目次 | 前の項目に戻る | 次の項目へ進む

第2章 食育推進施策の課題と取組 特集「みんなで食べたらおいしいね」

第1節 「食を共にすること」に関する現状

国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性をはぐくむための食育を推進することは、極めて重要である。特に、家族が食卓を囲んで共に食事をとりながらコミュニケーションを図ることは、食育の原点であり、子どもへの食育を推進していく大切な時間と場であることから、第2次食育推進基本計画では、3つの重点課題のひとつとして、「家庭における共食(きょうしょく)を通じた子どもへの食育」が位置付けられた。

現在ライフスタイルや家族の関係は多様化しており、家族そろって食卓を囲む機会が少なくなり、また、一人で食事をすることも少なくない。

ここでは、家族との食事の状況、家族と食事をすることに対する意識、地域とのつながりなどについての現状について述べる。

(1)子どもと家族との食事の状況

○ 5歳児では、「母親と毎日食べる」子どもは72.6%、「父親と毎日食べる」子どもは32.2%と父親と食事をする機会が少ない

保育所に入所している5歳児クラスの子どもを対象(保護者が回答)とした「保育所における児童の栄養・健康状態及び食育に対する意識・ニーズの実態に関する調査」(日本栄養士会全国社会福祉栄養士協議会)によると、朝食を「母親とほぼ毎日食べる」子どもは72.6%、「父親とほぼ毎日食べる」子どもは32.2%、夕食を「母親とほぼ毎日食べる」子どもは89.7%、「父親とほぼ毎日食べる」子どもは34.6%である。朝食、夕食ともに母親に比べ父親と食事をすることが少ない(図表-24)。

図表-24 幼児の母親、父親との食事の回数

▲CSVファイル(1KB)

○ 毎日、両親そろって食事をする家庭では、食事の時に楽しい会話が多い

また、食事の時に楽しい会話をするかどうかについて、両親との食事の回数別にみると、「両親ともほぼ毎日」の家庭では、「楽しい会話をする」と回答した人の割合は53.9%(「ほぼいつもする」23.1%及び「する方が多い」30.9%の合計)、「両親のどちらも週1回以下」の家庭では、「楽しい会話をする」と回答した人の割合は、23.1%(「ほぼいつもする」9.2%及び「する方が多い」13.9%の合計)であり、両親ともに毎日そろって食事をしている家庭のほうが楽しい会話をする頻度の高い子どもが多い。また、夕食についても朝食と同様に、「両親ともほぼ毎日」の家庭では、食事の時に「楽しい会話をする」家庭の割合が80.4%(「ほぼいつもする」41.7%及び「する方が多い」38.6%の合計)と高く、また、朝食に比べて夕食のほうが食事の時に楽しい会話をしていることがわかる(図表-25)。

図表-25 幼児の食事の時の家族との楽しい会話の状況(両親との食事の回数別)

▲CSVファイル(1KB)

○ 朝食を「一人で食べる」のは、小学校5年生で15.3%、中学校2年生で33.7%

小学校5年生、中学校2年生を対象とした「平成22年度『児童生徒の食事状況等調査』」(独立行政法人日本スポーツ振興センター)によると、小学校5年生では、朝食を「家族で食べている」のは55.6%(「家族そろって食べる」26.6%及び「おとなの家族の誰かと食べる」29.0%の合計)、「一人で食べる」のは15.3%、「子どもだけで食べる」のは25.0%である。夕食では、「一人で食べる」は2.2%、「子どもだけで食べる」は4.1%である。

中学校2年生では、朝食では「家族で食べている」のは、41.8%(「家族そろって食べる」19.4%及び「おとなの家族の誰かと食べる」22.4%の合計)、「一人で食べる」が33.7%、「子どもだけで食べる」が19.7%である。夕食では、「一人で食べる」が6.0%、「子どもだけで食べる」が4.9%である(図表-26)。

図表-26 家族との食事の状況

▲CSVファイル(1KB)

