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少子化対策

第1部 少子化対策の現状(第2章 第4節 4)

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第2章 少子化対策の取組(第4節 4)

第4節 男性の家事・育児参画の推進~子育て目的の休暇の取得を中心に~【特集】(4)

4 家庭と子育て目的の休暇取得の関係

以下では、配偶者出産直後の休暇取得者・非取得者の家庭の特徴を明らかにするとともに、その背景にある男女の意識について掘り下げてみたい。

(1)休暇取得のきっかけ

「2016年委託調査」で、休暇の取得状況と、本人の就業形態や配偶者の就業状況、配偶者の復職・就職意欲との関係をみてみると、休暇取得率に有意な差はないとされている12。また、配偶者がマイタウン出産か里帰り出産か3や親族等との同居・近居状況によっても休暇取得率に大きな差はみられなかった。休暇取得の判断において、これらの家庭の状況が必ずしも強い影響を与えているわけではないことがうかがえる。

一方、休暇を取得したいと思ったきっかけをきいたところ、「日ごろの配偶者との会話(59.1%)」との回答が最も多く、次いで「配偶者からのリクエスト(35.3%)」が多かった。(第1-2-42図)

第1-2-42図 休暇を取得したいと思ったきっかけ(複数回答)

また、休暇取得者は非取得者に比べ「出産に向けたスケジュール」や「子供が生まれた後の、夫婦の働き方(キャリアプラン)」等について「何度も話し合った」と回答した割合が高く、配偶者とのコミュニケーションが多いほど休暇取得率が高いことが明らかになっている。(第1-2-43図、第1-2-44図、第1-2-45図)

第1-2-43図 配偶者とのコミュニケーション<1>

第1-2-44図 配偶者とのコミュニケーション<2>

第1-2-45図 配偶者とのコミュニケーション<3>

もっとも、話し合いの内容について目を向けてみると、「出産に向けたスケジュール」や「子供が生まれた後の、夫婦の働き方(キャリアプラン)」に関する話し合いに比べ(第1-2-43図、第1-2-44図)、「子供が生まれた後の、1日のタイムスケジュールも含めた家事・育児の分担について」話し合った割合は低く(第1-2-45図)、休暇取得者においても、夫婦間で出産後の家事・育児の分担についてはあまり話し合われていないことがうかがえる。

このように、休暇取得者においても、夫婦間で出産に向けたスケジュールや子供が生まれた後の夫婦の働き方については何度も話し合われている反面、子供が生まれた後の家事・育児分担等の日常的な出来事への対応に関する話し合いの割合は大幅に少ないことからすると、夫婦間において、子供の出生後に待ち受けている日常的な家事・育児を分担することについてまでは十分な意識が及んでいないように見受けられる。


1 本人が正社員か非正社員かどうかと、配偶者が正社員か非正社員か無業かどうかの組み合わせ別の休暇取得の割合に有意な差は見られなかった。

2 休暇取得者と非取得者との間で末子出生当時の配偶者の復職・就職意欲の有無には差が見られなかった。

3 マイタウン出産は居住地近くでの出産と定義し、里帰り出産は配偶者または回答者の実家近くでの出産と定義した。

(2)子育てにおける夫婦の役割分担意識

「2015年度国際意識調査」において、育児における夫婦の役割について聞いたところ、日本以外の国ではいずれも男女共に「妻も夫も同じように行う」が5割を超えているのに対し(スウェーデンは9割以上)、日本では3割台にとどまる。日本では、「もっぱら妻が行う」と「主に妻が行うが夫も手伝う」の合計が、男性で約6割、女性で約7割を占めており(スウェーデンは男女とも1割未満)、男女共に、子育てにおける性別役割分担意識があることがうかがえる。(第1-2-46図、第1-2-47図)

第1-2-46図 「小学校入学前の子供の育児における夫・妻の役割について」(男性)

第1-2-47図 「小学校入学前の子供の育児における夫・妻の役割について」(女性)

また、同調査では、男性の育児休業について、1か月以上の育児休業を「取りたかった(取ってもらいたかった)」と回答した日本男性は30%、日本女性は19.8%であり、日本女性の希望が低い背景には、男性が育児に専念することは男性のキャリアにダメージを与えるのではないかと考えていることが一因の可能性もあると指摘されている。さらに、日本は、男性の育児休業について「考えていなかった」が男女ともに4割を超えており、そもそも制度の周知や啓発の必要性が指摘されている4

こうした結果の背景には、かつて我が国において、専業主婦世帯が共働き世帯よりも多く(第1-2-48図)、「夫は外で働き妻は家事・育児に専念する」といった男女の役割分担が社会に定着していたこともあると考えられる。

しかし、1990年代には共働き世帯数が専業主婦世帯数を逆転し、2016(平成28)年には、専業主婦世帯数の1.7倍に達している。(第1-2-48図)また、女性の社会進出が進み、第1子が生まれた後も過半数の女性が働き続けるようになる(第1-1-20図)中で、祖父母等の手が借りられる子育て家庭も減少している。

このような社会構造の変化からすると、男女が協力して、家事・育児を共に担わなければ女性の活躍には限界があり、男性の家事・育児参画の推進に当たっては、男性が家事・育児等を行う意義の理解促進のための意識改革、啓発活動を含めた取組が必要と考えられる。


4 2015年度国際意識調査

(3)小括

以上から、配偶者の出産直後の休暇の取得においては、夫婦の就業状況や里帰り出産か否か等の外部的な事情よりも、配偶者との会話や配偶者からのリクエストが休暇を取得しようという意識の形成に大きく影響していることがわかった。もっとも、休暇取得者においても、夫婦間で子供が生まれた後の家事・育児の分担についてはあまり話し合っておらず、家事・育児を分担するということについては、夫婦間で十分な意識が及んでいないことがうかがえた。その背景として、女性の社会進出が進み、家族形態が変わる中にあって、子育てにおける夫・妻の役割について、男性のみならず女性にも、今なお固定的な性別役割分担意識があることが考えられる。

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