児童ポルノ排除対策推進協議会(第6回)議事概要

日時:平成27年11月27日(金)14:15~15:15
場所:東京都千代田区平河町2-4-1 都市センターホテル706
出席者:関係府省庁、教育関係団体、医療・福祉関係団体、事業者団体、NPO等の団体等の代表者等51名

概要:たかとり内閣府副大臣挨拶

  • 深刻化する児童ポルノの問題に対処するため、平成25年5月、「第二次児童ポルノ排除総合対策」を策定した。
  • しかし、我が国における児童ポルノをめぐる問題は、昨年、送致件数、送致人員及び新たに特定された被害児童数が過去最多となるなど、極めて憂慮すべき状況となっている。
  • こうした情勢の中、昨年6月に議員立法により「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」が一部改正され、本年7月から自己の性的好奇心を満たす目的での児童ポルノの所持に関する罰則を適用しているほか、社会全体に対して積極的な広報啓発を行うなど、児童ポルノ排除対策を一層強化している。
  • 児童ポルノは、児童の性的搾取・性的虐待の記録であり、児童の権利を著しく踏みにじるものである。この問題を解決していくためには、関係機関・団体が一致協力をして、児童ポルノ根絶に向け取り組むことが必要不可欠である。

議事 議長:安田内閣府大臣官房審議官

1 規約改正(案)について

  • スポーツ庁の発足により、文部科学省の組織改編が行われたため、構成機関の名称が「文部科学省スポーツ・青少年局」から、「文部科学省生涯学習政策局」に変更された。

→ 満場一致で規約改正(案)を承認

2 役員改正(案)について

  • 会長は本年10月に就任したたかとり内閣府副大臣に変更している。
  • 副会長について、本年、公益社団法人日本PTA全国協議会会長に、寺本充様が御就任されたことから、協議会の副会長として提案する。

→ 満場一致で役員改正(案)を承認

3 取組状況等について

(1)事務局説明

【平成27年上半期における児童ポルノ事犯の情勢】
 暫定値ではあるが、平成27年上半期における児童ポルノ事件の送致件数、送致人員は831件、659人。また、児童ポルノ事犯を通じて新たに特定された被害児童数は383人であり、いずれも過去最多となっている。
 新たに特定された被害児童のうち小学生以下は60人。その半数が強姦・強制わいせつの手段により児童ポルノを製造されている。
 児童ポルノの製造手段で最も多いものは、いわゆる自画撮りによる製造。全体の約4割を占め、156人。そのうちアクセス手段にスマートフォン等を使用した児童は118人に上り、近年の大きな特徴となっている。

【政府における取組概要】
  • 児童ポルノの排除に向けた国民運動の推進として、児童ポルノ排除対策推進協議会総会及び公開シンポジウムを開催した。
  • 被害防止対策の推進として、非行防止教室、ケータイモラルキャラバン隊等の啓発事業において、青少年のインターネットの適切な利用について啓発活動を推進したほか、多くの青少年が初めてスマートフォン等を手にする春の卒業・進学・新入学の時期に合わせて、「春のあんしんネット・新学期一斉行動」として、集中的にフィルタリング等の普及啓発活動を実施した。
    さらに、保護者に対する普及啓発を強化するために保護者向けの啓発パンフレットを作成・配布したほか、全国6か所で「青少年のインターネット利用環境づくりフォーラム」を開催した。
  • インターネット上の児童ポルノ画像の流通・閲覧防止対策の推進として、平成23年4月から児童ポルノ画像のブロッキングが開始されており、本年11月27日現在、インターネットサービスプロバイダ56社に対して、児童ポルノ掲載アドレスリストが提供され、ブロッキング措置が講じられている。
    また、平成25年度までの3年間に実施した精度の高いブロッキングについての実証実験の成果を活用して、ISPへのブロッキング導入に関する普及啓発を行っている。
  • 被害児童の早期発見・支援活動の推進として、警察庁では、児童が援助交際を求める等のインターネット上の不適切な書き込みを「サイバーパトロール」によって発見し、書き込みを行った児童と接触して直接注意・指導する「サイバー補導」を全国で実施している。
    また、スクールカウンセラー等を公立小中学校に配置するほか、スクールソーシャルワーカーを都道府県・指定都市・中核市に配置するなど、相談体制の充実強化に努めている。
  • 児童ポルノ事犯の取締りの強化として、低年齢児童ポルノ愛好者グループによる事犯など、悪質な事犯に対する取締りを強化している。
    また、昨年6月に児童買春・児童ポルノ禁止法が改正され、盗撮による児童ポルノ製造罪等の罰則が新設されたが、これらを積極的に適用している。
  • 諸外国との協力体制の構築と国際連携の強化等として、「オンラインの児童の性的搾取に対する世界的連携の設立のための閣僚会合」の参加国として、日本における取組結果及び取組事項を取りまとめ、欧州委員会に提出しているほか、関係国会合に出席して連携態勢を強化している。
    また、東南アジア各国の捜査機関と捜査官会議を開催している。
  • 政府が行ってきた取組については以上のとおりであるが、副大臣あいさつにあったとおり、児童ポルノをめぐる情勢は極めて憂慮すべき状況にあることから、今後も児童ポルノ禁止法及び第二次児童ポルノ排除総合対策に基づき、国民・事業者・関係団体等の連携の下、各府省庁において施策を推進していく。
    なお、総合対策については内容を見直し、新たな総合対策を策定するため準備に入ったところである。

