少子化対策

付録(2 〔別添1〕)

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付録2 〔別添1〕施策の具体的内容

1.重点課題

(1)子育て支援施策を一層充実させる。

<1>子ども・子育て支援新制度の円滑な実施
  • 地域の実情に応じた幼児教育・保育・子育て支援の質・量の充実
    • 平成27年4月から「子ども・子育て支援新制度」を施行し、幼児教育・保育・子育て支援の「量的拡充」(待機児童の解消や身近な子育て支援サービスの提供)及び「質の向上」(職員の配置や処遇の改善等)を行う。その際、市町村が、住民のニーズを把握し、地域の実情に応じて、計画的に提供体制の整備を図る。そのために必要な1兆円超程度の財源の確保については、消費税財源から確保する0.7兆円程度を含め、適切に対応する。
    • 幼稚園と保育所の機能を併せ持ち、保護者の就労状況やその変化にかかわらず子供を受け入れられるとともに、地域において子育て支援を提供する認定こども園については、地域のニーズや事業者の意向に基づき、その普及を図る。
  • 地域のニーズに対応した多様な子育て支援の充実
    • 都市部のみならず様々な地域のニーズに対応して、利用者支援事業、地域子育て支援拠点、一時預かり、多様な保育等を提供する。
    • 「利用者支援事業」については、子育て家庭や妊産婦が、教育・保育施設や地域子ども・子育て支援事業、保健・医療・福祉等の関係機関を円滑に利用できるよう、身近な場所での相談や情報提供、助言等必要な支援をするとともに、関係機関との連絡調整、連携・協働の体制づくり等を行う。
    • 「地域子育て支援拠点」については、子育て家庭等の育児不安に対する相談・援助や、親子が気軽に集うことのできる場を提供するなどの地域の子育て支援拠点の設置を促進する。
    • 「一時預かり」については、子育て家庭の様々なニーズにより一時的に保育が必要となった乳幼児を保育所、幼稚園その他の場所において預かり、必要な保護を行う事業の充実を図る。
    • 延長保育、病児保育、ファミリー・サポート・センターなどの子育て家庭における様々なニーズに対応した多様な保育等の充実を図る。
<2>待機児童の解消
  • 「待機児童解消加速化プラン」の推進
    • 就労希望者の潜在的な保育ニーズに対応し、就労しながら子育てしたい家庭を支えるため、保育所等の整備を始めとして、小規模保育、家庭的保育、事業所内保育等の地域型保育事業の活用を含め、平成27年度から平成29年度までの3年間で約20万人分(児童人口の減少等による定員減少を加味すれば約21万人分)の保育の受け皿を確保し、待機児童の解消をめざす。
  • 「保育士確保プラン」の推進
    • 「待機児童解消加速化プラン」による約40万人の保育の受け皿の拡充に伴い、必要となる保育士の確保を図るため、処遇改善や人材育成を含めた保育士確保プランを推進する。
<3>「小1の壁」の打破
  • 「放課後子ども総合プラン」の実施
    • 共働き家庭等の「小1の壁」を打破するとともに、次代を担う人材を育成するため、平成31年度末までに、放課後児童クラブについて、約30万人分を新たに整備し、受入児童数の拡充を図り、利用できない児童の解消をめざす。また、全小学校区(約2万か所)で放課後子供教室と放課後児童クラブが一体的に又は連携して実施し、うち1万か所以上を一体型で実施することをめざす。
    • 放課後児童クラブについては、平成27年4月から、対象となる児童の年齢を「おおむね10歳未満」から「小学校に就学している」児童とするとともに、放課後児童クラブを生活の場としている児童の健全な育成を図るため、職員の資格、員数等の具体的な基準を定めた設備及び運営に関する基準の策定等により、質の向上を図る。

(2)若い年齢での結婚・出産の希望が実現できる環境を整備する。

<1>経済的基盤の安定
(若者の雇用の安定)
  • 若者の就労支援
    • 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の視点も含めた勤労観・職業観や社会的・職業的自立に必要な能力等をはぐくむキャリア教育・職業教育、新卒応援ハローワークにおける新卒者等の安定就労への支援、わかものハローワーク、ジョブカフェ、地域若者サポートステーション、ジョブ・カード制度などによるフリーター・ニート等の正規雇用に向けた支援を実施するとともに、就職準備段階から、就職活動段階、就職後の定着やキャリア形成に至るまでの若者雇用対策が社会全体で推進されるよう、法的整備を行い、総合的かつ体系的な対策を推進する。
  • 非正規雇用対策の推進
    • 意欲と能力に応じ、非正規雇用から正規雇用へ移行できるようにするとともに、就業形態にかかわらず、公正な処遇や能力開発の機会が確保されるようにするなど、非正規雇用対策を推進する。
(高齢世代から若者世代への経済的支援の促進)
  • 結婚・子育て資金や教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度の実施
    • 父母・祖父母が子・孫に対し結婚・妊娠・出産・育児や教育に要する費用について一括して拠出した場合、一定の限度額の範囲内で贈与税を非課税とすることにより、高齢世代の保有する資産の若い世代への移転を促進し、若い世代を支援する。
(若年者や低所得者への経済的負担の軽減)
  • 若年者や低所得者への経済的負担の軽減
    • 若年でも所得が低くても、結婚して子供を持ちたいという希望を実現できるよう、低所得者に配慮しつつ教育を含む子育ての経済的負担の緩和を図るとともに、低所得の子育て世帯の入居に配慮した住宅の供給を引き続き促進する。
<2>結婚に対する取組支援
  • 地方自治体、商工会議所等による結婚支援の充実に向けた国の支援
    • 地方自治体、商工会議所、企業等において行われている様々な結婚支援事業の更なる充実が図られるよう、地方自治体の新たな取組への支援や、現行の結婚支援事業の把握・分析及び先進的取組の事例紹介、ノウハウのあるNPO等民間との連携等、地域等の実情に合った総合的な結婚支援事業の効果的な展開のための支援を行う。

