総合科学技術会議 科学技術システム改革専門調査会

産学官連携プロジェクト第4回会合議事要旨(案)

 

 

1.日時: 平成13年9月26日(水)15:00〜17:00

2.場所: 虎ノ門パストラル新館5F 桔梗の間

3.出席者:

           佐々木 元     日本電気株式会社代表取締役会長 (当プロジェクト座長)

 

尾身 幸次   科学技術政策担当大臣

仲道 俊哉   大臣政務官

 

桑原  洋       総合科学技術会議議員

白川 英樹                     

前田勝之助                   同   (科学技術システム改革専門調査会 会長)

 

青木 昌彦        スタンフォード大学教授

阿部 博之        東北大学長   (当プロジェクト座長代理)

安西 祐一郎    慶応義塾塾長

生駒 俊明     日本テキサス・インスツルメンツ株式会社代表取締役社長

笠見 昭信     株式会社東芝監査役

岸   輝雄        独立行政法人物質・材料研究機構理事長

瀬谷 博道        旭硝子株式会社代表取締役会長

堀場 雅夫        堀場製作所取締役会長

松尾  稔           名古屋大学長

山下 義通     株式会社21世紀産業戦略研究所代表取締役社長

山本 貴史     株式会社先端科学技術インキュベーションセンター代表取締役社長

 

4.議題:

l                  米国の産学官連携の状況について

l                  産学官連携の具体的方策について

l                  第3回産学官連携プロジェクト議事要旨について

 

5.議事要旨

 

(1)米国の産学官連携の状況について

(資料1について事務局より説明.。)

 

大臣

米国では大変勉強になった。ほかに予定していたハーバードとケンブリッジには同時多発テロの関係でいけなくなって残念だった。一番印象に残っていることは、大学の姿勢が基本的に違っていること。企業と協力をし、企業の要請を受けて研究開発をし、それで資金を獲得すると同時に、現実のニーズにあった研究をすることによって大学の研究の資質を高めようというのが大学の基本的なスタンスとなっている。もう一つは、大学の学術的研究の基本を崩さずに企業側との研究協力をするということがしっかりしている。ドクターコースで論文を書けるような研究についてはドクターコースの学生を使って企業側の要請を受けて研究するが、そこに至らないものについては共同研究の分類には入れないということがはっきりしている。共同研究に入れない場合には、技術指導、コンサルティングとして扱っており、教授が1週間のうち4日は仕事をして、あと1日はアドバイザーという形で報酬を得て技術指導、研究指導をすることができるということになっている。この1週間に1日の技術指導等は大学の外で企業の事務所、研究所等で行うことになっている。学問の体系と研究協力の体系と企業に対する技術指導の3つをきちんと峻別しているというのが印象的だった。

もう一つは特許の問題。MITの話では、企業から委託を受けて研究した場合に、特許権は大学に属する。企業に対して非独占的実施権を与えるが、企業の要請により独占的実施権を与えるときにはfeeを求めることになっている。大学の中でやる研究と、大学の外でやる研究について、どこまではいい、どこからはだめという頭の整理がしっかりしている。

リタ・ネルソンというTLOの責任者には東京にもお呼びして話を聞きたいと思っている。自分が印象に残ったのは以上である。これが一部の大学の例であり全ての大学に当てはまるものではないが、非常に有益な参考例になると思う。

大学の収入源の確保という意味と大学の水準を上げるという意味の両面から、大学において産学官連携について極めて積極的だということがいえる。このため、ILPという形でグループ作りをしていてそこをチャネルにしてそのメンバーに入ったところには便宜を図るという形態をとっていて、非常に大学側の姿勢が前向きだった。

 

 

ILPについては、20年位前に訪問して、全く同じような経験をしたが、日本で同じことをやろうとした場合には障害がある。大学の公共性と私企業へのサービスについてどう妥協させるかが難しいが、ILPのパンフレッドなどにはそこのところをうまく述べている。しかし実際は、ある教授に直接会いたいと申し込んでも会えない場合でも、ILPを通すとうまく話が進むということがあり、内部はもっとどろどろしている。日本とアメリカで大学の姿勢が違うということは全くそのとおり。TIとしては3つの大学(MIT、ライス大学、テキサス大学)に8億円から9億円寄付をして会社の名前が入ったラボを作っている。大学の先生の姿勢が違っていて、例えば、報告書についても、研究成果はこういうものだという報告書ではなく、TIは自分たちの研究をこういう風に使ったらいいという報告書がくる。これを東大にこのようなラボを寄附しようとしても、学科としてそういうものを受ける訳にはいかないという話になる。日本だと私企業の名前が入ったラボを作ると私企業に偏っているではないかという感覚になるかもしれないが、アメリカの大学ではそれができる。やっているところは公共性の高い部分をやっている。例えば、東大電子工学科がインテルのマイクロプロセッサラボを作るとしたら、日本の社会通念がアクセプトするかという点が大きな課題。

