「血管内の血流を測る局所血流速測定システム −光ファイバLDV(Laser
Doppler Velocimeter)の開発−」 工学部教授 大場謙吉
微細な光ファイバーセンサーを血管壁から刺入して血流の局所瞬時の流速を測定するために,クラッド径125μmの光ファイバー先端を化学エッチング式微細加工法により凸レンズ面状に加工し,出射レーザー光をファイバー先端に集光できるレーザードップラー血流速センサー(光ファイバLDV)を開発した.出射レーザー光は端面のレンズ面の形状によりファイバー先端から50〜500μmの任意の位置に集光させることが可能である.このセンサーによって世界で初めてヒト全血中の局所流速を測定することに成功した.
これにより,血液だけでなく従来型LDVでは測定不可能な各種の不透明流体中でファイバー先端のレーザー集光位置における局所流速の正確かつ簡便な測定を可能にし,LDVによる流速測定の適用範囲を広げることができる.
これらの成果は,「レーザ流速計及びこれに用いられるプローブの製造方法」および「光ファイバの加工方法および光ファイバ」として特許出願中であり,レーザー流速計としてのみならず,光ファイバーセンサーとして様々な応用が展開できる.

