薬物乱用対策推進会議
議事録

内容

平成26年19月19日開催

  • 有村内閣府特命担当大臣
    ただ今から薬物乱用対策推進会議を開催いたします。国務大臣の有村でございます。よろしくお願いいたします。危険ドラッグの問題につきましては、7月8日の当会議における総理の御指示を踏まえまして、危険ドラッグの乱用を根絶すべく、「できることは全て行う」という基本姿勢で緊急対策を取りまとめました。スピード感を持って取組を強化してまいったと認識しております。
    本日は、安倍第二次改造内閣の新たな体制で、引き続き対策を強力に進めるため、関係大臣の御協力の下でこれまで進めてきた各種取組のフォローアップのために、会議を開催させていただきます。
    危険ドラッグを巡りましては、平成26年上半期の検挙人員が142事件、161人と大幅に増加し、インターネット上での悪質な販売サイトへの対応等が課題となるなど、依然として予断を許さない状況にあると認識しております。
    危険ドラッグの乱用は、人生を破滅させるもので、絶対に許されるものではありません。関係閣僚におかれましては、尊い命を守るために、緊急対策に基づく取組を一層強力に推進していただきますよう、心をこめてお願いいたします。
    それでは議事に移らせていただきます。「危険ドラッグの乱用の根絶のための緊急対策フォローアップ(案)」について、事務局より説明していただきます。
  • 事務局(安田内閣府大臣官房審議官)
    それでは、「危険ドラッグの乱用の根絶のための緊急対策フォローアップ(案)」の概要について御説明いたします。お手元の資料「危険ドラッグの乱用の根絶のための緊急対策フォローアップの概要(案)」を御参照いただきたいと思います。
    まず、危険ドラッグに係る情勢であります。平成26年上半期の検挙状況につきましては、警察庁及び厚生労働省における検挙件数の合計値でございますが、142事件、161人であり、そのうち指定薬物に係る薬事法違反につきましては、55事件、68人となります。
    本年7月22日には、国民に対して、危険性の高い物質であることをより明確に示すため、警察庁及び厚生労働省より、「危険ドラッグ」の新呼称名が選定・公表されたところであります。
    また、8月27日から30日までの間、地方厚生麻薬取締部及び都道府県衛生主管部局、都道府県警察が連携し、東京、大阪、愛知、福岡の販売店舗に対する立入検査を行い、48店舗542製品に検査命令及び販売停止命令を実施したところであります。
    続きまして主な取組でございますが、警察庁及び厚生労働省に関連する取組につきましては、後ほど、国家公安委員会委員長及び厚生労働大臣より御発言がございますので、ここでは、それ以外の取組について、主なものを御説明いたします。
    まず、1の「危険ドラッグの実態把握の徹底とその危険性についての啓発強化」に関してでありますが、消費者庁において、危険ドラッグの通信販売サイトとして調査した146サイトのうち、特定商取引法上の表示義務に違反しているおそれがあると認められた77サイトの運営業者に対し、表示の是正を要請するとともに、プロバイダー等に対する情報提供を実施しております。また、表示義務違反のあった1事業者については、行政処分を実施しております。
    「啓発の強化」に関しましては、政府広報室において、危険ドラッグの危険性を周知する広告を、全国の新聞、若者向け雑誌及び携帯端末向けに実施するなど、メディアを通じた効果的な広報啓発を行ったほか、官邸ツイッターにおいて、政府広報オンラインのラジオ番組や薬物の特集ページを周知するなどしております。
    また、都道府県に対して、夏休み期間中における広報啓発活動や、保護者や地域の指導者等に対する正しい知識の普及、関係機関の相談窓口の周知徹底等を依頼する文書を、関係省庁連名で発出するなどして、危険ドラッグの危険性の周知徹底と、規範意識の醸成を図っているところであります。
    2の「指定薬物の迅速な指定と危険ドラッグに係る犯罪の取締りの徹底」に関しましては、外務省において、国連薬物犯罪事務所への拠出を通じて、「合成薬物対策ワークショップ」をミャンマーで開催し、緊急対策を含む我が国の取組を紹介したところ、参加者からは、自国の取組を検討する上で参考になる等の反応が得られたところであります。