 

 

インプリケーションの部分、うまくまとめられていると思っている。ここに書いてあることについては100%正しいと思っているし、スタンフォードの例との関係でもコンシステントであり、今後の議論の出発点として使っていけばよいと思っている。3点ばかり細かいことを申し上げたい。

TLOの人材の問題、これは非常に重要である。従来の大学のスタッフだけで作っては無理だと思っている。産業界でもリストラということもあり中央研究所の人間をマーケティング等に配転したりして雇用を守っていることもないわけではないが、こういう産業界の人材を大学に吸収して、OSRとかTLOといった組織を受け皿として吸収し、大学のエクスパティーズと結合させることによって革新的なシステムを作っていくことが重要ではないかと思っている。そのためには、非公務員型を研究者だけに問わず職員にまで波及させることが必要だと思う。

大学が個性があるというのは非常に重要な点であり、報告にあるようにMITとメリーランドは違ったスタンスを持っている。この点に関連して心配しているのは、今、日本においてはTOP大学30を選ぶという話があるが、どういう基準で選ぶのであろうか。むしろ多様性を求めていくことが重要だと思っている。例えば医科大学を総合大学に吸収させるのではなく、医科大学は県を越えて医科大学どうしで統合してライフサイエンスの特性をもっていくといった形態も重要。

最後に8番目のところで大学院の問題がでている。システム改革の調査会でも申し上げてきているが、大学院の学生をどうやってサポートするかという点については、奨学金というよりもスポンサードリサーチの資金などを使って大学院生の授業料、生活費などが賄えるようにしていくことが重要。研究と教育と産業界のスポンサーシップを統合したような形で大学院の学生をサポートすることが重要だと思う。そのための、奨学金の制度や研究資金の使い方に関する規制緩和が必要。

 

 

3点ほど補足をさせていただく。

1点目は雇用の独立が重要だと考えている。スタンフォード大学のニルス・ライマースという方がいるが、スタンフォードでTLOを行って大成功して、その後MITに出向になってMITでTLOを作っている。リタ・ネルソンもニルス・ライマースが採用して育てていった人間である。MITでTLOを立ち上げたあと今度はUCバークレーやUCサンフランシスコで同じようにTLOをたちあげている。いずれも彼が採用した人間がダイレクターをしているという意味でスタンフォードモデルが全国に広がっている。

リタ・ネルソンも若いうちから採用されてノウハウを学んで生涯の仕事として技術移転をやっている。人事のローテーションがある中で大学の事務の方がTLOをやるのは到底できないと思っている。TLOは独立して民間の人の採用を行っている。専門性が高いということを考えると雇用の独立を確保していくことが重要である。私もニルス・ライマースにコンサルティングを受けて5年間やっているが、未だに学ぶことがあるというのが実態である。TLOのノウハウは共有されていくべきで、いいところを学んでいくことが重要かと思う。

3点目は、ILPも最初は産業界からのニーズで立ち上がっている。エクソンが、大学でやっている研究はよくわからないということで、もっと社会に開放された大学にしてほしいということでこのプログラムが始まった。米国大学で共同研究が始まったのはバイドールも一番のきっかけではあるが、TLOができてから。TLOとリエゾンはもともと別の話であるが、米国の大学はワンストップを目指している。日本の大学改革を考える上では、白いキャンパスから大学像を描くとすれば最初からこういった点も想定してデザインしていくのが重要な点だと思う。

 

(2)産学官連携の具体的方策について

(資料2−1、2−2について事務局より説明。資料2−3について山下委員より説明)

 

 

地域産業集積の視点からは、産学官連携のスタディを行う場合に地域ごとの特性を加味した連携が必要ではないか。国が一律に推進するのではなく、地方自治体のプランニング機能を重視した対応が必要ではないか。もう一つは地域需要に応じて研究テーマ、研究機能等があるべきであり、どこにいってもITとバイオではいけない。日本の地域ごとに特性のある産学官連携があるのではないか。

 

 

