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第3節 学校給食の充実

1 学校給食の現状

学校給食は、栄養バランスのとれた豊かな食事を子どもに提供することにより、子どもの健康の保持増進、体位の向上を図っている。また、食に関する指導を効果的に進めるために、給食の時間はもとより、各教科や特別活動、総合的な学習の時間等において生きた教材として活用することができるものであり、大きな教育的意義を有している。

平成20年6月の学校給食法の改正においては、学校給食の目標について、食育の推進の観点からの見直しが行われ、学校給食が学校教育の一環であるという、従来から持つ意義がより明確となった。併せて、必要な栄養量を始め学校給食を適切に実施するための「学校給食実施基準」や、適切な衛生管理を図るための「学校給食衛生管理基準」を、維持されることが望ましい基準として文部科学大臣が定めることが規定され、両基準が法律上に位置付けられた。

平成20年5月現在、小学校では21,923校(全小学校数の99.2%)、中学校では9,304校(全中学校数の85.8%)、全体で32,690校で学校給食が行われており、全体で約1,009万人の子どもが給食を受けている(図表-61)。

図表-61 学校給食実施状況(国公私立)

▲CSVファイル

また、食物アレルギーを持つ児童生徒に対しては、「食に関する指導の手引」、「学校のアレルギー疾患に対する取組ガイドライン」の配布等を通じ、保護者や主治医と十分な連携を図りつつ、可能な限り個々の児童生徒の状況に応じた対応に努めるよう指導している。

学校給食の様子

学校給食の様子

栄養教諭による食に関する指導

栄養教諭による食に関する指導

2 地場産物の活用の推進について

地域や学校において、地場産物を学校給食において活用する取組が積極的に進められており、平成20年度の活用率は、全国平均で23.4%(食材数ベース)となっている。

地場産物を学校給食に活用し食に関する指導の教材として用いることにより、次のような効果が期待される。

<1>子どもが、より身近に、実感を持って地域の自然、食文化、産業等についての理解を深めることができる。

<2>食料の生産、流通等に当たる人々の努力をより身近に理解することができる。

<3>地場産物の生産者や生産過程等を理解することにより、食べ物への感謝の気持ちをいだくことができる。

<4>「顔が見え、話しができる」生産者等により生産された新鮮で安全な食材を確保することができる。

<5>流通に要するエネルギーや経費の節減、包装の簡素化等により、安価に食材を購入することができる場合があるとともに、環境保護に貢献することができる。

<6> 生産者等の側で学校給食を始めとする学校教育に対する理解が深まり、学校と地域との連携・協力関係を構築することができる。

<7>地域だけでなく、日本や世界を取り巻く食料の状況や、食料自給率に関する知識や理解を深め、意識を向上させることができる。

さらに、各都道府県に推進地域を指定し、生産者等から計画的かつ安定的に地場産物の納入が図られるよう、学校と地域の生産者等の連携体制を整え、地場産物を活用した学校給食を食に関する指導の「生きた教材」として活用できるようにするための方策等について調査研究を行っている。

農林水産省では、学校給食における地場産物の利用を拡大するため、平成21年度から平成22年度までの緊急的な措置として「学校給食地場農畜産物利用拡大事業」により地場農畜産物の利用を拡大する献立を実証する際の原材料費の助成等を行っている。

3 米飯給食の一層の普及・定着に向けた取組

米飯給食は、伝統的な食生活の根幹である米飯に関する望ましい食習慣を子どもに身に付けさせることや、地域の食文化を通じて郷土への関心を深めるなどの教育的意義を持つものである。平成20年度において、米飯給食を実施しているのは小学校で21,607校(完全給食実施の小学校数の99.8%)、中学校で8,195校(完全給食実施校の中学校数の99.8%)、全体で31,094校(完全給食全実施の全学校の99.9%)で米飯給食が行われており、約965万人(完全給食を受けている全幼児・児童・生徒数の99.9%)の子どもが米飯給食を受けている。

また、週当たりの米飯給食の回数が平成20年度では3.1回となり、平成19年度と比べて0.1回の増加となっている(図表-62)。

図表-62 米飯給食実施状況(国公私立)

▲CSVファイル

なお、米飯給食の推進については、平成21年3月に通知を発出し、米飯給食の実施回数が週3回未満の地域・学校については週3回程度、週3回以上の地域・学校については週4回程度など新たな目標を設定し、実施回数の増加を図ることを促すなど、国としては週3回以上を目標として推進することとしている。

また、農林水産省では米飯給食のより一層の推進を図るため、米飯給食の実施回数が少ない都市部を中心に保護者等学校給食関係者の理解促進のための「ごはんで給食セミナー」や学校栄養職員等向けにごはんに合う給食メニューの提案を行う「ごはんで給食メニュー講座」を開催している。

4 伝統的な食文化を継承した献立の活用

郷土料理、行事食や伝統料理等は、その土地の産物を使って独自の料理法で作られ、食べ継がれてきたものであり、これらは子どもに地域の産業や文化に関心を持たせる上で良い教材となる。

現在、地場産物の活用の更なる促進が図られているが、それに併せて各地において学校給食に郷土料理、行事食等が積極的に導入されており、今後とも郷土料理、行事食等を通じた学校給食の教育的効果が更に上がることが期待される。

また、日本の食文化を理解させる上で、他地域の郷土料理やそれに使用されている地場産物等を学校給食の献立に活用することも有効である。

そこで、学校関係者や保護者が、子どもたちに、地域の食文化や地場産物等に関心を持たせるための活用資料として、平成20年度においては、郷土料理等の献立・レシピ集及び指導事例集、平成21年度においては、地場産物を活用した行事食等の事例集を作成した。


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