(3)多子世帯へ一層の配慮を行い、3人以上子供が持てる環境を整備する。

<1>子育て、保育、教育、住居など様々な面での負担軽減
  • 多子世帯における様々な面での負担の軽減
    • 多子世帯の経済的負担の軽減のための措置について、一定の要件の下で児童手当や幼児教育・保育などについて行われているが、以下の取組も含め、子育て、保育、教育、住居など様々な面での負担の軽減策の充実に取り組む。また、地方自治体において地域の実情を踏まえた取組が行われるよう、支援を行う。
    • 幼稚園、保育所等の第3子以降の保育料無償化の対象拡大等に向けた検討

      第3子以降に関する幼稚園、保育所等の保育料が一定の範囲で無償となる制度について、その対象の拡大等について、必要な財源確保方策と併せて検討を行う。

    • 多子世帯又は第3子以降を対象とする保育所等の優先利用

      多子世帯又は第3子以降であることを保育所等の優先利用の事由の一つとして位置付けることについて、地方自治体に対する配慮の働きかけを行う。

    • 住宅政策における多子世帯への配慮・優遇措置

      公営住宅における多子世帯への配慮について、地方自治体に対する働きかけを行う。

<2>社会の全ての構成員による多子世帯への配慮の促進
  • 子育て支援パスポート等事業の充実
    • 地方自治体・商店街・企業等が連携する等して行われている子育て支援パスポート等事業について、多子世帯への支援が図られるよう必要な取組を行う。
  • 公共交通機関等における負担の軽減の要請
    • 公共交通機関等における負担の軽減を含め、社会のあらゆる分野における多子世帯への支援について、要請を行う。

