| 第1部 男女共同参画社会の形成の状況 |
第1章 政策・方針決定過程への女性の参画
1 政治分野における女性の参画状況
(政治の分野は男性が優遇されているという意識が強い)
内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査」(平成12年)によると,政治の場において男女の地位が平等になっていると思うかどうかについて,「男性の方が非常に優遇されている」,「どちらかといえば男性の方が優遇されている」とする者が全体の7割にも達しており,男性が優遇されているとの意識が国民の間には強いことがうかがえる。
(立候補者,当選者に占める女性割合は増加)
第1図 衆議院立候補者,当選者に占める女性の割合の推移
(国家公務員採用者に占める女性の割合は増加)
(着実に増加する国の審議会等における女性委員の割合)
(女性の参画の程度にばらつきのある地方議会)
(HDI値,GDI値に比べて低い我が国のGEM値)
国政選挙における立候補者及び当選者に占める女性の割合をみると,衆議院では昭和35年(第29回選挙)以降,立候補者に占める女性の割合が当選者に占める割合を上回っており,立候補者,当選者ともに増加傾向にある。特に,平成12年6月の選挙では,立候補者の14.4%,当選者の7.3%を女性が占め,8年10月の立候補者10.2%,当選者4.6%から大きく増加している(第1図)。
また参議院では,昭和58年(第13回選挙)以降,立候補者に占める女性の割合が大きく増加しており,平成10年7月の選挙では,立候補者の23.2%,当選者の15.9%を女性が占めている(第2図)。
国家公務員採用T種試験,U種試験及びV種試験の採用者に占める女性の割合は,長期的に見ると,V種,U種,T種の順で女性の割合が高く,いずれも増加傾向にある。昭和51年度と最新の値(平成13年度採用予定者)を比べると,T種は2.2%から15.4%,U種は10.7%から24.3%,V種は25.8%から34.9%と伸びている。
国の審議会等における女性委員の登用の促進について,政府は,平成8年5月の男女共同参画推進本部決定による「平成12年(西暦2000年)度末までのできるだけ早い時期に20%を達成する」という当面の目標に向けて取組を進めてきたが,期限より1年早く目標を達成した実績を踏まえ,12年8月,男女共同参画推進本部は,国の審議会等における女性委員登用の当面の目標値として,「平成17年(西暦2005年)度末までのできるだけ早い時期に」「30%を達成する」と決定したところである。
平成12年9月30日現在の国の審議会等における女性委員の割合は20.9%となっている(第3図)。
都道府県議会,市議会,町村議会,特別区議会の女性議員の割合をみると,平成12年末時点で,女性議員の割合が最も高い区議会では19.7%,政令指定都市の市議会は14.3%,市議会全体は9.8%,町村議会は4.2%となっており,都市部で高く郡部で低い傾向にあることがうかがわれる。なお,女性議員が1人もいない議会数をみると,都道府県で3(6.4%),市区で73(10.5%),町村で1,436(56.1%)となっている(11年6月現在)。
昭和51年からの推移をみると,いずれの議会でも女性議員の割合は増加傾向にあり,平成に入ってからの伸びが大きいが,特に,平成11年4月の統一地方選挙における女性の躍進を反映し,11年末時点での女性議員の割合の増加が著しい(第4図)。
HDI(人間開発指数)値,GDI(ジェンダー開発指数)値,GEM(ジェンダー・エンパワーメント指数)値について,HDI上位20か国の平均と日本(2000年においては,HDI174か国中9位,GDI143か国中9位,GEM70か国中41位)を比べてみると,日本はHDI値,GDI値については平均を若干上回っているものの,GEM値については,平均0.668に対して0.490と大きく下回っている。
GEMを算出するに当たって用いる構成要素のうち,「国会議員に占める女性の割合」,「行政職及び管理職に占める女性の割合」,「専門職及び技術職に占める女性の割合」に注目し,それぞれの要素についてGEM値が測定可能な70か国を順に10か国ごとにグループ化し,それぞれのグループの平均と日本(第41位)を比べてみると,日本は,GEM上位国に比べて,「国会の議席数に占める女性の割合」及び「行政職及び管理職に占める女性の割合」が低く,GEM順位の近い諸国と比べても「行政職及び管理職に占める女性の割合」が著しく低いことがわかる。
(注)
HDI 人間開発指数(Human Development Index)
基本的な人間の能力がどこまで伸びたかを測るもので,基礎となる「長寿を全うできる健康的な生活」,「知識」及び「人並みの生活水準」の3つの側面の達成度の複合指数である。具体的には,平均寿命,教育水準(成人識字率と就学率),調整済み一人当たり国民所得を用いて算出している。
GDI ジェンダー開発指数(Gender-Related Development Index)
HDIと同じく基本的能力の達成度を測定するものであるが,その際,女性と男性の間でみられる達成度の不平等に注目したもの。
HDIと同様に平均寿命,教育水準,国民所得を用いつつ,これらにおける男女間格差ペナルティーを割り引くことにより算出しており,「ジェンダーの不平等を調整したHDI」と位置付けることができる。
なお,「ジェンダー」とは社会的・文化的に形成された性別。生物学的な性別であるセックスと区別して用いられる。
GEM ジェンダー・エンパワーメント指数(Gender Empowerment Measure)
女性が積極的に経済界や政治生活に参加し,意思決定に参加できるかどうかを測るもの。HDIが人間の能力の拡大に焦点を当てているのに対して,GEMは,そのような能力を活用し,人生のあらゆる機会を活用できるかどうかに焦点を当てている。
具体的には,女性の所得,専門職・技術職に占める女性の割合,行政職・管理職に占める女性の割合,国会議員に占める女性の割合を用いて算出している。
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