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第4節

海外の食育に関連する状況

(米国における状況)

 米国では、連邦政府等の支援による、学校昼食プログラム(National School Lunch Program)及び学校朝食プログラム(School Breakfast Program)等に基づいて、希望に応じて学校における昼食あるいは朝食の給食が行われている。さらに、食事と運動を通して健康を増進し慢性疾患のリスクを下げるためのガイドラインとして、「アメリカ人のための食生活指針」(Dietary Guidelines for Americans)が5年ごとに発表されているほか、食に関する教育活動(Team Nutrition)等が実施されている。あわせて、野菜や果物を1日5品目以上食べることを推奨するファイブ・ア・デイ運動も進められている。食品安全教育の観点からは、「手や食器等をよく洗うこと」、「分離によって汚染を防止すること」、「適切な温度による調理」、「冷蔵」の4つの実践を中心としたキャンペーンが展開されている。
 また、消費者と地域の農家が協力して生産活動等を行う運動(Community Supported Agriculture)が拡がっている。

(英国等における状況)

 英国では、政府の「健康な学校プログラム」(National Healthy Schools Programme)等によって、学校における健全な食生活の推進等が進められている。加えて、野菜や果物を1日5品目以上食べることを推奨するファイブ・ア・デイ運動も進められているほか、子どもの脂肪分・糖分・塩分の過剰摂取や肥満の増加に対応するため、子どもの健全な食生活を促すための行動計画も策定されている。
 また、食品、農場や農村等に焦点を当てた体験学習を学校教育の一環として行う「育てる学校」(Growing School)プログラムが政府の支援により進められており、これらを受け入れる農場も多数存在している。
 さらに、消費者に新鮮な食品を供給しつつ地域経済の活性化を図ること等を目的として、地域で作られた農産物を地域で消費するローカルフード(Local Food)と呼ばれる活動も見られる。
 イタリアでは、消えつつある郷土料理や質の良い食品を守り、質の良い素材を提供してくれる小生産者を守り、そして子どもたちを含めた消費者全体に「味の教育」を進めることを目的とするスローフード運動が盛んとなり、世界的な広がりを見せている。

(アジアにおける状況)

 韓国では、「身土不二」(しんどふじ)をスローガンとして地産地消を推進する運動がある。「身土不二」という用語は、我が国においても、身体と土とは密接不可分である、身近なところで作られたものを食べることが良い、等の趣旨で用いられている。
 シンガポールでは、「健康なライフスタイルのためのプログラム」(National Healthy Lifestyle Programme)が政府によって進められている。同プログラムでは、健康なライフスタイルの重要性の認識が高まるよう、日常的な運動、健全な食事、禁煙、ストレス管理の4項目を、毎年のキャンペーン等の活動を通じて促進している。

(世界保健機構(WHO)における取組)

 世界保健機構(WHO)は、2004年に「食事、運動と健康に関する世界戦略」を取りまとめた。同戦略は、不健全な食生活と不十分な身体活動を主たる要因として生ずる心疾患、脳血管疾患、糖尿病、一部の癌等の非感染性疾病の死亡率等を改善することを目指して、加盟国等に対し、エネルギー摂取のバランス、野菜や果実の摂取、適切な体重の維持等のガイドライン策定を含む具体的な取組を求めるものとなっている。

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