(4)男女の働き方改革を進める。

<1>男性の意識・行動改革
(長時間労働の是正)
  • 長時間労働の抑制及び年次有給休暇の取得促進
    • 長時間労働の抑制及び年次有給休暇の取得促進等のために、法的枠組みの整備、企業経営者等への働きかけ、地方自治体との協働による地域レベルでの年次有給休暇の取得促進や、年次有給休暇取得促進期間の設定による全国の労使に対する集中的広報の実施など、「働き方改革」を推進する。また、長時間労働の削減のための重点的な監督指導等を実施する。
(人事評価制度の見直しなど経営者・管理職の意識改革)
  • 企業経営者等の意識変革
    • 企業とそこで働く者が、協調して生産性の向上に努めつつ、職場の意識や職場風土の改革とあわせ働き方の改革に自主的に取り組めるよう、企業経営者等の意識変革を図るための働きかけや周知啓発、研修等を行う。
  • 「イクボス」や「子育て」を尊重するような企業文化の醸成
    • 部下の仕事と育児の両立を支援する上司(イクボス)や「子育て」、残業を減らして労働生産性を上げる従業員等を大切にする企業文化の醸成に向けた検討・取組を行う。
    • 男女が職場で十分に能力を発揮しながら、出産・子育てができる環境整備の観点から、企業等において、人事評価の在り方の見直しや職場風土改革に関する取組を促進するための実効性ある方策を検討する。
(出産直後からの男性の休暇取得の促進)
  • 男性の育児休業の取得促進
    • 配偶者の産後8週間以内の父親の育児休業の利用を促進する。
    • 世帯類型別(共働き世帯と専業主婦世帯)の男性の育児休業取得状況や配偶者出産休暇等の利用状況に関する調査を実施し、男性の育児休業取得率を高めるための実効性の高い方策について検討を進めるなど、専業主婦世帯の夫を含め、男性が育児を行うことを進める。また、育児休業の取得促進など仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現に関する、人事評価等を含めた職場マネジメントの在り方の調査研究及び好事例の情報提供を行う。
    • 父親も子育てができる働き方の実現に向けて、父母がともに育児休業を取得する場合に育児休業取得可能期間を延長する「パパ・ママ育休プラス」や、育児休業給付の休業取得後180日間の割増給付が父母双方に適用されることなど、制度の周知と定着を推進し、男性の育児休業の取得促進を図る。
    • 男性が育児休業や子育てのための短時間勤務を取得することを妨げるなどの行為(いわゆる「パタニティハラスメント」)がないよう、具体的かつ分かりやすい事例を示しての普及活動や、意識啓発を行うとともに、企業に対する指導の強化・徹底等を行う。
    • 中小企業による育児支援復帰プランの作成に関し、男性労働者向けモデルプランを作り、中小企業における男性の育児休業取得の促進を図る。
  • 出産直後からの休暇取得を始めとする男性の子育て目的の休暇の取得促進
    • 子育てを目的とした企業独自の休暇制度の創設の促進などを通じて、男性が出産直後から育児や家事を行うことを促す。
    • 配偶者の出産時や出産後に年次有給休暇の取得を希望する男性が取得しやすい環境の整備を進める。特に、企業が労働者に時季に関する意見を聴いて、一定の年次有給休暇の日を指定する仕組みの整備を進め、企業が当該制度を積極的に活用することにより、労働者が配偶者の出産時や出産後に年次有給休暇を取得できるよう促す。
  • 父親の育児に関する意識改革、啓発普及
    • イクメンプロジェクトの実施等、父親の育児休業に関する啓発資料や育児休業体験談の広報等を行うことにより、男性の育児に関する意識改革を促進する。
  • 男性の家事・育児の促進
    • 男女が協力して家事・育児を行ったり、男女が共同して社会に参画したりすることの重要性や家庭の大切さについて、若い頃からの教育・啓発を通じて意識形成を図るとともに、生活を営むために必要な衣食住や保育などに関する知識や技術を身に付けられるよう、教育での取組を行う。
<2>「ワーク・ライフ・バランス」・「女性の活躍」の推進
(ワーク・ライフ・バランスに向けた環境整備)
  • 「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」等に基づく取組の推進
    • 「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」に基づき、政労使、地方自治体等が密接に連携しながら、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」の実現に向け、総合的な取組を推進する。
  • 両立支援制度を利用しやすい職場環境の整備
    • 両立支援制度を利用しやすい職場環境を整えるとともに、法に定める最低基準を上回る制度の導入を促進するため、事業主に対する助言や助成等の支援を進める。
  • 育児休業や短時間勤務等の両立支援制度の定着
    • 育児休業、子育て中の短時間勤務・所定外労働の免除、子の看護休暇等の育児・介護休業法に基づく制度について、有期契約労働者を含め周知を図るとともに、企業の制度として定着するよう、指導を徹底する。また、育児休業給付等により、育児休業中の経済的支援を行う。
  • 育児休業の取得等を理由とする不利益取扱いの防止
    • 妊娠・出産、育児休業等の取得などを理由とする解雇その他の不利益な取扱いの防止に向け、具体的かつ分かりやすい事例を示して制度を周知し、企業への指導を徹底するとともに、労働者からの相談に対し迅速かつ丁寧な対応を進める。
  • 育児休業からの円滑な復帰の支援
    • 中小企業による育休復帰支援プランの策定を事業所訪問により支援するとともに、育休取得時と復帰時に助成金を支給することにより、労働者の円滑な育休取得・職場復帰を図る。
  • ライフスタイルに応じた多様な働き方の選択肢の確保
    • 育児・介護休業、短時間勤務、短時間正社員制度等の企業への制度導入・定着により多様な働き方を推進するとともに、働く意欲と能力のある女性の就業継続や再就職の支援など、多様な働き方を選択できる条件を整備する。
    • フレックスタイム制の清算期間の上限の拡大を図ることにより、個人のライフスタイルに対応し、まとまった期間短時間で働くなど、一層柔軟でメリハリの効いた働き方を可能とし、子育てなど生活と仕事の調和(ワーク・ライフ・バランス)を図ることを促進する。
    • 昼が長い夏は、朝早くから働き始め夕方からの時間を有効に使えるよう、夏の生活スタイルを変革する新たな国民運動を展開する。
  • 有期契約労働者など非正規雇用の労働者に対する支援
    • 非正規雇用の労働者についても産休・育休の対象となることを周知するとともに、有期契約労働者の育児休業取得について、企業に対するインセンティブの措置の充実等を行う期間雇用者育児休業取得促進プログラムを実施する。
    • パートタイム労働者がその有する能力を一層有効に発揮することができる雇用環境を整備するため、正社員との均等・均衡待遇の確保、パートタイム労働者の納得性の向上、正社員への転換の推進等を図る。
  • テレワークの推進
    • 「世界最先端IT国家創造宣言」(平成26年6月24日閣議決定)に基づき、子育てや仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)等の観点から、情報通信技術を活用した、場所にとらわれない柔軟な働き方であるテレワークについて普及促進を図る。
  • 転勤等に関する仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進の更なる取組
    • 子育て期に転勤が困難な方の子育てや仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を図るため、勤務地を限定した正社員制度の雇用管理上の留意事項や好事例等の周知及び制度導入企業に対する支援による制度の導入・普及、制度間の相互転換についての社内の制度化を促進するとともに、転勤の実態を把握した上で、労働者個々人のライフプランにも沿った仕事と家庭の両立への取組を進めていく。子育てのしやすさという観点からの通勤の在り方について検討する。
  • 国の率先的取組
    • 「国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針」(平成26年10月17日女性職員活躍・ワークライフバランス推進協議会決定)及び各府省等が策定した取組計画に基づき、国家公務員に関して、働き方改革、育児・介護等と両立して活躍できるための改革等について、総合的かつ計画的な取組を推進する。また、夏の生活スタイル変革についても率先して取り組む。
(女性の活躍の推進)
  • 女性の職業生活における活躍の推進
    • 働く場面で活躍したいという希望を持った女性が、その希望に応じて、仕事と家庭を両立し、個性と能力を十分に発揮できる社会を実現するため、国・地方自治体、民間事業者といった各主体が、女性の活躍に関する状況を自ら把握・分析すること、また、数値目標の設定を含めた行動計画を策定し、それらの情報を開示すること等について法的枠組みを整備し、実効性のある取組を推進する。
  • 正規・非正規にかかわらず妊娠・出産前後の継続就業の支援
    • 希望する女性が妊娠・出産前後で継続して就業できるよう、育児休業からの円滑な復帰の支援、育児・介護休業法に基づく仕事と子育ての両立のための制度について、周知を図るとともに、企業の制度として定着するよう、指導を徹底する。また、長時間勤務の抑制、短時間勤務やテレワークなど柔軟な働き方の実現等に取り組む。さらに、期間雇用者育児休業取得促進プログラムの実施により、非正規雇用の労働者の継続就業支援を行う。
  • 子育て女性等の再就職支援(マザーズハローワーク事業)
    • 子育て等のために離職した者の再就職を総合的かつ一貫して支援するため、マザーズハローワーク事業による再就職支援の充実を図る。
  • 農業経営体等における女性が働きやすい環境づくりの推進
    • 農業経営において、福利厚生面の充実にもつながる法人化を進めるとともに、家族経営協定の締結の促進や、女性の活躍推進に積極的に取り組む経営体の認定等を通じ、子育て期の女性でも働きやすい環境づくりを推進する。
  • 女性の幅広い活躍を推進する学び直し支援
    • 学び直しを通じ、女性を就労や起業、地域活動への参画につなげる地域や大学、専修学校等の取組を促進する。
  • 地域における女性の活躍の推進
    • 地域における女性の活躍を迅速かつ重点的に推進するため、地方自治体が行う多様な主体の連携体制の構築等による地域の実情に応じた取組を支援するとともに、先進的取組の事業成果を広く共有することにより、モデル的な取組の他地域への横展開を図る。

