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少子化対策

第2部 少子化社会対策の具体的実施状況(第1章 第2節 1)

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第1章 重点課題(第2節 1)

第2節 結婚・出産の希望が実現できる環境の整備(1)

1 経済的基盤の安定

(若者の雇用の安定)
若者の就労支援

24歳以下の若者の完全失業率は、2016(平成28)年には5.1%(前年差0.4ポイント減)、25~34歳については4.3%(前年差0.3ポイント減)と、前年より回復している。また、フリーター数は、2016(平成28)年平均で155万人(前年差12万人減)となっている。

2016年度に引き続き、2017(平成29)年度においても、新卒者・既卒者の就職支援やフリーター等の正社員就職の推進等の各種対策を積極的に推進する。

・学校段階から職場定着に至るまでの総合的・継続的なキャリア形成支援策

初等中等教育段階においては、子供たちが、社会の一員としての役割を果たすとともに、それぞれの個性、持ち味を最大限発揮しながら、自立して生きていくことができるよう、後期中等教育修了までに、生涯にわたる多様なキャリア形成に共通して必要な能力や態度を培うキャリア教育の推進が求められている。

文部科学省では、関係省庁等とも連携し、学校におけるキャリア教育・職業教育を推進している。同省では、教員向けの手引き等の配布や研修用動画の配信、小学校からの企業体験や中学校の職場体験活動、高等学校におけるインターンシップの促進等により、学校におけるキャリア教育実践のより一層の促進を図っている。また、「学校が望む支援」と「地域・社会や産業界等が提供できる支援」を書き込めるサイト(「子供と社会の架け橋となるポータルサイト1」)を運営するなど、学校と地域・社会や産業界等との円滑な連携に向けた取組を行っている。

経済産業省では、「キャリア教育民間コーディネーター育成・評価システム開発事業」を実施し、同事業により設立された一般社団法人キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会がコーディネーターの育成・研修事業や認定等を行っている。

また、2011(平成23)年度より文部科学省、厚生労働省及び経済産業省の3省合同で「キャリア教育推進連携シンポジウム」を毎年開催し、キャリア教育の充実・発展に尽力し、顕著な功績が認められる学校等に対し文部科学大臣表彰、先進的な教育支援活動を行う企業・経済団体等に対し経済産業大臣表彰(「キャリア教育アワード」)を行い、同時に、学校、地域の産業界及び地方公共団体等の関係者が連携・協働してキャリア教育を行う取組を文部科学省及び経済産業省の両省で表彰する「キャリア教育推進連携表彰」を行っている。

高等教育段階においては、若年者雇用が社会的問題となる中で、高い職業意識・能力を有する若者を育成することがますます重要な課題となっている。経済産業省では、2009(平成21)年度から大学におけるゼミや研究室等の取組を通した「社会人基礎力」の育成事例を、学生自身によるプレゼンテーションによって発表し、各取組の中で社会人基礎力等がどれくらい向上したかを評価する「社会人基礎力育成グランプリ」(2016(平成28)年度で10回目)を開催している。2016年度は57校(70チーム)が参加し、最も高い社会人基礎力の成長が見られたチームを経済産業大臣賞として表彰している。

文部科学省では、2010(平成22)年に「大学設置基準」(昭和31年10月22日文部省令第28号)等を改正し、2011年度から、全ての大学と短期大学において、当該大学及び学部等の教育上の目的に応じ、学生が卒業後自らの資質を向上させ、社会的及び職業的自立を図るために必要な能力を培うよう取り組むこととなっている。2014(平成26)年度に学部段階においてキャリア教育を実施している大学数は715大学(97%)となっており、勤労観・職業観の育成を目的とした授業科目の開設については2009年の491大学(67%)から623大学(84%)となっている。

厚生労働省では、キャリアコンサルティングの手法を活かしたキャリア教育の企画・運営を担う人材を養成するための講習を2010年度より実施しており、2016年度は高校及び大学等のキャリア教育を担う者を対象に、本講習を実施している。


