展示内容: がんの血行性転移が成立するうえで、がん細胞の障壁となるのが血管内皮基底膜である(図1)。この血管内皮基底膜を分解し、転移に都合の良い環境をつくり出す分解酵素の一つが、がん細胞の分泌するマトリックス・メタロプロテアーゼ(MMPs)である。我々は、細胞膜型ヘパラン硫酸プロテオグリカン・シンデカンがこれらのMMPsの中でMMP-2の活性化を抑制し、その結果、がんの転移を抑制することを明らかにしてきた(図2)。今後、これらの研究結果をふまえて、転移抑制剤の開発を進めていく予定である。
<図1>
<図2>