(5)地域の実情に即した取組を強化する。

<1>地域の強みを活かした取組支援
  • 地方自治体の取組の支援
    • 地域の強みを生かし、地域の実情に即した結婚、妊娠・出産、子育ての各段階に対応した総合的な少子化対策を推進するため、地域の実情に応じた結婚・妊娠・出産・育児の「切れ目ない支援」など地方自治体の取組に対する必要な支援を行うとともに、これらの取組や地域の状況の「見える化」や、先進事例の全国展開を推進する。
    • 地方自治体において、少子化対策・子育て支援に関する民間団体、企業と連携し、少子化対策を推進するためのプラットフォームの構築・強化・拡充を図るなどにより、行政、NPO、企業、住民等が連携して、安心して子供を生み育てられる地域づくりを進めていくことを促進する。
  • 「子育て支援員」の養成
    • 地域の子育て支援等の仕事に関心を持ち、これらの各事業等に従事することを希望する者を「子育て支援員」として養成し、地域の実情やニーズに応じて様々な子育て支援の担い手となる人材の確保を図る。
  • 地域の退職者や高齢者等の人材活用・世代間交流
    • 退職者や高齢者等が地域における結婚支援や子育ての担い手として活躍できるよう支援するとともに、世代間交流の促進を図る。
<2>「地方創生」と連携した取組の推進
  • 「地方創生」と連携した少子化対策の推進
    • 地方自治体において、まち・ひと・しごと創生法に基づく「地方版総合戦略」を策定・推進するに当たり、地方創生の施策を講じつつ、少子化社会対策大綱と連携し、総合的な少子化対策を進めるよう支援する。

2.きめ細かな少子化対策の推進

(1)結婚、妊娠・出産、子育ての各段階に応じ、一人一人を支援する。

<1>結婚(関連:重点課題(2))
(ライフデザイン構築のための情報提供等)
  • ライフデザイン構築のための支援
    • 結婚、妊娠・出産、子育てなどのライフイベントや学業、キャリア形成などを含めた人生設計を行うための教育・情報提供やコンサルティングなどを通じて、結婚・出産・子育てや仕事との両立などに関する個人の希望を、より具体的かつ現実的な計画として持つことができるよう支援を行う。その際、ライフデザインに関する標準的な教材やプログラムについても検討を行う。
(結婚や子育てに関する情報発信の充実)
  • 結婚や子育てに関する情報発信の充実
    • 国と地方自治体が連携しながら、少子化の現状や取組、結婚や子育てに関する情報について、分かりやすくかつ効果的な情報発信の充実を図る。
  • 「家族の日」「家族の週間」等を通じた理解促進
    • 多様な家庭や家族の形態があることを踏まえつつ、「家族の日」(11月第3日曜日)や「家族の週間」(家族の日の前後1週間)において、様々な啓発活動を展開し、家族や地域の大切さ等について理解の促進を図る。
  • 家族形成に関する調査・研究等
    • 家族形成に関する調査・研究及び事例収集・分析を通じて、政策的対応に向けた検討を行う。
<2>妊娠・出産(関連:重点課題(2))
(妊娠から子育てまでの切れ目のない支援体制の構築)
  • 「子育て世代包括支援センター」の整備
    • 妊娠期から子育て期にわたるまでの様々なニーズに対して総合的相談支援を提供するワンストップ拠点(子育て世代包括支援センター)の整備を図るとともに、保健師等の専門職等が全ての妊産婦等の状況を継続的に把握し、必要に応じて支援プランを作成することにより、妊産婦等に対し切れ目のない支援の実施を図る。また、支援対象者の評価や支援内容に関するガイドラインを策定し、要支援者の判定基準や支援プランの標準化を図る。
  • 産後ケアの充実
    • 産後ケア(出産直後の慣れない育児への不安等から来る産婦の心身の不調や産後うつ等を防ぐために、母子への心身のケアや育児のサポートを行うもの)のガイドラインの策定について検討するなど産後ケアの充実を図り、産後の不安の払しょくや産後うつ等への適切な対応を行い、母親の心身の健康を確保するとともに、児童虐待の防止にもつなげる。
  • 乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)等の実施
    • 乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)の実施を図るとともに、保護者の養育を支援することが特に必要な家庭に対しては、養育支援訪問事業等の適切なサービスの提供を行うなど、切れ目のない支援体制を推進する。また、出産前において支援を行うことが必要な妊婦に対し、訪問等の支援を図る。
(マタニティハラスメントの防止等)
  • 指針の周知徹底及び企業の指導
    • マタニティハラスメントの防止のため、男女雇用機会均等法等で禁止されている「妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」に該当する具体的内容を示した「労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」の周知に加え、具体的かつ分かりやすい事例を示しての普及啓発や、企業に対する指導の強化・徹底を行う。
  • 女性労働者の妊娠中及び出産後の母性健康管理の推進
    • 企業における妊娠中及び出産後の母性健康管理の整備を進めるとともに、医師等の指導事項を的確に伝達するための母性健康管理指導事項連絡カードの活用等により、妊娠中及び出産後の女性労働者に対する適切な母性健康管理の推進を図る。
(妊娠・出産に関する経済的負担の軽減と相談支援の充実)
  • 妊婦健診や出産・産前産後休業期間中に係る経済的負担の軽減
    • 市町村による妊婦等に対する早期の妊娠届出の勧奨とともに、妊婦健診の公費負担、出産育児一時金及び産前産後休業期間中の出産手当金、社会保険料免除などにより、妊婦等の健康管理の充実及び経済的負担の軽減を図る。
  • 産科医療補償制度の整備
    • 全ての分娩機関の産科医療補償制度への加入により、分娩に関する紛争の防止・早期解決を図るとともに、原因分析による将来の同種事例の防止に役立つ情報の提供などにより、産科医療の質の向上を図る。
  • 相談支援体制の整備(妊娠・出産、人工妊娠中絶等)
    • 生涯を通じた女性の健康支援や児童の健やかな発達の視点から、妊娠・出産やその後の子育て、人工妊娠中絶等の悩みを抱える者に対して、訪問指導等の母子保健事業を活用した相談支援のほか、女性健康支援センター、児童相談所等での相談援助体制の整備を図る。
(周産期医療の確保・充実等)
  • 出産環境の確保
    • 医学部入学定員の増加や医師の派遣等を行う事業等を通じて産科医の確保を図り、また、産科医の処遇改善に取り組む医療機関の支援等を通じて、安心して子供を産み育てることができる体制を充実させる。
  • 助産師の活用
    • 限られた医療資源の下で、地域において安心・安全な出産ができる体制を確保するため、産科医と助産師との適切な役割分担・連携のもとで、助産師がその専門性を活かせる助産師外来や院内助産所の開設を促進する。また、就業助産師の偏在解消、助産実践能力の強化、助産学生等の実習施設確保を図るために助産師出向導入への支援を行う。
  • 周産期医療体制の整備・救急搬送受入体制の確保
    • リスクの高い妊産婦や新生児等に高度な医療が適切に提供されるよう地域における周産期医療の中核となる総合周産期母子医療センター及びそれを支える地域周産期母子医療センター等の整備(新生児集中治療室(NICU)、母体・胎児集中治療室(MFICU)の整備)や、周産期医療に携わる医師・助産師等を確保し、地域の分娩施設と連携しながら救急搬送受入体制の確保を図る。
(不妊治療等への支援)
  • 不妊専門相談センターの整備
    • 男女を問わず、不妊治療や不育症治療に関する情報提供や相談体制を強化するため、不妊や不育症に関する医学的な相談や心の悩みの相談等を行う不妊専門相談センターの整備を図る。
  • 不妊治療に係る経済的負担の軽減等
    • 不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、高額の医療費がかかる不妊治療(体外受精、顕微授精)に要する費用に対する助成を行うとともに、適応症と効果が明らかな治療には医療保険の適用を検討し、支援を拡充する。また、不妊治療における安全管理のための体制の確保が図られるようにする。
    • 年齢が高くなると妊娠・出産に至る可能性が低くなること、不妊の原因は男女どちらにもあり得ること、不妊治療を行っても子供を授かることができない場合があること等を適切に情報提供する。
(健康な体づくり、母子感染予防対策)
  • 母子保健・母子感染予防対策の推進
    • 思春期の女性や妊産婦の健康等に関する指標及び目標を定めた母子保健の国民運動計画である「健やか親子21(第2次)」を推進し、思春期の女性や妊産婦の健康管理の支援を行う。また、母子感染予防対策として、妊婦健康診査における抗体検査等の実施、母子感染予防のための保健指導等の支援体制の整備を進める。
<3>子育て(関連:重点課題(1)(2)(3))
(子育ての経済的負担の緩和・教育費負担の軽減)
  • 児童手当の支給
    • 家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的として、中学校修了までの児童を対象として児童手当を支給する。
  • 幼児教育の無償化の段階的実施
    • 全ての子供に質の高い幼児教育を受ける機会を保障するため、幼稚園、保育所、認定こども園を通じた無償化に向けた取組を、財源を確保しながら段階的に進める。
  • 高校生等への修学支援
    • 全ての意志ある生徒が安心して教育を受けられるよう、高等学校等就学支援金制度、返済不要の「高校生等奨学給付金(奨学のための給付金)制度」等により、高等学校段階の教育費負担の軽減を行う。
  • 高等教育段階における教育費負担軽減策の充実等
    • 意欲と能力のある学生等が、経済的理由により進学等を断念することがないよう安心して学ぶことができる環境を整備するため、授業料減免や大学等奨学金事業等の経済的支援策を充実する。
(多様な主体による子や孫育てに係る支援)
  • 祖父母等による支援
    • 家族において世代間で助け合いながら子や孫を育てることができるようにするため、三世代同居・近居を希望する方がその希望を実現できるよう三世代同居・近居を支援するための優遇策等の方策を検討する。また、UR賃貸住宅による三世代同居・近居への支援を引き続き行う。
  • 商店街の空き店舗、小中学校の余裕教室、幼稚園等の活用による地域の子育ての拠点づくり
    • 商店街の空き店舗、小中学校の余裕教室、幼稚園等を活用し、地域における子育て支援や親子交流等の機能を担う場の設置を促進する。
  • NPO、企業等による支援
    • NPO、企業等が自治体や学校など公的セクターと連携して取り組んでいる子供や子育て家庭を応援する事業の促進を図る。
(子供が健康で、安全かつ安心に育つ環境整備)

