3節 4)

第3節 働き方改革で切り拓く未来【特集】(4)

4 罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是正

実行計画では、時間外労働の上限規制の導入について、基本的考え方として「仕事と子育てや介護を無理なく両立させるためには、長時間労働を是正しなければならない。働く人の健康の確保を図ることを大前提に、それに加え、マンアワー当たりの生産性を上げつつ、ワーク・ライフ・バランスを改善し、女性や高齢者が働きやすい社会に変えていく。」としたうえで、日本労働組合総連合会(連合)と日本経済団体連合会(経団連)による労使合意を踏まえて、法改正の方向性を明記した。

今回の法改正は、現行の厚生労働大臣告示を法律に格上げし、罰則による強制力を持たせるとともに、従来、上限無く時間外労働が可能となっていた臨時的な特別の事情がある場合として労使が合意した場合であっても、上回ることのできない上限を設定するものとされている。

具体的には、時間外労働の限度を、原則として、月45時間、かつ、年360時間とする。特例として、臨時的な特別の事情がある場合として、労使が合意して協定を結ぶ場合においても、上回ることができない時間外労働時間を年720時間とする。かつ、一時的に事務量が増加する場合について、最低限、上回ることのできない上限として、<1>2か月、3か月、4か月、5か月、6か月の平均で、いずれにおいても、休日労働を含んで80時間以内、<2>単月では、休日労働を含んで100時間未満とし、<3>原則を上回る特例の適用は、年6回を上限とすることが定められた。(第1-2-20図)

第1-2-20図 罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是正

また、連合と経団連の労使が上限値までの協定締結を回避する努力が求められる点で合意したことに鑑み、さらに可能な限り労働時間の延長を短くするため、新たに労働基準法に指針を定める規定を設け、行政官庁が必要な助言・指導を行うことや、勤務間インターバル制度について、労働時間等設定改善法を改正して努力義務を課し、普及促進のため労使関係者を含む検討会を立ち上げること等が示された。

実行計画では、上記に挙げた内容のほかにも、「柔軟な働き方がしやすい環境整備」、「女性・若者の人材育成など活躍しやすい環境整備」、「子育て・介護等と仕事の両立、障害者の就労」、「雇用吸収力、付加価値の高い産業への転職・再就職支援」、「誰にでもチャンスのある教育環境の整備」等の項目について、基本的な考え方と進め方がまとめられた。(第1-2-21図、第1-2-22図、第1-2-23図、第1-2-24図)

第1-2-21図 柔軟な働き方がしやすい環境整備

第1-2-22図 女性・若者の人材育成など活躍しやすい環境整備

第1-2-23図 子育て・介護等と仕事の両立、障害者の就労

第1-2-24図 誰にでもチャンスのある教育環境の整備

働き方改革の実現に向けて、具体的にどのような施策をいつ実行するのかを2017(平成29)年度から2026(平成38)年度の10年間を年次としてロードマップに示し、ニッポン一億総活躍プランその他の政府計画と連携して取り組んでいくこととしている。


(参考)
働き方改革実行計画
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/hatarakikata.html

トピックス:100人いたら100通りの働き方

「働き方改革実行計画」では、テレワークや副業・兼業の推進など「柔軟な働き方がしやすい環境整備」が課題とされている。先行企業の取組を紹介する。

きっかけは過去最悪の離職率

IT企業のサイボウズ株式会社では、2005(平成17)年に離職率が28%と過去最悪を記録。当時、長時間労働や休日出勤が常態化していたため、育児や介護、学業との両立が難しいことを理由にやむなく退職する従業員が増えていた。(図1)

図1 離職率の年次推移

そこで、組織や人事評価制度を見直し、「人は多様であり誰一人として全く同じ価値観を持っている人はいない」との考えから、「100人いたら100通りの働き方」という方針を定め、働き方を個人の事情に応じて選択できる制度を策定した。

例えば、育児、介護に限らず通学や副業など個人のライフステージの変化に合わせて基本の勤務形態を選択できる「選択型人事制度」(図2に記載する9種類の働き方から選択可能)。働く時間や場所を選択できる。

図2 選択型人事制度(9種類の働き方)

また、基本の勤務形態を、会社へ申請することなく一時的(総労働時間のうち10%程度)に変更できる「ウルトラワーク」を導入している。これにより、普段は社内で勤務する従業員が、家庭の事情に応じて一時的に在宅勤務へ変更したり、一人で集中したいときは、図書館やカフェなど自由な場所を選んで仕事をすることが、会社へその都度の申請なしに可能になった。

さらに、最長6年間の休暇を取得できる「育児・介護休暇制度」1のほか、最長6年間の職場復帰を保障する「育自分休暇制度」2、上司の承認も報告義務も不要の「副業の自由化」(会社利益と相反する場合は許可制)、一定のルールの下、共有スペースで子供の面倒を見ながら仕事をすることができる「子連れ出勤制度」も導入している。

これらの取組もあり、従業員の離職率は4%まで下がり、求人に対する応募が増加した。従業員の副業を活用した本業の広報・宣伝活動にも効果が表れており、柔軟な働き方が好影響をもたらしている。


1 法定では育児休業は、原則、子が出生した日から最長で1歳に達する日まで、介護休業は対象家族1人につき3回まで通算93日の取得が可能

2 転職や留学など環境を変えて自分を成長させるために退職する35歳以下の社員を対象

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