    また、法務省におきましては、全国の検察庁に対して、危険ドラッグに関する刑事事件の捜査・公判に当たっては、警察や麻薬取締部等との連携を密にし、関係法令を適切に運用して厳正に対処するよう周知するなどの取組を実施しております。
    事務局からは以上となります。
  • 有村内閣府特命担当大臣
    ありがとうございました。それでは、続きまして、山谷国家公安委員会委員長より、御発言をいただきたいと存じます。
  • 山谷国家公安委員会委員長
    危険ドラッグについては、乱用した者による事件・事故が未だ発生しており、依然として予断を許さない状況にあると認識しております。
    こうした中、警察では、緊急対策に基づき、関係機関と連携した一斉合同立入検査等による販売店舗の実態把握や指導・警告、危険ドラッグの乱用者に対する取締り及び販売店舗等に対する突き上げ捜査を徹底するとともに、厚生労働省による行政命令の実施等に協力しており、店舗の廃業などの成果もみられつつありますが、引き続き憂慮される状況であります。
    今後とも、危険ドラッグの乱用の根絶を図るため、関係機関とも連携し、各種法令を駆使した取締りの強化や危険ドラッグの危険性についての啓発を強化するなど、緊急対策に掲げられた施策を強力に推進してまいります。各府省におかれましては、一層の御協力をお願いいたします。
  • 有村内閣府特命担当大臣
    ありがとうございました。次に、塩崎厚生労働大臣より御発言を賜りたいと存じます。
  • 塩崎厚生労働大臣
    「緊急対策」を決定した以降、厚生労働省では、これから申し上げる3点について、重点的に取り組んでまいりました。
    1点目は、危険ドラッグの販売店舗に対して、8月下旬に初めて、薬事法に基づく検査命令及び販売停止命令を発動いたしました。その結果、129店舗の内、8月末現在で50店舗を廃業に追い込みました。
    2点目は、危険ドラッグのインターネット販売サイトの削除要請です。8月に新たに21物質を指定薬物に指定した際には、販売サイトのプロバイダー等に対し初めて、積極的に削除を要請しました。現在、削除を要請した国内サイトの半分以上にあたる26サイトが閉鎖等し、残りの国内サイトについても、削除要請した製品は削除されていることを確認しております。
    また本日、新たに14物質を指定薬物に指定する省令を公布しましたので、これらについても同様に取り組んでまいります。今後は、インターネットの販売サイト対策を効果的に推進するため、関係省庁等の担当官を構成員とするプロジェクトチームを設置し、積極的に取り組んでまいります。
    3点目は、危険ドラッグの無承認医薬品としての取締りの強化です。8月末には、無承認医薬品としての取締りの判断基準、取締手順を明確化した方針を都道府県に示しました。
    今後は、積極的に運用していきますので、特に警察庁においては、告発した場合の捜査等について御協力をお願いしたいと思います。
    厚生労働省としては、関係省庁との連携をより一層強め、ただ今申し上げた3点を中心に、様々な取組を積極的に進めてまいります。
  • 有村内閣府特命担当大臣
    ありがとうございました。それでは皆様、御意見、御質問がございましたらお願い申し上げます。
  • 下村文部科学大臣
    今、それぞれ報告していただきましたけれども、8月27日から30日までの間、東京、大阪、愛知、福岡の販売店舗に対して立入検査や販売停止命令を実施したとのことですが、それ以外の地域に対して、全国にある店舗に対してですね、今後どんな風な目途でそれぞれ立入検査等をされる予定があるのか、それから、インターネットのことですが、いつぐらいまでに、ある程度の危険ドラッグ対策が進められるか。今後の計画について伺いたい。
  • 塩崎厚生労働大臣
    これについては局長の方から。
  • 有村内閣府特命担当大臣
    それでは事務局に説明させます。各地の販売コントロールとインターネットについて事務局お願いいたします。
  • 神田厚生労働省医薬食品局長