○ 家族そろって食事をしている子どもでは、食事時にいつもあいさつをする子どもが多い

「平成22年度『児童生徒の食事状況等調査』」によると、家族との食事の状況と食事時のあいさつの頻度をみると、夕食を「家族そろって食べる」子どもでは、食事時に「いつもあいさつをする」と回答した子どもの割合は69.4%とあいさつをする子どもが多い。一方、「一人で食べる」子どもでは、食事時にあいさつを「いつもしない」と回答した子どもの割合が28.7%となっている(図表-27)。

図表-27 家族との夕食の状況と食事時のあいさつの頻度

▲CSVファイル(1KB)

○ 「一人で食べる」子どもは、疲れやすく、イライラすることが多い

「平成22年度『児童生徒の食事状況等調査』」によると、「朝食を誰と食べているか」と「身体のだるさや疲れやすさを感じることがある」との関係をみると、「一人で食べる」子どもは、「身体のだるさや疲れやすさを感じることがある」に、「しばしば」23.3%、「どきどき」28.0%であり、「家族そろって食べる」、「おとなの家族の誰かと一緒に食べる」と回答した子どもより、その割合が高い。

また、「朝食を誰と食べているか」と「イライラする」との関係をみると、「一人で食べている」子どもは、「イライラする」ことが、「しばしば」18.9%、「ときどき」25.9%であり、「家族そろって食べる」、「おとなの家族の誰かと一緒に食べる」と回答した子どもより、その割合が高い。

夕食についても、同様の傾向がみられている(図表-28)。

図表-28 家族との食事と心身の状況

▲CSVファイル(2KB)

(2)家族との食事についての意識や態度

○ 成人では、ふだん食事をするのは、「家族と」が平日の夕食では81.7%、休日の夕食では87.6%

20歳以上を対象とした「食育に関する意識調査」(平成23年12月。本稿では、特に断りのない限り本調査による。)の結果によると、ふだん誰と食事をすることが多いか聞いたところ、平日の朝食及び夕食では、「家族」と回答した人の割合が最も高く、朝食では63.7%、夕食では81.7%である。休日について、「家族」と食べると回答した人の割合は、朝食では72.8 %、昼食では75.7 %、夕食では87.6%である。また、「ひとりで食べる」と答えた者の割合が最も高いのは、平日の昼食で32.2%、続いて平日の朝食28.5%となっている(図表-29)。

図表-29 ふだん一緒に食事をする人

▲CSVファイル(1KB)

○ 家族との食事の利点は、「家族とのコミュニケーションを図ることができる」こと

20歳以上を対象とした「食育の現状と意識に関する調査」(平成22年12月)の結果では、食事を家族と一緒に食べることの利点について、食事を家族と一緒に食べることは、一人で食べることに比べて、「家族とのコミュニケーションを図ることができる」(81.1%)、「楽しく食べることができる」(66.2%)、「規則正しい時間に食べることができる」(35.4%)、「栄養バランスの良い食事を食べることができる」(34.0%)など、精神面の安心感、生活や食事の質を向上させると感じている人が多い(図表-30)。

図表-30 食事を家族と一緒に食べることの利点

▲CSVファイル(1KB)

○ 「家族と一緒に食事をする回数を増やしたい」人は、約6割

第2次食育推進基本計画において「家族と一緒に食事をする回数を増やす」ことが目標値として掲げられているが、「家族と一緒に食事をする回数を増やしたい」(ほとんど毎日家族と食事をする人は除く)と思う人は60.8%である(図表-31)。

図表-31 食事の回数を増やすことについて

▲CSVファイル(1KB)

○ 家族と食事をすることについて、「重要である」と思っている人は約9割と多いが、「スケジュール調整をしよう」と思う人は約4割にとどまっている

「家族と一緒に食事をすることは重要である」と思っている人(「とてもそう思う」63.5 %、「そう思う」26.7 % の合計) は、90.2%とほとんどの人が重要であると思っている。また、「家族と一緒に食事をする時間を作るのが難しい」と思わない人(「全くそう思わない」39.2%及び「あまりそう思わない」25.3%の合計)は、64.5%である。また、家族と食事をするために「スケジュールを調整することができると思う」と57.0%の者が回答しているにもかかわらず、家族と一緒に食事をするために「スケジュールを調整しようと思う」と回答した者は、39.4%にとどまっている(図表-32)。