(2)外務省総合外交政策局発表

【国際連合】
  • 国連では、児童の権利条約の選択議定書として、児童ポルノ・児童売買に関する選択議定書が2000年に採択されている。
    我が国は2002年に署名をして、2005年に批准しており、現在171か国が参加する極めて重要な条約である。
    条約の下、各国に定期的な政府報告が義務付けられており、その審査の結果を踏まえて勧告が出され、各国の取組を促進するシステムとなっている。
  • 国連総会、人権理事会において、児童ポルノの禁止等も含めた児童の権利に関する決議が採択されている。
  • 国連総会における本年の児童の権利に関する決議では、明示的に児童ポルノ等を予防、犯罪化し、訴追し、刑罰を科すという措置を各国に要求するものとなっている。
  • 人権理事会の決議では、児童ポルノに関して直接的に言及されているわけではないが、国連の人権システムの一つとして各国の人権状況を調査報告する特別報告者の制度について言及されている。児童売買・児童買春・児童ポルノ特別報告者については、先日日本に関する調査が実施された。
【各国主導のイニシアティブ】
  • オンラインの児童性的搾取に関して2つある。
  • 一つは米国主導の、「オンライン上の児童性的搾取に関する世界的連携」。2012年と2014年に閣僚級会合を開催しており、我が国も予防措置・保護措置等の取組に関する報告書を提出している。
  • もう一つはイギリス主導のもので、「世界オンライン児童性的搾取サミット」がある。
  • いずれの会議でもテクノロジーツールの共有、国際的な法執行の協力、刑事上の対応、被害者保護、企業の取組等々について議論が行われている。
【諸外国の規制】
  • G8諸国の中で最も厳しい対応をしているのはアメリカと言える。単純所持の量刑でもアメリカでは最大で10年、イギリスでは5年である。G8諸国中、ヨーロッパではイギリスが最も厳しい。
  • 取得、アクセス、広告、宣伝行為についてもアメリカ、イギリスが厳しい罰則を設けている。インターネット事業者の責任、義務違反等についても罰則の制度がある。また、韓国でもインターネット事業者の責任、義務違反については懲役罰を科している。
  • 漫画やCGなどについては、アメリカやイギリス、フランスでは罰則の対象。韓国もすでに対象に入れている。
【日本の現状について】
  • 過去の勧告や審査等において、国際社会からは、単純所持規制がないことに対する指摘が多くあった。
  • 先般訪日した児童売買・児童買春・児童ポルノ特別報告者には、サイバーパトロールの取組や官民協力の進展については非常に評価されている。他方で、児童ポルノ或いは児童買春といったものに寛容な社会であると言われ、予防措置や国境を越えた犯罪への対処、被害を受けた児童への対処、刑が軽い上に不処罰の状況が非常に多いといった様々な指摘を受けた。
  • 特別報告者による報告書は来年3月に国連に提出予定であり、同報告書を踏まえ、日本としての今後の取組を、関係各省やNGOの協力の下、考えていきたい。