尾身大臣が言われたように大学の姿勢が一番重要。大学がその気になっていただかないといけない。周囲の人間が産学官連携といっているから多少半身になってやっているようではいけない。産学協同だと大学が産業界に教えてやる、自分は忙しいんだという精神状態が多い。産業界を馬鹿にしてもらっては困る。ものによると大学の研究よりも進んでいる場合もある。それを見せると急に態度が変わるケースがある。もう少し大学の方でも、国研も含めて産業界が何をやっているか調べていただいてイコールパートナーという形でないとうまくいかないのではないか。産学連携で大学側もエキサイトして新しい展開が行われていくことが必要であり、長い目で見れば、どちらかが一方的に得をする仕組みではいけない。産業界も考えるが大学側でもこの点をしっかり考えてほしい。

あと、先生は今おもしろいと思っていても、目鼻がつくと急に興味を失って、新しいテーマに移る。これはこれから正念場というときに、例えば歩留まりの問題とか特性の向上等についてはもっとやってほしいといっても、興味をなくしチャンピオンデータ1つで終わってしまい、頼りにならない場合が多い。

あと、納期管理の観念がない。今年一杯でやりたい仕事も、大学の先生に忙しいと言われてしまうとそれで終わってしまう。日本ではアメリカとやるように産学協同の契約ということがうまくできない。契約的な話をするとそんな難しい話はできないといって話が止まってしまう。大企業は相当なプレッシャーをかけて対応しているのかもしれないが、中堅・中小企業だと一方的にお願いする立場だが、これだとうまくいかない。

もう一方、大学の先生にとって企業はどういう格好で動き、どういう使命をもって、どういう苦しみをもってやっているのかという点について理解していただかないといけない。研究補助金も借入も資本の投資も一緒という認識。投資は端的には借金である。投資は、利益を出して、配当をしたり、株価を維持するという認識を持たず、借り入れも研究投資も補助金も一緒になっていて、金があるというように見られてしまうと企業としては成り立たない。基本的な経済原則を理解していただかないと、産学官連携に関して、産業界側からはすごくエネルギーが要るということを理解願いたい。

 

 

大学は大改造をしなければいけないことは感じている。大学は広い意味での社会貢献が必要であり、特許をとるだけのところではないが、現在の国内、海外の状況にかんがみて、雇用、新産業の創出に関する重要性の認識が各教官に非常に乏しく、反省すべき点である。大学の教官の研究は自分の興味からなされている。興味を失うとどこかへ行ってしまうので、金で引き止めるくらいしかない。基礎的な研究は引き続き重視する必要がある。それと同時に大学は社会的な存在として近未来的な社会への貢献を追及するということも必要である。今の時代は、一時的に後者に極端に振ってみてもいいのではないかと思っている。基礎研究の隠れ蓑、そういう点に産業界がご不満を持たれるのだと思う。

自分も25年前、MITで講義をしたが、そのようなことは分からず、基礎的な研究しかしていなかった。しかし今、日本の大学の場合は、産業界と一緒になってやっていかないといけない。今までは、教官と企業の個人的な協力関係がベースであった。窓口がなかったこともある。また、コンサルタントの会社にとって、大学の教官がただでコンサルタントをするからうまくいかないという問題もある。今度は、そういう点もきちんと整理していかなければいけない。

文科省からトップ30の話が出ているが、トップ30は、ここ3年程いろいろな形で検討してきた大学の改革に関する議論の中で、突然出てきた話。数がどれくらい意味を持つのかという点は非常に疑問だと個人的には思っている。実際に運用していく際に、分野をどのようにするのか、本当の意味での評価(事前審査)というのがきちんと行われていかないと結果的にうまくいかないと思う。大学間の競争が自然的に行われて、国公私立関係なくこの分野ではここが優れているというのが出てくるシステムを考えていかないといけない。

山下委員の御指摘に日本の大学は金がどれくらいかけているのかという話があった。名古屋大学の場合だと教育研究を合わせて300億円くらい。名古屋大学の場合、支出の決算レベルで約800億円、歳入の方も入れると1000億円を超える。先述300億円のうち、科学研究費などの外部資金は100億円くらい。

300億円のうち100億円は外部資金と申し上げたが、300億円のうち100億円は競争的資金であり、競争的資金は、国と外部からの資金。

 

 

 

今は、何をやるかというよりいかにしてやるかという状況。慶応の場合、産学協同のプロジェクトは合計100近く動いており、外に対しても毎年一度、東京国際フォーラムで産学連携のアピールのためのテクノモールをやっている。私立大学だからかも知れないが、産学連携の姿勢はできてきている。むしろ、これを実現していくためのインフラみたいな部分が重要だと思う。