1 http://kakehashi.mext.go.jp/

・新卒者・既卒者の就職支援

厚生労働省では、2015(平成27)年度に改正された「青少年の雇用の促進等に関する法律」(昭和45年法律第98号。以下「若者雇用促進法」という。)に基づく、<1>新卒者の募集を行う企業による職場情報の提供の仕組み、<2>ハローワークにおける一定の労働関係法令違反に係る求人者の求人不受理、<3>若者の雇用管理が優良な中小企業についての認定制度(ユースエール認定制度)等について、積極的な周知を図るとともに、その取組を促進している。

また、新卒者・既卒者の就職支援のため、全国57か所の新卒応援ハローワーク等において、ジョブサポーターによるきめ細かな就職支援を実施するとともに、大学等との連携による学校への出張相談などを行っている。

さらに、卒業後3年以内の既卒者の就職を促進するため、若者雇用促進法に基づく「青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針」(平成27年厚生労働省告示第406号)において、学校等の新規卒業予定者の募集を行う場合は、学校等の卒業者が卒業後少なくとも3年間は応募できるものとすること等を定め、その周知に取り組んでいる。また、既卒者等の新規学卒枠での応募機会の拡大及び採用・定着の促進を図るため、2016(平成28)年2月より、既卒者及び中退者を対象とした助成金制度を創設し、当該助成金を活用した既卒者等の応募機会の拡大を推進した。

経済産業省では、地域の中小企業・小規模事業者のニーズを把握し、地域内外の若者・女性・シニア等多様な人材から、地域事業者が必要とする人材を発掘するとともに、地域事業者の魅力を発信し、マッチングの促進等を行う「地域中小企業人材確保支援等事業」を行っている。

・就職経路の複線化に対応した多様な就職システムの整備

フリーター等の正社員就職の推進のため、全国のハローワークでのきめ細やかな職業相談・職業紹介、職業訓練の情報提供・相談などを実施している。また、フリーター等への専門的な支援拠点として、わかものハローワークを28か所に設置し、支援を強化している。

また、2008(平成20)年度から職業訓練受講者を中心に活用されてきたジョブ・カードについて、2015(平成27)年10月以降、「生涯を通じたキャリア・プランニング」及び「職業能力証明」の機能を担うツールとして、求職活動、職業能力開発などの各場面において一層活用されるよう見直しを行ったことを踏まえ、「ジョブ・カード制度総合サイト」の機能拡充等により、ジョブ・カードのさらなる普及促進を行っている。雇用型訓練、求職者支援訓練及び公共職業訓練(離職者訓練・学卒者訓練)においても、引き続き、ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングや能力評価を実施している。

その他様々な要因により働くことに悩みを抱えている若者の職業的自立を支援するため、2006(平成18)年度から、地方公共団体との協働により地域の若者支援機関から成るネットワークを構築するとともに、その拠点となる地域若者サポートステーションを全国に160か所設置し、若者の置かれた状況に応じたキャリアコンサルタントなどによる専門的な相談や各種プログラムの実施など、多様な就労支援メニューを提供している。

・若年者に対する技能啓発の推進

公共職業能力開発施設、認定職業訓練施設及び工業高校等において技能を習得中の原則として20歳以下の若者に対して若年技能者の裾野の拡大を目的として、技能レベルを競い合う場を提供することにより、若年者の目標を明確化し技能を向上させる「若年者ものづくり競技大会」を実施している。直近では、2016(平成28)年8月に第11回大会が沖縄県・栃木県を会場として開催され、14職種に359名の選手が参加した。

また、工業高校や職業訓練校等で技能を学ぶ学生や訓練生等を主な対象として、若年技能者の人材育成を目的として3級技能検定を実施しているが、さらなる受検機会の拡大を図るため、新たな職種の追加や受検ニーズの高い職種について年2回の試験を実施するなど、若年者の技能離れの防止や若年技能者の職場への定着化に努めている。

・若年者のためのワンストップサービスセンター(通称ジョブカフェ)の整備

都道府県が設置する「若年者のためのワンストップサービスセンター(通称ジョブカフェ)」において、各都道府県が工夫をこらして若者に対するカウンセリング・情報提供等の一連の就職支援サービスを提供している。全国46都道府県(112か所)(2016(平成28)年4月現在)にジョブカフェが設置されており、うち41都道府県において、都道府県からの要望に応じてハローワークを併設している。