〈子育てしやすい住宅の整備〉

  • 融資、税制を通じた住宅の取得等の支援
    • 子育て世帯が、子育てに適した住宅を取得し、又は子供の成長に応じ、増改築や改修をしやすくできるよう、融資や税制等を活用し、子育てに適したゆとりある住宅の確保を図る。
  • 良質なファミリー向け賃貸住宅の供給促進
    • 地域優良賃貸住宅制度や民間供給支援型賃貸住宅制度等により、子育て世帯等を対象とした優良な賃貸住宅の供給を支援する。
  • 公的賃貸住宅ストックの有効活用等による居住の安定の確保
    • 公的賃貸住宅において、事業主体による子育て世帯等に対する当選倍率優遇等の対応を推進する。
  • 公的賃貸住宅と子育て支援施設との一体的整備等の推進
    • 公的賃貸住宅・団地の建替え等に際し、子育て支援施設等との合築・併設を推進する。また、住宅団地等における子育て支援施設等の整備を推進するとともに、子育て世帯等の居住の安定確保に資する先導的取組に係る提案を募集し、その実現・普及を支援する。
  • 街なか居住等の推進
    • 職住近接で子育てしやすい都心居住、街なか居住を実現するため、住宅の供給や良好な住宅市街地などの環境整備を行う。

〈小児医療の充実〉

  • 小児医療の充実
    • 子供が地域において、休日・夜間を含めいつでも安心して医療サービスを受けられるよう、小児初期救急センターや小児救急医療拠点病院、小児救命救急センター等の整備を支援することなどにより、小児救急医療を含め、小児医療の充実を図る。
  • 小児慢性特定疾病対策等の充実
    • 児童福祉法に基づき、小児期における小児がんなど特定の疾病(小児慢性特定疾病)に対する医療費助成や患者の自立を支援する事業を進める等、小児慢性特定疾病に対する総合的な対策の充実を図るほか、母子保健法に基づく未熟児の養育医療費の給付等を行う。
  • 予防接種の推進
    • 定期の予防接種を円滑に受けられるような環境の確保に努め、伝染のおそれがある疾病の発生及びまん延の予防を図る。
  • こころの健康づくり
    • 児童思春期における心の問題に対応できる専門家を養成するための研修を行うなどにより、精神保健福祉センター、児童相談所などにおける専門相談の充実を図る。また、児童生徒の心身の健康や教育に関する相談体制の充実を図る。

