第8章 男女共同参画を推進する教育・学習

(学校種類別進学率の推移)
 学校種類別の男女の進学率をみると,女性の高等学校等(通信制課程への進学者を除く。)への進学率は平成12年度では96.8%となっており,男性の95.0%を上回っている。
 平成12年度の高等教育機関への進学率についてみると,男性の大学(学部)への進学率は47.5%である。一方,女性は大学(学部)と短期大学(本科)を合わせて48.7%となるが,この内訳をみると,大学(学部)が31.5%,短期大学(本科)が17.2%である。女子の大学(学部)への進学率は近年上昇傾向にある一方で,短期大学への進学率は近年低下傾向にある。

(上位の職に少ない女性教員の割合)
 初等中等教育について女性教員の割合をみると,小学校では6割を占めているが,中学校,高等学校と段階が上がるにつれて低くなっており,また,校長及び教頭に占める女性の割合は,近年上昇しているものの教諭に比べて全般的に低い。
 高等教育機関でも,女性教員の割合は短期大学で4割を超えているが,大学では1割台にとどまっており,特に教授,学長に占める女性の割合は低くなっている(第25図)。

第25図 本務教員総数に占める女性の割合

(活発な女性の学習活動)
 男女共同参画社会を実現していくためには,生涯にわたり多様な学習機会が確保され,学習の成果が適切に評価される,生涯学習社会の形成を促進していくことが重要である。
 生涯学習の一つの例として,教育委員会及び社会教育施設が開設する学級・講座等の受講者数を文部科学省「社会教育調査」(平成11年度)でみると,主に女性により利用されている女性教育施設で女性の受講者数(20.3万人)が男性(1.5万人)の14倍に上っていることを別としても,教育委員会,公民館,青少年教育施設のいずれでも受講者数は女性が男性の2倍前後になっている。
 また,夜間大学院の学生数の推移を見ても,平成12年の夜間大学院の学生数は,女性で843人,男性で1,222人と男性の学生数が女性の学生数を上回っているが,女性についても12年の学生数は2年の学生数のおよそ14倍と大幅な増加がみられる。

(男女で異なる生涯学習を行う目的)
 次に,生涯学習をしてみたい理由を男女別にみると,女性の割合が男性より多いものは,「趣味を豊かにするため」(6.6ポイント差),「他の人との親睦を深めたり,友人を得るため」(11ポイント差),「老後の人生を有意義にするため」(10.6ポイント差),「自由時間を有効に活用するため」(5.9ポイント差)「家庭・日常生活や地域をよりよくするため」(8.1ポイント差)などであり,逆に男性の方が女性より多いものは,「高度な専門的知識を身につけるため」(8.6ポイント差),「現在の仕事や就職・転職に役立てるため」(8.9ポイント差)などである(第26図)。

第26図 生涯学習をしてみたい理由

 また,生涯学習を通じて身につけた知識・技能や経験をどのように活かしているかについては,「自分の人生がより豊かになっている」(13.7ポイント差),「日常の生活や地域での活動に活かしている」(8.1ポイント差)などで女性が男性を上回っている一方,「仕事や就職の上で活かしている」(14.5ポイント差),「その知識・技能や経験を土台にして,さらに広く,深い知識・技術を身につけるよう努めている」(6.3ポイント差)などで男性が女性を上回っている(第27図)。

第27図 生涯学習の成果の活用状況

 生涯学習社会の構築は,女性も男性も生涯のいつでも自由に学習機会を選択して学ぶことができその成果が適切に評価されるという点で,男女共同参画社会の形成と密接に関連する。しかしながら,これまでのところ,生涯学習をしてみたい理由や生涯学習の成果の活用については男女に違いが見られる状況にあるが,この背景には性別による固定的役割分担の意識や実態も影響していると考えられる。男女共同参画社会の形成に向けて,今後は,女性が生涯学習によって高度な専門的知識を習得し,その成果を職業にいかし,あるいは,男性が職場においてのみならず,自分の人生をより豊かにしたり日常の生活や地域での活動にその成果をいかすなどにより,生涯学習の成果が男女を問わず様々な分野で活用され,あらゆる領域での男女共同参画が進むことが期待される。


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