展示内容:
火力発電所,定置式ディーゼルエンジンなどの固定発生源からの排ガスに対して,集じん装置(PM微粒子除去)や脱硫装置(DeSOx)は比較的経済的な後処理技術が確立されているが,脱硝後処理装置(DeNOx)には除去効率やコスト面で大きな問題がある。近年,我々は,大気圧非平衡低温プラズマ処理と化学反応プロセスを結合させ,プラズマによりNOをNO2に完全酸化させ,Na2SO3により還元し,無害なNa2SO4にするハイブリッド法により,副生成物の発生を抑制させつつ,選択触媒還元法(SCR)の25%以下の運転コストで高効率にNOxを除去する方法の開発に成功した。この技術をさらに進展させ,次世代のプラズマ利用,コンパクトな無触媒NOx,SOx,PM微粒子同時除去装置(図1(a))を考案した。実験結果(図1(b),図2)からCO,N2Oのような有害副生成物の発生を10ppm以下に抑制しつつ,NOxを75%,SOxを93%,および黒煙すすを88%以上除去できることを示した。本技術は,単一装置にて脱硝,脱硫,PMの処理が,無触媒,省スペースかつ大幅な低コストで可能なため,近未来の優れた環境保全技術に成り得る。その他,本研究室で行っているプラズマ応用技術の内,企業への技術移転が可能なものはホームページで紹介する。
<図1>
<図2>
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