〈子供の健やかな育ち〉

  • 学校の教育環境の整備等
    • 幼児教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであるため、更なる質の向上に取り組むなど、その振興を図る。
    • 「生きる力」をより一層はぐくむことをめざすとともに、学校の教育環境の  整備を推進する。
  • 地域ぐるみで子供の教育に取り組む環境の整備
    • 学校支援地域本部や土曜日の教育活動、放課後子供教室等の実施により、地域ぐるみで学校を支援し子供たちを健やかにはぐくむ活動を推進するとともに、豊かなつながりの中で家庭教育支援が行われるよう、家庭教育支援チーム等による学習機会の提供や情報提供、相談対応、地域の居場所づくり、訪問型家庭教育支援等の取組を推進する。
  • いじめ防止対策の推進
    • いじめ防止対策推進法及び「いじめの防止等のための基本的な方針」に基づき、国・地方自治体・学校・地域住民・家庭その他の関係者の連携の下、いじめの問題の克服に向けて取り組むよう、いじめの防止等のための措置を総合的かつ効果的に推進する。
    • スクールサポーターの学校への訪問活動等により、いじめ事案の早期把握に努めるとともに、把握したいじめ事案の重要性及び緊急性、被害少年及びその保護者等の意向、学校等の対応状況等を踏まえ、学校等と緊密に連携しながら、的確な対応を推進する。
  • 「食育」等の普及・促進及び多様な体験活動の推進
    • 子供の健やかな育ちのため、食育、消費者教育・金融教育等の普及・促進を行うとともに、地域や学校における体験活動、文化・芸術活動、自然とのふれあい、農林漁業体験や都市と農山漁村との交流体験、子供の遊び場の確保(公園、水辺、森林)等を推進する。

〈地域の安全の向上〉

  • 災害時の乳幼児等の支援
    • 地方自治体において、乳幼児、妊産婦等の要配慮者に十分配慮した防災知識の普及、訓練の実施、物資の備蓄等を行うとともに、指定避難所における施設・設備の整備に努め、災害から子供を守るための関係機関の連携の強化を図ることを促進する。
  • 子供の事故防止
    • 家庭内における子供の事故防止について、母子保健事業等の機会を活用し保護者に周知・指導を行うほか、建築物、公園等の施設や製品などに関する子供の事故情報の収集・調査や情報提供により、事故の未然・再発防止及び安全性の向上を図る。
    • 子供の事故防止について、国自らの取組を加速化・重点化するとともに、家庭、学校、サークル、消費者団体、事業者、自治体等の取組を促進する「子どもを事故から守る!プロジェクト」を展開する。
  • 幼稚園・保育所等における事故の発生・再発防止
    • 幼稚園・保育所等における事故の発生・再発防止のためのガイドラインや、事故発生時の対応マニュアルについて検討し、策定する。
  • 交通安全教育等の推進
    • 子供の発達段階に応じた交通安全教育を推進するとともに、チャイルドシートの正しい使用の徹底や、幼児二人同乗用自転車の安全利用の普及などを図る。
  • 犯罪等の被害の防止
    • 学校、家庭やPTA等の団体、地域住民、関係各機関等が連携し、地域ぐるみで子供の安全を守る環境の整備を推進する。通学路や通学時間帯に重点を置いた警察官によるパトロールを強化するとともに、退職した警察官等をスクールサポーターとして委嘱し学校へ派遣するなど、学校と連携して学校や通学路における子供の安全確保を推進する。また、防犯ボランティア等によるパトロール活動や「子ども110番の家」の活動に対する支援を行う。また、子供が被害に遭った事案等の発生に関する情報について、教育委員会、小学校等との情報共有及び地域住民への情報発信を推進する。
    • 子供自らが安全な行動をとれるようにするための安全教育の取組を推進する。小学校等における防犯教室の開催等子供に対する被害防止教育を推進する。
    • インターネットに起因する子供の犯罪被害等を防止するため、関係機関・団体等と連携し、携帯電話事業者に対する保護者へのフィルタリング等の説明強化に関する要請のほか、入学説明会等の機会を捉えた保護者に対する啓発活動や子供に対する情報モラル教育の推進等の取組を推進する。
    • 都道府県警察本部に設置された「子供女性安全対策班」等により、性犯罪等の前兆とみられる声掛け、つきまとい等の段階で行為者を特定し、検挙又は指導・警告等の措置を講ずる活動を推進し、子供を被害者とする性犯罪等の未然防止を図る。
  • 子供の健康に影響を与える環境要因の解明
    • 子供の成長・発達に影響を及ぼす環境要因(環境中の化学物質の曝露、生活環境等)を解明し、子供が健やかに育つ環境の実現をめざすため、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」を実施する。
(様々な家庭・子供への支援)

〈貧困の状況にある子供への支援〉

  • 子供の貧困対策の推進
    • 子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、「子供の貧困対策に関する大綱」(平成26年8月29日閣議決定)に基づき、子供の貧困対策を総合的に推進する。