非正規雇用対策の推進

非正規雇用労働者の数は近年増加傾向にあり、2016(平成28)年において、非正規雇用の労働者数は2,023万人、役員を除く雇用者に占める割合は3分の1を超える状況である。非正規雇用の労働者は、正規雇用の労働者と比較して、〈1〉雇用が不安定、〈2〉賃金が低い、〈3〉能力開発機会が乏しい、といった課題がある。

雇用情勢が着実に改善しているタイミングを捉え、正社員を希望する人の正社員転換や非正規雇用を選択する人の処遇改善を推進することが重要である。このため、厚生労働大臣を本部長とする「正社員転換・待遇改善実現本部」において「正社員転換・待遇改善実現プラン」を2016(平成28)年1月に策定した。各都道府県労働局にも本部を設置し、同年3月までにそれぞれの「地域プラン」を策定した。これらのプランに基づき、非正規雇用労働者の正社員転換・処遇改善を強力に推進している。

また、「『日本再興戦略』改訂2014」(2014(平成26)年6月閣議決定)を受けて、職務等に着目した「多様な正社員」モデルの普及・促進を図るため、「多様な正社員」の導入事例や、非正規雇用労働者の正社員化等の取組事例を収集し、ホームページで周知・啓発を図るとともに、シンポジウムや企業向けセミナー等で社会的機運の醸成を図るほか、「多様な正社員」の導入を検討している企業への支援として業種ごとのモデル就業規則の作成やコンサルティング等を実施した。

こうした取組を通じて、正社員転換を進めるとともに、正規・非正規にかかわらず労働者が安心して生活ができる環境整備を推進することとしている。さらに、派遣労働者、有期契約労働者、パートタイム労働者といった非正規雇用の態様ごとに、以下のとおり必要な施策を講じている。

派遣労働者については、2015(平成27)年9月に施行された労働者派遣法改正法の内容を解説したパンフレットを作成し都道府県労働局で配布するとともに、都道府県労働局が説明会等を開催することにより周知を行った。

有期契約労働者については、2013(平成25)年4月に全面施行された有期労働契約が、5年を超えて反復更新された場合に、労働者の申込みにより期間の定めのない労働契約に転換させる仕組み(いわゆる「無期転換ルール」)の導入等を内容とする「労働契約法の一部を改正する法律」(平成24年法律第56号)の内容について、概要や先行導入した企業の好事例、支援策等をまとめたポータルサイトの開設、無期転換ルールの導入手順等をまとめたハンドブックの作成、全国47都道府県でのセミナー開催とその後の個別相談会の実施など、あらゆる機会を活用して無期転換ルールの周知・啓発及び導入支援を行った。

パートタイム労働者については、多様な就業実態に応じた正社員との均等・均衡待遇の確保や、正社員への転換の推進等を内容とする「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(平成5年法律第76号。以下「パートタイム労働法」という。)に基づき、事業主への行政指導や専門家による相談・援助等を実施している。

(高齢世代から若者世代への経済的支援の促進)
結婚・子育て資金や教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度

将来の経済的不安が若年層に結婚・出産を躊躇させる大きな要因の一つとなっていることを踏まえ、両親や祖父母の資産を早期に移転することを通じて、子や孫の結婚・出産・子育てを支援することを目的として、祖父母等から孫等に対して結婚・子育て資金の一括贈与を行った場合について、贈与税を非課税とする制度が2015(平成27)年4月から実施されている(適用期限は2019(平成31)年3月31日まで)。本制度では、2016(平成28)年度税制改正において、非課税の対象となる一部の費目につき、対象範囲の明確化を行った。

また、金融資産の世代間移転を促進し、子育て世代を支援することを目的として、祖父母等から孫等に対して教育資金の一括贈与を行った場合について、贈与税を非課税とする制度が2013(平成25)年4月から実施されている(適用期限は2019年3月31日まで)。2017(平成29)年度税制改正では、領収書等の提出方法について、書面に加えて電磁的記録によっても行うことができることが決定された。

(若年者や低所得者への経済的負担の軽減)
若年者や低所得者への経済的負担の軽減

地方公共団体が設置する公営住宅においては、子育て世帯等について、入居者選考に際し、地域の実情を踏まえた優先入居の取扱いを行っている例がみられる。

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