機関名 岡山理科大学
部署名 学外連携推進室(工学部および科学技術研究所)
リンク先 http://www.ous.ac.jp/

展示内容: 

(その1)鉄鋼スラグの活用によるCO2固定と、スラグ再資源化技術

 JFEスチール(株)と岡山理科大学は、製鉄所で副生する製鋼スラグとCO2を含む排ガスを原料にして、従来コンクリートブロックとは化学的性質や細孔の性状が大きく異なるブロック製造技術を共同開発した。適量の水を添加した製鋼スラグ成形体中にCO2を吹き込むことにより、大型ブロックの製造が可能である。この炭酸化固化体は、内部の気孔表面も含めて珊瑚や貝殻と同成分のCaCO3で覆われており、海中生物との親和性が良い。長期海中沈設試験の結果、海藻の付着・繁殖が確認されている。このようなことから、鉄鋼業における副生物のリサイクルにとどまらず、鉱物資源の有効利用、CO2削減による地球温暖化防止、海藻の繁殖による海洋環境の改善など、大きな効果が期待される。


<炭酸化ブロックによる海藻の付着繁殖状況>

(その2)微生物と植物による環境汚染物質の分解技術

 岡山理科大学は、鉄道総合技術研究所(JR総研)と共同研究により、PCBを高温(60℃)で高速に分解する微生物JF8株(バチルス属細菌)をバーク堆肥中より発見した。現在までに知られているPCB分解菌は30℃程度で分解が可能であったが、温度を高めることによって10倍程度の速度でPCBを分解することが可能になると考えられる。JF8株を用いることにより、PCBの早期分解除去が期待される。一方、ダイオキシンの前駆体であるクロロフェノールを分解する遺伝子を微生物中からクローニングし、タバコの染色体DNAに組み込むことに成功した。土壌中深くに存在するクロロフェノールを無害な物質へ変換することに期待される。


<PCBの分解過程>

 

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