    先ほど大臣から申し上げましたように、8月27日から30日は、店舗数の多い4都府県を中心に、立入り検査・販売停止命令を致しました。直近の9月16日現在で把握しておりますのが、15都道府県、168店舗であり、順次、検査命令及び販売停止命令を実施しております。その結果、先ほど大臣の方からは、「8月末現在で50店舗が廃業となった」というように申し上げましたが、直近で言いますと「69店舗が廃業」というところまで来ておりますので、当然のことながら順次進めて行きたい。それから、先ほど大臣が申し上げましたとおり、今日、新しく14物質を、規制対象となる「指定薬物」に指定いたしましたので、無承認医薬品としての指定を受けまして、先ほど申し上げた店舗数の多い4都府県に対しましては、本日既に立入検査に入って、今度規制する薬物を売っていたら無承認医薬品として取り締まる、というのを、早速今、立ち入りにちょうど今日行っているところです。
    ネットについては、なかなか難しいところがございますけれども、削除要請しても法的な拘束力はないということを踏まえまして、プロバイダーの協会が作っているガイドラインなどがございますので、新しい規制の概要をそのガイドラインに盛り込んでいただきますと、契約を締結する時点で削除要請に応じない場合には、いきなりサイトを削除しても良いというような契約になりますので、そういった取組にも総務省さん、あるいは警察庁さんにも、削除要請しても消してもらえないものについては、警察庁さんにも御連絡をして一緒に削除要請をしていただくということで、販売サイトについても追いつめるように取り組んでいきたいと考えております。
  • 下村文部科学大臣
    残りの都道府県はどういう予定ですか。
  • 神田厚生労働省医薬食品局長
    今の立入検査ですとか検査命令については地方厚生局が中心となってございますので、残りの県についても順次入っていく、という予定にいたしております。
  • 有村内閣府特命担当大臣
    ありがとうございました。それでは松島法務大臣、お願いいたします。
  • 松島法務大臣
    私、7月のこの会議にも経産副大臣として出席しました。当時は正に名前を募集している時期だったのですが、「危険ドラッグ」という名称が、急速に、マスコミその他に定着して広がったというところは成功だと思っております。「合法」だとか「脱法」だとかよく分からない言い方だったんですけれども。
    「売ってる方は捕まらない」「買っている人は捕まるけど大元はなかなか捕まらない」という状況を何とかしてほしいというお願い事はしましたけれども、そこはまあ無事潰れまして。ただこれは、厚労省の取調べの方たちを本当に増やさないと、急激に仕事が増えていると思いますので、私が厚生労働省の応援をするのも変ですけれども、厚労も警察も仕事がしやすいように宜しくお願いいたします。
  • 有村内閣府特命担当大臣
    ありがとうございました。今、御指摘がありましたように、危険ドラッグ、古屋前国家公安委員長も頑張って名称変更に御尽力いただいたかと理解をしております。やはり、危険ドラッグにとりましても、ドラッグそのものは「ドラッグストア」とか「チェーンドラッグストア」とか軽いフレンドリーな意味の響きもありますので、私どもとしては、やはり、危険ドラッグの形容としては「人生を破滅させるもの」「尊い命を守るためにみんなで立ち上がる」と、そういう形容をどんどんこれから付けていこうと申合せたところでございます。関係閣僚におかれましても、一層の御協力をお願い申し上げる次第でございます。
    他に御発言はありませんでしょうか。なければ本日の議事につきましては原案のとおりと致したいと存じますが、いかがでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
    異議なしと認めますので、原案のとおりと致したいと思います。今後とも、危険ドラッグの乱用の根絶に向けて、「第四次薬物乱用防止五か年戦略」、これは昨年から始まっております、及び「緊急対策」に基づく取組を強力に推進していく必要がございますので、関係閣僚、皆様方の御協力を心をこめてお願い申し上げ、本日の会議を終了させていただきます。ありがとうございました。