(変貌する,家族をめぐる状況)
平成11年の我が国の出生数は,前年の120万3千人より2万5千人減少し,史上最低の117万8千人を記録した。
また,合計特殊出生率(その年における女性の各年齢ごとの出生率を合計したもの)は,昭和40年代はほぼ2.1台で推移していたが,50年に2.00を下回ってから低下を続け,平成11年は前年の1.38を更に下回り,史上最低の1.34となった。
生涯未婚率(50歳時の未婚率)は,男女とも昭和35年頃から従来の2%未満から急激に上昇し,平成7年には,女性5.12%,男性9.13%となっており,特に男性の生涯未婚率は急激に高まっている。
さらに,離婚件数は,昭和39年以降毎年増加し,46年には初めて10万件を超えた。その後も増加を続け,58年をピークに減少に転じたが,平成3年から再び増加している。平成11年の離婚件数は25万529件,離婚率は2.00であり,ともに統計史上最高となっている。
世帯人員別の世帯数の構成割合の推移をみると,1人世帯が昭和50年の18.2%から平成11年の23.6%,2人世帯が昭和50年の15.4%から平成11年の25.7%と,2人以下の世帯が約半数を占めている。
夫(非農林業雇用労働者)と妻の就業状態別に世帯数の推移をみると,妻が65歳未満の典型的一般世帯に占める「夫婦がともに非農林業雇用労働者」である世帯の割合は,昭和60年の29.2%から平成12年の37.7%へと8.5ポイント増加している。
(精神的な面での役割が求められている,家庭の役割)
(依然として根強く残る固定的役割分担意識)
(30〜40歳代女性は就業継続型を支持)
(男性の参画への期待が高い「親の介護」)
(外部サービスの利用の意向が強い高齢者介護)
少子・高齢化が急速に進展する中,21世紀の我が国は女性が社会のあらゆる分野に参画することを前提とした社会システムが必要となる。仕事と子育ての両立の負担を軽減するための取組を政府を挙げて進めることは,我が国にとって,重要かつ喫緊の課題となっている。
(男女で年代層が異なる,社会的活動への参加状況)
(ボランティア活動促進のための課題)
平成12年の内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査」をみると,家庭のもつ役割について,「経済的に安定する」,「社会的に認められる」と答えた者が2〜3割程度であるのに対し,約8割の者が「精神的安らぎの場が得られる」と答えたほか,「子どもを生み育てることにより,生きがいが得られる」,「お互いに高め合うことができ,人間として成長できる」と答えた者の割合も比較的高くなっている。こうしたことから,家庭に対して,配偶者に対する依存等を前提とした経済的あるいは社会的な面での役割よりも,個々の自立を前提とした上で精神的な面での役割を求める者が多いことがうかがわれる(第9図)。
「男は仕事,女は家庭」という考え方について,同感する方か否かについては,「同感しない方」と答えた者の割合は,昭和62年(26.9%)と平成12年(48.3%)を比べると増加しているが,7年(48.0%)と12年(48.3%)においては変化があまり見られず,性別による固定的な役割分担意識は,長期的には解消される方向にあるものの,依然として未だ根強く残っている状況にある(第10図)。
また,性別に見ると,「同感しない方」と答えた者が,女性で53.5%,男性で41.9%と,女性の方が高くなっている。年齢階級別にみると,女性の30歳代,40歳代で「同感しない方」と答えた者の割合が高く6割を超えているほか,女性の20歳代,50歳代も6割弱の者が「同感しない方」と答えている。男性では20歳代,30歳代で「同感しない方」と答えた者の割合が高く5割を超えている。
一方,「同感する」と答えた者の割合は,女性の70歳以上,男性の60歳代及び70歳以上で高くなっている。
女性が職業をもつことについてどう考えるかについては,平成12年においては,「子どもができたら職業をやめ,大きくなったら再び職業をもつ方がよい」と答えた者(以下「再就職型」という。)の割合が,37.6%と最も大きく,「子どもができてもずっと職業を続ける方がよい」と答えた者(以下「就業継続型」という。)の割合(33.1%)を上回っている。