先ほどの資料には、米国の一流の研究大学においてスタッフとファカルティに人数比が出ていなかった。恐らくスタッフが相当豊富にいる筈。ハーバードが18000人くらいのうち、2000人くらいがファカルティであったと思う。サポートをする人的インフラができており、プロフェッサーが研究に専念できる。スタッフが何故たくさん雇えるのかという点については、人件費等の資金の流通がスムーズであることや税制の問題、委託研究費を米国では学生の生活費にも使える等の点が大きい。

日本の大学には、アメリカ並に、産学連携をやっていく素地はあり、人的インフラ、資金の流通などインフラの面での障害をとりのぞいていくことが重要。

 

 

6年くらい前にあるシンポジウムにおいて安西先生と同じパネラーとなったが、そこで、産学官連携に関して考えている点が非常に近いと思った。安西先生は理工学部長を7年くらいやってこられて、日本的なやり方ではあるが、皆(教授他)のコンセンサスを得ながら随分大学をよくしてきた。大学のマネジメントが非常に重要であり、大学の工学部や理学部などの学部長が権限と任期をかなりもって方向性を出して大学を変えていき、産業界がサポートできるようにしていくことが重要。

米国も1984年位に、半導体分野で、SRC(Semiconductor Research Corporation) という組織を作った。こういうことがきっかけに産学連携が進んだ。特に大学院の学生もうまくかかわって世界的視野での競争を実感できる仕組みがなされてきている。日本でも、進んでいるところから新しいメカニズム(ルール)の中で新しい産学連携の成功事例を作っていき、それに参加した先生も企業も大学院の学生もゲインが大きいWin-Winの関係をつくっていくことが必要。全体の底上げは非常に大変なのでそういうやり方がいいのではないか。

国の研究プロジェクトについても産学が共同の責任(例えばコ・リーダ制)において推進していくというように、いくつかのプロジェクトで成功事例を作っていくことが重要。

 

 

4月から独立行政法人を運営する立場として申し上げると、産学官に関して非常にやりやすくなった。何故かというと、国家公務員ではあるが、組織を自由にできるようになった。また、定員がなくなったので雇用の自由度が増した。予算の使い方についても、費目の流用もできるようになり、旅費に困る国立研究所から脱皮できた。特に人の雇用が自由になったことは大きく、我々の機構でも産学展開室をこの10月から立ち上げたいと思う。他方、特許については毎年出している特許は、140〜150あるが、7000から8000万円くらいしか収入がなく、一桁上げていきたい。

このように、公務員型でも結構なことがやれると思っている。しかし、非常に微妙な表現の文章が多くて、何でもできると思っているのは自分だけで、研究者と事務は昔の考え方になっていて、昔のままがいいと押し切られることが多い。せっかく独立行政法人になったので、行政側もそのメリットを下にも浸透させていただくことをお願いしたいし、自分も努力する。但し、非公務員型ということですべて解決するかというと間違っていて、国の金を使う限りは制約があり、運用が非常に重要であるということを認識していただきたい。

 

 

資料2及び会議の位置づけが明確ではない。ここに書いてある議論の整理については、各委員の発言をまとめたものだと思うが、決して合意ではない。私も、ここに書いてあることの中に賛成しかねる部分がある。どこを押すと前に進むかという「ボタン」を見つける作業が必要。現状の悪い点を見つけて法律を改正しようというのは間違いだと思う。産学連携の全体像がこうあるべきだということを示し、現状とのギャップを分析して直すことが必要。全体として産学官連携はどこへいくのかというビジョンを見つけていくことが必要。

 

佐々木座長

今後のまとめ方にも関連した御意見が出たので、その点について申し上げる。ここの議論において、個別の法律の議論が先行するのは本末転倒。あるべき姿を実現する際にどこに阻害要因があるかという筋書きを作ることが必要。次回会合にはたたき台を示していきたいと思っている。11月19日の産学官連携サミットの場では目的指向を明確にしたアピールをしていきたいと思っている。

 

 

あるべき姿を議論する場ができると思ってよろしいか。

 

佐々木座長

11月19日まであと2、3回ある。意見を聞く段階は今回迄。次回以降はそのような内容のことを議論していただこうと考えている。

 

 

2点、これから議論すべき点としてあげておきたい。

日本の現状を見ると負けているものが多すぎる。この延長でよいとは思わない。産学官は、日本がいろいろな分野でトップになっていく手段として有効に使っていきたい。産業界も学界もそういう認識をしっかりもって研究テーマを選ぶべきであり、行政も、選択のポイントもそこにあてていくことが重要。2流の後追いでは仕方がない。