〈ひとり親家庭支援〉

  • 子育て・生活支援
    • 保育所の優先入所や居宅訪問型保育事業、ひとり親家庭等日常生活支援事業等による子育て支援などを推進する。
    • ひとり親家庭の子供が気軽に相談できる児童訪問援助員(ホームフレンド)の派遣や学習支援ボランティア事業を通じ、子供の心に寄り添うピア・サポートを行いつつ学習意欲の喚起や教科指導等を行う。
  • 就業支援
    • 母子家庭等就業・自立支援センターやハローワーク等による就業支援、職業訓練などによる資格・技能の取得支援、在宅就業等を推進する。
    • 公共職業訓練において、母子家庭の母及び父子家庭の父の特性に応じた訓練コースや託児サービスを付加した訓練等の実施・充実を図る。
  • 養育費の確保等
    • 養育費相談支援センターや母子家庭等就業・自立支援センター等において、養育費に関する専門知識を有する相談員が、養育費及び面会交流の取決め等について相談・情報提供を行うとともに、養育費相談支援センターにおいて相談員の研修等を実施する。
  • 経済的支援
    • 児童扶養手当を支給するとともに、母子父子寡婦福祉資金貸付金の貸付けにより経済的な支援を実施する。

〈児童虐待の防止、社会的養護の充実〉

  • 児童虐待防止に向けた普及啓発(オレンジリボン・キャンペーン)
    • 児童虐待を発見した人や子育てに悩みを抱える人が適切に通告・相談できるよう児童相談所全国共通ダイヤル等を広く国民に周知するとともに、オレンジリボン・キャンペーン等の啓発活動により、社会全体として児童虐待を防止する機運を高める。
  • 児童虐待の未然防止、重篤化防止のための早期対応
    • 市町村における「子どもを守る地域ネットワーク(要保護児童対策地域協議会)」の機能強化を図るとともに、児童相談所・市町村において相談、支援を行う児童福祉司等の確保や専門性の向上、警察等の関係機関との連携などにより虐待通告や子育ての悩み相談に対して確実に対応できる体制の強化を図る。また、保育所や幼稚園、小・中学校等の関係機関における職員の対応スキルの向上等により、児童虐待の未然防止、重篤化防止のための早期対応体制の充実を図る。
  • 家庭的養護の推進
    • 里親や小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)の拡充、児童養護施設等の施設のケア単位の小規模化の推進など家庭的養護を推進する。
  • 施設退所児童等の自立支援策の推進
    • 児童自立生活援助事業(自立援助ホーム)の設置の促進や施設を退所した児童等に対する支援などの推進を図る。
  • 被措置児童等虐待の防止
    • 児童養護施設等に入所する児童の権利擁護の強化や、基幹的職員(スーパーバイザー)の養成研修などケアの質の確保のための取組の推進などにより、被措置児童等虐待の防止の徹底を図る。
  • 社会的養護関係施設における地域支援機能の充実
    • 児童養護施設、乳児院及び児童家庭支援センターなど社会的養護関係施設を地域における社会的養護の拠点とするとともに、里親をはじめとする地域の関係者が相互に連携を図ることにより、社会的養護を必要とする子供たちを支援する。

〈障害のある子供等への支援〉

  • 障害のある子供の保育等
    • 障害のある子供ができるだけ身近な地域で、障害の特性に応じた療育などが受けられるよう支援するとともに、子供の育ちに必要な集団的な養育のため、保育所や幼稚園等における障害のある子供の受入体制の整備促進を図る。
  • 関係機関の連携の強化による支援の実施
    • 障害のある子供とその家族を支えていくために、乳児期、就学前、学齢期、青年期などライフステージに応じた切れ目のない支援を行うとともに、保健・医療・福祉・保育・教育・就労支援などが連携して支援を行えるよう地域の支援体制の確立を図る。
  • 発達障害のある子供への支援の充実
    • より効果的なスクリーニングツールの導入等による発達障害のある子供の早期発見、発達障害の特性に合った対応を親が行えるようにするための有効な支援策の開発・普及、診断を行える専門的な医療機関の確保などにより、地域における支援体制の充実を図る。
  • 「気づき」の段階からの支援
    • 乳幼児健診や子育て家庭の利用する様々な施設・事業において、特別な支援が必要となる可能性のある子供を早期に発見し、適切な専門機関につなぐこと等により、「気づき」の段階からの支援の充実を図る。
  • 特別支援教育の推進
    • 教育基本法や、インクルーシブ教育システムの構築という障害者権利条約の理念を踏まえ、発達障害を含む障害のある子供一人一人のニーズに応じた一貫した支援を行うために、関係機関等の連携により学校現場における特別支援教育の体制整備を進めるとともに、教員の特別支援教育にかかわる専門性の向上等により、特別支援教育の推進を図る。

〈ニート、ひきこもり等の子供・若者への支援〉

  • 地域のネットワークを通じた子供・若者への支援
    • ニートやひきこもり等の子供・若者が社会生活を円滑に営むことができるようにするため、「子ども・若者支援地域協議会」の設置促進等に取り組み、教育、福祉、保健、医療、矯正、更生保護、雇用など地域における様々な機関によるネットワークの形成を促し、困難を有する子供・若者への支援の効果的かつ円滑な実施を図る。

〈遺児への支援〉

  • 遺児への支援
    • 様々な事情により遺児となった子供に対し、適切な心のケアや生活支援、修学支援等が行われるよう、民間支援団体とも連携しつつ、必要な取組を行う。

〈定住外国人の子供に対する就学支援〉

  • 定住外国人の子供に対する就学支援
    • 公立学校等への受入促進・日本語指導の体制整備など、日本語指導が必要な外国人児童生徒のための支援の充実を図る。また、不就学の外国人の子供の就学促進のための取組に対する支援を推進する。
<4>教育
  • 学校教育段階からの妊娠・出産等に関する医学的・科学的に正しい知識の教育
    • 個人が将来のライフデザインを描き、妊娠・出産等についての希望を実現できるように、学校教育段階において、専門家の意見を参考にしながら、妊娠・出産等に関する医学的・科学的に正しい知識を適切な教材に盛り込むとともに、教職員の研修などを行う。
    • 学校教育に加えて、家庭や地域での教育、婚姻届提出時や成人式などの機会を活用した、教育課程修了後の社会人等に対する情報提供が行われるよう取組を進める。
  • 性に関する科学的な知識の普及
    • 思春期の人工妊娠中絶やHIV感染症を含む性感染症問題に対応するため、学校や保健所等において、健康教育や電話相談等を行うなど性に関する科学的な知識の普及を図る。
  • 妊娠や家庭・家族の役割に関する教育・啓発普及
    • 妊娠や不妊、家庭・家族の役割について早くから情報提供が行われるように啓発普及を図る。特に、妊娠や家庭・家族の役割については、発達の段階に応じた適切な教育の推進を図る。
  • キャリア教育の推進
    • 社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通してキャリア発達を促すキャリア教育について、ライフイベントを踏まえたキャリア教育を含め、幼児期の教育から高等教育まで、発達の段階に応じて体系的に推進する。
<5>仕事(関連:重点課題(2)(4))
  • ロールモデルの提示
    • ライフステージの中で、就労する・しない、子供を持ちながら働き続ける、あるいは、地域で活躍を続けるなど様々なロールモデルの提示を推進する。
  • 地域における雇用の創出
    • 「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、若い世代の安定した雇用を生み出す力を持った地域産業の競争力強化に取り組むとともに、魅力ある職場づくりや、労働市場環境の整備に取り組み、労働市場の質の向上を図ることにより、地方における安定した雇用を創出する。