図表-32 家族と一緒に食事をすることについての態度

▲CSVファイル(1KB)

(3)職場の環境と家族との食事

○ 残業や休日出勤が多い人では、毎日家族と一緒に食べる人の割合が、朝食でも夕食でも少ない

職場の環境と食事を家族と一緒に食べる頻度との関係をみると、「残業や休日出勤が多い」に「当てはまる」と回答した者では、朝食をほとんど毎日家族と一緒に食べる者の割合は、42.1%、「当てはまらない」と回答した者では、朝食をほとんど毎日家族と一緒に食べる者の割合は、61.5%である。また、夕食では、「残業や休日出勤が多い」に「当てはまる」と回答した者では、夕食をほとんど毎日家族と一緒に食べる者の割合は、51.6%、「当てはまらない」と回答した者では、夕食をほとんど毎日家族と一緒に食べる者の割合は、78.6%である。朝食においても、夕食においても、残業や休日出勤が多い人ほど、家族と一緒に食事をする機会が少ない(図表-33)。

図表-33 職場の環境と家族との食事の頻度

▲CSVファイル(1KB)

(4)地域とのつながり

○ 「近所付き合いや地域の人々のつながりは大切だ」と思う人は、約9割、「近所付き合いなど地域の人々と行き来がある」人は、約7割

住んでいる地域や地域とのつながりについてみると、「近所付き合いや地域の人々とのつながりは大切だ」と思う人の割合は、91.8%(「当てはまる」71.4%及び「どちらかといえば当てはまる」20.4%の合計)、「近所付き合いや地域のイベントなど、地域の人々とつながっている感じがある」と感じている人の割合は64.9%(「当てはまる」39.3%及び「どちらかといえば当てはまる」25.6%の合計)である。

一方、「近所付き合いなど地域の人々と行き来がある」人の割合は、69.9%(「よくしている」36.2 % 及び「たまにしている」33.7%の合計)である。

「地域で行われる取組やイベント(食に関するものに限らない)に参加している」人の割合は、46.4%(「よくしている」20.4%及び「たまにしている」26.1%の合計)である。

また、「食をテーマにした取組やイベントが活発な地域だ」と思っている人の割合は、20.3%(「当てはまる」8.4%及び「どちらかといえば当てはまる」11.9%の合計)である(図表-34)。

図表-34 住んでいる地域とのつながり

▲CSVファイル(1KB)

○ 「ほとんど毎日」1日のすべての食事を一人で食べている人は、70歳以上の女性が最も多く約2割

「1日のすべての食事を一人で食べる」頻度について、「ほとんど毎日」と回答した人の割合は7.1%であり、性・年齢別にみると、70歳以上の女性で19.9%、次いで70歳以上の男性8.6%、60~69歳の女性8.6%である(図表-35)。

図表-35 1日のすべての食事を一人で食べる頻度

▲CSVファイル(2KB)

なお、単身世帯の割合は、70歳以上の女性において21.4%と最も高い(図表-36)。

図表-36 同居している人数

▲CSVファイル(2KB)

○ 地域とのつながりが少ない人では、ほとんど毎日1日のすべての食事を一人で食べている人の割合が高い

「地域とのつながり」と「1日のすべての食事を一人で食べる頻度」との関連をみると、「近所付き合いや地域の人々とのつながりは大切だと思う」、「近所付き合いや地域のイベントなど、地域の人々とつながっている感じがある」について「当てはまらない」と回答した人は、「当てはまる」と回答した人と比べ、「ほとんど毎日」1日のすべての食事を一人で食べている人の割合が高い。

「近所付き合いなど地域の人々との行き来がある」、「地域で行われる取組やイベントに参加している」について、「全くしていない」と回答した人は、「よくしている」と回答した人と比べ、「ほとんど毎日」1日のすべての食事を一人で食べている人の割合が高い(図表-37)。

図表-37 「地域とのつながり」と「1日のすべての食事を一人で食べる頻度」

▲CSVファイル(2KB)


▲このページの上へ

-
目次 | 前の項目に戻る | 次の項目へ進む