もう一つは、産学官連携の実際の遂行であるが、競争的な考えがあって発展していかねばならない。産側の方は、お金が国から大学等を経由して出て行くわけであるから、産業界が競って資金のサプライを受けようと競争をしようとしていくことが重要。大学側でも産業界をまわっていいテーマを見つけていくことが必要であるが、論文重視ではなく、論文は世界にない新しいものを作り出すということに原点があることを間違ってはいけない。

 

 

工学部一つをとってもフロントランナー的研究をやっている比率が大きいとはいえない。しかし、そういう人間がたくさんでてきているのは事実。はやりの研究の重箱の隅をつついている人間にだけ目をあてると間違うのではないか。研究に対する評価もきちんとしないと、亜流の産学連携となってしまう。

米国の視察の成果をよくまとめていただいた。今日出席の方々は米国を知っている方が多いが、今日的な点についてよくレポートしていただいた。ボーダーレス時代なので、米国は別だというのではいけない。米国の大学に対抗できる大学を作っていくだけでなく、産学連携のルールもボーダーレス時代に合わせて思い切って対処していくいい機会ではないかと思っている。ご報告をきっかけにして進めていただくことがいいのではないか。

 

 

この第1回目の会合だったと思うが、産学連携の問題について、長いこと議論してきている、やるべきことはわかっている、しかしどのように実行するかが問題であると多くの方々がいわれた。どうやって実行するんだという具体的なルールの整備、グランドデザインを産学連携についてもしっかりしていくことが重要。他省庁がいわれていることも参考にして実行のスケジュールができあがることが重要。システム改革専門調査会会長の立場からいっても、産学官連携の問題は、ほとんど大学のシステムの問題に直結するし、大学改革の議論につながると思っている。仕組み、制度についてはっきりした改革のスケジュールを作っていただきたいと思う。

最近国立大学の独立法人化が議論されているが、独立法人化すればこのようなルールが適用できるという先送り的な発言も聞かれる。そうではなくて、今すぐやれることがたくさんあるのではないか。今すぐにでもスタートしていこうという議論が残された会合において必要。また中途半端で議論を終わる必要はないが、できるだけ早くやる必要がある。

大学や産業界で意識改革ができるまで待っていてはいけない。先にレールを作り、すばらしい方だけでもレールに乗っていくことが重要。産学官の連携は、システム改革の突破口として国民も関心があるところだと思っているので、先にレールを作ることを期待する。

 

 

本来あるべき姿をはっきり示し、それがあって上記のような改革のスケジュールが実現できるという道筋だと思っている。

 

 

あるべきモデルを作る、それに向かってのタイムスケジュールを入れたアクションプランを作ることに尽きる。この委員会は事務局のロードとしてどうか。今回の資料2にあるような事務局のとりまとめは発言の議事録みたい。今のモデルやアクションプランを作っていかないといけない。

 

佐々木座長

今後、10月中旬に次回会合を予定しており、何をどういう形でいつまでにやるかということを取り扱って対応していきたい。利根川先生のご都合もあるので、2回ないし3回やってシステム改革のポイントになるアウトプットを作っていきたい。

 

(3)第3回会合の議事要旨の確認その他

 第3回会合議事要旨および本日の会議資料の公表につき了承。

 

大臣

具体的なあるべき姿をきちんと事務局と相談して出させていただいて、現状の制度・考え方を前提としないでベストな体制の原案を会合に出させていただきたい。

産学官の連携について、国立については資金的な手当てについて問題があるが、私立は独自の判断で対応できる。国立大学や公立大学における手かせ足かせの中で制度改革、意識改革が必要。大学改革についても、独立行政法人化するところで、制度として国際競争力のあるものとなるよう努力していきたい。国際競争力のある制度ができたら、そこから先、現実的にうまくできるかは個々の大学の問題となる。制度として競争力のあるものを考えていただきたい。

成功事例を出していくことが必要という議論もごもっとも。独立行政法人化は定着するのには時間がかかり、なかなかうまくいかないと思うが、そこまで行かないまでも当面どうしていくか、逡巡している時間はなく、現実的な対応をしていかなければならない。事例があれば、それに伴ってどこを直せばいいという話ができる。米国の件についてはショックや収穫もあったので、それも織り込んでレポートをまとめ、現実の政策に反映していきたい。日本の社会を競争力あるシステムにしていかねばならない。現状についての知識についても私自身不足している点があるのは否めないので、先生方のご意見を承りながら進めてまいりたい。

 

佐々木座長

次回会合の案内については、別途事務局より連絡。

以上