展示内容:
東京大学医科学研究所は、ヒトゲノム解析の世界の中心であると同時に基礎研究と臨床の機能的な融合を実践している。展示ではバイオベンチャーの拠点としての医科学研究所の可能性をビデオで紹介し、5名の研究者のシーズをパネルで紹介する。
中村義一:試験管内人工進化法により標的分子に特異的 に結合して機能を阻害叉は促進するRNA分子(アプタマー)「物作り」を進めている。病因蛋白質や受容体に結合するアプタマーは診断薬や治療薬へ応用できる(図1)。
中村祐輔:ヒトゲノム解析センターでの研究成果を活用するため、オンコセラピー・サイエンス株式会社と連携して、ゲノム情報に基づき探索された新しい分子標的を活用し、より選択性が高く副作用が少ない抗癌剤の開発を進めている。
森本幾夫:CD26抗体、組換え可溶性CD26等のシーズを基に、2003年3月ワイズセラピューティックス株式会社設立。分子標的治療薬の開発を目指し、癌・アレルギー免疫疾患をターゲットとする。
片山栄作:1分子生理学は、生命のナノマシーンである蛋白質の作動機構を調べるための強力な武器となった。われわれは、それに呼応する「1分子の構造生物学」を推進するため新技術を開発中である(図2)。
井上純一郎:TRAF6蛋白質の機能抑制は、骨新生を促す。高齢者のQOLに大きく影響する骨粗鬆症、関節リウマチなどの運動器疾患の治療薬の標的としてTRAF6は極めて有望である。
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