(2)社会全体で行動し、少子化対策を推進する。

<1>結婚、妊娠、子供・子育てに温かい社会づくり
(マタニティマーク、ベビーカーマークの普及啓発)
  • マタニティマーク、ベビーカーマークの普及啓発
    • 社会全体で妊産婦に対する優しい環境づくりを推進する「マタニティマーク」の普及を図る。
    • 公共交通機関等においてベビーカーを適切に利用でき、乳幼児と外出しやすくなるよう、「ベビーカーマーク」の普及を図る。
(好事例の顕彰と情報発信)
  • 「子どもと家族・若者応援団表彰」の実施
    • 子育てと子育てを担う家族を支援する活動に取り組み、顕著な功績のあった企業、団体又は個人を表彰することにより、社会の多様な主体が子育てを支援する機運を高めるとともに、表彰事例を発信することにより、子育て・家族支援の活動への取組を促進する。
  • 子供目線のものづくりの推進(キッズデザインの推進)
    • 「キッズデザイン賞」による顕彰や情報発信を通じ、子供たちの感性や創造性を豊かにし、親が安全に楽しく安心して子育てできる社会環境を整えていく取組である「キッズデザイン」を推進する。
  • 学校・家庭・地域における取組の推進
    • 学校・家庭・地域において、生命を尊ぶことや男女が協力して家庭を築くことの重要性や、保育体験や乳幼児とのふれあい体験を含め、子育てに対する理解を広める取組を推進する。
(妊娠中の方や子供連れに優しい施設や外出しやすい環境整備)
  • 駅や小売店等を活用した子供との外出を応援するサービス等の提供、公共交通機関での子供連れ家族への配慮などの環境整備
    • 子供を連れての外出が、支障が少なく楽しいものとなるよう、駅や小売店等において、子供との外出を応援するためのサービス等の提供が行われるよう要請し、環境の整備を図る。あわせて、公共交通機関において優先的な乗車など、子供連れの家族への配慮が行われるよう要請する。その際、多子世帯や多胎児のいる世帯は、子供を連れての外出の負担がより大きいことに配慮する。
  • 子育てバリアフリーの推進
    • ユニバーサル・デザインの考え方を踏まえ、都市公園や公共性の高い建築物、公共交通機関における旅客施設や車両等において、段差の解消や、妊婦や子育て世帯に優しいトイレの整備等のバリアフリー化を推進する。
  • 道路交通環境の整備
    • 歩行空間のバリアフリー化及び通学路における安全・安心な歩行空間の確保を図るとともに、市街地等の生活道路における歩行者等の安全な通行を確保するために、区域(ゾーン)を設定し、速度抑制や通過交通の抑制・排除を図る。
(子供連れにお得なサービスの充実)
  • 子育て支援パスポート等事業の全国展開
    • 地方自治体・商店街・企業等が連携する等してそれぞれの地域ごとに行われている子育て支援パスポート等事業について、一層の普及とともに、全国への展開を図る。
(国民の理解の促進)
  • 少子化対策についての国民への情報発信
    • 結婚、妊娠、子供・子育てに温かい社会づくりに向けた少子化対策を進めることにより、社会や人々の暮らしがどのように変わるか等について、分かりやすく国民に情報発信を行い、少子化対策への国民の理解を促進する。
<2>企業の取組(関連:重点課題(2)、(4))
(企業の少子化対策や両立支援の取組の「見える化」)
  • 一般事業主行動計画(次世代育成支援対策推進法)の策定・公表の促進等
    • 企業における次世代育成支援に関する取組が推進されるよう、中小企業を含め、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の策定を促進する。
    • 一般事業主行動計画の公表及び企業の次世代育成支援の取組の公表を促進するなどにより、企業の取組の「見える化」を進める。
    • 従来からの認定制度(くるみん)に加え、平成27年4月から新たに設ける特例認定制度(プラチナくるみん)を活用し、企業による次世代育成支援の更なる取組を促進する。また、同制度及び次世代認定マーク(くるみんマーク及びプラチナくるみんマーク)の広報・周知に努めるとともに、認定企業の好事例について、幅広く発信する。
  • 企業等による事業所内保育施設等の設置の促進
    • 企業等による事業所内保育施設の設置を促進する。
    • 大学等教育機関、病院等において、仕事・学業と子育ての両立ができる環境の整備を促進する。
(企業の少子化対策の取組に対するインセンティブ付与)
  • 積極的取組企業に対する顕彰
    • 「均等・両立推進企業表彰」(ファミリー・フレンドリー企業部門表彰など)の顕彰制度等により、両立支援に積極的に取り組む企業の表彰を進める。
  • 税制上の優遇措置
    • 次世代育成支援に取り組む企業に対する税制上の優遇措置により、企業の取組を促進する。
  • 入札手続等におけるインセンティブの付与
    • 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)等少子化対策に関する企業の取組を促進するため、入札手続時において競争制限的とならないよう留意しつつ企業努力を反映するなど、インセンティブを付与することについて、検討を進める。
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