性別にみると,再就職型の割合は,女性で39.8%,男性で35.0%,就業継続型の割合は,女性で34.4%,男性で31.5%と,いずれも女性の方が高くなっている。
年齢階級別にみると,女性では,20歳代から40歳代までは,再就職型が減少し,就業継続型が増加する傾向にあり,40歳代では,就業継続型(40.2%)が再就職型(38.1%)を上回っている。50歳代以降は,再就職型が増加し,就業継続型が減少している。30歳代から40歳代にかけて,就業継続型が増加傾向にあるが,これは,育児により仕事をやめた,あるいは育児の壁と奮闘しながら実際に仕事を継続している30歳代から40歳代の女性が,再就職の難しさを反映して就業継続のメリットを実感することによるものと考えられる。
なお,男性では30歳代と50歳代で就業継続型が再就職型を上回っている(第11図)。
「家事」,「子育てや教育」,「介護」などの家庭における役割について,男性がどの程度関わるべきだと思うかについては,平成12年においては,5年の調査結果と比較すると,「家事」,「子育てや教育」,「介護」のいずれも「関わるべきだ」と答えた者の割合がわずかながら上昇している。
分野別にみると,「家事」については男性が関わるべきものとしての認識が低い。一方,「親の介護」については関わるべきものと答えた者の割合が最も高く93.2%となっており,「積極的に」関わるべきものと答えた者も45.1%となっている。これまで介護は家族の中で女性によって担われてきた面が大きいといえるが,少子・高齢化や核家族化等が進展する中で,介護を専ら女性が担うことには限界があり,男性の介護への参画が今まで以上に求められている状況にあることがうかがわれる(第12図)。
また,家庭生活に関連した外部のサービスを利用したいと思うか,それとも家族の手で行いたいと思うか聞いたところ,「高齢者介護」で61.5%,「子どもの育児・保育」で36.0%,「家事」で16.2%の者が「外部のサービスを利用したい」と答えており,いずれも平成4年の調査結果と比較して「外部のサービスを利用したい」と答えた者の割合が増加している。特に「高齢者介護」は4年の33.9%から12年の61.5%へと約2倍となっている。性別にみると,「家事」,「子どもの育児・保育」,「高齢者介護」のいずれについても女性の方が「外部のサービスを利用したい」と答えた者の割合が大きい。
女性の労働力率がいずれの年齢層でも上昇する中,家庭生活関連サービス全般へのニーズが高まっていること,とりわけ介護については,これまで家族の中で女性によって担われてきたところが大きいといえるが,介護保険制度の導入等を背景として,外部のサービスの利用を希望する者が増加していることがうかがえる(第13図)。
ボランティア活動を始めとする社会的活動は,社会を支えていく重要な活動であり,近年関心も高まっているが,こうした活動に男女とも関心に応じて参加できるような環境整備を図ることが重要である。15歳以上の男女がこうした社会的活動を過去1年間に行った者の割合は,女性28.1%,男性25.7%と女性の方がやや高い。有業者、無業者別に見ると,女性は有業者30.3%,無業者25.6%であり,男性は有業者27.7%,無業者18.1%である。
社会的活動の行動者率を年齢階級別にみると,中心となる年齢層は男女で異なっており,女性は30歳代後半及び40歳代が中心となっているのに対し,男性は60歳代の参加率が高くなっている(第14図)。
ボランティア活動の経験者は,男女とも,参加希望のある層の半数程度にとどまっている。ボランティア活動をしていない理由としては,男女とも「忙しくて時間がないから」が最も多く,次いで,「簡単に気楽にやれるものがないから」,「情報を得られないから」等を挙げる者が多い(第15図)。
また,ボランティア活動についての国や地方公共団体に対する要望をみても,「活動に関するいろいろな情報をもっと提供する」,「ボランティア活動を学校において重視する」,「活動のための休暇・休職制度の普及を促進させる」等を挙げる者の割合が高くなっている。
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