展示内容:
静岡大学の産学官連携組織は、地域社会の科学技術の発展と産業の振興に寄与すると共に、大学における教育研究活動にも活力を与え、相互に発展するために平成3年地域共同研究センターが、平成9年にサテライト・ベンチャービジネス・ラボラトリー、平成14年にインキュベーション施設が設置され、強固な地域連携により活動してきました。
平成15年には、これら産学官連携組織を統合・拡充し、共同研究開発部門、インキュベーション部門、未踏技術開発部門の3部門、知的財産本部の1本部からなるイノベーション共同研究センターとして生まれ変わり、共同研究・産学官プロジェクト研究、大学発ベンチャーの支援・育成、知的財産の創出支援・管理・活用を、系統的かつ強固な連携プレイで行う組織を実現し、積極的な活動を進めています。
〈図1〉
- 共同研究開発部門 専任教官 藤本正之教授 「光追記録ディスクを応用したDNA検出装置」
概要:新しい生体物質検査システムの実用化研究の一環として、光追記録ディスクCD−Rと微細加工技術を駆使して、光追記録ディスク内にマイクロキャピラリーアレイ(非常に微細な毛細管アレイ)を形成することで、DNA等の生体物質の電気泳動分離・検出・記録を一枚のディスクで実現することに世界で初めて成功した。
今回は、このDNA検出装置の紹介とDNAの検出・記録を行ったディスクの展示を行います。
- インキュベーション部門 専任教官 林正浩助教授 「金融機関との連携による産学連携スキーム」
概要:金融機関との連携による産学連携についてそのスキーム図を示すとともに、その実効性ついて事例を挙げて紹介します。また、守秘義務契約書ならびにガイドラインの整備についても紹介します。
- 知的財産本部 本部長 岡本尚道教授 概要:静岡大学知的財産本部は、平成14年12月に発足。近年の共同研究件数や特許出願件数の増加など、産学連携活動が盛んとなってきたこと、大学発ベンチャーの総合的支援の仕組みである静大ベンチャー・パートナーズ(通称:静大ファンド)の構想などが認められ、平成15年7月、「大学知財本部整備事業」採択校にも選ばれ、本格的Iな活動を始めました。平成15年度は、知的財産ポリシー、産学官連携ポリシー、利益相反ポリシーや職務発明規則など知的財産関連規則の整備をはじめ、知的財産取扱いをテーマとした知的財産説明会、発明創出から特許等権利化までの流れなどを詳解した知的財産講習会、大学発ベンチャー等起業化精神醸成を目的としたアントレプレナー講演会などを行い、学内外への啓発活動を進めてきました。
今回は、静岡大学における知的財産分野の組織と活動について紹介します。
- 静岡大学電気・電子工学科 篠原茂信教授 、(株)スペースクリエイション 「自己混合型半導体レーザ振動計システムの開発」
概要:静岡大学で長年にわたり研究開発していた自己混合型レーザ振動計原理をもとに、小型・軽量・操作が簡単である点が特徴の非接触式振動センサーを開発し、(株)スペースクリエイションが商品化しました。信号処理部、光学ヘッドの一体化によるポータブル化(ビデオカメラ程度)を最終目標として共同研究を行い、測定範囲を40μm以上とし、構成を簡素化することで軽量化・小型化・多点同時計測を達成させました。適応分野としては、振動テスト・マシンヘルスモニタリング・故障診断・構造解析などの分野です。
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