(3)児童虐待防止全国ネットワーク発表

【ネットワークの取組】
  • 子供虐待のない社会の実現を目指している。虐待された子供が大人になり、様々な困難に遭遇せざるを得ない。また虐待によって命を失ったり、生涯に残る傷を負ったり、心の重大な傷も残されていく。何よりもこうした子供を守り、次の世代に繋いでいくことを目標としている。
  • 具体的な活動として、オレンジリボン運動という啓発活動をしている。虐待を知っていただき、気が付いた時には通報していただく。そして、児童虐待全体の理解を深め、広めていく。
  • もう一つはソーシャルアクションである。虐待防止のための制度を改善する。また虐待された子供の受皿となる施設や里親などの制度を充実する。これら二つの活動を両輪としている。
  • 児童福祉法の改正や児童虐待防止法の成立、民法の改正など、様々な目標が達成されてきたが、一向に虐待が減らず、むしろ深刻化しているのではないかという状況の下でオレンジリボン活動に継続的に取り組んでいる。
  • ネットワークには、全国1万2千人ほどの個人サポーターや320以上の支援団体があり、支援企業も共に活動をしていただいている。
  • 特に今月、11月は児童虐待防止推進月間であり、様々な活動が全国で展開されている。例えば、鎮魂集会では、虐待で命を落とした子供たちの冥福を祈り、虐待のない社会を築く決意を新たにしている。6月には児童虐待予防を目的としたオレンジリボン・フォーラムを開催した。特に今問題がなくても育児に困難を抱える、又はそういう恐れのある家庭を少しでも減らそうという趣旨のイベントである。
    その他ポスターコンテスト、啓発グッズの配布等も行っている。
    ユース活動では、高校生・大学生による活動を一緒に行い、次に親になる人たちに虐待について知ってもらうようにしている。
【虐待の防止と児童ポルノの排除】
  • 虐待は多くの場合、育児のストレスや育児の困難が原因で手がでる身体的虐待やネグレクト、心理的虐待となって現れる。要は育児ストレスをどう軽減させ、発生させないようにするか。もしそれが発見されたら即座に対応していくことで介入につなげていく。
    家庭内性暴力の場合はストレスというよりはむしろ故意に近い。当初からそれを目的にしているので、この対応はそのまま当てはまらない。むしろ刑事的な対応を含めた強制的な手段というものが有効になると思われる。
  • 一方で、子供に対する予防教育の重要性がある。虐待自体、特に性虐待に関して子供は声を上げられない。又は声を上げさせないように大人が仕組む。そのためになかなか予防・発見ができない。その中で、子供自身が被害に遭わないようにエンパワーメントをしていくことが大事ではないか。
  • 子供自身に自分たちには守られるべき人権があることをしっかり教え、自分の身が危なくなった時に大きな声でSOSを出し、身を守れるように教育することも大事だ。
  • 児童ポルノの事例として、男が長期間女の子を虐待しており、極度に男を恐れていたのに乗じて強姦し、脅迫して陰部等の肢体を自撮りさせて転送させたものがある。ここでの児童ポルノのきっかけは、やはり大人の子供に対する暴力であった。
  • そもそも家庭内性虐待というものがどういうものか。なかなか発見しにくいけれども、子供にとって生涯心の傷が残る大変重大な事柄ということを我々はもっと真摯に受け止めるべきではないか。
  • 父親又は同居している男が女の子に対して性暴力を振るっている時に、見て見ぬふりをする母親は明らかにネグレクトになる。これもまた児童ポルノに繋がっていくと考えれば、児童虐待の防止活動というのは、こうした児童ポルノ排除にも十分繋げることができる。
  • 今後は、オレンジリボン運動としても、性虐待に焦点を当てた啓発活動を考えていかなければならないし、法規制や刑事介入の強化が必要であればそれに関連するソーシャルアクションの必要もあると思う。
  • 近年、性虐待・性暴力に対する新たな動向として、子供の心理的負担を軽減するために、厚生労働省や警察庁、法務省では性虐待を受けた子供に対する事実確認を協同して行い、1回で済ませようという動きが出ている。
  • また、法制審議会の性犯罪部会では、現に監護する者がその影響力を利用して性行為を行うという事柄に対して、新たな犯罪類型を設けるというようなことが審議されているようである。
  • 先日の日本子ども虐待防止学会の発表のテーマを見ると、かなり性虐待関連のテーマが増えており、我が国でも性虐待への取組が本格してきた気がする。その意識を一般の方まで広げていくことが大事。
  • 高松高等検察庁の刑事部長の話の中で、検察が起訴するかどうかという点において、親に対して条件付けを行い、条件が守られないと起訴猶予を取り消すとか、或いは有罪となったとしても保護観察処分の中で条件付けをするなど、虐待する親の改善の動機づけのために刑事手続きを利用するという動きが紹介された。今後有効性が確認されれば、さらに刑事分野での対応が広がっていくのではないか。
  • 刑事的対応だけではなく、福祉的対応、学校における取組、その他様々な分野での全体の底上げが必要と考えている。

4 活動方針(案)について

  • 今までの御説明のとおり、児童ポルノに係る厳しい情勢を踏まえ、四つの基本方針は従前どおり、「児童ポルノ排除に向けた国民運動の推進」「被害防止対策の推進」「インターネット上の児童ポルノ画像等の流通・閲覧防止対策の推進」「被害児童の早期発見及び支援活動の推進」とすることを提案する。

→ 満場一致で活動方針(案)を承認

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